2011年4月21日木曜日

脱原発の可否は国民投票で!

 福島原発の事故を受けて、ドイツでは全州が脱原発を早期に実現することを決意した(下にニュースをはり付けた)。イタリアの上院でも、原発凍結法案が可決された。日本のNHKが昨今行った調査では、原発を必要だと答えた国民が非常に多かったそうだが、その人たちは原子力発電をやめるとたちまち電力不足に陥ると刷り込まれ、思い違いをしているからではないのか。

私は今回の原発事故が起こるまで、エネルギー問題にさしたる関心を抱いたこともなかったし、原子力発電の是非についてこんなに様々な見解があるとは知らなかった。国民の一員として、国土の安全に大きく関わるこの重大事を全く見過ごしてきた自らを恥じたいし、子どもたちに対する責任は大きいと考える。

今回の事件で、小出裕章氏の存在を知った。氏の静岡で昨今行われた講演は薔薇っ子には、まさに「目からうろこ」であった。http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/04/16/shizuoka-apr16/

この講演会の最後に「原子力の代替エネルギーを提案するのは現実的か」という質問があった。
氏の回答をいかに引用する。

「日本の発電設備の能力と実績を考えると、そもそも代替エネルギーは考えなくていい。原発は一度動かし始めると止めるのが大変なため稼働率が高い。火力発電所は稼働率は低く、能力が余っている。原発がなくても賄える。それに対し、電力会社はそれはピーク電力を考慮していないと反論するが、最大需要電力量(真夏の昼の数時間)でさえも、水力と火力で基本的に足りる。原子力を止めようというと、代わりをどうするのかと脅されるが、代替の必要はない。火力を続けるとしたら有限な石油、石炭、天然ガスが途絶えたらどうするかとも言われるが、そもそもウランの量はもっと少ない。」

 火力発電は地球の温暖化を促進するといわれている。しかし、諸外国にとってみても、長期間、放射能物質の垂れ流しをされることから比べれば、二酸化炭素の放出のほうがはるかにましである。放射能汚染の影響はかならずあるけれども、二酸化炭素地球温暖化脅威説自体、単なる1つの仮説にしか過ぎないものであるし、二酸化炭素を大量に放出して憚らない国は、他にもたくさんあるのだからーー。

東京都内の真夏のほんの数日間の、午後のわずかな数時間の電力不足のために、日本中をサマー・タイムに変えるなどというおかしな議論が生まれている。あれは緯度の高い、午後4時になれば辺りが真っ暗になってしまうような国の人のためにあるものである。

そんなに心配ならば、真夏の暑い日は、政府のお歴々や東電や原子力関連企業の東京本社の冷房の利いたビルの中でオフィスワークをする社員たちは順番に1週間ほど休暇をとって、テント片手に「ただちに健康に影響のない」福島へ、贖罪の復興ボランティアにでもいけばいいではないか。
彼らは原子力を推進したいばかりに、地熱発電、風力発電、太陽光発電など地道な研究開発を減速させ、資源のない国の安全でクリーンなエネルギー開発の問題に真剣に取り組んでこなかったのだから。

いずれにしても、どんなふうにサンプリングしたかも疑わしいわずか1000人ばかりの人たちの意見をもとに、「これが国民の総意だから」と原発を推進すべきではないし、利権がらみの役人や政治家に、判断をゆだねるべきでもない。

イタリアではチェルノブイリの事故の後、国民投票で原発の凍結を決めたし、スイスでは重要な国事はすべてなんでも国民投票で決める。

我が国でも原発の是非に関しては、多様な立場からのしっかりした議論を国民が聞いて、国民の力で判定すべきであろう。なぜならば、原発の保持は、私たちそして、その次の世代の人たちの生命保持、生活環境の安全に関わる決めて重要な問題であり、われわれ日本国民は、他の先進諸国に比して、国民の教育レベルが総じて高い国民なのだから。

ドイツ全州・政府、脱原発の早期実現で一致

読売新聞 4月16日(土)19時18分配信
【ベルリン=三好範英】福島第一原発事故を受けて原発政策の見直しを進めるドイツのメルケル政権は、15日にドイツ全16州の代表と行った協議で、脱原発を出来るだけ早期に実現する方針で一致した。

具体的には、6月17日までに必要な法改正を行い、原発の稼働短縮期間を決定する。

メルケル政権は福島原発事故後すでに、稼働期間が長い原発7基を暫定的に稼働停止している。

政権は昨年、シュレーダー前政権が2002年に定めた脱原発方針を見直し、国内原発の稼働期間を平均12年間延長することを法制化していた。今後は、この稼働期間延長幅をどれだけ縮められるかが焦点となる。

協議後の記者会見でメルケル首相は、脱原発を可能にするため、再生可能エネルギーの開発、送電網整備、電気料金改正などを包括的に検討すると語った。
最終更新:4月16日(土)19時18分
読売新聞

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