2012年3月1日木曜日

エネ庁のネット監視、言論自由の観点から不適切:五十嵐法政大教授

原発や放射能関連の「不正確」な情報を打ち消すためと称して、エネ庁が多額の税金を投じて、市民の声を封じるために、ブログやツイッターなどの監視を始めたことは、前にもこのブログで言及した通りである。当初はメディアを監視するために、始められた事業であるが、メディアから批判の声があがると、矛先は力を持たない弱い市民に向けられた。
政府発表、あるいは原発関連企業やそこからもたらされるさまざまな利権に群がる官僚、御用学者の発表を「正確で正しい」発表とし、それ以外のものを十把一絡げ、風評だの、デモだの、ガセネタだのと斬り捨てることができるのだろうか。

保安院は、エリート電力会社の社員は、御用学者は、政治家たちは、原発や放射能汚染について、それほどの高い識見を備えているといえるのだろうか。

御用学者たちは、海外メディアが大きく「メルトダウン」を報じているときでさえ、16センチの厚みのある鋼鉄の圧力容器が壊れることは絶対にありえない、メルトダウンなどしていないと再三再四テレビに登場して、自信ありげに解説を繰り返した。

水素爆発をして、建て屋が吹っ飛んだときでさえ、「建て屋は壊れやすい構造に作ってあるものだから、吹っ飛んだところで問題はない」という発言を繰り返していた。政府はといえば、やっと20キロ圏内の住民を避難させることに踏み切ったときも正確な情報を一切与えず、「念のために避難していただくだけ」というような気休めを声を大にして吐きつづけた。

こうした一連の不適切な情報に対して疑問を抱いたり、原子力ムラの村人には不都合な専門家や海外情報などをネット上に提供し始めた個々人の行為を、国民の安全を脅かすデマ、風評を垂れ流す犯罪行為と決めつけ、弾圧し始めた。エネ庁のネット監視は、まさにその一環である。

しかし、NRCのメンバーのインタビューや事故調査委員会の調査から、東電は現場の所長さえ、アメリカ製の冷却装置の簡単な仕組みを十分に理解していなかったというし、保安院の委員長自身が専門性に欠いていたと独白しており、対応にあたった安全委員会の委員長を筆頭に、原発災害への対応について官邸に適切な助言が、事実上誰もいなかったということがはっきりと露呈しているのである。

今日の東京新聞では、そのエネ庁は7000万円もの血税を投じて、広告会社にネット監視をやらせていることを報じ、その会社が依頼されたはずの原発デマ対策HPがいまだに未完成であることを明らかにしている。


法政大学の五十嵐教授は、まず、言論の自由の観点から、ネット監視は不適切であり、放射性物質が人体に与える影響については、専門家によっても意見がさまざまで、ある情報だけが不適切と一律に片付けることは困難であり、事業の難航は当たり前で、事業の正当性、必要性がないと述べている。

以下その記事を東京新聞ネット版から転載する。

同じく東京新聞は、放影研が、アメリカの学会誌に発表した論文について取り上げ、原爆で被爆した被爆者(個人線量が推定できる8万7000人)を50年にわたって追跡調査した結果、30歳で1ミリシーベルトの被ばくをした人が、70歳になったときに固形がんで死亡する率は、被爆をしていない人に比べて、42%も増加することを示している。

食品に含まれる放射性セシウムの新規制値案に関する厚労省の意見公募に対して、放射性審議会の前会長が、「新規制値案は、立ち上がろうとする福島県民の県民感情を無視している。新規制値案を導入すれば地元の農作物や海産物は売れなくなる」などの理由で、「反対意見の投稿要請とも言えるような」メールを関係学会の会員に送っていたことは、すでに2週間ほど前に東京新聞に報じられているが、御用学者の専門性とは何かを物語る事例の一つとして、大変興味深い。

彼のような専門家の威光を借りて提示される基準の危うさ、不適切さに騙されるほど、日本国民はバカではない。

大型メディアは、政治家や権力機関やスポンサーの意向を恐れて、都合の悪い情報はあえて流さず、くだらない記事や番組ばかりを量産したければ、いつまでもすればいい。しかし、結局消費者は、そんな新聞やテレビに愛想づかしをし、見切りをつけるだけである。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012030102100004.html

