2011年6月3日金曜日

謝らない人たち: 理解出来ない精神構造

 無残なほどに負け続け、甚大な犠牲者を出しながら、味方が受けた損傷は取るに足らないものであり、我が国は華々しく勝ち続けているのだなどといったデマ報道が際限なく流され続ける。

しかし物資が目に見えて不足し、空襲が日に日に激しくなると、さすが国民の中にも、実は負け戦を続けているのではないかという疑念が高まってくる。だが、それを口にするや、「戦地では兵隊が尊い命をかけて国のために戦っているのに非国民である」と、一刀両断激しく弾圧されたという話。

そんな酷いことは、民主主義なんかみじんもない、軍部によって自由な言論が抑圧された軍国主義の時代、戦争という異常な極限状況のもとでしか起こらないと信じて疑わなかった。

しかし戦後65年にして、民主という名のついた政権のもとにこの悪夢は見事に再現された。
「国民がパニックを引き起こさないために」という美名のもとに、恐ろしいデータは全部隠された。

人間というのは誰しも危機が迫るとなんだかおかしいという勘が働くものである。

ニュースを聞いていても、東電、保安院、政府の意見がビミョウに食い違っている。

全電源喪失って!!電力会社でしょ?東電でしょ?

田舎の零細企業の小さな製造工場なら話はわかるよ。
でもね、世界一を誇る科学技術の先端を行く原発でしょ?

設備投資にお金がかけられない零細企業ならわかるよ。でもさ信じられないぐらい高い電気料金とって、その上に莫大な税金つぎ込んで、安全のための設備投資が十二分になされているはずの施設で、そんなことがあっていいの?

アメリカが冷却材を送ると申し出ているのに、それを断ったって?

ふ~ん、日本の技術ってやっぱりすごいんだぁ、自分たちで止められるんだな?

あれあれでも、水が入らない、ベントの弁が開かないっていっているけど、ほんとに大丈夫?

あ~、でもおえらい国立大学の先生が出てきて、「格納容器は頑丈だし、圧力容器はもっと頑丈だから絶対に大丈夫」っていってるから、安心してていいのかもぉ

あらら、建屋が爆発して吹っ飛んだって、でも、建屋はすぐに吹っ飛ぶ構造になっているそうだし、建屋なんて別になくてもいいっていってるよ。

それにさ、けが人が出たけど、大したことなかったって、白煙は水蒸気爆発をして水蒸気が出ただけだから、大丈夫だっていってるけど、ほんとに大丈夫なのかしら??

まじ、皆逃げないとやばいんじゃない?危ないなんてニュース見てても誰も言わないけど、ほんと大丈夫なのかい?あぁ、ツイッターとかにそんなかきこが一杯あるらしい。

危ないなんてニュース見てても誰も言わないけど、ほんと大丈夫なのかい?わかんないけど、なんか変な事、多いから、私もかきこしようかな?

しっ!だめだよ、黙って聞いてないと、「デマや風評を流してる」って、ヘタなこと書いたら罰せられるって、かんぼうちょうかんが恫喝してるし、スポーツ新聞の見出しにもデカく載ってるぞ。3月11日に、コンピュータ監視法案の閣議決定が通ったから、監視されるかもぉーー不気味だね。


それにしてもACジャパンの広告、しつこいなぁ!震災でスポンサーがCM自粛したから、その代わりだってさ?ACジャパンって電力会社がけっこう出資してるらしいけどぉ。

でもさ、これだけ何回もしつこく繰り返されると、サブリミナルに何か刷り込まれてるみたいな気がしない?

つまり、「遊ぼう」っていうと、「遊ぼう」っていうはね、「安全」といわれたら、「安全」って思わなきゃいけないってことかぁ~~

あれからもう3ヶ月。これだけたっても謝らない人たちがいる。
保安院の代表、原子力安全会の委員長、そして福島原発の所長である。
そしてそのことを誰も追求しようともせず、不問に伏していることが、不思議でならない。

今や英雄に祀り上げられたフクシマ原発の所長は、現場対応に追われてそれどころではないと同情する人も多いのかもしれない。しかし、本店との、ほとんど無意味にも近いようなテレビ会議をしている時間があるのであれば、1回でもいいから、フクシマ第一原発の代表者として、飯舘村の交付金の恩恵を受けてこなかった避難民の人たちに対して、フクシマの乳児を抱えたお母さんたちに一言、きちんと謝罪すべきではないのか。

以下は日経ニュースである。こういう事実が次々に明るみになりながら、本当に謝らなければならない人たちが、一度も謝らず、国の責任が直ちに国民や公務員全体に転嫁され、大きなつけが回される、そんなことが許されていいのだろうか。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E2E1E2E38A8DE2E1E2E4E0E2E3E39C9CEAE2E2E2

日経新聞 6月4日


地震翌朝、原発敷地外に放射性物質 保安院公表遅れ 

2011/6/3 23:13
 
経済産業省原子力安全・保安院は3日、東京電力福島第1原子力発電所が東日本大震災で停止した直後の大気中の放射性物質濃度などのデータを公表した。地震翌日の3月12日朝、1号機で最初に排気用の弁の開放(ベント)をする前に原発敷地外で炉心の激しい損傷を示す放射性物質が検出されていた。2カ月半も未公表だった。直ちに公表していれば事故の正確な実態把握や避難計画の検討に役立った可能性がある。
 公表したのは地震直後の3月11~15日に、政府の原子力災害現地対策本部と福島県が測定したデータ。15日に保安院の担当者らが大熊町の緊急時対策拠点から福島市に退避した際に持ち出し忘れたデータを、5月28日に回収したという。
 データによると3月12日午前8時30分過ぎに浪江町や大熊町で放射性ヨウ素や放射性セシウムを測定。核燃料が1000度にまで過熱しないと出ないとされる放射性テルルも検出された。
 東電は12日午前10時17分に、1号機の格納容器の圧力を下げ水素爆発を防ぐためにベントを始めた。今回の公表データは、それ以前に炉心の激しい損傷が原因とみられる放射性物質が建屋の外に出ていたことを示す。弁の故障や建屋の損傷などが早い段階から起きていた可能性がある。
 保安院は12日午後に、原発敷地内で放射性セシウムが検出されたと発表。敷地外の放射性物質は13日以降の測定値しか公表していなかった。
 新データは原子炉の異常がどのように進んだかを理解する手掛かりとなる。すぐに公表していれば事故の深刻度をより正確に把握し、避難地域を的確に判断するのにも生かせたとみられる。
 保安院の西山英彦審議官は「意図的に隠すつもりはなく、情報を整理して公表する発想がなかった」と弁明した。福島第1原発事故を巡っては、政府が放射性物質の拡散予測を3月下旬まで公表しなかった。東電も5月28日に大量の放射線量の未公表データを明らかにするなど、透明性が不十分との批判が多い。

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