2012年2月27日月曜日

日本の政治家は電力会社や規制機関より知識があるのかもしれないが。。。:NRCメザーブ氏

元NRCの委員長、メザーブ氏によれば、原子力規制機関は電力会社を管理するだけではなく、事故後の対応の責任を負うべきといい、総理のベント指示について、「日本の政治家は、電力会社や原発に関与する公的機関よりも知識があるのかもしれないが」と皮肉った。

なにかというと菅元総理をスケープゴートにしようという動きがあるようだが、稼働中の浜岡原発を停止させたこと、災害現場を放棄して、社員を撤退させるなどというような提案を打診してきた東電本社に乗り込んで、檄を飛ばしたことは、彼が首相としてやった唯一の貢献といっても過言ではない。財務省や経済界へのご機嫌取りをすること以外に脳のないどじょう内閣の元で、この大きな原発災害が起こっていたら、今頃日本は、東京はどうなっていただろうかと思うだけでも背筋が凍る。

総理が動かざるを得なかったのは、原子力ムラが無能でまったく機能しないことをいち早く認識したからであろう。安全神話に酔いしれるばかりの電力会社の原発担当も、保安院も、それを支えるはずの御用学者もみんなまごつくばかりで、全電源喪失という事態に対して、適切な対応ができるだけの英知を備えた専門家が原子力ムラの中に誰一人としていなかったことは、NRCの議事録を見ればよくわかる。

その菅総理とともに原発の災害対応に当たっていたのは今の経産大臣である枝野氏と、3月15日以降、東電本店に常駐して菅総理の手足になって動いていた今の原発担当相の細野氏であるが、両名は共同責任を問われないばかりか、この分野に関して全くのど素人であるにもかかわらず、いまだ原発再稼働や、国の原子力政策決定に大きな権限を持つ立場に君臨していることに、メディアが何も疑義をさしはさまないのは非常に大きな疑問である。

ストレステストは津波・地震対策用であり、このテスト自体の、あるいはそれを実施・チェックする仕組みの問題性、欺瞞については、京大の小出助教や、元原発設計者の後藤氏らが繰り返し指摘しているところであるが、細野氏に至っては、立地自治体や周辺自治体に対して、丁寧に「原発の安全性と必要性」を説明しさえすれば、大手を振って再稼働に舵を切ってもよいと考えているようである。

しかし、原発の安全性とは一体何なのか。隣国がミサイルを一機突入させたときに、宇宙ゴミと化した人工衛星の大きなかけらが降ってきたときに、あるいは航空機が事故で墜落した場合に、あるいは想定外の大きな津波や地震が原発を震源地として発生した場合に、日本の原子炉はどこまで安全といえるのか、

アメリカはテロや航空機突入に対する対応の義務化を10年前に実施しているというが、日本はそれについてもこれまで資料を国民に公開しなかったばかりか、まったく何ら対応してこなかったという。
アメリカやフランスと異なり、原発の立地にとって致命的な地震・津波大国であるという点を全く考慮せず、いったいどんな根拠をもってして、安全といえるのか。

再稼働についての丁寧な説明とは、立地・周辺自治体にどれだけ新たな税金をばらまき、生活保障をするかというネゴシエーションを意味するのだろうが、そういう非生産的な税金の無駄遣いは、いい加減に辞めてもらいたい。それだけの費用があれば、電力の自由化に注いでほしい。一時的な国有化をしてほとぼりが冷めたころにゾンビ企業を復活させるようなムダは廃して、さっさと東電に破たん処理をやらせ、その過程で発送電の分離を実施し、再生エネルギーの開発事業に全力をあげてもらいたいものである。そうすれば、そこに新たな雇用の場も創出されるはずである。

3.11ではっきりわかったことは、結局原発災害が発生したとき、放射能汚染の不安にも脅かされたうえ、最終的に高いつけ回しの被害を被るのは、電力会社でも、株主でも、取引銀行でも、大企業でもなく、立地・周辺自治体以外の地域で生活する勤労者なのである。ゆえに、立地自治体の意向などよりも、本来は、それ以外の地域に住み、所得に対する納税率が高い中流の納税者層の意向を何よりも優先させるべきではないのか。


http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/544986/

原発再稼働容認3町村のみ 原発相「地元の理解が重要」

2012/02/08 00:32

 産経新聞が原発立地自治体に行ったアンケートで、ストレステスト(耐性検査)により安全性が確認された原発の再稼働を「容認する」としたのが3町村にとどまったことについて、細野豪志原発事故担当相は7日の閣議後の記者会見で、「原発のあり方そのものを含めて、地元の自治体の理解が非常に重要。できる限り丁寧な対応が求められる」と述べ、政府として地元に対する説明責任を果たしていく必要性があるとの認識を示した。
 枝野幸男経済産業相は同日の会見で、「地元の説得にあたっては安全性が確認されることが前提で、まだ安全性が確認されているものはない。(説得は)その次の段階」と述べた。
 ストレステストは、想定を上回る地震や津波が起きた場合の原発の安全性を確かめるもので、11原発16基の報告書が経済産業省原子力安全・保安院に提出されている。
 本紙アンケートに対して再稼働を容認すると答えたのは、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村、関西電力高浜原発がある福井県高浜町、九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町の3町村にとどまった。
 細野氏は「保安院でストレステストについて確認したうえで、地元の皆さんに説明していく」としたうえで、「できるだけ丁寧に多くのみなさんにご理解いただくことが重要」と述べ、立地自治体だけでなく周辺自治体の理解も求めていく考えを示した。

2012年2月25日土曜日

議事録のない国、日本

  小学校の生徒会、いやもっと小さなホームルームのようなところでさえ、あるいはPTAの集まりみたいなものでさえ、日本では書記の役割をする者がいて、緊急時であれ、平常時であれ、「会議を開けば議事録はとるもの」と相場が決まっている。なのに、国の運命や国民の安全が左右されるような重要な決定をいくつも下さなければならなかった、政府の原発関連の災害対策会議で、誰も議事録をとっていなかったーーいくら緊急時とはいえ、彼らは小学生以下であったということである。