エネ庁ネット監視 原発デマ対策HP 半年経ても未完成

東京電力福島第一原発事故を受け、放射性物質の健康影響などネット上で飛び交う原発や放射能関連の不正確な情報を打ち消すため、経済産業省資源エネルギー庁が正しい情報を発信するホームページ(HP)が、当初予定から約半年経過しても完成していない。同庁は、正しい情報の確認作業が難航しているためとし、完成を三月末に先送りした。
食品への不安や風評被害が広がり、国民が正確な情報を求める中で、事故から一年近くたっても提供できない同庁の事業に批判が集まりそうだ。


同庁をめぐっては、多額の税金を投じ、原発に関する新聞などのメディア情報を監視してきた問題が本紙の調査で判明。今回のHPは、同庁が監視の対象をメディアからツイッターやブログに変更したことに伴い、本年度から着手した。
昨年五月の一次補正で急きょ予算を計上し、一般競争入札で落札した都内の広告代理店「アサツーディ・ケイ」に八月中旬、約七千万円で委託した。
入札仕様書には「速やかに正確な情報を提供」することを重要点として明記。デマ情報を集めた上、事業開始から一カ月程度で三十項目以上、最終的には約百項目をQ&A形式でまとめ、昨秋をめどにHPに掲載するよう求めていた。しかし、HPは「現在改定中」とされ、情報提供が一切行われていない。
 エネ庁の担当者によると、広告代理店がデマ情報として集めた大半が放射能の健康影響についてだったが、専門家の助言が人によって見解が異なっているまた、食品規制や除染など国の対応が変遷したことも影響し「正解」の作成に手間取っているという。
エネ庁原子力立地・核燃料サイクル産業課の武田龍夫原子力広報官は「放射性物質の健康への影響は国民の関心が高く、慎重に対応する方が良いと判断した」と説明している。

事業に必要性ない

 法政大の五十嵐敬喜教授(公共事業論)の話 言論の自由の観点から国が情報を監視すること自体、不適切な上、放射性物質が人体にどんな影響を与えるかは定説がなく、ある情報が誤りだと一律に判断するのは難しい事業の難航は当たり前で、この段階でもホームページが作成できないなら、正当性や必要性がないことは明らかだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012030101001155.html?ref=rank


被爆でがんリスク42%増加 放影研、50年余の追跡調査

2012年3月1日 14時00分
広島、長崎の被爆者のうち、30歳で1シーベルト被爆した人が70歳になった時に固形がんで死亡するリスクは、被爆していない人に比べて42%増加することが、日米共同の研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島市・長崎市)の研究で分かった。1日付の米放射線影響学会の学術誌に発表した。
放影研によると、1950年から2003年まで被爆者約12万人を追跡した調査に基づく研究で、個人線量が推定できる約8万7千人を解析の対象とした。約5万1千人が死亡し、このうち約1万1千人が、肺がんや胃がんなどのさまざまな固形がんで亡くなった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012021702000165.html

食品新規制値で放射線審前会長 関係学会へ投稿要請

 食品に含まれる放射性セシウムの新規制値案について厚生労働省が実施していた意見公募に対し、案の妥当性について厚労省から意見諮問を受けた文部科学省放射線審議会の前会長、中村尚司(たかし)東北大名誉教授が「(厳しい規制は)福島県の農漁業に甚大な影響を与える」などとして、公募期間中に「反対意見の投稿要請」とも受け取れる依頼を関係学会の会員らにメールで送っていたことが十六日、分かった。
メールには丹羽太貫(おおつら)現会長の名前も出していた。中村氏は「反対意見の投稿を要請したつもりはない」と話しているが、審議会前会長の立場で影響力を行使したとの批判も起こりそうだ。
中村氏によると、一月二十日前後に日本原子力学会の関係者を通じて学会下部組織の会員らに依頼文をメールで送った。実際、何人に送られたかは不明。
メールでは新規制値案をめぐる同審議会の議論について「安全性の評価、社会的影響に関する検討がなされていないと紛糾している」とし「本案が施行されると福島県産の農産物、海産物が売れなくなる」「(福島)県民の感情を無視したもの」と指摘。
意見提出の要領などを記載した、総務省が運営するインターネットサイトの宛先を添付した上で「ぜひ対応して頂くようお願いいたします」としていた。
中村氏は「それぞれで考えて意見を出してほしいという趣旨だった」と説明。前会長の立場での依頼については「すでに会長を辞めており審議会にもタッチしていない」と話した。
厚労省によると、意見公募は一月六日から今月四日まで実施。これまでに約千七百件の意見が寄せられ、もっと厳しくすべきだとの意見は約千四百件、厳しすぎるとの意見は約四十件だった。
中村氏は二〇〇七年三月から昨年二月まで放射線審議会会長を務めた。

