2011年9月14日水曜日

東電さん、電気料金値上げって、少しは企業努力をしたら?

 賠償スキーム、もう一度根本から、考え直すべきでは?
東電は来年から3年間、電気料金を15%引き上げるそうだが、金子勝氏によれば、原発が再稼働すれば、同時に賞与半減も2015年に修了する予定だという。


こんなことが許されていいのだろうか。国民は、増税に苦しめられた上に、電気料金アップでこの不況の中、2重に苦しめられるのである。電力会社は、「火力発電を増やすため」ということを理由に、電気料金の値上げに踏み切るそうであるが、それもいい加減なものである。そもそも、原子力だって決して安くはなかったという調査結果が出ているではないか。空前の円高であれば、当然化石燃料も安いはずである。東電を始めとする電力会社は、子どもでさえ納得できない適当な理由付けをして、気安く電気料金の値上げをするけれども、もっと企業努力をすべきではないのか。

http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY201109130699.html

    原発コスト、従来の2倍以上の試算も

原子力発電にかかるコストは従来より高い1キロワット時12~7円台になるという試算が、13日に内閣府の原子力委員会(近藤駿介委員長)に報告された。電力業界の試算で、これまで5円台とされてきたが、原発の稼働率の低下や建設費の上昇などの影響を考慮すると上がったという。


新たな試算でも原発は他電源より安いか、同じくらいだったが、東京電力福島第一原発の事故で今後見込まれる安全確保の費用を考えれば、コストはさらに高くなる可能性もある。
2011年9月14日5時0分


 もちろん、上記のシンクタンクによる算出には、賠償や安全確保の費用はおろか、除染、事故で壊滅した原発や老朽化した原発の廃炉、放射性廃棄物の処分にかかる費用は全く含まれていない。


3K(危険、高価、汚い)も甚だしい原発を再稼働する必要などどこにあるのか。現存の官僚の天下り先や政治家の子弟の当面の就職先を確保するためか、9月の半ばになっても相変わらず関東から西日本にかけて、30度を超える厳しい残暑が連日続いている。にもかかわらず、全く電力不足のデの字も出なくなったのはなぜなのか。原発など7割がたストップしていても、電力は十二分に供給されているからではないか。


政府は、さっさと電力の自由化を進め、発送電分離を行い、電力会社の地域独占をなくせば、国民を今のような高い電気料金から開放すべきである。


 一体、電力会社の面々というのは、どういう神経の持ち主なのだろうか。除染も、まき散らした放射性物質の迷惑ゴミの回収すら行わず、世界中に放射性物質を撒き散らし、多くの人々を被曝させておいて、何が賞与か。


野田内閣は経団連のご意向通り、原発再稼働に前向きな枝野氏を経産相に据え、再稼働に向けてまっしぐらであるが、一体誰のための原発なのか。


未曽有の大きな事件を引き起こしながら原発の何が安定供給なのか。安定供給は当面天然ガスや化石燃料で十分に賄える。たとえ日本がフランスのような地震とは無縁の国であったとしても、東電のような体質の私企業に原発の再起動を許すなど、あまりに無謀過ぎる。


経団連や経済界は原発がなければ、電力の安定供給はできず、企業の生産活動は減退し、それが企業の海外進出を引き起こすと主張し続けている。


しかし実際は、原発がどうであれ日本の多くの企業が円高が原因で海外進出をすることは避けがたい。財務大臣は就任早々、円高対策を講じたいなんて宣うたが、円高は、所詮日本一国が単独で市場介入したところで、歯止めをかけることなど不可能である。つまり、企業の海外進出は不可避であり、むしろ円高を逆手にとった経済政策こそ必要とされているという意見もある。


多くの企業が海外に進出することが不可避なのであれば、企業のために多くの電力を供給をしなければならないという大前提も崩れるはずである。そもそも企業の経済活動のためには、国民の生
命や安全を犠牲にするのが当然という考え方自体が、大きな過ちである。人が人として生きる上で最も基本である健康で不安のない安全な生活さえ保証されずして、何が経済の繁栄か。



金子勝

@masaru_kaneko
慶應義塾大学経済学部教授の金子勝です。近著は『「脱原発」成長論』

来年から3年間、電気料金を15%引き上げ、原発が再稼働すれば 同時に賞与半減も2015年に 終了する予定だという。財務省・経産省が、除染もせず住民を被曝させたままで、賠償スキームで助けてくれるからと、究極の無責任です。
15時間前 webから