一昨日WSJのウエブ版に、3.11の原発災害が発生してから最初の10日間の、アメリカのNRCによるフクイチへの対応に関する電話会議についての3000ページに及ぶ議事録が公開された。

http://jp.wsj.com/Japan/node_396779

日本政府の対応がどれほどお粗末であり、東電が非力であったかは、この議事録からも、以下の同じくWSJに掲載されたNRCの日本調査団のトップであったCast氏の弁からも明らかである。

日本側からは原子炉に砂を入れてはどうかなどというような意見が出るほどで、水で冷却しなければならないことをNRCが日本側に教えなければならないようなお粗末な状況だったようである。

その間、のほほんとテレビ出演し、メルトダウンを否定し、直ちに健康被害はないと繰り返し、数々の対策会議を開きながら、その間議事録も作らなかった原子力工学の専門家や当時の官房長官をはじめとする閣僚、保安院をはじめとする関係省庁の官僚に、いまなお日本の国の原発政策を左右する程大きな発言権・決定権を持たせていることに疑問を感じるのは薔薇っこだけなのだろうか。

原発災害が発生してからの議事録がまったく何もなかったということについて、当時の政務3役をはじめとする関係閣僚や原発担当官僚、災害対策関連会議に出席していた主要メンバーは、当然全員引責辞任または、公文書管理法違反で処分されるすべきである。しかし、辞任どころか、それについて、ほぼ1年たった今も、一切お咎めなしで済まされている。実に不思議な国である。

政府や関連機関が議事録をきちんと保存し、国民にそれを公表することを義務付けているアメリカに比べて、日本はなんと民度が低い国かと思われても、われわれの社会がこういうことをずるずる黙って許している限り、まったく反論の余地もないのではないか。

青木理は、一貫して圧力に臆せず、日本の原発をとりまく政策やシステムの問題点を明らかにしてきた数少ない勇気あるジャーナリストである。

その彼は朝日ニュースターの青木理の眼で、「議事録を残さなかったのは、歴史に対する裏切り」である。「公文書は健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産」「公文書は政治家・官僚のものではなく、国民のもの」と述べている。

東京新聞ウエブページによれば、藤村官房長官は、これをあたかも他人事のように「遺憾」という言葉一つで片付けてしまっているが、あまりにも軽々にすぎるのではないか。

こんな民主主義の根幹を揺るがすような悪行に手を染めた政党を私たちはいつまで与党として黙認し続けるのか、「一国の総理大臣がころころ変わるのは対外的に恥ずかしい。とにかく誰でもいいから、続けてやってもらいたい」という意見を持った人が多い。

しかし、そんな理由で国のビジョンも何も持たず、有権者への約束を反故にし、大企業と官僚の手先になってただ増税と原発再稼働にやっきになっている烏合の衆に、小学校のホームルーム以下のことをやっているような人たちに、私たちの将来を託してよいものだろうか。


一国の命運を左右する首相が「庶民的な泥臭いイメージで、墓穴を掘らない詭弁さえ弄することができれば、誰だれでもいい」わけはないはずである。

http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/9508/

FEBRUARY 22, 2012, 9:50 AM JST

U.S. Nuke Official: ‘This Is Too Big for Tepco’


Talk about tough assignments: Chuck Casto, a veteran U.S. nuclear regulator, arrived in Japan on March 16, 2011, to figure out what was going on at the Fukushima Daiichi nuclear plant and help Japan fix its problems.

Chuck Casto
Nuclear Regulatory Commission official Chuck Casto led the U.S. commission’s Japan response.
Mr. Casto plays a starring role in transcripts released Tuesday of phone meetings involving U.S. Nuclear Regulatory Commission headquarters and its people in the field. Barely sleeping, Mr. Casto, the head of the NRC team dispatched to Tokyo, briefs his bosses with often-harsh assessments of Tokyo Electric Power Co.’s initial response.
“This has really overwhelmed Tepco,” he said late Wednesday, March 16, U.S. time. “You know, this is too big for Tepco.”
Mr. Casto and other U.S. officials found fault with Tepco’s initial effort to pour water on the plant from helicopters, saying it was doomed to failure. On Thursday, March 17, U.S. time, Mr. Casto told headquarters, “We don’t want to be like them in terms of just throwing solutions at the problem.”
Mr. Casto was a central figure in the U.S. decision to call for a 50-mile evacuation zone with his repeated insistence that a pool with spent-fuel rods at reactor No. 4 was likely empty and spewing radiation.
In an interview Tuesday, Mr. Casto told JRT that the only evidence Japan could show for water in the pool was a handful of still frames from a video that the Japanese side refused to hand over. The frames seemed to show a glint of water in the pool, but Mr. Casto wasn’t persuaded.
“I said, ‘I just don’t see it,’ and I didn’t,” he recalled in the interview. He placed more credence in U.S. evidence that seemed to show the pool was destroyed.
In the transcripts, he says, “I’m ever more convinced that there’s nothing there. … And I just have to stake my career on it.”

Bloomberg News
Tepco officials receive a safety inspection from the Nuclear and Industrial Safety Agency at the Fukushima Daiichi nuclear plant on Feb. 20.
Ultimately, Japan concluded there was water in the pool the whole time. In the interview, Mr. Casto partly conceded the point, but said he still believes the problems at No. 4 may have been more severe than Tepco thinks.
“I don’t think that the complete story is out. Until you pull the fuel out, you don’t know what happened,” he said. He also questioned Tepco’s theory that the March 15 explosion at No. 4, which was the source of the concern about damage to the fuel pool, was caused by a leak of hydrogen from reactor No. 3.
“It needs to be proven to me still,” said Mr. Casto, who wondered whether damage to fuel rods in No. 4 could have set off the explosion.
Mr. Casto gave much higher marks to Tepco for its response after the first 10 days. Around March 22, the U.S. started getting access to high-level Japanese officials at daily meetings. According to Mr. Casto, his team helped Japan develop the road map that resulted in the plant being declared officially under control in December.
“They were knocked to their knees, but then they got up and started walking and running,” he said.
深刻さ認識 米緊迫 福島事故で規制委