◆事実関係把握していない

丹羽太貫・放射線審議会会長の話 ある人から「あなたと(前会長の)中村さんの名前でメールが出ている。これは何ですか」と聞かれたが、事実関係を把握していなかった。中村さんに聞いたら「学会の幹事にメールを送ったら、それが流れた」と説明を受けた。

◆メールのポイント

放射線審議会は「安全性の評価と社会的、経済的影響に関する検討がなされていない」と紛糾。
新規制値案が施行されると、福島県の農業と漁業へ甚大な影響を与え、農作物や海産物が売れなくなる可能性が高まる。
・これは、原発事故から立ち直ろうと除染を進めている福島県の県民感情を無視したものと考える。
・パブリックコメント募集内容を確認した上、対応をお願いする。
・(現会長の)丹羽(太貫)先生とも連絡を取って(個人として厚労省に投稿した)コメントを参考までに送る。

Ac:tivists challenge Japan’s nuclear village : コピペ

http://www.salon.com/2012/02/27/activists_challenge_japans_nuclear_village/singleton/


TOPIC
MONDAY, FEB 27, 2012 4:00 PM 西ヨーロッパ標準時

Activists challenge Japan’s “nuclear village”

A year after Fukushima, an energized civil society pushes for solar power and accountability

A year after Fukushima, Japanese are spurning a nuclear future
A man wearing a mask attends an anti-nuclear rally in Tokyo September 19, 2011.  (Credit: Yuriko Nakao / Reuters)
The quiet resolve of Japanese citizens in the aftermath of last year’s triple disaster of earthquake, tsunami and reactor meltdown quickly turned into frustration as the government failed to adequately respond to the worst nuclear catastrophe since Chernobyl in 1986.
In the nearly one year since the March 11 earthquake, Japan has suffered a bevy of problems, from rolling blackouts and currency woes, to radiation fears, all under the tutelage of a central leadership that has failed to inspire public confidence.
So much so that Japan changed prime ministers last August – now the sixth in five years – amid a pivotal period in the country’s history. Yet the crisis in leadership, lack of transparency and revelations of nuclear safetyoversights have also facilitated activism in a civil society that typically emphasizes cohesion over confrontation.
The fallout from Fukushima and the bungled response have spurred an increasing number of citizens to challenge the bureaucracy and nuclear industry as health and safety concerns still linger. Local areas are undergoing a rapid shift toward renewable energy. And citizen groups – many of which are led by women — are also leading the charge for a more direct democracy by attempting to hold what would be an unprecedented national referendum on the use of nuclear power.
The grass-roots effort is partly in response to Japan’s revolving door politics. The current ruling party, the Democratic Party of Japan, swept into power in 2009 following a landslide election that ended nearly a half-century of political rule by the Liberal Democratic Party. But the hope for change quickly turned into a familiar ebb and flow: new leaders taking the reins promising reform, only to fall victim to parliament’s political gridlock. That sense of disenfranchisement and anger over the Fukushima fallout is changing the landscape of Japan’s lackluster civic participation, which has lagged behind other industrialized countries.
Daniel Aldrich, associate professor of political science at Purdue University, said a similiar increase in activism  happened after the 1995 Kobe earthquake.
“I think what we’re seeing right now – just like after past disasters – is a resurgence of Japanese civil society,” he said. “It’s been very hard in the past to bring people out of their homes, very hard to overcome some of their concerns about possible embarrassment or broader group-think.”
Now, however, several community-based initiatives, protests and rallies have sprung up in the past year. Volunteers have set up a popular website where users crowd-source local radiation levels. Mothers are testing school lunches for radiation. And perhaps in a nod to the Occupy movement, antinuclear activists have camped out in front of the Ministry of Economy, Trade and Industry in Tokyo for more than four months and refused orders to leave. Citizens are also becoming increasingly vocal toward public officials.
