2012年7月21日土曜日

"The fight for nuclear energy in Japan" : CNN

先週の金曜日もまた多くの人たちが首相官邸の前に集まって、原発再稼働の抗議行動を行なった。

CNNまでが次のような記事を掲載しているというのに、日本の大型メディアは、ほとんどそれに正面から向き合い、きちんと報道しようとはしない。国民の生活や安全よりも自分たちの自己保身に懸命で、弱い国民の声を黙殺するやり口には、消費税増税も、沖縄の基地問題も、オスプレイも、いじめもみんな通じるところがある。

1000万人の原発廃止の署名活動も、すでに800万人に達しているという。その気になれば、まだまだ署名の数は増えるはずである。

800万人の署名や、延何十万にもの直接的な抗議行動が、少数の権力集団によって、単なる雑音として握りつぶされ、黙視されるだけだとすれば、日本における現行の間接民主制では、民意というものが政治に全く反映せず、民主的であるべき制度が全くの機能不全をきたしていることをはっきりと証明しているようなものである。

原発廃止や国のエネルギー政策、原子力規制委員会の委員長、首相の決定、国防のあり方、天下り制度の廃止、国会議員の定員削減など、国民の生活権、生存権、財産権を左右するような国の重要な事案は、直接選挙で、国民投票で決定していくような仕組みに早く変えていかなければ、国民のための政治からはますます乖離し、益々ひどい状況に転がり落ちるばかりであると危機感を抱くのは、薔薇っ子だけだろうか。

原子力規制委員会の委員長なんて、素人が決めるものじゃないという批判があることは承知のうえだが、法律家でもない国民に最高裁の裁判官の審査をやらせているではないか。

原子力の専門家の中で誰の言葉ならば、信用できて、誰が真摯に国民の安全という見地から、ぶれずに終始一貫して科学者・技術者という立場を貫いているか、誰が様々な局面に対してもっとも適切な説明をしているか、そうしたところから誰の言うことならば信頼できるものであり、誰の言葉には耳を貸すべきである。

幸いにして、3.11以降、洪水のごとくメディア報道に接した国民は、すでにちゃんと知っている。規制委員会のトップを選ぶほうが、むしろ一度も名前を聞いたこともないような最高裁の裁判官を審査するよりも、国民にとっては、はるかにたやすいはずである。


激化する日本の反原発デモ 毎週金曜日に数万人が首相官邸前で抗議

2012.07.21 Sat posted at: 10:15 JST

(CNN) 日本で反原発デモが勢いを増しつつある。首相官邸前では毎週金曜日、数万人が原発再稼働に対する抗議デモを行っている。彼らの主張はただ1つ、原発の放棄だ。


社会革命の時代だった1960年代、世界各国で学生、人権活動家、反戦活動家たちが政府に対して立ち上がった。日本も例外ではなく、数十万人が1960年に締結された改定日米安全保障条約に反対し、街頭でデモを行った。日本ではこの安保反対デモを最後に大規模な抗議行動は行われてこなかった。

日本では昨年、津波の影響により東京電力福島第一原子力発電所で炉心溶融(メルトダウン)が発生して以来、反原発の草の根運動が広がりを見せている。

原発を推進したい政府も、こうした市民の声は無視できないが、今月に入って保守や試験のため停止していた国内の全原子炉50基のうち2基を再稼働した。日本には電力が必要、というのが政府側の言い分だ。

野田佳彦首相は先月、「安価で信頼性のある電力は,今後の繁栄と相応の生活水準(の維持)には不可欠」であり、「原発停止または原発無しでやりくりしようとしても,日本社会は機能しない」と述べた。

これに対し原発反対派は、原発事故を検証する国会事故調査委員会が今月、事故は東京電力、規制当局、政府の癒着が招いた「人災」と報告したことを挙げ、安全の方がより重要と主張している。

日本で反原発デモが勢いを増しつつある。首相官邸前では毎週金曜日、数万人が原発再稼働に対する抗議デモを行っている。彼らの主張はただ1つ、原発の放棄だ