2011年11月6日日曜日

飛んで火に入る夏の虫:Noと言えない人たちにTPP交渉なんか無理では?

 内弁慶の外地蔵とは日本の霞が関官僚に最もふさわしい言葉かもしれない。
国民に対してはあれこれ偉そうなへりくつを延べ立てているけれども、特にアメリカに高圧的な態度で詰め寄られると、へらへら笑って相手のいいなりになるしかすべがない。

「そんなことは断じてない」と否定するのであれば、普天間の問題にしろ、何にしろ日本の官僚が国益を守るために、日米間の交渉の瀬戸際で一体いままで、どのような場面で、どんなふうに相手を説得し、譲歩させたことが、過去5年間の間に実績として、何度あったかをきちんと挙げて国民の前に示してもらいたいものである。

大臣にいたっては、国民が納得もしていない、国内の議論が何も十分にできてない重要懸案について、海外に出かけて行っては、私見を独断専行で国際公約としてぶち上げ、それを既成事実に変えて、嬉々として喜んでいるという体たらくである。

日本政府の中枢にいる人たちは、国益などよりも、外交の場で自分の顔をつぶされたくない、対面を守りたいの一念しかないようにしか見えないのは不幸なことである。すでにTPPについては、ブログに書いたので改めて繰り返すつもりはないが、こんな人たちがTPPの事前交渉などに入っていってまともな議論ができるはずがない。

TPPの交渉に入るか入らないかについて、幕末の鎖国か開国かの瀬戸際という荒唐無稽な発言をする人もあるようだが、日本はFTAで着々といろんな国々と貿易交渉を結んでいる。にもかかわらず、乗り遅れのバスに乗るような調子でTPPに飛び込めば、飛んで火に入る夏の虫になることは自明である。

TPPは恐ろしい。相手国の企業にとって、障害になるような安全基準を国が定めていたりするときは、企業が訴訟を起こせる権利が発生する。日本はそんな事態になったときに、我が国は一体どんな対応できるのか。結局アメリカとFTAを締結した韓国やメキシコと同様、何もかもずるずるとアメリカン・スタンダードに塗り替えられ、抜き差しならない事態に陥るのがおちである。

個人的にオバマはアメリカの国益を守るために彼は彼なりに粉骨砕身努力しているし、日本の政治家たちには、爪のあかでも煎じて飲んでもらいたい、信念の人だとは思う。しかし、日本の医療や労働、共済や金融などの部門における国益を犠牲にしてまで、彼の再選を支持しなければならない必要性があるとは到底思えない。仮に日本がTPPに参加したからといって、オバマが次の選挙で再選されるとは限らないからである。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00210953.html

G20閉幕 野田首相が帰国の途に 「緊張感の持ったいい議論ができた」


フランスのカンヌで開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議は4日、ギリシャの包括支援策の速やかな実行を求める首脳宣言を採択して閉幕した。
G20首脳会議を終えて、野田首相は日本時間の5日未明、帰国の途に就いた。
野田首相は、今後めじろ押しの外交日程のスタートとなった今回の首脳会議を終え、「大変、緊張感の持った、いい議論ができたというふうに思っております」と述べた。
野田首相は、ヨーロッパの金融危機について、条件付きで協力する意向を強調したほか、消費税増税を国際公約して、日本の財政再建に向けた姿勢を訴えたが、各国の関心はギリシャ情勢に集中し、その存在感を示せたとは言い難い状況。
為替介入への理解を求めた場面では、野田首相が「どこからも反応がなかった」と苦笑いするくらい各国の関心は薄く、2国間の会談も短時間で慌ただしく、中国の胡錦涛国家主席とは、わずか5分間の立ち話だった。

国内では低姿勢が評価を得る野田首相だが、国際社会では、それがそのまま発信力不足につながっている感は否めない。
ただ、帰国後は、3次補正審議やTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加問題で、野党側や民主党内の協力を得るため、引き続き低姿勢の日々が続くことになるとみられる。




http://mainichi.jp/select/biz/news/20111105ddm008020009000c.html

G20サミット:野田首相が国際公約 財政健全化、強い決意 消費増税、壁高く


野田佳彦首相は3日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で、消費税率を2010年代半ばまでに段階的に10%に引き上げることを国際的に約束し、「カンヌ行動計画」にも盛り込まれた。与野党の反発が強い消費増税をあえて各国首脳に示すことで、財政健全化への強い決意を示した形だ。ただ、増税の実現にはハードルが多く、日本の財政への信認を得るには、政府が実行力を示す必要がある。【坂井隆之】
首相はG20出発前に藤井裕久・民主党税制調査会長と会談し、消費税増税を盛り込んだ税と社会保障の一体改革法案の年内取りまとめに道筋をつける方針を確認、藤井氏は「党の方は心配するな」と請け負った。だが、消費増税への党内の反発は依然として強い。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加問題でしこりが残れば、増税時期や幅などを巡る議論で党内対立が再燃する可能性がある。
 参院で多数を占める野党の協力を得るのも容易ではない。首相の「国際公約」を受け、自民党の谷垣禎一総裁は4日、「政権を取った衆院選マニフェストは、消費税は増やさない前提だった」と批判した。公明党の山口那津男代表も「意思決定前に信を問うのが筋だ」と述べ、増税の関連法案提出前の衆院解散を求めることで自公の意見がそろった。東日本大震災の復興増税法案でも、増税期間を巡る与野党協議は難航しており、来年の通常国会での消費増税の議論では、野党がさらに対決姿勢を強めるのは確実だ。