2011年8月11日木曜日

イギリスの暴動は単なるニート爆発?:日本が今考えるべきこと

イギリスの暴動は政治性のない単なる略奪行為、ニートによる暴動として捉えられ、問題はあたかもツィーターやフェースブックなどネットの広がりによるものであるかのような取り扱いをするメディアが多い。


暴動は黒人青年の射殺事件に端を発し、ロンドンから全国各地の大都市に拡大し続け、来年ロンドン五輪を控えたイギリス政府は鎮静化に必死である。しかし、権力による封じ込めが、最善の改善策かどうか、よくよく考えてみる必要がある。


なぜならば、この暴動の背景には、カラード(特に黒人やアラブ系住民の貧困層)が占めるニートの比率や、高い失業率があり、多文化主義に失敗したイギリスにおける人種的マイノリティに対する移民政策の問題、人種的偏見の問題が根底にあるからである。


日本が他山の石としなければならないのは、ネット取締まりの強化ではなく、今後大量の移民受け入れをして、福島原発の廃炉の後始末を始めとする、日本の若者が誰も進んでやりたがらないような、きつい汚い3K労働を低賃金で彼らに押し付け、彼らを踏み台にして、安穏と社会の繁栄を実現しようとすれば、何年後かに必ず同じような、大きなしっぺ返しを食うに違いないということである。


日本のひきこもりのニートたちも、携帯やパソコンを与えて、放っておいたら何をしでかすかわからないと言わんばかりの報道は、見当違いも甚だしいと言わねばならない。


その一方で中国から優秀な人材が少しずつではあるが日本の労働市場に流入し、日本の若者の雇用をおびやかしている現実にも目をそらしてはなるまい。子ども手当、児童手当をもらった親たちがまともに子育てをしてくれれば結構だが、社会的な常識も身につけていなければ、積極的な行動力も、自立した思考力もない、他力本願の使い物にならない、ないない尽くしの若者が多すぎる。


といえば、学校教育が悪いと、何でも学校に責任を押し付ける風潮があるが、家や社会で身につけるべきことを、いくら学校に求めても、自ずから限界があることは目に見えている。


前にも書いたが、ドイツには徴兵制があり、徴兵が嫌ならしっかりしたボランティア組織で活動をするという選択肢も与えられている。家庭教育がなっていない若者を若い間にしっかり鍛えるという意味では非常に重要な経験である。

日本には徴兵制はないが、それに代わるものとして、高校卒業後、少なくとも1,2年内外のしっかりしたボランティア組織で強制的にボランティア活動に従事させ、社会訓練を行うなどといった抜本的な対策を早く取らなければ、この国では、いずれイギリスとは真逆の、マイノリティの若者による暴動ではなく、マジョリティ(日本人)の若者による暴動が起こりかねないと危惧するのは薔薇っ子だけだろうか。