2012年1月25日水曜日

身を削る??:身を肥やす「決意」では?

野田政権は増税の交換条件として、天下りの廃止も、特別会計の廃止にも全く着手せず、身を削る不退転の決意で、公務員給与と議員定数削減を大きく打ち出してきた。

議員歳費の節減も、政党助成金の廃止も、議員会館、宿舎の廃止にも全く触れずして、一体どこが身を削る決意なのか?

特に民主党が打ち出してきた、議員削減案だが、なぜ衆議院比例だけを80議席減らすのか、80という数字の意味はどこにあるのか?

答えは以下に転載するOMODARU氏のブログにあった。

それと愛媛新聞の社説を併せて読めば、

結局は、少数政党と、現政権の運営にとって都合の悪い議員をばっさり斬り捨て、霞が関のトップ官僚たちと経団連と連合と輿石路線になびくものだけがぬくぬくと生き残り、身を肥やすだけのことではないのか?

民主党首脳部としては、自民と大連立を組んで、原発の再稼働や消費税増税、TPP参加の邪魔立てをする民主党議員や少数政党を消滅させ、数の論理で、我が世の春を迎えようと腹積もりなのだろうが、そんなことになれば、巨大な力を得た権力者による独裁政治を許すことになる。

選挙制度の抜本的改革をなくして、現政権に都合のよい定数削減案に、ダマされるべきではない。


http://omodaru.iza.ne.jp/blog/entry/2572870/

「衆議院比例を80議席削減してみる」            2012年1月19日



今回、民主党が比例区の80議席
削減を提案してきた。
それをやった場合に実際にどうなるか?
2009年の総選挙の数字を元に
確認してみましょう。
まずは実際の投票数と議席数。

民主     87 (48.3%) 29,844,799(42.41%)
自民     55 (30.6%) 18,810,217(26.73% )
公明     21 (11.7%) 8,054,007(11.45%)
共産     9 (5.0%) 4,943,886(7.03%)
社民     4 (2.2%) 3,006,160(4.27%)
みんな   3 (1.7%) 3,005,199(4.27%)
大地    1 (0.6%) 433122(0.62%)

ところがこれが全国の比例の
当選数を100にすると
民主     54 (54%)
自民     30 (30%)
公明     10 (10%)
共産     4(4%) (近畿 2、南関東、東京)
みんな   2(2%)(北関東、南関東のみ)
と、なります。
北海道などが端緒で

現在は民主 4、自民 2、公明・大地 各1が

民主 3、自民1という結果になります。

民主・自民だけで分け合う地域が

北海道以外にも北陸信越・四国

民主・自民・公明で分け合う地域が

東北・東海・中国・九州

全国11ブロックのうち

7ブロックが上位3党までしか議席が取れなくなります。

実質的に社民党消滅です。

公明も共産党も苦しくなりますね。

比例区なのに第1党が極端に有利になるという。

すごい内容になります。

少数意見を無視するにしても

ここまで極端なことを言い出すとは

何が公平で公正な社会なんだか。

クリーンで透明性の高い政治とか

ほかのことも考え合わせると

正直、お笑いネタになってきてるな。

まあせめて、全国を5ブロックぐらいにして
北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国・九州に分ければ
民主     48 (48%)
自民     30 (30%)
公明     12 (12%)
共産     6(6%)
みんな   2(2%)(関東のみ)
社民  2(2%)(関東、中国・四国・九州
と、なって割合的には
今に近い数字が出るようになりますね。
せめてこれくらいは少数政党に
気を配るべきなんじゃない?



http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201201247833.html


特集社説2012年01月24日(火)

国会議員定数削減 民意を削る愚策は許されない

 野田佳彦首相が国会議員の定数削減に並々ならぬ意欲をみせている。持論の消費税引き上げの前提条件として、まず政治家が範を示そうとの腹づもりだ。公務員給与削減と合わせて「身を削る改革」の最優位と位置づけている。
各種世論調査をみても「増税の前に無駄の削減を」と考える意見が大勢のようだ。首相の思い通りに事が運べば、世は増税やむなしの流れに傾くかもしれない。
だが、ひとたび政治的な条件設定がなされると、それが達成されるか、されないかに興味が移ってしまう。そもそも定数削減は増税の前提としてふさわしいのかどうかを置き去りにしてはなるまい。
民主党の案が解せない。衆院の小選挙区定数の「0増5減」と、比例代表定数を80削減する案では、大政党有利が目に見えている。1票の格差是正に伴う微調整と国会の合理化を、ないまぜにした議論はあまりにも粗雑すぎる。 
落ち目の政権は必ずといっていいほど定数削減を口にするものだ。これほど合法的に政敵を退場させられる手だてはない。失職を恐れる現職は政権や党に擦り寄る。政権党に不利な制度改正にならないよう工作もできる。真の目的は政権の求心力の回復であって無駄削減ではない。野田政権とて例外ではなかろう。
定数削減は主権者である国民の代表機関が小さくなることを意味する。代表が少ないほど為政者は楽になる。政治家が身を削るどころか、民意を削る危うさが潜んでいる。 
地方選出議員を減らすなら地方の自治権拡大の議論が伴ってしかるべきだ。しかし現政権には、そんな分権的視点さえも欠落している。 
民主主義の根幹にかかわる問題は、行政改革と同列で語るものではない。これまでも小欄は、人口当たりの国会議員数を国際比較すると、むしろ日本は少ない部類に入ると指摘し、慎重で丁寧な議論が欠かせないと訴えてきた。
お金がないときは、お金を節約するのが道理だろう。国会議員の給与に当たる歳費は年間2100万円に上り、世界最高水準といわれる。数々の特権を温存したままで議員の数を減らしていけばどうなるか。民主主義の体を借りた少数者による独裁だ。 
本気で身を削るというならば、議員歳費や政党助成金の減額を優先するべきである。だが、岡田克也副総理が歳費や助成金の削減に言及したとたん、民主党の輿石東幹事長はそれをきっぱり否定した。やはり覚悟のほどは疑わしいと言わざるを得ない。
自らの代表を減らすという明らかな不利益を、国民が支持してしまうのはなぜか。国会議員の多くが無駄と思われている現状にこそ危機感を持たなくてはならない。

議員定数削減 合意見通し立たず
1月23日 5時5分 動画あり twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)
民主党は、国会議員の定数削減について、衆議院の比例代表の定数を80削減するとした民主党案をもとに、今週中にも与野党の協議を再開したいとしていますが、抜本的な選挙制度改革の中で実現すべきだなどとする野党側との溝は深く、合意の見通しは立っていません。
民主党は、社会保障と税の一体改革に伴う消費税率の引き上げに国民の理解を得るには、24日、召集される通常国会で、国会議員の定数を削減するための法案を成立させる必要があるとして、先週、衆議院の比例代表の定数を80削減するとした法案をまとめました。この法案をもとに、今週中にも衆議院の選挙制度を巡る与野党の協議会を再開し、議論を進めたいとしています。しかし、自民党の谷垣総裁が民主党の姿勢について、「消費税率を引き上げるための選挙制度改革という色彩が強く、あまりにも安直だ」と批判しているほか、公明党の山口代表も、衆議院選挙のいわゆる「1票の格差」の是正と合わせ、抜本的な選挙制度改革の中で議員定数の削減を実現すべきだと反対しています。民主党の城島国会対策委員長は、22日のNHKの日曜討論で、「比例定数の80削減に固執するわけではない」と述べ、削減の対象や幅の見直しに柔軟に対応したいという考えを示しましたが、野党側との溝は深く、合意の見通しは立っていません。