2012年2月23日 朝刊
【ワシントン=共同】東京電力福島第一原発事故で、米原子力規制委員会(NRC)が公表した電話会議などの議事録で、原発から三百キロ以上離れた場所にいる米国民についても、自主避難を呼び掛けるかどうか議論していたことが二十二日、明らかになった。
 実際には、米国による避難勧告は半径八十キロ以内だったが、自国民の安全確保を最優先に、さまざまな検討を行った様子が浮き彫りになっている。
 昨年三月十三日の議事録によると、第一原発から百八十五キロ離れた海域で、米側が通常の約三十倍の放射線量を検出した。
 当時、日本は半径二十キロを避難指示、二十~三十キロを屋内退避としていたが、同十六日の電話会議の出席者は「もはや日本の避難勧告には同意せず、原発から五十マイル(八十キロ)以内の米国民に避難を勧告する」と伝えた。
この日の別の電話会議では、ある出席者が「第一原発から二百四十~三百二十キロで場合によっては一~二レム(一〇~二〇ミリシーベルト)の被ばくになる」との予測を示し「この水準の被ばくを避けるため、自主的な避難を勧告するのが理にかなうことではないか」と主張した。
 議事録には、別の出席者が否定的な考えを示したにもかかわらず、なおも「正しいのは、被ばくを合理的に達成可能な限り低く抑えることだ」と食い下がる様子が克明に記録されている。
同十七日の議事録には、米国民を避難させる飛行機の手配に関するやりとりも。ある出席者は、フライトの半分は大使館員用、もう半分は一般の米国民用と説明。さらに「避難は自己判断だが、できるだけチャーター機を準備しようとしている」と述べた。
藤村修官房長官は二十二日の記者会見で、米原子力規制委員会が、東京電力福島第一原発事故発生直後から炉心溶融の可能性を指摘していた内部文書を公表したことに関し「当時の対応は政府や国会が検証中で、コメントすることはない」と言及を避けた。
 原発事故当事国として、震災関連会議の議事録が作成されていなかったことに関しては「記者会見などで情報発信はしたが、文書で随時記録されていなかったことは事実。誠に遺憾だ」と述べた。

2012年2月23日木曜日

脱原発のドイツが原発国フランスに電力輸出:原発擁護論の謎

原発の安全神話が崩壊した去年の3月以降、原発推進の御用学者やそれにつながる大型メディアから、私たちはことあるごとに、原発は安定した電力供給が可能な唯一のもっとも安価なエネルギー源であり、原発という選択肢を選ばなければ、たちまち電力不足に陥り、日本の経済は空洞化すると吹き込まれてきた。

しかし本当にそうなのだろうか、あまりにも疑問点が多い。

まず、原発災害の直後にアメリカ政府が、原発に頼らなくても、日本のエネルギー供給には問題がないと発表したことについては、このブログにも関連記事を転載した。

これは、国家間の安全保障にも関わる重要な事項であり、米政府の関係機関が、日本の夏の猛暑や極寒の冬を想定もせずに、あてずっぽうにはじき出した試算ではないはずである。日本政府はこの報道について何も反応をせず、やっと今年になって枝野経産相が遅まきながら、今年の夏の電力は全原発が停止しても、問題はないと公式の場で認めた。そして、この発言についても、いまだ誤りであったとの撤回はなされていない。

この2つの情報だけをとってみても原発などなくても、(現存の火力、揚力、水力発電所、あるいは企業の自己発電だけで)、十分にやりくりができるということを示していると言えるのではないのか。

もちろん、九電の火力発電所のように発電所が事故など起こせば、たちまち電力不足をきたす。しかし、大きな火力発電所や水力発電所が大事故を起こしたところで、その収束の容易さは原発災害とは、時間的にも、経済的にも、まったく比較にならない、取るに足りないものであることを私たちはフクイチの原発災害で思い知った。

風力発電のプロペラの軸が折れようが、火力発電所が爆発しようが、発電所とその周辺何十キロにも及ぶ家や、森や、大地や、海や、水や、生物のすべてが汚染にまみれ、事故の収束に何十年もの歳月と、何十兆円という費用がかかったり、立地自治体、周辺住民の健康被害どころか、狭い国土に生きる大多数の国民が汚染の不安に駆られるようなことにはなりえないからである。

しかし彼らはいうだろう。「今ある発電所のどこかで、事故が起こればたちまち電力供給ができなくなるから、やっぱり既存の原発の再稼働は不可欠だ」と。

ところが、この種の説明も、もはやまったく説得性をもたない。2月に起きた九電の大分火力発電所の事故のときは、電力不足であるはずの関西電力や東電が、九電に電力供給をしたというではないか?
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201202/2012020300145

そのことについては、薔薇っこの過去のブログの中でもニュースを転載してきたし、以下に掲げる「Web論座」の竹内敬二氏記事(抜粋)の中でも論じられている。

確か、電力関連のお偉い専門家の概説によれば、西と東は電圧が違うので、電力の融通はできなかったはずなのでは?「できない、できない」といっておきながら、いざとなれば、ちゃんと、できているではないか?ここにも何か嘘があるようである。

もうひとつ、「原発の電力安定供給」 という点についても、大きな疑問がある。

電力の7割を原発が占めており、電力の安定供給ができるばかりか、他国に輸出までしている原発大国フランスが、フクイチを教訓に脱原発をめざしているドイツから、この冬電力供給を受けなければ、やりくりできない状況が現実のものとなっているのである。

冬のフランスは寒い、しかし、ドイツも負けず劣らず寒い。だから今年のフランスは例年になく寒いからなどという気象条件はまったく理由にはならない。

今は、その種の番組はすっかり姿を消したが、一時は、日本のエネルギー問題をめぐって、専門家が、お茶の間のテレビ番組に登場し、討論を繰り広げることが、昨年の春から夏にかけて何度かあった。

