2012年1月26日木曜日

渡辺謙のダボス会議でのスピーチ: メディアは都合の悪い情報をこうして斬り捨てる

メディアは何をどう報道しているのか。

渡辺謙が日本の芸能人として初めて、世界経済フォーラムの年次総会に招かれ、渾身のスピーチを行なったという。自らも積極的に東日本大震災のボランティア活動を行い、世界的な活躍をしていることで評価を受け、スピーカーとして招待されたものと考えられる。

今の芸能界で、国際的に発信力をもった芸能人は数少ない。そんな中で、渡辺謙は世界の政財界のトップたちを前にどんなメッセージを放ったのか。


これまで薔薇っ子は日本の大型メディアは、自分たちに都合のいい報道しかしていなかったのではないかというブログを発信し続けてきたが、その端的な例を、今回のメディアの渡辺謙のデボス会議の報道のされ方に端的に見ることができる。

日経や読売、NHK,朝日TVは、もっぱら彼が、絆の大切さを世界に発信したことを強調している。


震災以来、政府がメディアと結託して、踊らせてきたこの絆と、被災地復興の2つのキーワードは、国民に増税を認めさせるための空疎でお為ごかしなプロパガンダとして利用され続けてきた。

本当に国を動かしている人間や、ジャーナリストに絆を重視する気持ちが微塵でもあるならば、被災地の人たちを安全な地域にいち早く疎開させ、そこで生活が成り立つよう、国会議員も中央の管理職官僚も、メディア関係者も、皆、私財を投げ打ち、身を削って、助力してきたはずであるからーーー。


渡辺のスピーチは、自らのボランティア経験から絆にも触れたが、それだけに留まるものではなかった。

共同通信、報道ステーションによれば、渡辺謙は、フクイチについて言及し、人間がコントロールできないような、原発エネルギーからの脱却を早急に図らなければならないと訴えた。

世界経済フォーラムは、日本の民主党の執行部やメディアが吐いて捨てるほど3月以来繰り返してきた、美しい日本の「絆」文化についてのスピーチが聞きたいから渡辺を呼んだわけではない。

今年のダボス会議2012のテーマは、「大いなる変革と新たなモデルの構築」。日本のリーダーは、飽きもせず、もっぱら既得権益を守るために悪知恵を働かせることばかりだが、世界のリーダーたちは、大きな変革期にあることをしっかり認識し、これまで経済最優先の施策を進めることによって、人類は何を失ったのか振り返り、新たなモデルの構築を、模索しようとしているのである。


日本の芸能人のほとんどが黙して語ろうとしない、原発エネルギーから、再生エネルギーへの早急な脱却、それを実行しなければ、こどもたちに未来を託すことはできないことを、しっかり自分の言葉で述べ立てることができる数少ない芸能人であることを評価し、シンクタンクはダボスに渡辺を呼び、講演を依頼したのである。

さすがに世界的な評価を受けている渡辺謙をこきおろし、変人、奇人扱いする勇気は持てなかったと見えて、日経、読売、NHKなどの大型メディア各社は、いつものことだが、揃いもそろって自分たちに都合の悪い、お得意様の経団連や、原発関連企業に少しでもマイナスに働きそうなメッセージは、勝手にもみ消し、都合の良い部分のみを報道しているのである。


世界に放射性物質をまき散らしながら、まだ何の反省もなく原発の再稼働などと主張しているような守銭奴ばかりではないことを、世界の要人の前で示してくれた渡辺謙と、彼の勇気を讃えたいと思うのは、薔薇っ子だけだろうか。

以下様々なメディアの、このニュースに関する関連記事を転載する。

http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012501001982.html

渡辺謙さん、震災を語る ダボス会議開幕


 25日、スイスのダボス会議の会合に出席した俳優の渡辺謙さん(AP=共同)
 【ダボス(スイス東部)共同】スイスのシンクタンク、世界経済フォーラム(WEF)の42回目の年次総会(ダボス会議)が25日、東部ダボスで開幕した。主要議題の一つ、東日本大震災について、俳優の渡辺謙さん(52)が会合で英語でスピーチし、「絆」の大切さを強調した。会合後、渡辺さんは「俳優として何を訴えられるのかを考えた」と語った。
渡辺さんは「行き場を失った人々に残ったのは、人が人を救い、支え、寄り添う『絆』という文化だった」と聴衆に語りかけた。また、東京電力福島第1原発事故にも言及。人間にコントロールできないエネルギーからの脱却を訴えた。

