2012年9月11日火曜日

民意に反する原子力規制委員会メンバーの任命と規制庁人事

 震災からとうとう1年半になる。

原発災害の国会事故調の提言は出されたものの、時すでに遅く不必要な大飯原発は強引に再稼働し、国民の負担によって立つ多額の復興予算は、各省庁の分捕り合戦の末全国各地に無駄にばら蒔かれ、肝心の被災地には行き渡らず、原発震災の反省から独立性と信頼性が必要ということで新たに発足することになったはずの規制委員会は、首相の権限を行使して、誰が反対しようが、原発ムラの関係者で塗り固め、規制庁には、経産官僚を大量に出向させ、植民地化させるなどなど。

決してあってはならないデタラメがまかり通っているというのが、今の日本という国の現実である。

2大政党の総裁選挙で日本の政局も幾分活気づいてきたとはいうものの、国民は白けたまなざしでこれを見ている。

民主党は、野田首相の片腕として、ひたすら原発推進を積極的に進めてきた細野担当相が、こともあろうに野田氏の対抗馬として総裁選挙の候補に浮上したかと思えば、選挙のための顔が必要だから出馬するのかと言われて急遽出馬を見送った。

一方自民党はどうかといえば、娘の就職先の東電に菅総理が怒鳴りこんだことに腹を立て、菅氏を鋭く批判し、東電擁護とも思える非常識発言を行なった電力族の石破氏(薔薇っ子は決して菅氏を政治家として評価するものではない。しかし、メルトダウンしたフクイチから社員を撤退させようとしていた東電に自ら乗り込み、これを阻止したことと、浜岡原発を止めたという2点だけは、評価に値すると考える。)、親の七光りのおボンボンで、与党の非難しかできないスケールの小さい石原氏、厳しい局面に立たされるとおなかが痛くなる阿部氏と、民主党もひどいが、自民党も醜悪で、他の選択肢と言われたときに、誰をとってみても国民が期待を託せるような人材が存在しないことは実に悲しむべきである。

 規制委員会の人事の問題も繰り返し、このブログに書いてきた話題の一つである。同じことを何度も繰り返し書くことは本来、主義に反するが、現政権の懲りないデタラメぶりを拝見していると、書かざるをえない気持ちにもなる。以下、古賀茂明氏のブログ、金子勝氏のブログと彼のブログに紹介されていた南日本新聞社の社説を転載する。

古賀茂明氏のツイッターより

「大切なお知らせ」その2。原子力規制庁の事務局である原子力規制庁。まさかと思うかも知れませんが、経産省から大量の職員が出向して、植民地になります。経産省に戻さないというノーリターンルールには重大な抜け穴。本人の意欲がなくなったら戻れる。細野さんが作ったルールです。
2012年9月9日

「大切なお知らせ」その1。自民、民主ダブル選と維新フィーバーの陰で、原発推進体制が再構築されます。原発の安全規制の要、原子力規制委員会の委員を、国会の同意を得ないで野田さんが勝手に任命強行の構え。わざと国会で採決せず、閉会中という理由で、政府が原発推進のために選んだ人を任命する。
2012年9月9日 - 4:15 ·

金子勝氏のツイッターより

原発政策を推進してきた人物中心の原子力規制委員会人選を、野田佳彦首相は規制委設置法の例外規定を適用し、近く首相権限でそれを任命する。それは規制委員会の「独立性」と「信頼性」を決定的に損ねる。一から仕切り直しすべしという正論の社説です