自然エネルギーの推進、あるいは脱原発の主張をする、どちらかといえばおっとりした能弁とは言い難い専門家に比べて、原発擁護派はしっかりした論客をそろえていることにも薔薇っこは大きな疑問を感じた。

しかしそれ以上に、前者がドイツを例にあげて日本でも脱原発は可能だと言うと、たちまちその議論を遮って、後者の御用学者の方々が、小馬鹿にしたような口調で、「ドイツは脱原発といってはいるが、フランスの原発で作った電力を輸入できるから、脱原発なんて言ってられるのです。日本は島国で、ドイツのように隣から融通してもらうなんてことできないんです」とばっさり斬り捨てておられたことが、今も記憶に(DVDにも)しっかり残っている。

しかし事実は全く異なるではないか。おまけに、原発推進派のサルコジは現在苦戦中で、対抗馬と目されているフランソワ・オランド大統領候補はフランスの原発依存のエネルギー政策に歯止めをかけようとさえしているのである。

原発推進派、擁護派の議論は様々な現実の中ですでに完全に破たんをきたしている。安全でもなく、安定供給ができるわけでもなく、安くもない原発を一体だれのために再稼働させる必要があるのか。

最近は何かといえば、立地過疎地の住民の声が焦点化され、原発をとめられると生活できなくなるからという報道が意図的に流されている感がある。

私たちは、全国の過疎地にある原発立地自治体やそこに居住する、わずかな住民の生活を守るためだけに、国民の健康や安全を犠牲にし、原発事故によって生じる膨大な負債のつけを延々と支払わなければならないとでもいうのだろうか。

オルタナティブがあるならば、そして今のように原発をめぐる目を覆いたくなるような事実が白日の下にさらされていれば、薔薇っこは断じて東電の汚い電気など、びた一文たりとも買わなかったであろうし、これからも断じて買いたくない。たとえ原発を利用しない主義の電力会社に、2倍、3倍の電気料金を支払わなければならないとしても。

それは決して薔薇っこがリッチで、生活にゆとりがあるからではない。

夏の電力節約術については前にブログにもいろいろ書いたので、何度も繰り返さないが、それに加えて、ヘアドライアーや洗濯物の乾燥機を、自然乾燥に代えてでも、冬の寒さをガス暖房に変えてでも、そうしたいと思うし、そうしなければならないと思う。

もちろん電力会社が送電線の独占を放棄し、発送電分離が理想的な形で行われ、スマートグリッドなどの制度が速やかに導入され、原発以外のエネルギー利用の推進が国を挙げて積極的に進められさえすれば、オルタナティブの会社に2倍の電気料金を支払わなければならないような事態も生じないはずであるけれども。

以下関連記事を転載する。


http://mainichi.jp/select/world/news/20120220dde001030011000c.html

ドイツ:脱原発しても…電力輸出超過 再生エネ増、消費減で
【ブリュッセル斎藤義彦】東京電力福島第1原発事故後に「脱原発」を決め、国内17基の原発のうち約半数にあたる8基を停止したドイツが昨年、周辺諸国との間で、電力輸入量よりも輸出量が多い輸出超過になっていたことが分かった。脱原発後、いったんは輸入超過に陥ったが、昨年10月に“黒字”に転じた。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの増加と、全体のエネルギー消費量を抑える「効率化」が回復の要因だという。厳冬の影響もあり、電力不足の原発大国フランスにも輸出している。

 ◇「原発大国」フランスへも

欧州連合(EU)加盟27カ国など欧州の34カ国の送電事業者で作る「欧州送電事業者ネットワーク」(ENTSO-E、本部ブリュッセル)の統計。冬はエネルギー消費量が最も多いことから、ドイツ政府は「(脱原発決定後の)最初の試練を乗り切った」(レトゲン環境相)としている。
ドイツは昨年3月の福島第1原発事故後、17基の原発のうち旧式の7基を暫定的に停止し、その後、1基を加えた8基を昨年8月に完全停止した。震災前は周辺国との電力収支が輸出超過だったが、昨年5月に輸入超過に転落した。フランスからの輸入が前年の3割増になるなど昨年9月まで輸入超過の状態が続いた。
しかし、昨年秋に入ってから好天が続き、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電に有利な条件が整った。また、ドイツ政府が住宅の断熱化などエネルギー効率化を推進したのに加え、原油価格の高騰も手伝って、エネルギー消費量が前年比約5%減になった。このため昨年10~12月の電力収支は輸出超過を回復。11年の通年で約4200ギガワット時の輸出超過になった。
今年2月に入り、欧州各地で氷点下10度を下回る厳冬になると、電気暖房が全体の3分の1を占めるとされるフランスで原発をフル稼働しても電力が足りなくなった。このため、2月の17日間のうち6日間は電力需要の多い午後7時ごろを中心にドイツからフランスへの輸出超過になり、電力の7割を原発に頼るフランスが脱原発のドイツに依存する事態になった。
昨年のドイツの発電量に占める原発の割合は約22%から18%弱程度に低下する一方、再生可能エネルギーは約20%に上昇した。さらに、褐炭、石炭、ガスなどが微増しており、原発の目減り分を補っている。
一方、日本では再生可能エネルギーによる発電量(10年度)は全体の約10%にとどまり、太陽光や風力など水力以外の新しいエネルギーは約1%に過ぎない。
毎日新聞 2012年2月20日 東京夕刊


原発稼働ゼロでも「夏乗り切れる可能性」=枝野経産相

2012年 01月 27日 11:46 JST




[東京 27日 ロイター] 枝野幸男経済産業相は27日の閣議後会見で、原子力発電所の稼働が全くない場合でも電力需要に対応できる可能性はあるとの認識を示した。同相は「電力使用制限令や日本の産業に大きな影響を与えることなく乗り切るための検討は進めている」と述べた。