2012/01/25 19:40   【共同通信】







渡辺謙、ダボス会議で日本再起宣言

ハリウッドでも活躍する俳優の渡辺謙(52)が25日、スイス東部のダボスで、世界経済フォーラム(WEF)の42回目の年次総会(ダボス会議)に日本人俳優として初めて出席し、東日本大震災について英語でスピーチした。復興支援に取り組む中で感じた『絆』の大切さを、世界に向けて発信。「心から笑いながら、支え合いながら生きていく日本を、皆さまにお見せできるよう努力します」と“日本再起”を力強く宣言した。
 日本人俳優として初めて招かれたダボス会議。世界各国の財政界人や文化人が集った会合は、謙さんからのお礼の言葉で幕を開けた。
 「大震災の折に、多くのサポート、メッセージを頂いたこと、本当にありがとうございます。皆さんからの力を私たちの勇気に変えて、前に進んで行こうと思っています」と国民を代表して、支援の感謝を伝えた。
 震災直後に復興支援サイト「kizuna311」を立ち上げ、被災地を5度訪れるなど、復興支援に尽力している謙さん。世界に向けて発信したのは、肌で感じたkizunaの大切さだった。
「行き場を失った人々に残ったのは、人が人を救い、支え、寄り添う『絆』という文化だった」と熱弁。英語のスピーチのため「絆、漢字では半分の糸と書きます。半分の糸が、どこかの誰かとつながっているという意味です。困っている人がいれば助ける。人として当たり前の行為なのです」と日本が誇る“文化”を強調した。
脱原発にも言及 被災地の現状を訴える中、避けては通れない原発問題にも言及。「『原子力』という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きていく恐怖を味わった今、再生可能エネルギーに大きくかじを切らなければ、子供たちに未来を手渡すことはできない」と脱原発の考えを明確に訴えた。
26日には、現地で開催される内閣府主催イベント「JAPAN NIGHT」でホスト役を務める。マイクロソフトのビル・ゲイツ会長(56)ら、ダボス会議参加者2700人に招待メールを送信した。会場では被災地のリポートVTRを上映。愛する日本の今を、あらためて世界に伝える。
(2012年1月26日)


俳優の渡辺謙さん、絆の大切さ訴え ダボス会議 

2012/1/25 21:51

【ダボス(スイス東部)=藤田剛】25日に開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、俳優の渡辺謙さん(52)が東日本大震災について講演し、「絆」の大切さを訴えた。終了後、渡辺さんは「競争一辺倒ではなく、もっと穏やかな新しい価値観を作り出す必要があると話した。世界各国の出席者が同じような感覚を持っていた」と手応えを語った。
ダボス会議は世界各国の政官財のリーダーが集まり、国際的な問題について討議する場。渡辺さんは「少し場違いかと思ったが、大震災を経験した日本は今こそ何かを発信すべきと考えた」と参加の理由を説明した。日本の俳優が同会議で講演するのは初めて。
東日本大震災は今年の会議の主要テーマの一つで、26日には菅直人前首相が震災や福島第1原子力発電所の事故について講演する。