“You see people yelling and interrupting these bureaucrats, which I’ve never seen at public meetings,” said Aldrich. “What I’ve been seeing from Fukushima and elsewhere is ‘rituals of dissent’ — local people not willing to be talked down to, not willing to be ignored.”
Others have started referendum campaigns in cities like Tokyo and Osaka to decide whether Tokyo Electric Power Co. and Kansai Electric Power Co. should be allowed to run nuclear plants. In December, the group Let’s Decide Together/Citizen-initiated National Referendum began a petition seeking signatures for a local plebiscite.
While the campaigns have struggled to gain a critical mass, the groups have managed to meet the legal metrics required to hold a referendum. Organizers have collected 55,000 signatures in Osaka and 250,000 in Tokyo from local voters, exceeding the numbers required by law to ask its respective governments to hold a (non-binding) referendum. A separate group led by Nobel laureate Kenzaburo Oe has also collected more than 4 million signatures in a campaign to abolish all 54 nuclear reactors in Japan.
Successful referendums on nuclear power have recently taken place inEurope, but such initiatives are uncommon in Japan. There have been a few local plebiscites in the past but a national referendum would be unprecedented. No law exists for such a measure. A national vote may be difficult but a local referendum could be possible despite ambivalence from the Osaka and Tokyo leadership.
The hangenpatsu [antinuclear] movement certainly has, at least right now, the momentum to carry this,” said Aldrich.
What has become evident through the referendum and civic activism is that the public discourse has dramatically shifted from a tacit acceptance of nuclear energy to one that promotes renewable energy.  Going green was previously viewed as a left-wing idea that prevented many from wholly embracing the idea.
Until Fukushima, politicians, local bureaucrats and power utilities held a stronghold on national energy policy for five decades, building nuclear plants in coastal and rural “nuclear villages” that created a network of dependence on atomic energy. Japan was previously the third-largest consumer of nuclear energy with roughly 30 percent accounting for the country’s power. Its 10 regional utilities relied heavily on nuclear power and dominate the market.
But the monopoly appears to be crumbling. For one, public sentiment has changed. A November poll by national public broadcaster NHK showed that more than 70 percent want to eliminate or reduce reliance on atomic energy.
Andrew DeWit, a professor at Rikkyo University who follows energy policy, says profound changes are also happening at the local level. Most notably, he said the landmark feed-in tariff bill passed last year before Prime Minster Naoto Kan’s resignation is helping to provide incentives to local governments, farmers, businesses and households to invest in renewable energy.
“Now it’s become a huge wave of big capital looking at large scale, mega solar projects in conjunction with the prefectures,” said DeWit.
Still, the government is conducting stress tests to gauge the possibility of restarting reactors in lieu of the summer power crunch, a move that has been pushed by the old guard business lobby. Yet only two of the 54 nuclear plants are currently operating in Japan, and momentum may already be leaning the other way.
“The ground is shifting very rapidly,” said DeWit. “If you see the pre-March 11 as solid ground, this is profound liquefaction of the solid ground that the nuclear village used to stand on.”
Akito Yoshikane is a freelance writer in Chicago.More Akito Yoshikane

2012年2月29日水曜日

3つの原発調査委員会:単なる形式?それともガス抜き?

