2012年5月1日火曜日

原発事故調査委員会の政治家の参考人招致は公開で!テレビ公開を!

国会の原発事故調査委員会が、事故後1年2ヶ月も経過した今、政治家の参考人招致を進めているという。GWに、高速バス事故を起こした弱小バス会社には間髪入れずに強制調査の手が入った。

何度も書くが、本来ならば、フクイチでこれだけのシビアアクシデントを引き起こした電力会社に対してもっと早い段階で、強制調査が入ってこそ、日本は健全で平等な法治国家だと言える。

その点から言えば、国会の事故調しか機能していない現状は手ぬるすぎるが、それでも失敗学のお偉い先生方の訳のわからない調査委員会よりは、まだ、はるかにましである。

この政治家の参考人招致について、民主党の中には公開に難色を示す者があり、調査委員会との間で調整が行われているという報道があった。政治利用されては困るというのである。

党を代表するの証言内容が、党にとって不利になるようなことを彼らが行なった」というを党自らが認めているということなのか。

こそこそと隠蔽して、隠れたところで非公開でやらなければ証言ひとつできないようなお歴々を現政権の原子力政策に対して大きな決定権を持つリーダーの座に座らせているというのはどういうことなのか。責任をとって頂きたいものである。

やましいことが何一つないのならば、堂々と公開の場で証言してもらいたい。そして、テレビ各社はくだらない番組を垂れ流し、電気の無駄遣いはさっさと辞めて、国会参考人招致をノーカットできっちり報道してもらいたい。

特に公共放送は、国会中継などと称して、普通の労働者・納税者が誰も見られないような昼間や深夜の時間帯に、こそこそ放映するのではなく、率先してゴールデンアワーにずばっと時間をとって放映してもらいたいものである。それをするのが、視聴者に対する義務なのではないか。

以下、政治家の参考人招致に関連した記事と、3月28日に第4回目の参考人招致に関する元保安院委員長に対する事故調査委員会の証言を書き起こした記事を転載する。

こういうものも含めて、ほんのわずか切り取ってニュースで軽く流すのではなく、夜のゴールデンアワーにノーカットでしっかり放映していただきたかったと思うのは薔薇っ子だけだろうか。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120501/k10014820601000.html



国会事故調 菅氏らの参考人招致検討

5月1日 4時23分

国会の原発事故調査委員会は、これまでの調査で、事故対応に政治家が必要以上に関与したことが混乱をもたらしたおそれがあるとみていて、当時の政府首脳らの対応を検証するため、菅前総理大臣らの参考人招致に向けて具体的な検討に入りました。
国会の原発事故調査委員会は、これまでに原子力安全委員会の班目委員長や、東京電力の幹部、それに福島第一原発周辺の自治体の町長らに参考人として出席を求め、事故の拡大を防ぐための取り組みや、避難指示の情報の伝達などについて、調査を進めてきました。調査委員会では、これまでの参考人の証言などから、事故対応に政治家が必要以上に関与したことが混乱をもたらしたおそれがあるとみていて、当時の政府首脳らの対応を検証するため、菅前総理大臣らの参考人招致に向けて具体的な検討に入りました。
委員会では「政府などの調査委員会と比べると、責任追及の立場を持っている」といった意見も出ていて、政府首脳らの責任についても明らかにしたいとしています。一方、民主党内には「政局に利用されるおそれがある」などとして、政治家を参考人招致する際には、原則として公開で行われる委員会を非公開にすることも検討すべきだという意見もあり、今後調整が行われる見通しです。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012043002000094.html


国会の調査機能を強めよ

 国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)が精力的な調査活動を続けている。
 事故をめぐっては政府と民間の調査委員会があるが、もっとも注目され信頼に足る機関がこれではないか。毎回のインターネット中継録画を見たり、閉会後の黒川委員長のコメントを読むと、そう実感する。
 たとえば原子力安全・保安院の院長を参考人に呼んだときは委員たちが舌鋒(ぜっぽう)鋭く追及し、原発再稼働をめざして政府がつくった安全基準は、安全確保にまったく不十分な代物である点があきらかになった。
 国会事故調はなぜ、いい仕事ができるのか。根本的には政府から独立し、新たな法律に基づいて、国政調査権の活用を含む十分な調査権限が与えられているからと言っていい。
 こうした国会の調査機能を原発以外の分野にも拡大できないか。たとえば日本経済は、なぜ二十年にわたって停滞を続けているのか。政府と日銀は何をして何をしてこなかったのか。
 税と社会保障、地方分権といったテーマも、なにも政府の専売特許にしておく必要はない。国会は国会として政府から独立した委員会を設けて徹底的に調査研究したらどうか。
 「国会の権威を高める」視点から考えれば、与野党議員が一致できる部分もあるはずだ。政争に明け暮れるだけが国会議員の仕事ではない。 (長谷川幸洋)

