2011年9月4日日曜日

My parience carried me through this far.

 日本の主要メディアは、相変わらず政府に都合の悪い福島原発や東電の不始末に関するニュースは報じなかったり、申し訳のように取り上げることはあって、気づかないほど小さく取り上げ「不見、不聞、不言」 を徹底している。さすがに、インターネットは即時に世界中の人間に読まれる可能性があるため、そのときはネット上に出るが、フルテキストをコピーしておかないと、特にNHKや日経新聞はすぐに都合の悪いニュースは削除する。

以下のニュースも同様である。出張中忙しくてこんな報道があったとは知らず、後から聞いて検索してみたけれども、NHKニュースからはみごとに削除されており、他のニュースソースも、なぜかGoogleの検索の上位には出てこない。時事通信の記事をコピーしている人があり、やっと入手できた。


http://www.jiji.com/jc/zc?k=201108/2011082300740

電力使用実績で誤り=プログラムミス、低めに表示-東電

 東京電力は23日、ホームページなどで日々公表している電力の使用実績に誤りが発見されたと発表した。プログラムのミスにより、自社発電設備を持つ3社からの受電分が加算されていなかったため。7月1日から8月17日までの48日間、使用量が最大で62万キロワット低く表示されていた。供給力に誤りはなかった。
 3社については7月1日から受電を開始したが、使用実績を自動作成するプログラムには反映されていなかった。実績が不正確だったことにより、翌日や当日の需要と供給力の見通しを示す「でんき予報」も、需要が若干低く見積もられていたという。(2011/08/23-18:44)

 我々は東電のいい加減な試算に基づいて、この夏さんざん驚かされ、無理な節電を煽られてきたわけである。東電の隠蔽体質は今に始まったことではなく、他にもどんなミスや操作、隠蔽行為があったか、発表されていないだけで分かったものではない。

東電のでたらめな試算のおかげで真面目に無理な節電をして命を失った被害者がいるとすれば、単なる計算ミスなどという軽々しい言葉で済まされるべき事柄ではない。

東電さん、昨日のブログに書いた3月11日の緊急冷却系の3回にも及ぶ意図的な停止など、日本を誇る大企業にしては、あまりにも人為ミスが多すぎませんか。高所得の社員さんにできることはたかがその程度ですか。

悔しければ、せめて国民に迷惑をかけない仕事をして見せて下さい。本店から社員総出で福島へ出向き、さっさと地下ダムを作るなり、なんなりして放射能漏れ、できるだけ早く地下水や海に流さないような措置をしてください。原発に覆いなんかしたって、放射能物質撒き散らしの現実は、何も改善されないこと、もうド素人の私たちでさえ知ってしまっていますよ。



何も言わない日本のメディアに対して、海外のジャーナリストは、今こそ日本に「アラブの春」を引き起こすことが重要だというけれどもーー。





http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aTH5uqQEEY3o
【コラム】今こそ日本に「アラブの春」を巻き起こせ-W・ペセック

  8月31日(ブルームバーグ):日本にも「アラブの春」が必要だ。
  私が10年前に東京に赴任した時、今この時点で8人目の首相について書くことになるなどとは思いもよらなかった。しかし、野田佳彦新首相が果たして前任者5人よりその座に長くとどまれるのか、こうして分析したり考えたりする羽目になっている。
2001年4月に小泉純一郎氏が森喜朗氏の後任として首相に就任。小泉氏は5年という今では考えられないほど長期間、首相の座にとどまった。同氏の後は、記憶には薄いが安部晋三氏が就任、福田康夫氏と麻生太郎氏が後に続いた。
09年8月には政権交代が実現。有権者は約54年間の自民党一党支配と決別した。民主党は力量不足の鳩山由紀夫氏を首相に選ばなければまだましな状態でいたかもしれない。次に首相に就任した菅直人氏は先週辞任し、また新たに首相が誕生することになった。
世界経済が安定からは程遠いこの時期に、無難な選択として野田氏を選んだと、アナリストや批評家は政治家批判に忙しい。しかし、本当に非難されるべきは1億2700万人の日本国民だ。
国民は自分たちにふさわしい指導者を選ぶという古いことわざには一理ある。日本の場合、有権者は指導者に対しもっと要求し、変革を強く求める必要がある。それなのに、日本人はまるでまひしたかのように沈黙したままだ。
インドの反政府運動
私はインドに数日間滞在した際、政治腐敗に反対する74歳の活動家のもとに何万人もの有権者が集結するのを見た。アンナ・ハザレ氏は格別カリスマのある人物ではない。だが、チュニジアの青年の焼身自殺が同国の革命の発端になったように、ハザレ氏のハンガーストライキはまさに時宜を得た行動だった。
インドやマレーシアやタイなどで最近起きている反政府運動が日本で起きないのには、明確な理由が二つある。その一つは豊かさだ。いくら日本が景気後退やデフレや賃金の伸び停滞などの問題を抱えているとはいえ、家計の貯蓄は数兆ドルにも上る。日本の失業率も4.6%と、米国の9.1%よりも低い。もう一つの理由は文化的なものだ。礼儀やしきたりが過度に尊重される日本では、街頭で旗を振りかざし、声を上げることはあまり人の心に訴えない。
無気力な日本
弱気で無力な政治家のために日本が何もできないでいる間、世界はスピードアップしている。中国は日本を追い越して世界第2位の経済大国の座に就き、その9.5%という高い成長率は多くの先進国とは対照的だ。また、ソニーなど日本を代表する企業がデフレで苦しむ中、韓国のサムスン電子などの新興企業は好調だ。
東日本大震災と原発事故が起こる以前から、日本政府の足取りは重かった。世界最大の公的債務を削減し、ゼロ金利政策から脱却する方法を考えようとする意志はほとんど見られなかった。経済的競争力の向上や高齢化対策、出生率引き上げや移民関連の法律の緩和に関して真剣な議論が行われることはなかった。
震災直後は、日本はこのような無気力な自動操縦の状態から脱し、経済を別の方向に進めていかざるを得なくなるとみられていた。しかし、この5カ月余りで証明されたことといえば、日本の無気力の根強さだ。政治家は菅降ろしに夢中だった。その任務が果たされた今、一体どうするのか。
陳腐な政策
東北では今でも何万人もの被災者が避難所や仮設住宅で生活する。被災者は福島第一原子力発電所の放射能漏れの影響や長期的な雇用の見通しに不安を抱いている。それなのに政府の対応といえば、いつもと変わらない小競り合いや、陳腐としか言いようのない経済政策だ。官僚は相変わらず国民にはほとんど目を向けず、自分の狭い利権を守ろうとするだけだ。
野田氏が財務相として示した政策能力は一つだけだった。同氏の時間やエネルギーの大半は円高や輸出対策に占められた。円高なのは投資家がドルやユーロを避けているためだ同氏がすべきことは、技術革新や生産性の向上で円高に対抗するよう企業に促すことだ。
首相になっても野田氏は変わらず、復興増税について大いに語るだろう。増税で経済が打撃を受けることを考えれば、野田氏はまず無駄な公共投資を復興財源に振り向けるべきだ。だが、野田氏は新しい考え方とか大胆な発想で知られているわけではない。同氏が無難な選択だったということを忘れてはならない。
だが、もはや無難では済まされない状況になっており、日本人はいら立ち始めている。カイロやトリポリで普通の人々が立ち上がったように、東京や大阪の街頭で変革を求める時が来た。日本の革命が始まってしかるべき時だ。(ウィリアム・ペセック)
ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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更新日時: 2011/08/31 15:39 JST