2012年1月12日木曜日

米専門家「フクイチ、冷温停止宣言で、安全になったわけではない」:コピペ

http://www.cnn.co.jp/special/eq2011/30004950.html


福島第一原発の冷温停止宣言、「安全になったわけではない」と米専門家

2011.12.16 Fri posted at: 18:00 JST
(CNN) 日本政府は16日、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、事故の収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)終了を確認したとして、ステップ2は完了となると発表した。これは原子炉が一定期間、100度以下の温度を保っている状態を示す。

冷温停止の宣言は1つの節目ではあるが、1986年のチェルノブイリ以来最悪となった原発事故の事後処理には、恐らく数十年という年月を要すると専門家は予想する。東京電力の西沢俊夫社長はCNNの取材に対し、まだ終わったというには程遠く、これから先も長期にわたる作業が続くと語った。

米国で原発の運営にかかわった専門家のマイケル・フリードランダー氏は「原子炉が現在のような状態にある中で冷温停止を宣言するのは、現状に対して正当とは言えない。現在の状態が6月に比べて安全になったわけではない」と指摘する。

同氏の予想では、来年には燃料棒を取り出す作業に着手できるかもしれないが、原子炉格納容器に到達できるようになるまでは最大で10年はかかる見通しだ。

1979年にメルトダウン(炉心溶融)事故を起こした米スリーマイル島原発で事故処理に当たったジャック・デバイン氏は福島第一原発について、今後も危険を伴う集中的な作業を要するが、冷温停止によって政府にとっての懸念材料は1つ減ると指摘。原子炉の冷却のためにこれまでのような大量の水を使う必要がなくなれば、汚染された冷却水をめぐる不安も解消されると解説する。ただし「劇的な違いは生じないだろう。ただ徐々に変化が積み重なり、事が容易になっていくだろう」と話している。

ずさん過ぎる検査システム: 何が安全な再稼働ですか?

原発関連施設の唯一の法定検査機関である、原子力安全基盤機講の常勤の検査員の半数以上が、電力会社や原発会社の元OBで成り立ち、機構発足以来、原発事業者の作成した原案を丸写しにした検査マニュアルを使って検査をしてきたことが、第3者委員会によって明らかにされた。

その事実を保安院は十分認識していながらも、黙って見過ごし続けていたという。このほどその事実が明らかにされ、機構に主体的な検査をするよう改善を求めるというが、教育研修の強化とか、事業所との打ち合わせの議事録を作るなど、抜本的な改善にはつながらないような、手緩い提言に留まっている。

一国の法的検査機関に人材がないのならば、それこそアメリカのNRCやドイツの原子力監視委員会のような機関から事業者とは全く利害関係のない検査員を委嘱すれば、いいではないか。

このように初めに再稼働ありきの観点に立った利権絡みの原子力行政の体質を抜本的に改革しない限り、保安院が安全庁に名前を変えようと、第三者委員会がどんな報告や提言をしようと、安全性は経済性、効率性を追求するあまりに疎んぜられ、それが又新たな第2、第3の深刻な災害につながりかねないことをしっかりと心にとどめておくべき必要があるのではないか。

きっちりと地道にこつこつ基礎研究を積み上げ、原子力を完全に科学技術の力でコントロールできるようになったときに、平和利用の方途を考えればよいことだ。今度の災害は、目先の利益につながるテクノロジーばかりを重視し、基礎研究をおろそかにしてきたことの帰結であり、この過ちは、二度と繰り返してはならない。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120111ddm001040005000c.html


原発検査:「丸写し」03年設立以来 第三者委、あす改善要請 報告書「理解と意識、希薄」

 原発関連施設の唯一の法定検査機関で独立行政法人の「原子力安全基盤機構」が、検査対象の事業者の作成した原案を丸写しした検査手順書(要領書)を基に検査している問題で、機構の第三者委員会(委員長・柏木俊彦大宮法科大学院大学長)が、同様の手法が機構発足当初(03年10月)から常態化しているとする調査結果をまとめたことが分かった。第三者委は「信頼に疑念を抱かせる。事業者への依存体質が原因で主体的検査に改善すべきだ」とする報告書を12日、機構に提出する。
 問題は昨年11月、毎日新聞の報道で発覚した。機構側はこれまで「問題ない」との立場だったが大幅な見直しを迫られる。
 学者ら5人で構成する第三者委が検査員への聞き取り調査などを実施。その結果、原発の核燃料を製造・加工する「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(神奈川県横須賀市)に要領書の原案を作成させ、表紙などを差し替えただけの「丸写し要領書」を使った核燃料棒検査が発足当初から続いていることが判明した。
 第三者委の報告書は「検査は安全を担うシステムの一部。事業者に委ねることは許されない」と指摘。要領書さえ見ずに検査・合格させたケースもあることから「何を基準に検査をしているのか。検査への理解と意識の希薄さを示す」と厳しく批判する。
 報告書は関西電力大飯原発の定期検査(09~10年)で、関電の資料の不備を見落とし一部の検査を実施しなかった問題(昨年8月発覚)にも言及し「事業者の検査を形式的に追認していたと思われてもやむを得ない」と指摘。▽緊張関係を保つため事業者との打ち合わせを議事録化して残す▽教育・研修の強化--などを提言する。
 機構は東京電力トラブル隠し(02年8月発覚)で経済産業省原子力安全・保安院が東電による検査結果の改ざんを見抜けなかった教訓から03年10月に設立された4月、保安院を解体して新設される原子力安全庁(仮称)の所管法人に移行するため「検査体制の抜本的な改善も4月以降になる」(機構幹部)という。【川辺康広】
==============
 ■解説

 ◇検査体制改善は多難

 原発関連施設の検査を巡る問題で、第三者委員会の指摘を受ける独立行政法人「原子力安全基盤機構」は早急に改善を迫られるが、その前途は多難だ。
 機構には昨年11月現在、75人の検査員(非常勤を除く)が在籍する。いわゆる生え抜きは4人に過ぎず、原発メーカーや電力会社など事業者のOBが39人を占め、元々検査で緊張関係が生まれにくい人事構造になっている。65%に当たる49人は50代で、今後次々と退職していく。しかし「待遇が悪いためか新卒者がきてくれない」(機構関係者)といい、人材確保の妙案はない。
 毎日新聞は昨年6月、東京電力福島第1原発の圧力容器の主蒸気逃がし安全弁に対する検査でミスがあり、東電に指摘されるまで気づかなかった問題も報じた。報告書はこれについても「重大な問題」と指摘する予定だ。所管官庁の経済産業省原子力安全・保安院は丸写し問題、検査ミスのいずれについても経緯を把握しながら機構に改善を指導してこなかった。原子力安全庁に移管しても、機構任せでは検査の抜本的な改革は難しい。安全の担保を抜きにした原発の再稼働などあり得ず政府の姿勢が問われている。【川辺康広】
毎日新聞 2012年1月11日 東京朝刊