2012年5月4日金曜日

2,3ヶ月で変わるアテにならない枝野発言:経産大臣は発言に責任を!

福井の原発再稼働をめぐって、しびれを切らせた枝野経産相は、日本中の原発が停止する直前のタイミングで、関電管内での計画停電の必要性を匂わせ、再稼働への駆け引きを始めた。

以下に転載するが、2月の終わりにわざわざ記者会見の場で、「すべての原発が停止しても、関電で計画停電などを行わずとも電力が賄える」といった経産大臣が、わずか数ヶ月の間に前言を翻し、再稼働を認めなければ、計画停電の準備を進めなければならないと言うのである。

それならば、2月のあの発言は一体なんだったのか。単なる思いつきか、あるいは失言だったのか。一国の経産大臣ともあろう者が、さしたる根拠もないままに国の電力が足りないだの、足りているだのというような重要なイシューに関する発言をかくも軽々に、ころころ変えてよいものなのだろうか。

あまりにも軽い、軽すぎる。

メディアも誰も、その点について厳しく追求しないことに大きな疑問を呈さざるをえない。

本来、経産大臣は3.11以降も、ただひたすら原発推進路線をゴリ押しで推し進めることにばかりご執心であった関西電力に対して、国民の安全を確保できない原発に依存しなくても電力を十分確保、供給できるよう企業努力せよと指導すべき立場だったのではないのか。

代替エネルギーの確保や、他の電力会社や自社発電を行なっている会社からの電力融通システムの構築、電力使用ピーク時の電気料金の設定変更など、14ヶ月もの間に関電ができたことはいろいろあったはずである。そういった努力をろくにせず、安全確認の保障もできないような原発の再稼働に血道をあげる関電社長・経営陣は社会に対して、消費者に対して、大きな社会的、道義的責任がある。

経産大臣も、国民に計画停電などという大きな迷惑を及ぼす準備を進める前に、本来このような電力会社の態度を諌め、大型電力の消費を行う企業に対して、使用電力制限令を出すか、あるいは始業時間、休日の変更、省エネをするように通告すべきではないのか。

電力が足りない、足りないというけれども、所詮、原発に群がるシロアリ軍団が、原発再稼働のために、必死で悪知恵をめぐらせて、情報を隠したり、自分たちの都合のいい結果が出るような算出法で計算をしたりして、不足だ、不足だと姦しく騒ぎ立てているということぐらい、賢い国民は皆とっくの昔に認識している。

夏の電力不足がそんなに気になるならば、計画停電などしなくても、くだらないテレビ放送を大幅に間引いただけでも、結構な節電になるし、自販機も3分の1に減らせばよい。前にも書いたが、節電の方法はいくらでもある。

しかし、それ以前に、そもそも突然の停電=大パニックのように大げさに取り扱われている事自体に薔薇っ子は大きな疑問を感じずにはいられない。

例えば長く暮らした方はご存知と思うが、アメリカのN.Y近辺では、摂氏40度近い真夏に台風の通過などによって、1時間や2時間程度の停電は茶飯事であり、一晩中停電することも決して珍しいことではない。

アメリカのように建物中をがんがんに冷やして電力を使いまくっている国でも、別段一晩ぐらいの停電で大パニックが生じる様子はない。皆、家にキャンドルを用意していて、黙って停電を受け入れている。

高層ビルには自家発電装置があり、非常時にもエレベーターは機能するし、非常灯も装備されている。救急病院などは自家発電の装置を備えていて、手術や治療に差し障りがないように備えられている。PCだって、充電しておけばいつ何時停電しても、何時間でも使用できる。

もちろん、どこの国でも、クーラーが家にあろうがあるまいが、夏に体力を消耗して亡くなる高齢者もあれば、秋風が吹く頃に夏の疲れが出て死ぬ者いる。急激な冬から春への気候の変化に順応できずになくなる高齢者も多い。

