2012年10月21日日曜日

原発再稼働はしたいけど、責任はとりたくない:「責任のなすりあい」か?


再稼働は規制委員会が判断すべしとする野田総理らに対して、規制庁の田中氏は、再稼働の判断はしないという。

規制庁による安全性の判断が出たところで、電力会社や経団連の会長や読売、日経、産経などがしゃしゃり出て、喧しく「安全性が保障されたのだから、再稼働をさせない理由はない、原発を止めて、日本経済を空洞化させるつもりか」「立地自治体の生活を奪うのか」などと脅しをかけながら、ゴリ押しで、大飯のときと同様有無をいわさず、動かしてしまう算段なのだろうがーー。 

原発推進に熱心な政治家、官僚組織の無責任体制は、3.11を経験しても、何も変化がないようだ。あれだけの人災を引き起こしながら、誰も罪に問われるどころか、国民に尻拭いをさせ、自分たちは安全な場所でのうのうとした暮らしを続けられるのだから、そんな彼等に変化を期待する事自体がナンセンスである。

それにしても、原発立地自治体は政府がゴーサインを出しさえすれば、それで認めるというのか?
日本政府や規制庁にまともな判断ができる人間がいないことは、誰の目にも明らかなはずではないか。規制庁は、多くの反対を押し切って指名された原子力ムラの副村長とそのお仲間、職員のほとんどは、あの保安院さんの横滑りで成り立っているような組織である。

3.11から、1年7ヶ月以上の歳月が流れながら、未だに原発災害の収束どころか検証さえ、まともにできない状況の中、日本の原発の安全性など一体だれに評価できるというのか、

、21道府県のうち、まともな考えをもった首長は、再稼働の議論そのものを疑問視する、佐藤福島県知事と泉田新潟県知事のみということか。実に嘆かわしい限りである。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121021-00000008-mai-soci


<原発再稼働>12知事「政府の判断必要」…21道府県で

毎日新聞 10月21日(日)13時55分配信
 原発再稼働の判断を巡る責任の所在について、関係する21道府県のうち、半数余りの12知事が「政府の判断が必要」と考えていることが毎日新聞が実施したアンケートで分かった。「必要ない」と考える知事はゼロだった。野田佳彦首相らが主張する「再稼働は原子力規制委員会が安全基準に基づいて判断するのがルール」という姿勢では、地元の理解や同意が得られない状況が浮かんだ。
 調査は9~19日、原発が立地する13道県と、原発事故で防災対策の重点区域となる30キロ圏に入る8府県の各知事を対象に実施した。

 その結果、「革新的エネルギーや環境戦略を踏まえ政府が責任を持つべきだ」(橋本昌(まさる)・茨城県知事)▽「電力需給の状況などに照らして政府が責任を持つべきだ」(山田啓二・京都府知事)など、12人が政府の判断が必要と答えた。「必要なし」は皆無で、残りの9人は二者択一での回答を避けたが、自由記述では原発の安全性に加え、エネルギー政策と併せて政府が説明責任を果たすべきだという意見が占めた。

 また、枝野幸男経済産業相の「規制委が安全性を判断する以上、内閣の誰かが『この原発は安全だ』と説明することはできない」(9月28日記者会見)という主張について、宮城▽静岡▽石川▽京都の4知事が「同意できない」と回答。北海道、茨城県、滋賀県の3知事は主張に理解を示したが、高橋はるみ・北海道知事は「国の責任で再稼働の手続きや手順を示すべきだ」と注文を付けた。

 一方、佐藤雄平・福島県知事は「県内の全原発の廃炉を求めている段階」とし、泉田裕彦・新潟県知事も「福島第1原発事故の検証が十分されていない」として、再稼働の議論自体を疑問視した。【西川拓、奥山智己】

 ◇原発再稼働で政府の判断が必要と回答した知事と主な意見

 北海道▽青森県▽宮城県▽茨城県▽静岡県▽石川県▽島根県▽愛媛県▽滋賀県▽京都府▽福岡県▽長崎県

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http://mainichi.jp/select/news/20120930k0000m010043000c.html


原発再稼働:判断めぐり政府と原子力規制委で異なる見解

毎日新聞 2012年09月29日 20時53分(最終更新 09月29日 21時36分)
大飯原発の(手前から)4、3号機=福井県おおい町で2012年6月、本社ヘリから後藤由耶撮影
大飯原発の(手前から)4、3号機=福井県おおい町で2012年6月、本社ヘリから後藤由耶撮影

