2012年10月14日日曜日

これもウソ、あれもウソ: 原発推進のすり込み

 3.11直後、政府が、原発災害を矮小化するために、メルトダウンをメルトダウンとも言わずにしらを切り続けようとし、想像もできないほどの大量の放射能物質放出され、私たちの美しい大地や海を汚染しているさなかですら、ただちに健康被害はないといって、当然、速やかに避難させるべき人たちを適切に避難させなかったことには、目を見張る思いがした。

一部週刊誌が今まで暗闇に葬られていたさまざまな原発をめぐるネガティブな事実を暴き出し、原発や電力会社の形勢不利とみるや、夏の電力不足を理由に不必要な計画停電を実施し、組織ぐるみで、原発と電力会社を庇おうとしたり、脱原発の声を挙げたとたんに、首相をその地位から引きずり降ろそうとする力が働いたりなど、原発をめぐって私たちの周辺では、実に驚くべきことが次々と現実のものとなっていった。

安全神話に、コスト安、世界一の技術水準などなどと、原発をめぐって、われわれ日本の一般市民が、数10年以上もの間、営々とメディアを通して営々と刷り込まれてきた、原発をめぐってのウソ。

そのウソを暴き、真実を伝えようと勇気をふりしぼろうとする人間がいると、金と権力のちからで懐柔するか、思惑通りになびかなければ、その人物や集団に対して、変人奇人か、危険思想の持ち主か、大うそつきかのレッテルを貼りつけ、善良な一般市民が、決して発言に耳を傾けてはならないアウトサイダーの戯言として一蹴され続けてきたのである。

洗脳の多くは、大型メディアが政官学財と結託し、高すぎる電気料金を財源とする広告宣伝費によって行われてきたのだから、まったく開いた口がふさがらない。

さてここにきて、2010年、全国規模で行われたアンケート調査で、原発環境整備機構が、核燃料リサイクルは、実際1%しか可能ではないにもかかわらず、「使用済み核燃料の95%はリサイクルできます」というような、ウソの刷り込みをしていた事実を東京新聞は報じている。

金のためならば手段を選ばず、権力者の既得権益を守るためならば、正義さえもが、やすやすとひん曲げられるというのが、今の日本の政財官や大型メディアの中では大人の分別として、正当化されてしまっている。

大本営発表に抗う者は、社会的な烙印をおして、徒党を組んで徹底的に社会から排除しようとする陰険な体質。

どうして、日本では、こどものいじめがこうも陰湿なのかと言う人もあるが、答えはシンプル。子供の世界は社会の縮図、親の姿、大人の姿をみて、子供は育つ。

こどもや、孫のいじめを真に憂う気持ちがあるのならば、このような社会の仕組みそのものを改めないかぎり、小手先だけで何をしようとしても、何も変わりはしない。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012101002100005.html


【福島原発事故】

「核燃料、95%リサイクル」 実際はわずか1% 原発環境整備機構

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 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、二〇一〇年全国規模アンケートをした際、あたかも使用済み核燃料のほとんどが再利用でき、核のごみはわずかであるかのような説明をし、回答を求めていたことが分かった。実際に再利用できるのはわずか1%で99%はごみと化す可能性が大。誤った認識を広げる結果になっていた。 (清水祐樹、大村歩)
 アンケートは、最初の設問で「使用済み核燃料の95%がリサイクルできます。どうしてもリサイクルできない約5%が高レベル放射性廃棄物として残ることを知っていますか」と聞いた。
 アンケートには五万人を超える人が回答一部は機構ホームページ(HP)に掲載されている。本紙が回答を分析したところ、およそ五十人に一人が「5%」に言及。「5%のごみをエネルギーに変える努力をして」(四十代男性)、「5%の部分も利用できれば最高」(五十代女性)といった楽観的な内容が多く、機構の「95%再利用」の説明を信じ込んでしまったようだ。
 しかし、この説明は現実と大きく異なる。再処理により再利用できるのは、95%どころかたったの1%。取り出されたプルトニウムに別のウランを混ぜて混合酸化物燃料(MOX燃料)に再生している。「95%」のほとんどを占める回収ウランは、建前上は資源とされるが、使うあてはなく、ごみと化す可能性が高い。
 さらに、核燃料は何度でも再利用できるわけではなく、現実には一回のみ。MOX燃料を燃やした後は、再処理すること自体が難しく、これもごみ化する可能性が高い。
 なぜ不正確なアンケートの設問をつくったのか、機構に問い合わせたが、「当時の経緯は分からないが、誤った情報を出すはずがない」(広報担当者)と繰り返すのみ。95%再利用の部分も「間違っていない」と繰り返すだけで、是正する考えはない。
<高レベル放射性廃棄物の最終処分場> 高レベル放射性廃棄物は原発の使用済み核燃料の再処理で発生する超高濃度の廃液で、ガラスで固めて300メートルより深い地中に埋め、濃度が下がるまで数万年単位で管理するのが国の方針だ。処分場の条件は近くに活断層や火山がない地域。実施団体として設立された原子力発電環境整備機構が2002年に候補地の公募を始めたが、応募は07年の高知県東洋町(後に撤回)のみで、選定のめどは立っていない。

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