2011年11月14日月曜日

TPPの思惑外れ。。

ハワイに行ってTPP参加国の交渉のテーブルに乗らなければ、乗り遅れる。

たしかそんな理由で、前日まで大騒ぎをして政治ショーとも言うべき、協議を続けてきたのではなかったのか。

それならば、参加国の交渉にオブザーバーとしての出席さえできないと言われた時点で、「それはアンフェアーである。日本はそんな参加を表明した国をルール決めの会議からしめ出してしまうようなアンフェアーで、自国の不利益になりかねない交渉には入れない」と席を蹴っ立てて、国に帰ってくることこそ、政府代表がとるべき行動だったのではないのか。

それどころか、ご機嫌とりのために、オバマの好きなクッキーをおみやげに持って馳せ参じ、「交渉のテーブルに乗せてもらえないのは当然」などと妙に納得してしまい、へらへら相手に調子を合わせ、思う壺にハマっている野田氏とその裏にいる交渉力のかけらもない官僚の姿は、あまりにも不甲斐なく、情けなすぎる。

わけもないのにヘラヘラ笑いをして、低姿勢で相手の顔色を伺う国のリーダーの態度は、経団連や日本のメディアには好まれるのかもしれないが、外交の場では信頼されず、馬鹿にされるだけである。

アメリカは日本がコメ、牛肉、保険、車の自由化にゴーサインを出したと発表、日本政府は慌てて、そういうことは事実にないという発表をしたという。

レポーターが中継で示した日本側の発表って日本語で書かれていたけれども、本当にアメリカ側にそれをちゃんと提出したのだろうか。国民を納得させるだけのものではないのか。

野田氏の二枚舌を見ていると、それさえも疑わしい。

牛肉輸入規制緩和を了承って、野田氏から国民に対して、牛肉の規制緩和をしますからというような話をしたことが一度たりともあるだろうか。

コメ、牛肉はもちろんのこと、TPPでアメリカの市場が、簡保、郵貯に狙いを定めていることは自明であり、今回の会議で、参加国9カ国は大枠合意をし、オバマは来年中に最終合意に持っていきたいと強きの態度を示している。オバマはアメリカの国益のために、アメリカの輸出増大のために動かなければ先はないという状況に立たされているのだから、当然である。

ぬらりくらりのドジョウなどにいつまでも国の舵取りを任せていたら、日本は瞬く間に大国の餌食になるだけではと、思うのは薔薇っ子だけだろうか。

コメの自由化をした後日本の農業はどうなるだろうか。美味しくて安くて安心な輸入米に対して、日本の農家は到底太刀打ちできまい。福島原発の大人災がなければ、そうはならなかったかもしれないが、大変残念なことである。

自由化で国内産のコメが売れなくなれば、政府は農業従事者への所得保障という名のばら撒きを際限なくやるに決まっている。結局、「働く人間の意欲をどんどん奪い、働かない人間に手厚い」不健全な社会の仕組みが強化されるばかりなのである。

メディアはしきりと、巨人軍のお家騒動に大騒ぎをしているが、原発のこと、貿易のこと、エネルギーのこと、増税のことなど、もっともっと追求しなければならない重大な課題は山積しているのではないのか。

金子勝氏のツィッターより
電力会社の地域独占と総括原価主義を守り、発送電改革を無視し、原発事故の被害をほおかむりして住民の健康と農業を破壊しておきながら、しれっとTPPを契機に農業改革を「主張」する経済界も、壊れています。「失われた20年」を総括せず、誰も責任を取らない異常を問題にしない大手メディアも。

19時間前 webから

 TPP(=環太平洋経済連携協定)の首脳会議が、交渉に参加している9か国の首脳が出席してアメリカ・ハワイで開かれ、日本時間13日朝に終了した。しかし、出席を希望していた日本の野田首相が呼ばれることはなかった。
 会議には交渉に参加している9か国の首脳が出席し、これまでの交渉の成果を「大枠合意」として一旦取りまとめた。原則関税や貿易障壁を取り除く方針が盛り込まれているものの、実際には完全にまとまっている分野はなく、今後の検討課題としている。

 挨拶に立ったアメリカ・オバマ大統領は、「会議は素晴らしい内容で、9か国が大枠合意に達することができて喜ばしい。まだやるべき点はたくさんあるが、我々はやり遂げられると信じている」と述べ、その成果を強調した。一方で、「交渉参加に向けて協議に入る」とした日本については一切言及しなかった。

 TPP参加の首脳は12月初旬に再び集まる方針で、オバマ大統領は「来年中に最終合意をしたい」と述べた。

 野田首相が会議に出席できなかったことについて、枝野経産相は記者団に対し、「交渉当事国ではないから、当然ではないか」と述べた。しかし、同行筋は「参加できるという事前情報もあったので予想外だった」と認めており、今後、どういう形で日本が関わっていけるのかは不透明。(11/13 08:20)

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