2012年9月2日日曜日

防災の日、原発でこそ防災避難訓練を行うべきでは?

 9月1日の防災の日を前に、2,3日前、南海トラフが連動した場合32万人の犠牲者がでるという想定が仰々しく発表され、1日は、首都圏直下型、南海トラフを想定した大規模な訓練が行われた。政府は、首都直下型と南海トラフにご執心だが、これまで日本が経験した大地震の中で1つとして、近々来るかもしれないとはっきり予知された地震があったろうか。

随分昔に「首都圏で地震が起こるかもしれない」とうるさく言われた時期があったが、それもほとぼりが冷めると、次は東海地震が今にも来そうな勢いで報道され続けてきた。

始終メディアで大きく取り上げられるわりには、自公民の連立政権の防災対策は実にお粗末なものであった。浜岡原発や東海村の原発を廃炉にするための作業も全く手付かずであったし、首都機能を分散させるという国家の危機管理上不可欠と思われるような抜本的な対策も何ら講じられては来なかった。

幸か不幸か、政府やメディア筋の発表する予想はことごとく見事に外れ、実際に巨大地震の甚大な被害を被ったのは、ノーマークの神戸であり、宮城・フクシマ・岩手であった。

WSJによれば野田首相は首都圏直下型地震に備えての訓練に参加したそうであるが、今の科学の知見では、次に地震国日本のいずこの地にに激震が走るかは、神のみぞ知ると言わざる得ない。

それなのに、原発のない東京を中心とした首都圏や、南海トラフにばかりに注目し、活断層が真上に走っていると言われているいくつかの原発や、中央構造線のごく近くに立地している原発を中心に、大々的な防災避難訓練が繰り広げられなかったことには、大きな疑問が残る。

地震に伴う津波はたしかに恐ろしい。しかしフクシマの全電源喪失によるメルトダウンさえなければ、東北3県の震災からの復興は、急速に進められたはずなのであるから、防災避難訓練は、原発を中心に実施されるべきではないのか。


首都直下型地震を想定=防災の日で訓練実施―政府


防災の日の1日、大地震に備えた防災訓練が各地で行われた。政府は、首都直下型地震を想定した総合防災訓練を実施。全閣僚が徒歩などで首相官邸に参集し、野田佳彦首相を本部長とする緊急災害対策本部を設置するなどの訓練を行った。

 訓練では、午前7時に東京湾北部を震源地とするマグニチュード7.3の地震が発生し、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県で最大震度6強の揺れがあったと想定。閣僚が官邸に参集して緊急災害対策本部会議を開催し、被害状況の把握や各府省の業務継続の状況を確認した。首相は記者会見で、「関係機関の指示に従って、お互いに助け合って落ち着いて行動するようお願いする」と呼び掛けた。

 首相はその後、国会前庭からヘリコプターで横浜市へ移動。首都圏の9都県市が首都直下型地震を想定して行った合同防災訓練の会場を視察した。政府調査団を現地に派遣する訓練も併せて行った。

 また政府は、南海トラフ巨大地震によって徳島、高知両県に多数の負傷者が発生したことを想定し、患者を山口県や九州地方などに広域搬送する訓練も実施。災害派遣医療チーム(DMAT)として全国から参集した医師や看護師ら1000人以上が参加し、広域医療搬送訓練としては過去最大規模となった。 

[時事通信社]