2012年5月3日木曜日

原子力ムラの無責任体制は今も変わらず。。:コピペ

http://mainichi.jp/area/news/20120502ddf012040026000c.html


特集ワイド:原子力学会定例会ルポ ムラ、やっぱり閉じたまま

毎日新聞 2012年05月02日 大阪夕刊
日本原子力学会の定例会が3月に福井市で開かれ、東京電力福島第1原発事故について論議した。事故直後、原子力の研究者や技術者は「想定外の事態」「原子炉は安定している」などと責任逃れともとれる発言を繰り返し、批判を浴びた。事故から1年。「原子力ムラ」の人々は何を語ったのだろうか。【日野行介】
◆福島の事故巡る特別セッション

 ◇言外ににじむ「想定外」

原子力学会の定例会は事故後2回目。初日は、前回はなかった福島の事故を話し合う特別セッションが開かれた。会場は日本最多14基の原発が林立する福井県。一般公開もされる。それだけに熱い議論を期待した。
特別セッションは午前10時に始まり、休憩を挟んで午後5時まで約7時間。東電の幹部4人を含めて計8人の技術者・研究者が、事故経過や処理方針から除染まで専門的に説明した。定員500人の会場ホールは開始前から満員で、立ち見も出る盛況ぶりだ。
東電のトップバッター、福田俊彦・原子力品質・安全部長は事故の概要・総論を担当。まずは「皆さまに心配と迷惑をおかけし、心よりおわびしたい」と陳謝した。
だが、その後は「津波は予見できたという話もあったが、まだ調査が必要な段階だった」「地震による配管破断があったという話もあったが、データからは大きな減圧がない」などと、外部の厳しい指摘を挙げたうえで、それとなく否定する独特の説明を繰り返した。「地震による損傷はなく、『想定外』の津波が問題だった」と言いたいようだが、はっきり「結論」を言わないため、もどかしさが募る。
午後も東電の技術系幹部3人がそれぞれ、今後の処理▽地震・津波▽事故分析−−について詳しく説明したが、論法は同じ。特に強調したのは、事故の起きた1〜4号機のうち唯一、原子炉建屋上部で水素爆発が起きていないにもかかわらず、中を水で満たす「冠水」ができない2号機格納容器の破損状況だった。
 東電は事故直後、格納容器の下部につながるドーナツ状の圧力抑制室に大きな破損があり、そこから水が漏れている可能性を示唆していた。しかし、東電の幹部たちは「圧力抑制室の圧力が一時ゼロに落ちたのは、計器異常だろう」「当初は何が起きているか分からず、いろいろ誤解があった」などと説明した。破損が小さいことを強調したいように聞こえた。
◆質疑応答

◇批判に冷ややか

 質疑応答はそれぞれの説明の直後と閉会前に行われた。だが事故について質問する参加者は思ったよりも少なく、特定の数人が質問を繰り返していた。
 その一人が「日本原子力研究開発機構」の元研究者田辺文也さん(66)。田辺さんは昨年11月、「まやかしの安全の国−原子力村からの告発」(角川SSC新書)を出版した。事故を過小評価し、甘かった想定の責任を取らない原子力ムラを厳しく批判、「彼らには原発を任せられない」と断じる内容だ。表立った批判がほとんどないムラの中にあって異質な存在と言える。
 田辺さんが追及したのは2号機格納容器の破損問題だ。独自の分析結果から「早い段階で地震の揺れによって破損したのではないか」と迫ったが、東電は「それはないと思っている」と反論、あいまいな表現ながらもかたくなに否定し続けた。
田辺さんは何度も食い下がったが、会場の雰囲気は冷ややかだった。京都大の若手研究者が「2号機は思いのほか損傷がなかったとの発表を聞かせていただきました。今後もいろいろ言われるでしょう。東電の皆さまの苦労にお礼申し上げま
す」と東電に「助け舟」を出す一幕もあった。
しかし、学会終了後の3月26日、東電は2号機格納容器内を内視鏡で検査した結果を公表。注水を続けているにもかかわらず、水位は底から約60センチの高さしかなかった。これは格納容器と圧力抑制室を結ぶ配管の位置より水位が低いことを意味する。
田辺さんは「圧力抑制室が大きく破損し、そこから水漏れしているのは明らかだ。それなのに東電はデータすら無視し、とにかく否定するだけだ」と指摘した。田辺さんの訴えを聞いた現役研究者たちはどう考えたのだろうか。「東電が間違うはずがない」と考えたのか、それとも東電の主張はおかしいと感じつつも口をつぐんだのか。