現在全国の原発54基のうち稼動しているのは3基。4月末に北海道電力(9509.T: 株価,ニュースレポート)泊原発3号機が定期検査に入り、他の原発の再稼働がないと国内で稼働する原発はゼロとなる。枝野経産相は原発の再稼働について「原発がこの夏どのくらい利用されるのかされないのかは、安全・安心という(電力需給とは)全く別次元で結論が出るので、どうなるかわからない状況だ」と述べた。

政府の試算では、原発稼働ゼロで一昨年夏並みの猛暑となった場合、最大電力に対する供給力が全国で7%不足する。稼働ゼロで夏の需給を乗り切れるかどうかについて枝野経産相は、「もし全ての原発が利用できないと電力需給は相当厳しいと予想されている。節電のお願いはしなければいけないが、電力使用制限令によらずに乗り切れる可能性は十分にある」と述べた。根拠については「数字も含めて様々な検討を進めている」としたが、具体的には示さなかった。

東京電力(9501.T: 株価ニュースレポート)への公的資本注入に関して同相は、「全く決めていない」としながらも、「東電の話ではなく、一般論として税金を利用して、(対象企業に対する)権限や責任を負わないのは納税者に対して無責任だと思う」と述べ、東京電力に公的資金を注入するには、議決権の確保が必要との認識を示した。

(ロイターニュース、浜田健太郎)

節電と全国融通で「原発ゼロ」を乗り越える。送電容量は「埋蔵金」                  2012年2月20日        
                  朝日新聞論説委員 竹内敬二氏

福島原発事故から4カ月後の昨年7月13日、朝日新聞は「原発ゼロ社会への提言」という論説主幹論文を出し、その中で「20~30年で原発ゼロをめざそう」と主張した。筆者も論説のメンバーとして議論に参加した。「原発を厳しい目で見るが、存在を否定しない」というそれまでのポジションとは大きく異なるもので、かなりの議論を重ねて出した決断だった。
それから半年、「運転原発ほぼゼロ状態」がこんな形で来るとは思ってもみなかった。そのゼロへの道のりは、劇的なものではない。定検で原発が順番に止まっているうちにここにたどり着いたもので、政治や社会の「一大決定」があったわけではない。ただ、「できれば原発を減らしたい」「簡単には再稼働して欲しくない」という意識は背景にあるだろう。
いま、多くの人はあっけにとられているのではないか。気がつけば、54基の原発がほぼ止まり、それでも社会が平穏に動いている。そして、この夏についても、「強制的な節電令を出さなくても乗り切れる可能性が大きい」(枝野幸男経産相)という。どういうことなのか。あまり使われなかった火力発電所がいかに多かったかを示している。節電の貢献も大きいだろう。
ただ、今後も原発の大量停止が続くかどうか。社会の大議論を経ているわけではないので、ストレステストが「妥当」とされ、保安院の「安全のための30項目」について「ほぼクリアできている」とされ、さらには「中期的にはもっと安全にする予定」などとなれば、雪崩のように再稼働が続くかもしれない。どちらに進むかは、社会における今後の議論にかかっている。
再稼働の考え方としては、1)安全性と需要面からの原発再稼働の必要性は分けて考える。2)この夏の需要を厳しく考え、ぎりぎりで供給力がいくら足りないのかを割り出す。
この二つだろう。2)についていえば、カギは「節電」と「広域融通」である。この可能性を最大限探るべきだ。
関西電力は「この夏20%の供給力不足が考えられる」といっている。これは、とんでもない猛暑だった「一昨年の真夏のピーク需要」と、「原発の再稼働がなかった場合の供給力」を比べたときのものだ。
この想定によると、9電力のうち6社で供給力不足が起き、日本全体でも9%の不足と計算される。
しかし、東日本を中心に節電が行われた「昨年夏の需要ピーク」と「昨年夏の供給力」を比べると、供給力不足は4社に減り、日本全体では供給力に4%の余裕がでる。
さらに、「東3社」(北海道、東北、東京)、「中西部6社」の2グループで考えると、どちらも余裕が出ることになる。つまり、50ヘルツ帯で電気を融通し、60ヘルツ帯で電気を融通できるとすれば、停電は完全に回避されるということになる。
昨年は関電を含む中西部ではあまり節電は進まなかった。今年、「ピーク需要を削れば料金が安くなる」ような制度を整えれば、問題は起きないという計算になる。「節電」と「融通」はきわめて強力な停電回避策である。
日本の送電網は、電気を広域融通できない分断された送電網になっている。欧州では欧州全体で一つの送電網をつくろうとしているが、日本では各電力会社ごとに国土を分割して営業し、送電網も分割されている。各社の送電網をつなぐ連系線も細く、自由な融通ができなくなっている。
そういわれてきた。しかし、最近、あっと驚く事態が起きた。2月3日、九州電力の新大分発電所(LNG、230万キロワット)が急に止まり、九電は、急きょ、全国に助けを求め、東電を含む数社から計240万キロワットを確保し、結果的には210万キロワットが融通された。
これは驚くべきことだ。公表されている連系線の容量でいえば、九電に入る量は30万キロワットしかない。なのにいざとなると240万キロワットが入るのである。
電力業界の説明では、『運用容量』は30万キロワットだが、設計上の能力である『送電容量』は557万キロワットだという。だから無理をすれば、240万キロワット程度は使えるのだという。しかし、いつもは30万キロワットだけを示している。それにしてもあまりに数字が違い過ぎる。「できれば連系線を使いたくない」という電力業界の思いが、「あまり融通できない」というポーズにつながっているのだろう。

2012年2月19日日曜日

良心的なジャーナリズムへの圧力か:朝日ニュースターの消滅

国会は昼の時間帯に中継されるだけであり、たまにまともな番組が放映されると思えば、隠れるように深夜に放送される。

テレビの世界は、低俗なお笑いや内容のないバラエティー、一色に毒され、ニュース番組のほとんどは、政府寄りの報道をリピートするばかり、たまに骨のあるキャスターや、ゲストが問題提起につながるような発言をしたところで、議論は深まるどころか、すぐさまCMが入ったり、スポーツや芸能記事で、混ぜ返しが図られ、巧妙に誤魔化されて終わってしまう。