隠蔽、隠蔽、また隠蔽

 怖いことですね。原子力関連施設で事故が起こったとき、フランスの田舎の地元住民たちは近くの薬局にポタシウム・アイオダイドを買いに、駆け込んだというのに。福島の原発周辺住民はそんなことさえ知らなかったのです。
 東電がベントに難渋して間、多くの人達がツイッターなどで、福島第1は危険だといい、ワカメを食食べろとか、遠くに逃げろとか、マスクをしなきゃと玉石混淆の意見が飛び交いました。このたび経産省にご就任あそばされた枝野氏は、それらを、人命にかかわるデマだ、風評だ。流せば逮捕されるぞと恫喝し、公共放送局を始めとする大型メディアがその尻馬に乗って、言動統制をしようとした事実はまだまだ記憶に新しいところです。
 たしかにワカメやうがい薬はどうかと思いますが、しかし、それさえ、当たらずといえども遠からずで、むしろ「圧力容器は絶対に壊れない、絶対安全」などと原子力ムラのスポークスマンがしきりに流し続けた、何ら科学的根拠のないデマ、風評こそが、悠然と政府を信じて自宅待機などして被曝し続けた地元住民に大きな被害をもたらす結果になったのです。風評被害の元凶は、原子力村の方々であり、そのスポークスマンであった官房長官ご本人であったのではないでしょうか。


 隠蔽、隠蔽、また隠蔽。
東電、保安院、政府、安全委員会、原子力むら、そしてそれを擁護しようとする財界には全く開いた口がふさがりません。


それにしても、単に口が上手いだけの、ころんでも失言することがない弁護士さんに経産大臣が務まるのでしょうか。メディアでは大変人気のある政治家であるかのように評されていますが、3月12日にすでに事態の深刻さが十分にわかっていながら、正しい情報を全く国民に与えず、多くの人達を無為に大量被曝させてしまったことについて、彼自身、一人の人間として、どう考えているのか、是非お尋ねしたいものです。そして、そんなことをしておきながら、なおも原発再稼働に加担しようとする彼の如き政治家に、国政が託せるというのでしょうか。










http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110321-OYT1T00020.htm

原子力安全・保安院の西山英彦審議官は19日夜、「16日朝に20キロ・メートル圏内からの避難者にヨウ素剤を投与するように県に指示した」と説明した。しかし、15日昼過ぎには、避難は完了していた。県の担当課長は「今更、服用させても効果がないと判断し、実施を見送った」と話した。これに対し、同院は「予防的な措置として投与を決めたが、結果として対象者がいなかった」と釈明した。
 19日には、世界保健機関の緊急被曝医療協力研究センター長の山下俊一・長崎大教授が県の災害対策本部を訪れ、報道陣に対し「放射能のリスクが正しく伝わっていないが、今のレベルならば、ヨウ素剤の投与は不要だ」と話した。
(2011年3月21日03時06分  読売新聞)

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110914ddm002040071000c.html

東日本大震災:福島第1原発事故 ベント失敗で敷地線量数シーベルト 3月12日試算

 東京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は13日、事故発生当初に1号機の格納容器の圧力を下げるベント(排気)が失敗した場合、敷地境界での被ばく線量が「数シーベルト以上に達する」との試算を3月12日に実施していたと発表した。数シーベルトを一度に浴びると死ぬ恐れがある。
 ベントが難航していた12日午後1時ごろ、保安院職員が試算の文書を作成。官邸にいた平岡英治・保安院次長(当時)に知らされ、原子力安全委員会に文書がファクスされた。
 試算では、ベントできない状態が続くと約10時間後の同日午後11時に格納容器内の圧力が上限値(約4・2気圧)の3倍に達し格納容器が破損。大量の放射性物質が放出されると想定した。被ばく線量は敷地境界で数シーベルト以上となり、気象条件次第で原発から3~5キロで「著しい公衆被ばくの恐れがある」と記している。【岡田英】
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110913ddm012040055000c.html

東日本大震災:東電、別の手順書も黒塗り 保安院「開示命令は可能」

 東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒塗りして開示した問題で、再開示を要求していた衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)は12日、同社が別の「シビアアクシデント(過酷事故)発生時の手順書」でもほとんどすべてを塗りつぶして開示したことを明らかにした。
 一方、経済産業省原子力安全・保安院がこの日の同委員会理事会で、原子炉等規制法などによって手順書の開示命令ができるという初めての説明をしたこのため、同委員会は経済産業相に対し、初めて同法に基づいて開示命令を出すように請求した。開示請求は通算4回目。
 理事会では、保安院と東電幹部がシビアアクシデント手順書を持参して説明した。資料は表紙と目次のA4判3枚で、目次50行のうち開示されたのは「消火系」と「不活性ガス」と書かれた2行のみ。両者から内容についての説明はなく、東電は会議後に資料を回収し、「核物質防護と知的財産上の問題」と説明したという。
 川内委員長は「これだけの事故を起こしておいてまったく資料開示に応じないのは遺憾。保安院も法的権限があるのを知りながら、これまで何もしていなかったということで理事からも怒りの声が上がった」と話した。
 一方、この日の会見で東電は「あくまで運転操作にかかわる手順書は社内文書。一般的に公開するものではないと考えている」としている。【関東晋慈】
毎日新聞 2011年9月13日 東京朝刊