2012年1月15日日曜日

増税の前にやるべきことがあるのでは?

野田内閣は将来のビジョンも何もなく、ただ財務省のいいなりになり、増税をし、原子力ムラや財界のご機嫌をとって原発を再稼働すれば、それで立派に使命を果たすことになると思っているらしいが、思い込み違いも甚だしい。

むろん彼らが、政治的使命云々などということではなく、官僚や組合の機嫌を損ねれば、自らの地位が脅かされるという恐怖心だけで動いているに過ぎないことは自明であるがーー。わずかでも政治的使命を感じているならば、どんなことがあっても、できるだけの努力をして、政権確保の決め手となった選挙公約だけは死守するはずであるからーー。

古賀茂明氏は、増税をしなければギリシャへの道は正しくない。ギリシャは20%の増税をしたけれども破綻した。ギリシャは稼ぐ力がないから、経済力がないから破綻したに過ぎないという。

日本政府もギリシャにならって、増税だけに血まなこになって、原発産業など大企業や官僚の既得権益ばかりを擁護し、慶大の金子勝氏が言うように、国の未来を創るための決定打となるような、経済再生の抜本的な経済政策を、今のように全く何一つ発動せず、手を拱いていれば、たとえ何10%の増税をしたところで、確実に破綻の道に突き進むことになるに違いない。

増税は確実にただでさえ縮小している日本経済の萎縮に拍車をかける。

一時期あれほど、大きな話題となっていた公務員宿舎廃止もわずか25%の廃止で手打ちになり、特別会計や歳費の無駄遣いについても、全く追求されなくなってしまった。今はもっぱら、公務員の給料削減と国会議員の定数削減が話題になっているが、国会議員が自らの身を切るような抜本的な改革をするはずがない。

結局のところ末端の、一般サラリーマンより薄給で、汗水たらして国民のためにこつこつ働いているような公務員の給料がカットされ、それで国民の怒りの鉾を収めさせようという腹積もりなのだろうか。

そんなことをする前に、まず霞が関官僚と国会議員の宿舎を一部の例外全面的に撤廃し、霞が関にはびこる幹部職官僚の天下りを廃止し、彼らと国会議員の給料、賞与、退職金を大幅にカットすべきなのではないか。

むろん、無駄な歳費のカットは徹底的にやるべきである、それこそが民主党の公約だったのではないのか。増税をするならば、東日本大震災で焼け太りをして多額の利益を出している企業にそれを求めるべきではないのか。

以下古賀氏のスピーチの一部と金子氏のツイッターを転載する。

金子勝氏のツイッターより

TPP論議を見ても、原発事故後のエネルギー論議をみていても、日本は本当に戦略的に未来を創ろうとする発想がありません。サラリーマン経営者、そしてサラリーマン官僚たちが過去の失敗を取り繕うに精一杯という感じ。このままでは、エネルギー転換でも、米中の谷間で沈んでいきそうで怖い。
22時間前 webから


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/26804
                                                                         2012年1月6日
古賀茂明「増税こそがギリシャの道。消費税率引き上げの前に「戦う成長戦略」で日本再生を」


講演録後編より抜粋


最近話題になっている例えば年金と定年延長の話とか、あるいは復興増税も含め財政の問題、こういうことの関連で「成長をどう考えるか」ということをお話ししておきたいと思います。

 よく財務省は「日本は1千兆円の借金があって借金で首が回らない。このまま行くとギリシャになる。だから先のことを考えてやはり増税が必要なんだ」と言っています最近は財務省の幹部が何人もぞろぞろ揃って、各新聞社・テレビ局を回っています。各新聞社は論説委員のエライ方から、何人も集まって、財務省の幹部から御高説を賜る。そういうことをやってます。
 新聞もかなり色が分かれているので、皆さん、読んでいる新聞が違うと、隣の人と全然違う世界に住んでいる可能性があるんですよ。最近、産経新聞もかなり増税反対のキャンペーンを相当強烈にやって、国税が調査に入りました。それくらい財務省は一生懸命、増税、増税と言っているんですね。