 ◇反省の弁、全く

 一方、放射線測定や除染に関する講演後には会場から活発な意見が相次いだ。京大の名誉教授は「原爆が落ちた広島は今や長寿県。放射線測定を熱心にやり過ぎると、被ばく線量100ミリシーベルト以下でも問題だと言い出す人が出てくるので心配だ」と語った。京大の若手研究者年間1ミリシーベルト以下を目標に除染するのは科学的見地からはいただけない(厳しすぎる)。学会としてどう考えるんだ」詰め寄ると、参加者から大きな拍手が起きた
私はその時、事故で避難した福島県飯舘村の酪農家の話を思い起こしていた。同村は昨年5月、国からの要請を受けて全村避難を開始した。育てた牛は避難先に連れて行くことができず、「『ごめんな、ごめんな』とつぶやきながら、牛を殺さざるを得なかった」という。
 「危険性は低い。大げさに騒ぎすぎだ」と言いたげな数々の発言に、私は「なんと無神経なことか」と驚いた。
それなら国が避難を要請した段階で、「科学的見地」から声高に反対すべきだったのではないか。発言者からは、巨大事故の発生を防げず、事故後も十分な対応を示せなかった反省の弁が一言も出てこない。
 批判的な質問を数回していた福井大名誉教授の山本富士夫さん(71)=福井市=に感想を聞いた。学会というより過小評価の説明会だった。がっかりしたけど、こうなると思っていた。彼らは結局、ムラから一歩も出やしないんだとため息をついた。
 原子力ムラは、批判を許さない閉鎖的な体質を指した造語だ。しかし、事故後に巻き起こった厳しい批判が、むしろ内輪の結束を強めたとすれば皮肉と言うほかない
暗い気持ちで会場を後にした。
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 ◇日本原子力学会

原子力技術の進歩を目的に1959年に設立された。年2回定例会を開く。加入者は、原子力に関わる研究者や学生のほか、電力会社・メーカーの技術職を中心に約8000人。原子力関連の企業や団体など244社も法人会員になっている。

