2011年10月12日水曜日

他にマイクロホットスポットはないのですか?:動員がお得意の電力会社の皆様

政府が除染対象を1ミリシーベルト以上に戻したという。除染をするのはいいが、放射性物質は、普通のゴミではない。ごしごし洗って流せば終わり、洗えないものは焼却すれば、その辺に穴をあけて埋めておけば、それで消えるというようなシロモノではない。しかも、山奥の山林の木々の枝葉に飛散した高濃度な放射性物質をどうやって除染しつくせるのか、山奥だからといって安心していたら、それが台風などの猛烈な風で吹き上がり、街を目がけて飛んでいくという可能性だって否定できない。

小出氏は「私は除染などというものはほぼ無理なことなのではないかと思う」と言っておられるが、政府の1ミリシーベルトも、一部の人たちを被災地にとどめて生活させるための気休め的な彌縫策のような気がしてならない。

除染によって出てきた膨大なゴミの貯蔵場所をどこにするかも定めずに、除染、除染といっても始まらないのではないか。

もう1点気になるのは、チェルノブイリでさえ、高濃度の放射性物質は遥か彼方のイギリスにまで飛散し、羊毛の出荷を未だにできない地域があるという話を聞いたことがある。

今回も静岡のお茶に高濃度な放射性物質が検出されたといって、メディアは大騒ぎをしていたが、もっと細かくいろんなところで詳細に計測すれば、福島から遠く遠く離れたいろいろな場所にマイクロホットスポットがあるという可能性も否定できないのではないか。

チェルノブイリと日本で明らかに大きく異なるのは、日本には大型台風の襲来があるという点である。震災後フクシマの原発周辺は何度も台風の大雨による洪水、風速何十メートルもの強風見舞われている。

そのことを併せて類推すれば、そうした疑問は、まったく荒唐無稽と一蹴できないものがある。

たとえ、不可能に近いことであっても、原発を推進し、高い電気料金をとって、暴利を貪ってこられた日本の電力会社の皆様方は、これまでのせめてもの罪滅ぼしに毎週末、あるいは有給休暇をすべて使い果たしてでも、全国各地の社員を動員し、ボランティアで、山林や樹海の中をわけ入ってでも、詳細かつ厳密な線量の計測を行い、データを国民の前に公開し、除染作業に邁進すべきである。

社員の動員だけは、お得意技のようであるからーー。

以下、金子勝氏のツイッターを転載する。


金子勝氏 ツイッターより
国が除染対象を1ミリシーベルト以上に再び戻し調査地域に指定します。遅すぎたという住民の批判は当然。speediを隠し、半減期の短いヨウ素を浴び放題にして検診を続けなければならないのも同じ。原発埋蔵金や原発予算の見直しに早急に取り組むべき。