原発災害以来、ほぼ1年の時を経る間に、政府よりの大型メディアですら、フクイチで発生した大惨事は、津波による天災による不可抗力な事故などではなく、電力事業者や保安院・安全委員会などの明らかな怠慢によって引き起こされた人災であるという見方がかなり定着してきている。

にもかかわらず、日本政府の司法は、この大惨事を引き起こした者の責任を追及することもしない。中途半端な3つの事故調査委員会を走らせ、やれ国の責任が大きいだの、首相が対話が生まれるような場を提供しなかっただの、電力会社に非があっただの、すでに我々素人が、それぞれのブログで3月の震災当時から、述べてきた陳腐な繰り言を、再生しているに過ぎない感がある。

これだけの大きな災害を発生させながら、いまだに現場の収拾を災害を引き起こした当事者である私企業に任せていることを、海外の先進国の人々は大変奇異に感じているに違いない。

考えてもみればいい。ある食品会社が製造工程で食材の管理を怠り、毒性の強い病原菌が繁殖した食品を大量生産した結果、多くの消費者がその犠牲になって食中毒を起こしたとする。

責任はむろん会社にある。弁解の余地もない。普通ならば、保健所や警察が工場や会社にやってきて、現場を押さえ、会社とは関係のないプロが、工場内の消毒をするとともに、被害状況を明らかにし、サンプルを採取したりして、原因究明のための徹底的な調査を行う。その上で、第三者の手で、病原菌繁殖の恐れがなくなったことを検証し、原因が究明されるまで、会社は営業停止を食らうことになる。

ところが、フクイチに関する限り、なぜか様相がまったく違った。汚染された原発管理を当事者である東電に100%任せっぱなしにして、「汚染は基準値以下だから問題はない」というような気休めにもならないような信憑性の薄い報告に、政府や大のメディアが耳を傾け、100%依存しているという、何とも情けなく、不可思議な状況が、今なお続いているのである。

多額の賠償を請求されることを恐れる企業が、被害を最小限に見せかけようと、都合の悪いことを隠ぺいしたり、被害状況を正直に報告しなかったりするに違いないことは、5.6歳の子供にでも、理解できることだろう。

民間の事故調査委員会の調査には、東電は全く応じなかったというし、政府関係者への聞き取りをしたというが、本来は関係者が参加した様々な会議の議事録をもとにして、聞き取りをやるべきであるにもかかわらず、その大元になる議事録さえないのだから、何をか言わんやである。

それぞれの会議で、誰が議事録をとるべき役割にあったのか、それを管理すべき人物・議事録の確認をすべき役職にいたのは誰だったのか、本来ならば、その辺の具体的な追及から始めるべきである。

国会の事故調は、当事者であるはずの細野原発担当相が、事故調査委員会の長に接触して、ひんしゅくを買うという体たらくである。

そして、政府の事故調は、さすが、マスコミ受けする失敗学の権威が委員長だけのことはある。最終報告はまだまだ先のことなので、どうなるかはわからないが、すでに報じられている情報通りとすれば、大先生を中心としたメンバーは、安全文化論でこの災害の原因をうまくまとめて、手打ちにする算段らしい。

中途半端な事故調査委員会といったが、事故の責任を徹底追及し、厳しい処罰を加え、徹底的に猛省を促さないない限り、そこをうやむやにして、まぁまぁなどと甘いことを言っている限り、同じような事故は必ずまたどこかで繰り返されるに違いないからである。

電力会社も、役人も、原子力ムラの学者たちも、世界最高水準といわれていた日本の専門家集団がどれだけ無為無策であるかが露呈しているにもかかわらず、何が「原発の安全性を確保をして、再稼働」なのか、

3.11のおかげで、一つはっきりしたことがある。

それは、原発の安全性を確保できるような優れた専門家も、大惨事が起こったときに社会に迷惑をかけたと、会社を整理してでも、私財をなげうってでもきちんと賠償をしてくれる会社もなければ、いざとなれば責任をとって国民をしっかり守ってくれる役人も政治家も、今の日本には一人たりとも存在しないということである。

3つの調査委員会、何もやらないわけにもいかないから、一応やったという既成事実を作るために立ち上げられ、憤懣やるかたない国民に若干のガス抜きをさせるためのものに過ぎないのではないだろうか。

