2012年2月27日月曜日

日本の政治家は電力会社や規制機関より知識があるのかもしれないが。。。:NRCメザーブ氏

元NRCの委員長、メザーブ氏によれば、原子力規制機関は電力会社を管理するだけではなく、事故後の対応の責任を負うべきといい、総理のベント指示について、「日本の政治家は、電力会社や原発に関与する公的機関よりも知識があるのかもしれないが」と皮肉った。

なにかというと菅元総理をスケープゴートにしようという動きがあるようだが、稼働中の浜岡原発を停止させたこと、災害現場を放棄して、社員を撤退させるなどというような提案を打診してきた東電本社に乗り込んで、檄を飛ばしたことは、彼が首相としてやった唯一の貢献といっても過言ではない。財務省や経済界へのご機嫌取りをすること以外に脳のないどじょう内閣の元で、この大きな原発災害が起こっていたら、今頃日本は、東京はどうなっていただろうかと思うだけでも背筋が凍る。

総理が動かざるを得なかったのは、原子力ムラが無能でまったく機能しないことをいち早く認識したからであろう。安全神話に酔いしれるばかりの電力会社の原発担当も、保安院も、それを支えるはずの御用学者もみんなまごつくばかりで、全電源喪失という事態に対して、適切な対応ができるだけの英知を備えた専門家が原子力ムラの中に誰一人としていなかったことは、NRCの議事録を見ればよくわかる。

その菅総理とともに原発の災害対応に当たっていたのは今の経産大臣である枝野氏と、3月15日以降、東電本店に常駐して菅総理の手足になって動いていた今の原発担当相の細野氏であるが、両名は共同責任を問われないばかりか、この分野に関して全くのど素人であるにもかかわらず、いまだ原発再稼働や、国の原子力政策決定に大きな権限を持つ立場に君臨していることに、メディアが何も疑義をさしはさまないのは非常に大きな疑問である。

ストレステストは津波・地震対策用であり、このテスト自体の、あるいはそれを実施・チェックする仕組みの問題性、欺瞞については、京大の小出助教や、元原発設計者の後藤氏らが繰り返し指摘しているところであるが、細野氏に至っては、立地自治体や周辺自治体に対して、丁寧に「原発の安全性と必要性」を説明しさえすれば、大手を振って再稼働に舵を切ってもよいと考えているようである。

しかし、原発の安全性とは一体何なのか。隣国がミサイルを一機突入させたときに、宇宙ゴミと化した人工衛星の大きなかけらが降ってきたときに、あるいは航空機が事故で墜落した場合に、あるいは想定外の大きな津波や地震が原発を震源地として発生した場合に、日本の原子炉はどこまで安全といえるのか、

アメリカはテロや航空機突入に対する対応の義務化を10年前に実施しているというが、日本はそれについてもこれまで資料を国民に公開しなかったばかりか、まったく何ら対応してこなかったという。
アメリカやフランスと異なり、原発の立地にとって致命的な地震・津波大国であるという点を全く考慮せず、いったいどんな根拠をもってして、安全といえるのか。

再稼働についての丁寧な説明とは、立地・周辺自治体にどれだけ新たな税金をばらまき、生活保障をするかというネゴシエーションを意味するのだろうが、そういう非生産的な税金の無駄遣いは、いい加減に辞めてもらいたい。それだけの費用があれば、電力の自由化に注いでほしい。一時的な国有化をしてほとぼりが冷めたころにゾンビ企業を復活させるようなムダは廃して、さっさと東電に破たん処理をやらせ、その過程で発送電の分離を実施し、再生エネルギーの開発事業に全力をあげてもらいたいものである。そうすれば、そこに新たな雇用の場も創出されるはずである。

3.11ではっきりわかったことは、結局原発災害が発生したとき、放射能汚染の不安にも脅かされたうえ、最終的に高いつけ回しの被害を被るのは、電力会社でも、株主でも、取引銀行でも、大企業でもなく、立地・周辺自治体以外の地域で生活する勤労者なのである。ゆえに、立地自治体の意向などよりも、本来は、それ以外の地域に住み、所得に対する納税率が高い中流の納税者層の意向を何よりも優先させるべきではないのか。


http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/544986/

原発再稼働容認3町村のみ 原発相「地元の理解が重要」

2012/02/08 00:32

 産経新聞が原発立地自治体に行ったアンケートで、ストレステスト(耐性検査)により安全性が確認された原発の再稼働を「容認する」としたのが3町村にとどまったことについて、細野豪志原発事故担当相は7日の閣議後の記者会見で、「原発のあり方そのものを含めて、地元の自治体の理解が非常に重要。できる限り丁寧な対応が求められる」と述べ、政府として地元に対する説明責任を果たしていく必要性があるとの認識を示した。
 枝野幸男経済産業相は同日の会見で、「地元の説得にあたっては安全性が確認されることが前提で、まだ安全性が確認されているものはない。(説得は)その次の段階」と述べた。
 ストレステストは、想定を上回る地震や津波が起きた場合の原発の安全性を確かめるもので、11原発16基の報告書が経済産業省原子力安全・保安院に提出されている。
 本紙アンケートに対して再稼働を容認すると答えたのは、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村、関西電力高浜原発がある福井県高浜町、九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町の3町村にとどまった。
 細野氏は「保安院でストレステストについて確認したうえで、地元の皆さんに説明していく」としたうえで、「できるだけ丁寧に多くのみなさんにご理解いただくことが重要」と述べ、立地自治体だけでなく周辺自治体の理解も求めていく考えを示した。