2012年12月8日土曜日

Noというべき日本人:民自公と維新の基本方針は弱肉強食


「暴論だ」と集中砲火を浴びそうだが、それでもあえて言わせていただくならば、民自公(民主、自民、公明党)と維新の基本方針は、「弱肉強食、大企業を擁護し、しわ寄せは、まじめに、つましく働く小市民に」という一点に帰着する。

以下はもうお忘れかもしれないが、今からわずか半年にも満たない今年の七月に掲載された講談社の「現代ビジネス」の「電力の自由化は関電から」というウェブ記事(週刊現代に掲載されたもの)である。

これをみれば、民自公がこれまで一体何を犠牲にし、何を守ってきたかは一目瞭然である。

また維新に関しても、このときすでに脱原発を公約の目玉にして、大阪市長の地位を手中にした橋下氏が、2012年6月30日に、それまでメインの選挙公約として高々と掲げてきたはずの関電の原発再稼働反対の主張を易々と撤回したことはまだ記憶に新しい。彼が非常にセンセーショナルな形で、メディアを巧みに操り、唐突に大飯再稼働容認宣言をしたばかりに、一気に関電の大飯再稼働もやむなしという流れを作ってしまったのである。

そして今まさに、橋本氏が結託した石原慎太郎氏は、原発のフェードアウトなど間違っても是としない原発推進派なのである。既得権益を守るためならば、官僚であろうが、大企業であろうが、隣国であろうが、対立政党であろうが、進んで長いものには巻かれるし、マニフェストなどかなぐり捨てても憚らないというのが、彼らの本質なのである。

民自公や維新が過去に何をしてきたのか。

私たちは、しかと思い出し、目先にばら撒かれた美味しそうなニンジンや、政経塾の連中のもっともらしい空疎な詭弁にいつまでも惑わされることなく、投票に臨み、そんな連中に今こそはっきりとNoを突きつける必要がある。

そうしなければ、彼らは、企業モラルがみじんもない日本の電力会社をはじめとする大企業やそれに連なる組合や官僚ばかりを擁護し、その結果として、こんなブログやツィッターで一人むなしくつぶやき、声なき声を発することしかできないような無力な私たち一般納税者への負担が、今後ますます増大し、弱肉強食の度合いが一層加速することは目に見えている。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33009

講談社「現代ビジネス: ドクターZは知っている」

「電力の自由化は関電から」                     2012、7,15


自治体が「モノ言う」株主となったことが注目を集めている。特に騒がれたのは東京電力と関西電力のそれだろう。
 東電の発行済み株式数の2.66%を保有する東京都の猪瀬直樹副知事、関電の発行済み株式数の8.92%を所有する大阪市の橋下徹市長がそれぞれの株主総会に乗り込んだことで、メディアは二人の動きを大きく報じた。
 ただ、両氏が訴える内容を見ると、そこに違いがあることがよくわかる。
 猪瀬氏は東電に対して、経営の透明化、設備投資の発注先決定に競争入札、関係者専用の東電病院の売却などを提案。一方の橋下氏は、速やかな原発全廃、国・自治体OBの受け入れ停止、役員報酬の個別開示、役員数の半減などを提案した。
 猪瀬氏の主張は、「東電病院を一般人に開放していない」といった"個別具体的"で、マスコミが飛びつきやすいものだったが、一方で「債務超過であるので東電を法的整理せよ」という抜本的な話は出てこなかった。法的整理すれば東電の株券は"紙くず"になり、株主である東京都も痛手を食らうからだろう。
 一方、橋下市長のいう「速やかな原発全廃」は、国の原発政策に依存しすぎると関電の経営問題になるという点をついたもの。株主として筋が一応通っているが、どこか主張に迫力を欠いているのは否めなかった。
 事実、総会後に橋下市長は「配当を受けているのは確かだが、株主として意味があるのかどうなのかも含めて根本から考えていく」と述べ、関電株の売却も視野に検討する意向を明らかにした。少しの配当をもらって、株主総会で3分ほどの質問をしても、何も変わらないことがわかったのだろう。
 今回の両株総では、「モノ言う」自治体が電力会社を法的整理や反原発に向かって大きく動かすことはできないことが浮かび上がったともいえる。ただ、まだ方策は残されている。
 大阪市にススメたいのは関電株を大阪市民に売却して、市民に市民目線で関電を監視してもらえばいいということだ。
 大阪市と大阪府は大阪「都」を経ていずれ関西州の一部になるだろう。そうなればエネルギーの地産地消の観点から、現在経産省が持っている関電に対する監督・規制権を関西州で手にいれる。そして、発送電分離の電力自由化を関西から行うのだ。
地方分権のいいところは、地方ごとにまったく違った政策を実行できることだ。
 電力を安定的に供給し、しかも安い料金にした地方のほうが勝ち。関西が株主にこだわらずに、監督・規制権を地方分権でゲットすれば、電力自由化への近道となり、東京都より早くエネルギー問題を解決できることになるだろう。
 最後に東電については、やはり国民が望んでいるのは法的整理で、電力料金の値上げの回避につきる。仮に東電を法的整理すれば、株主責任や債権者責任を問えるので少なくとも5兆円捻出できる。
 いま東電は民間の電気料金を10%程度上げようともくろんでいるが、実はこの5兆円の"財源"が確保できれば、10%アップを10年間も抑えることができるのだ。
 それなのに民・自・公の増税大連立は、昨年こっそりと東電救済法を密室談合で成立させて、東電の法的整理への道をふさいだ。そして増税と同じで、東電の法的整理を行わずに、庶民に負担を強いる電力料金値上げを選んだ---この事実は記しておきたい。
「週刊現代」2012年7月21・28日号より