稼がないから借金が返せない

 「ギリシャにならないために増税」「将来の安心のために増税」っていうキャッチフレーズで、何となく国民の皆さんもやっぱり財政が大変だという理解はある程度深まっている。「やっぱり増税、しょうがないな」と思っている方も多いと思うんですね。ですが、私が今日申し上げたいのはいまのまま増税していけば確実に「ギリシャへの道」だということです。つまり財務省は「ギリシャにならないために増税だ」と言っていますが、私は「いまのまま増税すればギリシャへの道だ」と反対のことを言っています。
 その意味するところは、いまギリシャはどうなっているのか見ていただければ分かると思います借金が嵩んで返せなくなった。ドイツとフランスが助けてくれない限り破綻です、というところに追い詰められているわけです。では、ギリシャは増税しなかったのかというと、ちゃんと消費税を上げています。20%になっています。もっと上げろと言われていますが、すでにこれ以上上げられませんというところまで上がっています。
 よくギリシャは公務員の数が多いと言われています。メチャクチャ多いので、公務員のリストラをやると言われています。それからムダな歳出が多い年金カットしろといろいろ言われてます。それらすべてをやりましょうということになっている。でも、それで財政が再建できると思っている人は誰もいないんですよ。マーケットは、そんなことやったって焼け石に水だということをよく分かっています。だから、破綻に追い込まれたんです。
 なぜそんなのでは駄目だって言っているかというと、ギリシャには稼ぐ力がないんです。借金は大きくたって何の問題もないんです、返せれば。大きな企業で何兆円も借金している企業はたくさんあります。でもそれを返せるだけ稼いでいるんです。だから借金が大きいから潰れるっていうことはないんです。国の経済もまったく同じです。借金が大きいから潰れるんじゃなくて、返せないから潰れるんですね。
日本の場合は、もちろん借り過ぎだとは思います。じゃ、借り過ぎちゃった場合にどうすれば返せるのか。もちろんムダも省かなくちゃいけないし公務員改革とかリストラもやらなくちゃいけない。しかし、それだけではだめです。借金を少しでも減らしていくためにどうすればいいのか。
 結局、日本はいま稼げなくなっているんですよ、それが最大の問題なんですね。ついこの間まで消費税を1%上げれば2・5兆円税収が入るといわれた。消費税1%=2・5兆円と、覚えやすい数字だったので記憶されていると思いますが、実はいまはもう1%上げても2・1兆円しか入らないんです。なぜかというと、この20年間ずっと日本の経済はデフレで縮小しているんですね。
 「成長」と言うとき、よく「実質経済成長率」というのを使います。実質経済成長率というのは要するに物価上昇分を差し引いた伸び率のことです。その差し引く物価上昇率がマイナスなんです。マイナスを差し引くからプラスになっちゃっう。物価が下がった分、成長が大きく見えるんですね。ところが、我々が普段おカネのやり取りをしている現実の世界においてはずっと日本の経済は縮小しているんです。だから消費税を1%上げても、昔だったら2・5兆円増えたけど、いまは2・1兆円しか増えない、そういうふうになっている。

消費税を20%にしても追いつかない

 そういう中でいま財務省は増税をしようとしています。そうすると経済はもっと縮小していきます。で、また税収は減ります。足りないからまた増税します、とやっていって消費税を20%まで上げるという。プラス15%の増税です。15%の増税で、仮に1%=2兆円としても30兆円です。
 今年の国債発行額は44兆円ですから、消費税を20%にしても国債の発行をゼロにはできない。つまり借金は減らないんです。25%にしてぎりぎりトントン。借金を減らすんだったら30%くらいにしなきゃいけない。所得税とか年金とか払った上に、更に3割消費税に持っていかれます。こういう世界で財政再建をしましょうということになるんです。
 私が言いたいのは、「そんなやり方ではなくて、稼げるようにしなくちゃいけないでしょ」ということなんですね。
エネルギー分野もそうです。「これから原発に頼らない。二酸化炭素を減らさなくてはいけない。だから再生可能エネルギーをどんどん増やさなくてはいけない。この分野もものすごく伸びるんです」と。
けれども、よく考えると、この分野って全部企業が自由に活動できないんですよ。
 だからそれをもっともっと自由にすればいいんですけど、じゃ、どうやって自由にするんですか。自由にしたら困る人たちがたくさんいます。農業なら農協がいる、医療だったら医師会がある、エネルギーなら強力な電力会社が立ちはだかります。それが怖くて自民党は改革に手を付けられなかったんですよ。だから知らないうちにずっと日本の経済が沈んでいたんです。

戦う成長戦略を実現してほしい

 政権交代のまえは民主党なら柵(しがらみ)がないからできるんじゃないかと、みんな思った。ところが幹事長室に陳情の窓口を作ったら一番に並んだのが農協で、二番は医師会だという笑い話もあるんです。結局戦えなくなっちゃった。組合もいますしね。強いところと戦えない。
 だから財務省は、民主党、自民党に「是非、消費税を上げてください」と言いに行く。中には、「消費税を上げれば銅像が建つ」って言う政治家もいるんです。消費税を上げるというのは不人気な政策だけれど、でも責任ある政治家は不人気な政策もやらなくちゃいけない、それをやり遂げるのが立派な政治家なんだと思い込んでいるんです。私に言わせるとちゃんちゃらおかしい。
 なぜかというと、戦うべき相手を間違えているからです。強力な既得権グループと戦うのが怖いから、一番弱い消費者を相手に戦って消費税を上げる。つまり普通は「強きを挫き弱きを助ける」、これが正義の政治ですね。それとまったく逆で「強きを守り弱きを叩く」という方向にいっている。
 ですから私は、強いところと戦う勇気を持っている政治家・政党、覚悟を持ってる政治家・政党、そういうところを我々が声を出して・・・、声だけじゃなく、投票だけっていうんじゃなくて、おカネを出さなきゃいけないと思ってます。個人の政治献金ですね。そうやって支援していくことによって本当に日本を変えていく。これが「戦う成長戦略」と私が呼んでいる成長戦略です。バラマキの成長戦略ではなくて「戦う成長戦略」を是非やってほしい。