本来ならば、原発災害の調査委員会は、原発を規制する立場の専門家集団を核にして、作られるべきであろう。それが3つのどの委員会も共通してなされていないことからも、委員会の中途半端な度合いが知れるというものである。


http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012022690021454.html

原発事故調、海外専門家から批判続出 
2012年2月26日 02時14分
福島第1原発の事故をめぐり、政府の事故調査・検証委員会が海外の原子力専門家から意見を聞く会合は25日、2日間の日程を終えた。専門家からは、日本の原発事故への備えの甘さや、政府による「冷温停止状態」宣言の拙速さを批判する声が相次いだ。
 米原子力規制委員会(NRC)元委員長のリチャード・メザーブ氏は、事故現場で線量計が作業員に行き渡るまで3週間もかかったことを問題視し、「信じられない対応だ。もっと早くそろえられたはずだ」と批判した。
 フランス原子力安全局長のアンドレ・ラコスト氏は、1999年の茨城県東海村での臨界事故や、2004年に関西電力美浜原発で起きた配管破裂事故を例に挙げ「日本では5年に一度、事故が起きていた。大事故があるなら日本だと思っていた」と、教訓を十分に生かしてこなかったことが大事故につながったとの認識を示した。
 韓国原子力協会長・張舜興(チャンスンフン)氏は、政府の「冷温停止状態」宣言に疑問を呈し「原子炉内の状態を特定せずに、どうして安全と言えるのか」と、拙速さを批判した。
 事故調も、安全意識の甘さがなぜまかり通ってきたのか、今夏の最終報告で解き明かす考え。委員長の畑村洋太郎・東大名誉教授は「安全文化という考え方に真正面から向き合わなければならないと感じた」と述べた。
(中日新聞)

福島原発民間事故調査委:国の責任感欠如と東電の怠慢が主因


2月28日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所の民間事故調査委員会、福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一科学技術振興機構前理事長)は28日、独自に事故を検証した報告書を公表した。その中で事故を拡大させた主因として「国の責任感の欠如東電の過酷事故に対する備えを怠った組織的怠慢」を挙げた。事故当時の菅直人首相、枝野幸男官房長官ら政府首脳にもヒアリングを行い、官邸や東電の混乱ぶりがあらためて浮き彫りにされた。
北沢委員長は記者会見で「放射能源が過密に配置されていた」ことが事故を深刻なものにしたとし、特に使用済み核燃料プールの配置の問題点を指摘した。
報告書の中で、事故発生直後、東電の清水正孝社長から現場の作業員600人を福島第一原発から第二原発に撤退させたいと政府に再三申し入れがあったことが明らかにされた。これに対し、菅首相が3月15日未明に東電本店に乗り込み、「命を賭けろ。撤退はあり得ない。そんなことをすれば東電は間違いなくつぶれる」と演説したことも盛り込まれた。
北沢委員長は「結果的に吉田所長ら福島フィフティー(50人)が残留し注水などの作業を継続し、事故は収拾に向かった。それが首相の最大の功績だったかもしれない」としながらも、首相官邸の現場への過剰な介入は「評価できない」と述べた。その背景には経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委員会から情報が伝わらず、「疑心暗鬼」に陥ったとの見方を示した。
報告書は、外国からの助言に聞く耳を持たない原子力安全規制のガラパゴス化、大地震や大津波が過去にあったことを知りながら適切な備えの指示を怠ったことなど、国の責任を「極めて重い」と断じた。
同委員会は約300人にヒアリング調査を実施し、東電にも経営者のインタビューを要請したが、拒否された。報告書は拘束力を持たないが、野田佳彦首相に提出する。
記事についての記者への問い合わせ先: 淡路毅 tawaji@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Yoshito Okuboyokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2012/02/28 16:10 JST


民間事故調、政府の危機管理を批判


日本が戦後最大の危機に瀕したあの日、政府の中枢で何があったのでしょうか。東京電力、福島第一原発の事故の検証を進めてきた民間の事故調査委員会が28日、400ページに及ぶ報告書を公表し、原発に関する従来の危機管理のあり方を厳しく批判しました。