特集ワイド:いかがなものか 規制庁なし原因究明なし信頼なし…急ぎ足の原発再稼働

毎日新聞 2012年04月24日 東京夕刊

 ◇「対策先送り」「命の軽視」

 政府が大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に突き進んでいる。今は「地元同意」のとりつけに懸命だが、原発のシビアアクシデント(過酷事故)防止策に問題はないのか−−聞いて回ると、関係者から「真剣に取り組んだ結果とは思えない」との声まで飛び出した。原発再稼働の問題点、これだけは見過ごせない。【戸田栄】
 再稼働への憤りは、どこあろう与党内部でも渦巻いている。「小中学生でもおかしいと思うでしょう。それで、やむにやまれず待ったをかけているんです」。民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)座長、荒井聡元国家戦略担当相は、そう語気を強める。
 同PTは再稼働にあたっての5条件を政府に突きつけた=別表。荒井座長が真っ先に批判の矛先を向けたのは、まだ原子力規制庁が発足していないことだ。「3・11後にずっと原発の安全性の議論をしてきて、日本の原子力政策は欠陥だらけと分かりました。その原因は、安全神話の中に身を置いた原子力ムラの一部の人たちだけで政策を主導してきたことです。枝野(幸男経済産業相)さんは本来、脱原発よりもっと厳しい立場だったんですよ。それが原子力安全行政も電力需給もと1人でやると、十分な安全対策もないのに再稼働もやむなしとなってしまう
再稼働の前提条件としては、同PTのほか、橋下徹・大阪市長、松井一郎・大阪府知事が8条件、嘉田由紀子・滋賀県知事と山田啓二・京都府知事が7条件を示した。共通するのが、原子力規制庁の発足。14日に枝野経産相の協力要請を受けたおおい町長も、早期設置を求めた。
原子力規制庁は、4月から環境省の外局として設置される予定だったが、野党から位置づけに異論が出て発足が遅れている。荒井座長はそもそも政府の姿勢を疑問視する。
 「普通なら、政府側や担当官が野党に日参して法案成立に努力するが、そんな様子が見られない。原子力安全・保安院が経産省にあるうちに、再稼働の道をつけたいとの思惑がどこかにあるんじゃないかと勘繰りたくもなります
 さらに最重要として挙げたのが、政府の原発事故調査・検証委員会や国会の事故調査委員会の結論を待つことだ。「なにが事故の原因かをはっきりさせなきゃいけないのは、当たり前ですよ。(政府見解で)一番恥ずべきことは、津波だ、津波だと、全部を津波のせいにしていること。最初に鉄塔が倒れ、外部電源を喪失した。その耐震性だって問題なんじゃないですか」
当の国会事故調でも、元日本学術会議会長の黒川清委員長が、政府の再稼働の判断基準について「暫定的な原因究明に基づいている。必要な対策が先送りされ、想定を超える災害に対応できていないことも明らか」と批判している。
考えたくはないが、万が一の備えは欠かせない。その筆頭が、事故収束作業の拠点となる免震重要棟だ。福島第1原発で、同棟が10年7月から運用開始されていたのは、「不幸中の幸い」とされている。ところが、大飯原発3、4号機など関西電力の原発にこの施設はない。また、原子炉内の圧力を下げるため、弁を開くベントを余儀なくされた場合、放射性物質の大気中への流出を防ぐフィルター付きベントの設置もない。ともに3年後の設置を目指す。リスクコミュニケーションの専門家で、原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会の委員を務めた土屋智子さんは「住民を守ることを真っ先に考えなくてはいけないのに、何も動いていない」と表情を曇らせる。
 土屋さんは、99年の茨城県東海村のJCO事故以来、住民の避難などについて研究してきた。「非常時の指令所(オフサイトセンター)は、発電所以上にしっかりしたものがほしい。ところが、東日本大震災では福島どころか、茨城でもオフサイトセンターは被害を受けて使えなかった。おおい町では海抜2メートルの海辺にあり、津波で使用不能の場合は福井県の敦賀、美浜、高浜の別のセンターで対応するとしていますが、広域地震ではいっぺんに被災する可能性がある」と指摘する。
このほか、緊急時の住民連絡体制の再整備、避難路の再検討などもできていない。細かい課題も山ほどある。例えば、被ばくが懸念される際には安定ヨウ素剤が配布されるが、乳幼児への投薬が難しかったという問題が今回、明らかになった。錠剤だったため被災時に水に溶かして正確な量を飲ませることができなかったのだ。
 同部会では今年3月、課題と対応策の議論の結果を「中間とりまとめ」とした。しかし、その対応策を決定するはずの原子力規制庁は設置されておらず、現在、「とりまとめ」がどう扱われているのかは委員にも連絡がないという。思わず「は?」と声が出そうになった。
こんな状況では、そもそも脱原発を目指す人々が猛反対するのも当然だ。原子力資料情報室の西尾漠共同代表も「規制庁の発足と事故原因の究明」を最優先課題に挙げる。
 「原子力安全委員会も原子力安全・保安院も、まったく国民から信頼されていない。だから、規制庁をつくると国が考えたわけでしょう。原因をしっかり突き止めなくてはならないのも当然。なんで、再稼働をこんなに急ぐのか。かえって不信を大きくするだけです」。加えて西尾共同代表は、誰もが福島原発事故を最大の想定としていることに注意を促す。「それ以上の惨事があり得るのですよ。甘くみてはいけません」
経産省前では、再稼働に反対する市民らのハンガーストライキが行われている。座り込みをしている市民グループ「経産省前テントひろば」の淵上太郎代表は「規制庁発足と事故原因究明ぐらいは最低のこと。経済にかこつけて命を軽く見ていることが許せない。それがわからないほど、国民はバカじゃないですよ」と話した。
やはりテント村で出会った「原発いらない福島の女たち」世話人の椎名千恵子さんの憤りに満ちた目が忘れられない。
「フクシマはまだ終わっていないし、政府はその深刻な被害をまったく理解していない。そして、次のフクシマを生むかのようなことを平気で進めている。理不尽です」
 再稼働を焦る国の姿は、フクシマをすっかり忘れているようにも見える。
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社会の出来事に、疑問や異議を投げかける新シリーズ「いかがなものか」。今後、随時掲載していきます。
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t.yukan@mainichi.co.jp

電力不足:枝野経産相、関電管内で計画停電の準備必要

毎日新聞 2012年05月03日 23時37分(最終更新 05月04日 00時04分)


枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影
枝野幸男経産相=首相官邸で2012年4月13日、梅村直承撮影

枝野幸男経済産業相は3日、BS朝日の番組収録で、大幅な電力不足の見込まれる関西電力管内について「猛暑を想定して、計画停電の計画は立てないといけない」との認識を示した。
枝野氏は「原発が再稼働しない場合、(大口需要者に節電を義務づけた)昨夏の東京(電力管内)より今年の関西の方が大きな無理をお願いしなくてはならない」と指摘。同時に「(実施すれば)影響が大きすぎる。できれば計画停電したくない」と述べ、改めて関電大飯原発3、4号機の再稼働に理解を求めた。





今夏の関電、全原発停止でも「乗り切れる可能性十分」と枝野経産相

2012.2.17 11:27
枝野幸男経済産業相は17日の閣議後の記者会見で、来週すべての原発が止まる予定の関西電力に関し、再稼働できなくても今夏は関電管内で「(電力使用制限令を)出さずに乗り切れる可能性は十分にある」と強調した。
関電管内では今冬も制限例は出さず、電力使用を前年同月比で10%以上減らす自主的な節電を求めた。しかし目標に届いていない模様で、経産相は「さらに努力と精査をしなければいけないと思う」と述べた。
関電は20日、自社で唯一稼働している高浜3号機(福井県高浜町)の定期検査入りに伴う停止作業を開始する。関電の2010年度の発電電力量に占める自社原発の比率は51%を占めている。







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