2011年10月21日金曜日

メディアの姿勢を改めて問う

リビアのカダフィ大佐が亡くなっただの、羽田の空港リニューアルから一年目だの、ギリシャの年金が何%削減になるだの、タイの洪水がどうだの、スポーツがどうだの、日本の公共放送は、ひたすら国内の大きなニュースをひた隠しに隠し、周辺諸国で起きていることや、どうでもいいことばかりを電波に流し続けている。この公共のテレビ放送を視聴するほど電気代の無駄もない。

国内で何も大きな事件も問題もない平和な状況なのならば、それも大いに結構なことだとは思う。

しかし、国内は、羽田空港のリニューアルから一年だのとニュースにもならない瑣末なことを報道して喜んでいるような場合ではあるまい。この国の公共放送が当然電波に載せてしかるべき、重大なニュースは数限りなくある。増税問題、経済問題、年金問題、原発問題、TPP問題、電力会社の地域独占、送電線独占の問題など枚挙にいとまがない。以下はそのほんの一部を転載する。

野田政権になってから、東電、原発災害についての報道が激減している。電力会社・大企業の巻き返し、プレッシャーがいかに大きく、メディアはそれに迎合しているかがはっきり見てとれる。

国民がいかに目を背けたい、もううんざりだと思っていたとしても、メディアが国民の目の前にある現実から目を背けていて良いはずがない。国民の健康、安全に関わるような重大な事件が、完全に収束していない限り、命を賭してでも、現場に向かい、権力と戦ってでも、本当に国民が直視しなければならないような真実を報道し続けることが、メディアの使命なのだから。

国民のテレビ離れに危機感をいだいているならば、放送局は、ジャーナリストは現状維持の報道姿勢のままでいいのか根本的に考え直すべきである。

http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102001001002.html


原発の除染廃棄物、3年仮置き 環境省が工程表案

 福島第1原発事故で汚染された土壌などの除染で出る廃棄物について、地域ごとの仮置き場で3年程度保管し、その間に中間貯蔵施設を建設することを環境省が月内に公表する工程表に盛り込む方針を決めたことが20日、分かった。関係者によると、中間貯蔵施設での貯蔵は数十年に及ぶ可能性が高いという。
政府は「福島県を最終処分地にはしない」と表明しており、福島県内の発生分は中間貯蔵の終了後は県外に出す。福島県で出た廃棄物の最終処分に必要な敷地、技術などは今後の検討課題となる見通し。他の都県で出た廃棄物は、濃度は低いとして各都県内での最終処分とする方針。

2011/10/21 02:02   【共同通信】


http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102001000778.html


全原発「廃炉」の請願採択 福島県議会、立地道県で初


 福島県内の全原発の廃炉を求める請願を賛成多数で採択した福島県議会=20日午後
 東京電力福島第1原発事故を受け、福島県議会は20日の本会議で、県内にある第1、第2原発計10基全ての廃炉を求める請願を賛成多数で採択した。採択を受け、佐藤雄平知事は「(採択の意義は)本当に重い。第1、第2原発の再稼働はあり得ない」と述べた。
原発を抱える13道県の議会の中で、廃炉を求める請願が採択されたのは初めて。放射性物質による汚染に苦しむ地元議会の意思表示だけに、政府の政策決定などに影響を与えそうだ。
採決では、出席した県議53人のうち、両原発を抱える双葉郡選出の1人を含む5人が採決直前に退席、残る48人が賛成

2011/10/20 21:19   【共同通信】

保安院、放出量試算でミス28件 福島第1原発事故

 経済産業省原子力安全・保安院は20日、東京電力福島第1原発事故で1~3号機から放出された放射性物質量の試算に28件の計算ミスがあったと発表した。6月に公表した総放出量77万テラベクレル(テラは1兆)という試算結果には影響しないという。国際原子力機関(IAEA)には既に報告したとしている。
誤った半減期を使って計算したことが原因。森山善範原子力災害対策監は「事業者を指導する立場の保安院自身が誤りを犯した」と謝罪、ダブルチェック徹底など再発防止に努めると述べた。
ミスがあったのはテルル131m、ヨウ素132など七つの核種。

2011/10/20 12:43   【共同通信】


東電“延命”のコストとリスク


2011年10月13日(木)
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 「東京電力に関する経営・財務調査委員会」(第三者調査委、下河辺和彦委員長)が野田佳彦首相に報告書を提出して1週間あまり。焦点は10月中に東電と原子力損害賠償支援機構がまとめる「特別事業計画」に移った。だが、報告書の内容が暗示するように、向かうべき道筋は東電の“延命”や原発再稼働へとレールが敷かれている感がある。頭(こうべ)を垂れて霞ヶ関の軍門に下った感のある民主党政権。その無力感が育む官僚主導政治がポスト・フクシマの日本国民や企業に新たなコストとリスクを抱え込ませつつある。