 原子力発電所の再稼働を認める判断を誰が行うのか、政府と原子力規制委員会の見解が分かれている。政府は「再稼働は、規制委が安全基準に基づいて判断するのがルール」(野田佳彦首相)と、規制委の役割だと主張。規制委は「安全性は判断するが、再稼働の判断はしない」(田中俊一委員長)との立場だ。責任の押しつけ合いにも見える状況に、原発が立地する自治体からは戸惑いの声も上がっている。
 枝野幸男経済産業相は28日の記者会見で、「原発の安全性について
(規制委の)ゴーサインが出て、自治体の理解が得られれば、重要電源として活用する」と述べた。
安全性を地元自治体に説明するのは「電気事業者だ」という。
 原子力規制委は来春までに原発の新しい安全基準を策定した上で、既存の原発の安全性を判断する。しかし、田中委員長は「私たちが再稼働の是非は判断しない」と説明し、規制委には原発の安全性を専門的に判断する権限しかないことを強調している。

「現代ビジネス:ドクターZは知っている」


再稼働論争でバレちゃった
野田政権のウソ

                                          2012年10月21日(日)
離党者が相次ぎ「過半数割れ」も近い民主党が、政権運営を放棄するかのような末期症状を露呈している。党首会談も臨時国会召集も先送り、特例公債など重要法案が成立する見通しも立たない。そんな中で野田佳彦首相が記者会見で「原発再稼働の判断について、総理が行うのか?それとも原子力規制委員会が行うのか?」と問われた際に、「再稼働をするかどうか、これは規制委員会が主導的な役割を果たす」「政治が介入して何かを言うと独立性を損なってしまう」と〝爆弾発言〟をし、物議を醸している。
 野田氏の意見は、安全技術的判断にとどまらず実際の再稼働に至るまで原子力規制委員会が決めるというものだが、さっそく田中俊一・原子力規制委員会委員長が噛み付いた。田中氏は「再稼働の最終判断は規制委員会が行うのではない」「それは政治や経済産業省、資源エネルギー庁の問題」と牽制し、原発再稼働を巡って早くも政府と原子力規制委員会が揉める事態に発展している。
 原子力規制委員会はもともと、民主党政府が環境省の一部局として「原子力規制庁」を提案。自民・公明両党がより政治からの独立性の強い「原子力規制委員会」を対案として提示し、与野党協議を経て自民・公明両党の案が成立した経緯がある。野田首相の「政治が介入して・・・・・・」という発言は一見この経過を尊重したもののように見えるが、では野田氏の意見が「正論」かというと、それはまったくの誤解だ。
 そもそも「独立性」とは、「専門技術的判断」の領域と「政治判断」の領域とを明確に区分し、専門技術的判断の領域に政治が介入しないことを意味する。従来より両者の区分が不明確だったことで、政治が専門技術的判断に介入することがしばしばあり、これが安全規制や緊急対処の混迷をもたらしてきた。
さらに現行の原子力規制委員会設置法を見る限り、原子力規制委員会の職務は安全基準を作り、それに照らして安全かどうかを判断するにとどまる。原子力規制委員会によって、安全であるとの評価を受けても、最終的な再稼働の判断を下すのは、あくまでもエネルギー担当の経済産業大臣、そして最終的には首相、政府である。そうした法制度であるにもかかわらず、原子力規制委員会に原発再稼働の責任を押し付けるのは、「決める政治」どころか「逃げる政治」以外の何物でもない。
 再稼働の判断を原子力規制委員会に押し付けようとする野田氏の考えは、原発ゼロ方針との関係でも矛盾する。将来的に原発ゼロを目指すのであれば、専門技術的には安全な原発であっても、段階的に停止するなどのプランが必要になってくるだろう。原子力規制委員会が専門技術的な見地から安全性だけを判断し、「安全と判断すれば稼働へ」となれば、将来原発ゼロにならないかもしれない。
 もっとも、原発ゼロはスローガンだけで、実際には「原発15%」という裏シナリオがあるという噂なので、ウソつき野田政権にとっては矛盾はないのかもしれないが、国民にとっては矛盾になる。
 そもそも原発の稼働を誰が止めたのかを考えてみれば、それは政府の政治判断で、行政指導により行われたものだ。したがって、これを解除し原発を再稼働すべきか否かを判断し、再稼働するならその理由を説明する責任は政府にある。野田首相は「独立性」を尊重したフリをし、首相として責任放棄をしたに過ぎないのだ。
『週刊現代』2012年10月27日号より

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