渡辺謙さん ダボス会議で絆を訴え

1月26日 6時4分 動画あり twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)
世界各国の政治や経済界のリーダーが一堂に会する「ダボス会議」がスイスで開幕し、東日本大震災の被災地で支援活動を続ける俳優の渡辺謙さんが、被災地で学んだ、支え合って生きていく「絆」の大切さを訴えました。
ダボス会議は、スイス東部のダボスで毎年開かれるもので、各国の政治指導者や企業経営者などが国境を越えた課題について意見を交わす場となっています。ことしは、ヨーロッパの信用不安への対応が中心的な議題で、25日、開幕のあいさつに立ったドイツのメルケル首相は、「危機は今なお続いているが、ヨーロッパは今後、財政面の統合をより深め、競争力をつけ、雇用を生み出していく」と述べ、各国が結束して信用不安の払拭(ふっしょく)に取り組む決意を示しました。また、会議には東日本大震災の被災地で支援活動を続ける俳優の渡辺謙さんも特別ゲストとして招待されました。俳優として海外でも活躍する渡辺さんは、被災地を繰り返し訪れるとともに、ハリウッドスターにも呼びかけて被災者を励ますためのインターネットのサイトを立ち上げています。渡辺さんはスピーチの中で、「被災地の人たちは震災で多くのものを失いました。しかし、そこには人が人を救い、支え合い、寄り添う行為がありました」と述べて、世界で起きるさまざまな危機に立ち向かっていくためには、人々の「絆」が大切だと訴えました。26日には、震災から1年に向けて渡辺さん自身が被災地での復興の動きを取材し、NHKが共同制作に参加したドキュメンタリーがダボス市内で上映されることになっています。

渡辺謙「新しい日本見せたい」…ダボス会議で魂のスピーチ


俳優の渡辺謙(52)が25日、スイス東部のダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)の42回目の年次総会「ダボス会議」でスピーチした。今年は東日本大震災が主要議題。自らの思いを流ちょうな英語で披露した。過去に人気ロックグループ「U2」のボノ、米女優シャロン・ストーンらが参加したことで知られる。日本の芸能人がスピーチを行うのは初めて。
渡辺20+ 件のダボス会議への参加は、日本の芸能人としては初めてのこと。約50人を前に堂々とスピーチし、最後に宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を英訳で読んだ。終了後の会見では「競争ばかりでなく、もっと穏やかな新しい価値観を作り出す必要がある。各国の出席者も同じ感覚だった」などと語り、大きな手応えを感じていたという。
また「被災地では人間として何をするべきかという観点で活動を始めた」と説明。「被災地の日本の有り様を世界に発信したかった」と参加した意義を強調。渡辺20+ 件は昨年4月から被災地22か所で被災者約3000人と面会してきた。
同会議では、26日に菅直人前首相が震災時の対応などについて報告する予定。29日までの期間中、約250の会合が予定され、約40か国の首脳を含め政財界、文化人ら2600人以上が議論。26日には、現地の劇場で新作の主演映画「はやぶさ 遥かなる帰還」(2月11日公開)を海外マスコミとVIPを招待して特別上映する予定。
◆ダボス会議 スイスのジュネーブに本部を置くシンクタンク「世界経済フォーラム(WEF)」が毎年1月、スイス東部のリゾート地・ダボスで開催する年次総会のこと。世界的に活躍する政治、経済、文化など各界のリーダーたちが一堂に会し、地球規模のさまざまな問題について話し合う。

渡辺謙さん「今後は新しい価値観・幸福観必要」

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 【ダボス(スイス東部)=佐藤昌宏】俳優の渡辺謙さん(52)が25日、スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にゲストとして参加し、東日本大震災後に行ったボランティア活動などについて講演した。
 講演は英語で行われ、渡辺さんは、昨年4月から被災地入りして被災者と交流する活動を続けたことや、昨年末には宮城県気仙沼市などの被災地の現状を伝えるドキュメンタリー番組のリポーターを務めたことを紹介。講演後の記者会見で渡辺さんは「(被災者の話を通じ)今後は、新しい価値観や幸福観が必要となると感じた」と語った。
 渡辺さんがリポーターを務めた番組は4月以降、世界180か国で放送される予定だという。
(2012年1月26日12時57分  読売新聞)
http://jp.wsj.com/Economy/node_381517

トピックス:ダボス会議2012

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イメージREUTERS
 スイスの保養地ダボスで世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が1月25日に開幕した。今年のテーマは「大いなる変革と新たなモデルの構築」だ。ユーロ危機の長期化など、世界経済の視界不良が続くなかで、官民の枠を超えた世界のリーダーたちはどのような展望を打ち出すことができるのか。WSJでは今年も独自の視点でダボス会議を追う。

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