新聞も、広告やスポーツ、どうでもいいような記事にばかり多くの紙面が割かれ、購読するに耐えない末期症状を呈している。

その中で、朝日ニュースターは異色の存在だった。

他の大型テレビ放送局とは異なり、権力に迎合するわけではなく、タブーとされるものにも臆せず、堂々と立ち向かおうとする姿勢が見えた。健全な民主主義国家にふさわしいメディアの在り様が、この朝日ニュースターの存在によって、かろうじて保たれていたといっても過言ではない。

その朝日ニュースターが消える。圧力に屈したのであろうことは、容易に推察されることであるが、
ニュースターのような番組をしっかり支えなかった視聴者のメディア・リテラシーの低さも、これに相俟っている。朝日が、新たにどんな番組編成をするのか、視聴者のメディア・リテラシーを育むような番組編成にするのか、それとも愚民化政策に与するつもりなのか、しっかり見守る必要がある。

以下J-Castのウエブサイト、イキイキ箕面通信のブログの一部を転載する。

http://www.j-cast.com/2011/11/12112795.html?p=all


来年3月でスタッフ全員退職 「朝日ニュースター」事実上消滅

2011/11/12 10:00

CS放送の「朝日ニュースター」が2012年3月いっぱいでスタッフが全員退職し、事実上「消滅」する。
   「記者クラブ問題」などメディアへの自己批判や、最近では積極的な「反原発」報道を繰り返すなど、「異色」の報道専門チャンネルとして熱心なファンを抱えている。テレビ朝日に事業を譲渡する形になるが、スタッフが全員退職することもあり、特色が薄れるのではないかと残念がる向きも出ている。

「ありきたりなチャンネルになってしまうのかな…」

朝日ニュースター、「事実上消滅」に惜しむ声も(写真は、朝日ニュースターのホームページ)
朝日ニュースター、「事実上消滅」に惜しむ声も(写真は、朝日ニュースターのホームページ)
   「朝日ニュースター」を運営する「衛星チャンネル」は、2012年4月1日付でCS放送事業をテレビ朝日に譲渡することで、2011年7月29日に基本合意した。衛星チャンネルは解散。スタッフも全員退職する。
   衛星チャンネルは、「正社員については、割増退職金の支給などを盛り込んだ希望退職を募ったところ、ほとんどの社員から応募がありました。再就職先も、最大限の努力をしています」と明かし、解散に向けての作業は粛々と進んでいる。
   「朝日ニュースター」はこれまで、討論番組や時事解説などに多くの時間を割いたり、記者会見の生放送や、ビデオジャーナリストによる取材を取り入れたりするなど、報道スタジオからニュースを伝える従来型のニュース放送とは異なるスタイルをとってきた。
   マスコミの検証番組やメディアへの自己批判などを取り上げることも少なくなく、ネットなどでは、
「ノーカット、リアルタイムの東電や保安院の記者会見など、これまでのニュース番組にはないものがあった」
「制作スタッフがすべて入れ替わってしまうと、今までのような内容で今後も放送されるのか」
「ありきたりなチャンネルになってしまうのかな…」
といった、惜しむ声が綴られている。

テレ朝「番組編成は現在検討中で、まだお知らせできない」

   衛星チャンネルは1989年10月に放送を開始したCS放送事業者の老舗。視聴契約世帯数は約570万世帯にのぼる。現在は朝日新聞の子会社で、テレビ朝日からも出資を受けているものの、テレビ朝日グループには属していない。
   2012年4月からはテレビグループ入りし、CS放送事業は「テレ朝チャンネル」との2チャンネル体制になる。
   テレビ朝日は「デジタル5ビジョン」(経営計画2011~13)の柱として、地上波テレビ放送を中心にBS放送やCS放送などの放送メディアやその他のメディアと、相乗的かつ有機的に連携してコンテンツを展開していく考えで、「朝日ニュースター」の事業譲受はそれを具現化したもの、と説明する。「最適な選択肢であると判断している」という。
   とはいえ、CS放送の2チャンネル化となれば、よほどそれぞれの特色を打ち出さないと視聴者は獲得できない。「新生・朝日ニュースター」は、いったいどんな番組編成になるのだろう。また、現行の番組で放送が継続されるものはあるのだろうか――。テレビ朝日に聞いてみたが、「番組編成、番組の内容については現在検討中であり、まだお知らせできる段階ではありません」と、コメントするだけだった。
   (追記)当初、見出しで「全員解雇」とありましたが、衛星チャンネルの指摘で、「全員退職」に変更しました。



昨日発売の「週刊現代」(12月10日号)に、「朝日ニュースターが消滅」というニュースが掲載されました。「どうなるの? CS朝日ニュースタースタッフ『全員解雇』」という記事です。朝日ニュースターに問い合わせると、「来年4月にテレビ朝日へ事業が譲渡される」ことが確認できました。しかし、「何が原因なのか」や、今後、番組内容がどうなるかについては「わからない」の一点張りでした。
 週刊現代の記事によると、視聴率が低迷し、親会社「朝日新聞」からの補助がなければやっていけない経営状態だったようです。しかし、まともなジャーナリズムがわずかに生き延びている「証し」と評価していただけに、少なからずショックを受けました。

人気番組の「愛川欽也 パックインジャーナル」や「ニュースの深層」などで、上杉隆氏らが、「脱原発」や「反TPP」を強く打ち出していました。それだけに、「体制側からは狙われるだろうな。危ないな。生き延びさせるには、視聴率を上げるのが一番だろうけど、多くの人が視聴してくれるだろうか」と、危惧していたのです。

朝日ニュースターには、おそらくさまざまな圧力がかかったのだと推測します。たしかに経営状況も苦しかったとは思いますが、親会社は朝日新聞です。なんとか持ちこたえられないものだったのか。親会社がテレビ朝日に変われば、経営は好転するのか。何の変哲もないありきたり番組なら、スポンサーがつくのか。