しかし、丸一晩停電してエアコンが使えなかったからというだけで、病人や大量の高齢者が命を落としたなどというニュースは聞いたことがない。

命に関わるほど暑いと感じれば、普通の人間は自分で水を浴びるなり、氷水を飲むなり、辛いものを食べるなり、サバイバルのためにそれぞれ、生きるためにそれなりの知恵を働かせ工夫をするものである。

たしかに暑さを感じられなくなった独居の高齢者が暑い室のような部屋で脱水症状を起こして亡くなるケースが多い。しかしそれは停電するかしないかが問題ではなく、彼らはそもそも暑さを感じることができないため、いくらエアコンが使える状態にあっても、スイッチを入れようとしないーーそのことが問題なのである。

日本でも祖父母の時代には停電は日常茶飯事であったという。21世紀の現在でも、摂氏40度、50度でエアコンも電気供給さえ十分ではないところで、普通にたくましく生きている人間は世界にはたくさんいる。だから、夏の1日や2日、電気などなくても、大げさに騒ぎ立てるほどのことは何もないのである。

さしあたって停電で困るのは24時間、大型の電力を消費している製造業であろうが、エネルギー資源の乏しい日本にありながら、未だに大量の電力を使用しなければ立ちゆかないような産業に大きく依存しているということにこそ、大きな問題がある。

大量の電力を使用し、停電になっては困るような企業は、「原発を動かせ」と電力会社を応援する暇があったら、まず自前で自家発電装置を設置したり、始業時間や休日を変更したり、節電を試みたりして、自主的に企業努力を行うべきであろう。経済のため、経済のためと言うけれども、ひとたび福井で大きな原発事故が起きて琵琶湖の水が汚染されれば、関西市円の経済活動は二度と立ち上がれないほど大きなダメージを受けるのである。

特に日本は敬虔なキリスト教国ではないのだから、日曜日にどうしても皆がそろって休息を取らなけれならない理由は何もない。電力を大量に消費する製造業などは、日曜出勤をして、シフトで平日に休日をとればよいのである。サービス業は、土日出勤が当たり前である。製造業だけが土日に休まなければならない理由は何もない。

野田政権や電力会社の計画停電という名の暴挙は断じて許すべきではないし、我々は計画停電という脅し文句で、否応なしに再稼働を認めさせようというシロアリの謀略に負けてはならないのである。


電力不足:枝野経産相、関電管内で計画停電の準備必要

毎日新聞 2012年05月03日 23時37分(最終更新 05月04日 00時04分)

枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影
枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影

枝野幸男経済産業相は3日、BS朝日の番組収録で、大幅な電力不足の見込まれる関西電力管内について「猛暑を想定して、計画停電の計画は立てないといけない」との認識を示した。
 枝野氏は「原発が再稼働しない場合、(大口需要者に節電を義務づけた)昨夏の東京(電力管内)より今年の関西の方が大きな無理をお願いしなくてはならない」と指摘。同時に「(実施すれば)影響が大きすぎるできれば計画停電したくない」と述べ、改めて関電大飯原発3、4号機の再稼働に理解を求めた。





今夏の関電、全原発停止でも「乗り切れる可能性十分」と枝野経産相

2012.2.17 11:27
 枝野幸男経済産業相は17日の閣議後の記者会見で、来週すべての原発が止まる予定の関西電力に関し、再稼働できなくても今夏は関電管内で「(電力使用制限令を)出さずに乗り切れる可能性は十分にある」と強調した。
関電管内では今冬も制限例は出さず、電力使用を前年同月比で10%以上減らす自主的な節電を求めた。しかし目標に届いていない模様で、経産相は「さらに努力と精査をしなければいけないと思う」と述べた。
関電は20日、自社で唯一稼働している高浜3号機(福井県高浜町)の定期検査入りに伴う停止作業を開始する。関電の2010年度の発電電力量に占める自社原発の比率は51%を占めている。