2012年10月7日日曜日

よわの寝覚め:400ブログを書いて

平和ボケで、まったりとつれづれなるままにブログでも綴ろうかと震災直前に開始したブログ、
誰かに読んでもらいたいという欲もなく、道端に咲く野の花のようにひっそりと、自身の備忘録をアップしてみようと始めたブログーーそれが「夜半の寝覚め」であるはずだった。

振り返ってみれば、随分のんびりと幸せな時を過ごしていたと思う。

しかし、3・11は、それまで夢見心地で生きていた薔薇っ子を完全に覚醒させた。

繰り返し、繰り返し大きな津波が根こそぎ大きな建物や、家や車を奪っていく画像を見て、あっけにとられている中に、福島原発の全電源喪失のニュースが耳に飛び込んできた。

日本の技術を持ってすれば、すぐに事なきを得るだろうと思っていたが、刻一刻と事態が深刻化している様子に、いったい専門家たちは、どうしてすぐに事態の収拾ができないのか、何をいつまでも、もたついているのだろうという疑問がどんどん頭をもたげてきた。

テレビにいろんな専門家が四六時中出てきて、難しい物理の専門用語の説明をするようになったが、事態は全く好転しない。ベントをする?説明はいいけれども、それって大量の放射性物質を外に放出することになるのでは?そもそも電力会社が全電源喪失って何をやってんだか!しかも復旧ができずに手をこまねいている?、素人集団じゃあるまいし、そんなバカなことがあっていいものだろうか。

ところが、そんな中、双葉町の特別老人養護施設は、うちはぎりぎり3キロ圏外だから、屋内待機をしていますなどと悠長なことを言っているが、そんなことで、本当にいいんだろうか。

政府もさすがに3キロ圏内ではまずいと思ったようで、その後避難の範囲をじわじわと広げていくものの、しっかりした専門的な指針に基づいた方針変更とは到底思えないようなお粗末な指示の出し方であった。

線量チェックをする役所や医療関係者が防御服で身を固めているのに対して、屋外退去を余儀なくされてバスに乗り込む避難民の多くは、帽子や手袋どころか、マスクすらしていない、ヨウ素剤さえ服用していない。立地自治体の住民たちは、原発災害発生時に、どんな対応をすれば、身を守れるのかという必要最小限の知識すら一切与えられていなかったことを知り、愕然とした。

原発で次々と水素爆破が発生しているにもかかわらず、メディアやテレビに登場する専門家は、福島の原発災害を矮小化することに必死であったが、「頭隠して尻隠さず」で、海外メディアは福島の災害が決して日本政府が主張するような軽微なものではないということを繰り返し、はっきりと伝えていた。

「直ちに健康被害はない」などという玉虫色の政府発表が繰り返される中、放射能汚染への懸念から、さまざまなブログやツィッターへの書き込みが盛んに行われはじめると、枝野氏がこれを弾圧するように激しい口調で発言を始めた。「デマや風評を流せば、逮捕も辞さない」というご主旨で、まさにその言葉をそっくりそのままご本人に返したいようなご発言であった。

日本の国でこんな言論統制があっていいのだろうか。全く戦時中と何も変わらないではないか。
祖父母の世代が経験してきた、本でしか読んだことのない、あの悪夢のような状況が、こんなにやすやすと再現するとはーー、まるで悪夢jを見ているような気持ちであった。

後ほど、国民の不安を煽らないために情報を隠したというような正当化がなされているが、国民の知る権利を奪い、自分たちの恣意で国民の生存権に関わるような重要な情報の隠蔽を図るような暴挙は決して許されてはならない行為である。

いったい誰が我々に真実を教えてくれるのか。紆余曲折を経て熊取6人組の存在を知り、小出裕章氏の発言をまとめたブログに行き着いた。

何十年も原発の危険性について勇気ある発言を繰り返していた人たちの存在を全く知らず、全国に52基もの原発が乱立しているという事実にも全く無頓着である自身を恥じた。クリーンエネルギーである原発に関して日本は世界トップレベルの技術を持っていると触れ込みを信じこんでいた己の愚かさを知り、薔薇っ子は一国民として、この局面において何を考え、何を思うか私自身の声を発信しなければならないと思うようになった。

とりわけ大型メディアが政府や官僚、電力会社や大企業に迎合して、真実や社会正義を追求することを辞めてしまっているだらしない状況に、目をつぶっていることはできないと思うようになった。

「日本人はみんなお上に従順で、権力者の言うなりになる大変御しやすい国民性である」といった誤った印象を海外の人々に与えたくないからである。日本人も考える時は考えるし、怒るときは怒る、ただ不幸にして、そうした民意を反映させることができるような政治の仕組みができておらず、大型メディアが政財界と癒着しているため、ジャーナリズムが死に体なだけであることを、世界に向けて発信する必要があるからである。

震災から1年半、400ブログを書いた。ブログを書いて政治の世界に踊り出ようなどといった下心もなければ、暇を持て余しているわけでもないので、われながらよくこんなに書いたものである。

この1年半の間に、朝日ニュースターも、たねまきジャーナルも多くの視聴者がいたにもかかわらず、圧力を受けて潰された。10月に入って原発の関するニュース・報道は激減し、しかもそれは復興、除染、処分場の問題という文脈でしか語られなくなっている。

専門家でもなければ、匿名の一市民にすぎない野の花のような薔薇っ子のブログに震災以来、世界各国から10000人近い人がアクセスして下さり、しかも日によっては海外からのアクセスがはるかに多いという状況にある。

このブログを書くにあたって、何度も引用をさせていただいた慶応大学の金子勝教授のツィッター、そして小出裕章氏の公式ブログ、講談社の現代ビジネスには心から謝意を表したい。