玉虫色の報告書



「枝野(幸男)大臣も弁護士出身で法律家だが、政治家としての発言もあるかもしれない。当該事業会社が債務超過になっていないのに、国民がそれを望んでいるからといって(債権を)カットして当たり前だろうというのは、法律家の常識として通るところではない」
10月3日、報告書を提出した後の記者会見で下河辺委員長は、争点の1つだった金融機関への債権放棄要請についてこう述べ、対東電“急進派”と目される枝野経産相を牽制した。この下河辺発言が、第三者調査委の方向性、ひいては「東電問題」に対する政府のスタンスを象徴している。第三者調査委の報告書は時間軸を様々に前後させることによって、東電の経営・財務状況を都合よく玉虫色に変化させている。
報告書によると、まず、2011年3月期末時点で東電は1兆2922億円の純資産があり、「債務超過ではなく資産超過の状態にある」としている。この「債務超過にあらず」という断定が上記の下河辺発言の根拠になっているのだが、東電の四半期決算ベースでみると、10年12月末から11年3月末までの3カ月間で、同社の純資産は1兆3797億円減少しており、続く11年3月末から11年6月末までの3カ月間では5515億円減っている。
言うまでもなく、3月11日に起きた東日本大震災と福島第1原子力発電所事故に伴う損失計上が主因だが、今後本格化する賠償費用について東電は11年4~6月期に3977億円を見積額として計上したのみ。調査委報告書では賠償開始から2年間だけで原発事故被害者への賠償費用は総額4兆5402億円に達すると見積もっている。純資産の3・5倍の賠償負担が今後降り掛かるわけで、9月12日に発足した原子力損害賠償支援機構からの資本注入がなければ、債務超過が不可避なのは小学生でも理解できる。だからこそ、支援機構が設立されたわけだ。
要するに、5月13日に当時の菅直人政権が「東電福島原発事故に係る原子力損害の賠償に関する政府支援の枠組み」を関係閣僚会合で決定した時点で、「東電を債務超過にしない」→「東電向け債権の放棄を金融機関に要請しない」というレールがすでに敷かれたと見るべきなのだ。
下河辺委員長は3日の記者会見でこうも言っている。「東電が形の上で債務超過になっていないと認識せざるを得なかった現状において(報告書に)『債権放棄を求めるべきだ』とは到底書ける話ではない」。債務超過になっていない時点を選んで、それを前提にしているのだから当たり前である。
一方、原発再稼働や料金値上げが絡んでくると、報告書には債務超過が持ち出される。第三者調査委が今後10年間の東電の事業計画シミュレーションを行い、柏崎刈羽原発が(1)全く稼働しない(2)稼働する(3)1年後に稼働する――という3つのケースを想定、それぞれについて料金値上げ率を0%、5%、10%で試算した。その中で原発が再稼働せず値上げもしないと、8兆6427億円の資金不足が生じ、1兆9853億円の債務超過に陥るとの数字を弾き出している。そして、この場合に支援機構による東電への資本注入が示唆されている。
要するに、国民(正確には原発立地周辺地域の住民や東電ユーザー)が原発再稼働や料金値上げに「ノー」を突きつけても、支援機構から東電に公的資金が入る仕組みなのだ。8月に国会で成立した原発賠償支援法では、資本注入を受けた東電は徹底したリストラを求められ、長期間にわたって「特別負担金」を払って国からの支援金を返済するとされている。だが、破綻に瀕した企業がリストラを徹底するのは当然であり、しかもそれでもキャッシュが稼げない場合、東電は料金値上げで返済原資を確保することになる。資本注入にせよ、値上げにせよ、カネの出し手はどちらも国民なのである。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E3EBE29B868DE3EBE3E2E0E2E3E38698E2E2E2E2;at=ALL

東電・賠償機構、事業計画10月末メド 政府支援確保へ策定急ぐ 

2011/10/19 19:00
東京電力と原子力損害賠償支援機構は19日、福島第1原子力発電所の事故の賠償への資金援助を受ける前提となる緊急特別事業計画を10月末をメドに共同策定する方針で合意した。東電の勝俣恒久会長、西沢俊夫社長と機構の下河辺和彦運営委員長が同日会談して確認した。政府支援の確保に向けて計画策定を急ぐ。
会談後、記者団に対して下河辺委員長は、「東電がリストラを具体化しなければ計画策定は難しい」と指摘し、東電の合理化努力を求めた。これを受けて西沢社長は、「(政府の経営・財務調査委員会による東電の資産査定などの)報告書をしっかり踏まえて合理化計画を進める」と述べた。
事業計画策定などを進める連携体制について下河辺委員長は、機構の担当者が東電に常駐して経営を監視しながら作業する意向を表明。これに対して西沢社長は「申し出を受けたのでやり方を至急詰める」として、機構側の意向を受け入れる方向で検討する考えを示した。