2011年5月4日水曜日

このご時世に、ODAの倍増?

震災からすでに来週で2ヶ月になろうというのに、まだ10数万人の人々が住む家もなく避難所で不自由な生活を余儀なくされているというのに、日本の外相はアフリカへのODA支援の倍増を表明したという。

海外支援といえば、日本の場合経済支援が中心になるが、もっと海外支援のできる人材を広く養成して人的支援をする方法を考える必要があるのではある民放のニュース番組のキャスターが述べていた。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/africa_support_of_japan/

税金のばら撒きという点でいえば、政府は震災で自主的に本国に一時(?)帰国した国費外国人留学生への帰国支援として飛行機代を支給することに決めたという。

経済的にゆとりがある状況下で、国が途上国援助や留学生支援などを通して国際貢献をすることは一定重要なことである。

しかし、今の日本はどんな国情にあるのか、財政は火の車で、年金財源を流用しなければ、被災地への一時的な支援さえ、事欠くような状況ではないのか。経済不況の中でさらなる重税を課したり、公務員の給料をカットしなければ復興財源が確保できないといった議論さえ湧き上がっているようなひどい状況であり、気前よく、海外に多額の税金をばらまいているような状況でないことは火を見るよりも明らかなのでは?

万が一、年内にもう一度大きな地震が本州のどこかに広域に起きた場合、政府は被災者の救援・救出にどう備え、対応するつもりなのだろうか。復興会議を開いてあれこれ議論するのはいいが、そうしたことも十分想定しつつ、現実的な対応を考える必要があるのでは?

「場当たり的」と言われ続けるのは、何でも想定外、想定外と言い逃れをして、来る将来にいつ起こるかもしれない大災害や最悪の事態に備えるという危機管理意識が全く欠落しているからである。

対中、対ロ、対米など、今日本が外交上もっと優先的に可及的速やかに取り組まなければならない重要な事案はいくつもあるはずである。このような時期に、わざわざアフリカにまで出かけて行って海外に税金をばらまいているような状況でないことは、火を見るよりも明らかなのではないか?

日本政府は、長年懸命に働き、こつこつ税金を収めてきた被災地にいる国民よりも、外国人の福祉や幸せのほうが大切なのだろうか。原子力災害に遭っても、ろくな救済措置も施されず、「直ちに健康に影響はないから」と、高濃度の放射能物質が飛散している最中長期にわたって屋内退避をさせられたり、自主避難と言われたりしながら、右往左往させられ、日々じわじわと被曝+内部被曝をしている福島の被災地の人たちを思うと、そのように思われてならない。

国が衰退しているということを諸外国に知らしめたくないというメンツやプライドを保持したいならば、お役人や政治家が、私財を投じていくらでも支援なさればいい。そもそも、そんなに国のメンツやプライドが大事ならば、あのような自らの無知、無能を世界に曝し出すような、まずい原発対応を行うべきではなかったのでは?