メディアを育てるのは、私たちだとつくづく感じます。権力を持つものは、メディアを「宣伝の武器」として利用します。政治的プロパガンダの道具です。普段は、お笑い番組や芸能番組などで、大衆の「愚民化」を徹底します。これは統治の基本的な手口です。ローマ時代に、皇帝はローマ市民に芝居や競技を提供しました。それが、大劇場「コロッセオ」や、映画「ベン・ハー」で知られる大競技場「チルコ・マッシモ」などです。

 政治的な鋭い批判がそらされるように、いろいろ苦心します。そして、現代の日本は見事にそれが結実しています。まともなジャーナリズムは息絶え絶えです。今回、朝日ニュースターの息の根を止める”力”が働きました。具体的に、たとえば「電通」などと名指しはしないことにしましょう。しかし、「電通」などがスポンサーをストップすれば、メディアの経営がたちまち干上がるのも事実です。

私たちは、政治的なセンスを磨きたいものです。私たち自身の現在のレベルは、とてもとてもの段階です。「お上任せ」「お任せ民主主義」が濃厚です。選挙で投票率が5割を切るのはザラ。時には30%台というのすら珍しくない。大多数の有権者が関心を持たない。そうした国がおかしくなり、沈没するのは自業自得です。そんな国を、次代の人々に残そうとしています。

2012年2月18日土曜日

フクイチに直下型地震の危険性:低すぎる危機管理意識

東京にM7クラスの直下型地震が、4年以内に70%の確率で、発生するというニュースが流れたのは、つい先ごろのことだが、ここにきてまた新たに、フクイチにおける大型直下型地震の危険性を、指摘する専門家が現れた。不思議なことに、後者のニュースについて、メディア各社は、大々的に取り上げてはいない。

従来、大きな災厄の危険性を予測して人心をあおるのは、決まって占い師や、まゆつばものの宗教者や予言者の類と相場が決まっていたが、3.11以降は、地震学者が、迫りくる列島の危機についてさまざまな予測をするようになった。

どのような予測が出ても、ベストミックスなどという美名のもと、国は当面は原発再稼働を推進するという政策に変更を加える気はまったくないようだし、東京の首都機能移転について真剣に考えることもまったくないようである。

この危機管理意識の低さはいったい何なのか。「来たるべき将来のために設備投資を行い、危機に備える」などといった無駄は一切省き、できるだけ現状維持のまま、稼げるうちに稼げるだけ稼いでさっさと自分たちの懐に入れてしまえば、あとは野となれ山となれということなのだろうか。

何かというと、外国との比較で自らの方向性を定めるという自主性のない政策決定をしてきたのが日本という国である。アメリカやフランスが原発を何基持っているからとか、アジアの新興国が原発を増産させるからというような理由で、どうして日本がそれに盲従しなければならないのか。

国土の小さな地震大国という認識があまりに薄い。地震や津波などで、崩壊する前に処分場を決め、全原発の廃炉作業を1日でも早く進めることこそが、この国の危機管理上、今もっとも急がれなければならないことである。原発をグラウンドゼロにしないためにも。

できもしない原子力制御の研究などに無駄な税金を投入している余力があれば、1日でも早く全炉廃炉にし、エネルギー不足に耐えながら、専門家が一丸となって、この小国に一番見合った安全で新しいエネルギー供給の方途を真剣に模索することこそが、真のイノベーションにつながるのではないのか。



http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/02/15/could-fukushima-daiichi-be-ground-zero-for-the-next-big-one/



Could Fukushima Daiichi Be Ground Zero for the Next Big One?

The heft from last year’s powerful March 11 earthquake shocked a sleeping fault line close to the Fukushima Daiichi nuclear plant back to life, according to a new scientific study. And based on their findings, the scientists who conducted the study warn the battered nuclear power plant should brace itself for another big one.

Reuters
The Fukushima Daiichi nuclear power plant in November 2011.
The new study from the European Geosciences Union, published on Tuesday, cautions that the seismic risk at the Fukushima Daiichi nuclear plant has increased because the magnitude 9 earthquake jolted the plates underneath the area into a more precarious position. But that’s not all: The real problem may be the fluids forming as a result of the Pacific plate digging under the adjacent Okhotsk plate. Japan’s northern region lies directly above the Okhotsk plate.
According to the scientists, the fluids threaten to swim up toward fault zones, where they can soak into the brittle crust of the earth along the fault line, reducing friction, pulling the fault lines apart and triggering another large earthquake.
While the epicenter of the March 11 quake occurred about 100 miles away from the Fukushima Daiichi plant, the scientists say the next big earth-shaker could be centered much closer. The scientists concluded it would be wise to strengthen the plant’s infrastructure accordingly. The report did not predict when the earthquake will hit, except to say it would be in the “near future.”
The team of geophysicists behind the study – all based at Tohoku University in Sendai City in northeastern Japan — analyzed a sample of over 6,000 earthquakes that occurred from June 2002 to October 2011, in the northeast region. With this data, they used seismic tomography to create a detailed portrait of the area that mapped out subterranean activity. The technique is similar to the way a CT or CAT scan can uncover tumors inside humans, the scientists explain.
The team focused on the strongest aftershock following the March 11 earthquake that was centered inland. That magnitude 7 temblor hit exactly a month after the March 11 quake, underneath Iwaki, a city located just 25 miles from the troubled plant.
“There are a few active faults in the nuclear power plant area, and our results show the existence of similar structural anomalies under both the Iwaki and the Fukushima Daiichi areas. Given that a large earthquake occurred in Iwaki not long ago, we think it is possible for a similarly strong earthquake to happen in Fukushima,” said team-leader Dapeng Zhao, a geophysics professor at Tohoku University, in a statement released Tuesday.
The big aftershock in Iwaki was caused by fluids ascending from the Pacific plate to the crust, said the scientists. The fluids are a product of the Pacific plate’s shifting beneath Japan’s northeast region. The plate’s movement raises the temperature and pressure of minerals inside it, causing them to dehydrate. The fluids released are then able to move around the thick rocks toward the upper crust. Mr. Zhao and his team believe that if enough of these fluids accumulate, they could push fault zones apart, raising the risk for serious seismic activity. The rocks below where the 1995 Kobe earthquake occurred underwent a similar process, the report says.
Iwaki has such a fault zone, which had been largely dormant until stresses from the March 11 earthquake jerked it back to life, the report said. According to the report, Japan’s seismic network recorded over 24,000 tremors around Iwaki, in the seven and a half months following March 11. That number is far higher than the 1,300 quakes detected in the same area in the nine years before then.
What is more, the paper concludes, the Fukushima Daiichi plant sits on top of crust displaying the same traits as the crust under Iwaki. The paper notes that the seismicity near the plant is relatively low compared to that near Iwaki, but says the ascending fluids can still be a threat. A fault line that runs close to the plant could be weakened by these fluids.
The paper’s parting words: “Therefore, much attention should be paid to the FNPP (Fukushima nuclear power plant) seismic safety in the near future.”
Comments (5 of 5)
    • one thing is clear now: you can not build/use nuclear plants and that kind of stuff on planet earth because planet earth is a geologically active planet
    • @Cleo. Amount of radiation in Tokyo is lower than New York. It is half of London. This is fact. Seattle had a big earthquake and tsunami 300 years ago.
    • They KNOW this and they still push for foreign tourists? How is THAT “honourable”? Gad, the BIGGEST A-bomb ever built BY Japanese FOR Japanese.
    • Japan needs to shut down their remaining nuclear plants down as soon as possible and buy gas from the U.S.
    • There is a largely unrecognized threat that can affect all nuclear plants. See 400 Chernobyls? on the Aesop Institute website to understand why and how.