国会原発事故調査委員会 第8回委員会 「世界で当たり前の原発の


ルールを盛り込まなかったのは?」  [2012/04/04]


「世界で当たり前の原発のルールを規則に盛り込まなかった責任者は?」「わたくしです」 国会原発事故調査委員会 第8回委員会


3月31日付での退任が発表された、東京電力フェロー(副社長待遇)の武黒一郎氏。
武黒氏は参考人として招致された3月28日の国会事故調査委員会で、強く責任を問われていました。
委員会当日は、武黒氏だけでなく元原子力安全保安院院長・広瀬研吉氏も招致されており、広瀬氏に対してもかなり厳しく責任の追及が行われています。野村修也委員の厳しい語調に対し、広瀬氏は非常に切迫した表情を見せていました。

原子力安全保安院がアクシデントマネジメント(過酷事故対策)を規則に盛り込まなかったことに関する、広瀬氏と野村修也委員のやりとりの抜粋です。以下抜粋動画書き起こしです。

野村氏
以前こちらの委員会に斑目委員長にご出席いただいたときに、世界では“五重の防護”というのが常識になっていたところ、日本は“三重の防護”にとどまってしまっていたことが問題だというご発言があったんですけれども、こういったご批判を受けている点について、保安院の対応としてなにか問題点があったとお考えでしょうか。
広瀬氏その点についてはなにか特に問題があったとは考え
ていません。
野村氏:むしろ保安院のほうでは“シビアアクシデントについてはルール化をすべきだ”というお立場だったと私どもは理解してるんですが、そういう立場ではなかったんでしょうか。
広瀬氏世界的にアクシデントマネージメントについてルール化の取り組みがされていましたので、保安院ももっと一歩進めた検討をやっていくことの必要性は感じていました。
野村氏そういう方針でしたし、そういう努力もされておられましたよね? 具体的にどういう努力をされておられたんですか?
広瀬氏ちょっと今具体的には記憶がございません。
(中略)
野村氏保安院が規制のなかに盛り込めば、業者はそれに従ってやんなきゃいけなかったわけですよね。ところが、規制に盛り込むことなくとどめてしまったがために、シビアアクシデントは“業者の任意の対応”になったわけですね。それを規制として盛り込むということが世界の趨勢になっていたわけですから、当然保安院のお立場としては、“規制に盛り込みたい”というお考えだったということで間違いはないですよね?
広瀬氏:アクシデントマネージメントについての世界的な状況というのは認識をしておりましたけれども、それに対してもう一歩進めて具体的に取り組むという努力がなかったという風に考えております。
野村氏:あの、「はい」か「いいえ」でお答えいただければ結構なんですが、保安院の立場としては規制に盛り込みたかったということでよろしいですね?
広瀬氏あの、ま、あー 世界的な……
野村氏:「はい」か「いいえ」で結構なので。“盛り込みたかった”ということでよろしいですね?
広瀬氏:アクシデントマネージメントの……
野村氏:あの、「はい」と「いいえ」しかありませんので。“盛り込みたかった”ということでよろしいですね?
広瀬氏:アクシデントマネージメントの重要性は認識をいたしておりました。
野村氏:盛り込みたかったですか。
広瀬氏:あ……そうですね、やはり“シビアアクシデント防止”というのが最後の砦ですので、いずれ機会があればアクシデントマネージメントの要求をもっと法令上のものにすることが必要だと思っていました。
野村氏あの……規制当局なんですよね? 法律の中にそれを書けばいいわけですよ。いったいなぜ書かなかったんですか。誰が反対したんですか。
広瀬氏誰が反対したというよりは、なかなかそういう具体的な議論まで達しなかった、という状況だったと思います。
野村氏:保安院のなかの部下の方との議論が煮詰まらなかったということですか、それとも規制対象となっている電力事業者との議論が煮詰まらなかったということですか。
広瀬氏:保安院の中でもう一歩踏み出すという議論が、煮詰まっていかなかったということだと思います
野村氏:では保安院の中に反対者がいたということですね?
広瀬氏:反対者がいた、というふうには思いませんが、そういう議論がなかなか醸成していかなかったと思います。
野村氏最終的に規制に盛り込むかどうかという判断をするのはどなたですか?
広瀬氏:それは、あの、原子力安全保安院長だと思います。
野村氏:そのときの原子力保安院長はどなたですか。
広瀬氏:そのときのとおっしゃるのはいつのことをおっしゃっておられるのでしょうか。
野村氏:2005年から2007年のあいだの保安院長で結構です。
広瀬氏あ、それは、わたくしです。