      ボロボロ福島原発に直下型地震の危険―間近の断層に不気味な水溜まり

      2012/2/16 11:54

      福島第1原発に直下型地震の懸念があると、東北大大学院の趙大鵬教授(地震学)らが発表した。原発近くを走る双葉断層の地下の様子が、昨年4月(2012年)に震度6弱の余震を起こしたいわき市の井戸沢断層に似ているのだという。「似ている」とはどういうことか。

      3・11直後の震度6「井戸沢余震」に酷似

         双葉断層は第1原発の西を南北40キロにわたって走っていて、北端は宮城県にかかる。原発までの距離は数キロ。趙教授は地下の構造に異常があって、地震を引き起こす可能性があると欧州の専門紙「Solid Earth」 に発表した。
      心配ですよ
         いわき市にある井戸沢断層は東日本大震災の1か月後に発生した震度6弱の余震の震源になった。趙教授らの研究では、2つに共通しているのが地下にある水の存在。この水によって、4月の井戸沢地震が起った。同じことは双葉でもありうるというのだ。
         井戸沢地震は地表にはっきりと断層が顔を出したことで知られる。田中良幸リポーターがきのう15日(2012年2月)、この断層をたどった。道路脇の側溝はいまもコンクリートが浮き上がり、鉄製のフタなどがねじれている。中学校の体育館の床はまだ傾いたままだ。山林に入ってバックリと割れた断層を追うと、川もないのに小さな池ができていた。地下から吹き出した水に違いない。地元の人たちは、「突き上げるような衝撃」と「バリバリという音」で断層の崩壊を感じたという。
         趙教授は「地震の時期、規模は言えません。ただ構造の異常がよく似ているということだ けです」という。しかし、もし起きたら福島原発はどうなるか。専門家は循環冷却系が破損する可能性をいう。当然、放射性物質が放出されるだろう。


      東電「大丈夫」と対策とらず

         しかし東電は、「万一起きても、建物の健全性は確保される。冷却系も回復が可能」という。いつもの答えだ。地震が起るなんて考えてもいない。

         司会の小倉智昭「いわきの地震は単なる余震として片付けていたので、こんなに被害が出ていたとわからなかった」
         田中「いわきの人たちは東日本大震災も経験しているが、それ以上だった、この世の終わりだと思ったとまでいってました」
         真鍋かをり(タレント)「原発ができた時はこんなこと知らなかったわけでしょう。心配ですよ」
         小倉「耐震補強だってできない状況でしょう」

         地震に耐えるかどうかだが、田中は耐震強度を加速度(Gal)を示した。福島原発の6つの原子炉が想定している加速度は412から487Galで、3.11のときは一部で550Galに達したが、概ね許容範囲内だったとして、補強を行わなくても安全としている。しかし、4月11日に起った井戸沢の地震(M7.0、 震度6弱) の最大加速度は2071.1Galだった。原発5号機の設計者の上原春男氏は「2000Gal以上の地震が直下で起きたら、正直怖いですね」と話す。
         小倉「いま危機感をあおっても仕方ないが、こういうことがわかったら注意が必要だろうね」
         といって、補強すらできない。東電はどうして平然としていられるのか、それも不思議。


      福島原発で直下型地震の恐れ=「耐震強化必要」―東北大教授ら

      時事通信 2月15日(水)20時0分配信
       東京電力福島第1原発から数キロ西にある双葉断層で、直下型地震が起こる可能性が高いことが、東北大学の趙大鵬教授(地震学)らの研究で分かった。地下から上昇してくる水が断層に入り込み、滑りやすくなって地震が起こるといい、趙教授は「原発の耐震強化が必要」と話す。
      研究成果は欧州の専門誌「Solid Earth」に14日、掲載された。
      趙教授らは、福島県いわき市で2011年4月11日に起きた地震(震度6弱)を引き起こした井戸沢断層と福島第1原発のすぐ近くにある双葉断層の構造を調べ、「両者の地下構造がよく似ている」(趙教授)ことを突き止めた。
      二つの断層の地表から地下150キロを比較したところ、それぞれの断層の下で水が見つかった。太平洋プレートに含まれていた水が、地下の圧力で上昇したと考えられるという。井戸沢断層ではこの水が断層に入り込み、滑ったことで地震が起きたとみられ、趙教授は「双葉断層付近の水がさらに上昇して断層に入ることがないか監視すべきだ」と指摘する。