 「(菅前首相は)国家のトップとしての戦略や覚悟が希薄だったのでは」(民間原発事故調の会見)
 「安全神話による自縄自縛状態が発生していたということでありました」(民間原発事故調の会見)

 福島第一原発で起こった事故の検証を進めてきた民間の事故調査委員会は、28日午後、400ページに及ぶ報告書を公表しました。

 去年3月の事故直後に政府中枢で何があったのでしょうか。日米の政府関係者らおよそ300人を対象に実施した聞き取り結果から、その実態が浮き彫りとなりました。

 「東京でも避難が必要になる『悪魔の連鎖』が起きるおそれがあると思った」(枝野経産大臣〔当時の官房長官〕)

 聞き取りにこう話したのは、当時の官房長官、枝野経産大臣です。報告書によりますと、事故の3日後の去年3月14日には福島第一原発の吉田昌郎所長(当時)から「炉心溶融が進み、燃料が溶け落ちる可能性が高まった」との情報が当時の細野総理補佐官に伝えられ、官邸や専門家の間に強い危機感が広がったといいます。

 一方でたびたび問題が指摘されてきた放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」については、菅前総理大臣ら事故対応の中心となっていた政治家が「事故から数日経ち、マスコミから指摘されるまでその存在すら知らなかった」と証言していました。

 さらに民間事故調は、報告書で「SPEEDI」は原発を立地する際に住民の安心を買うための「見せ玉」にすぎなかったと厳しく批判しました。莫大な予算をかけて有事に備えたはずのシステムが、まったく機能していなかったことが改めて浮き彫りとなった形です。

 そして時の総理大臣、菅前総理について報告書はこう指摘しています。
 「菅総理が個別の事故管理にのめり込み、全体の危機管理に十分注意を向けることがおろそかになったことは否めない。『原発に代替バッテリーが必要』と判明した際に、総理が自分の携帯を取り出し、大きさや重さを担当者に質問している状況を見て、同席者の一人は『そんな細かいことを聞くのは 国としてどうなのかとぞっとした』と述べている」(報告書)

 東電や保安院を信じられなくなった官邸側が過剰に介入する結果となり、民間事故調は「統合対策本部ができるまでの官邸の対応は、無用な混乱やストレスにより状況を悪化させるリスクを高めていた」としました。

 福島第一原発の事故調査についてはさまざまな見解がありますが、JNNが去年11月に行った取材に対して菅前総理はこう話していました。

 「事業者である東電自身もですね、当事者としてそういう想定をしなかった、準備をしなかったことに大きな責任がある、こう思っています。残念ながら。今回の事故に関しては原子力安全・保安院からですね『こうやるべきじゃないか、ああやるべきじゃないか』と積極的な形で具申されたことがほとんどありませんでした。私の執務室が相談をし判断をする場所にもなった。これは私の立場からすれば、他の機能がきちっと機能していればそこまで直接的にやる必要はなかったでしょうけれども」(菅直人前首相〔去年11月〕)

 なお、今回の調査では事業者である東京電力の幹部が聞き取り調査を拒否していることから、報告書は「さらなる検証は政府、国会の事故調査委員会にバトンタッチせざるを得ない」と結論づけています。(28日17:08)



細野原発担当相、事故調幹部に接触 中立性阻害 国会が厳重注意へ

2012.2.24 01:37 (1/2ページ)
細野豪志原発事故担当相が20日、東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を受けた国会原発事故調査委員会の黒川清委員長に「原子力規制庁設置法案の説明」と称して接触していたことが23日、分かった。衆参両院議院運営合同協議会は同日、この事態を問題視し、24日にも藤村修官房長官を呼んで経過説明を求めるともに、厳重注意することを決めた。
事故調の設置法である「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」では中立・公正に原発事故原因を究明するため、利害関係者が同委員会に「接触」することに条件をつけており、接触があった場合は委員会側が公表することを義務付けている。
 
細野氏は原発事故発生後、事故収拾に首相補佐官としてあたったことから、
事故調の調査対象者の一人となっており、同氏が中立性を重んじる同委員会に接触を試みたこと自体が問題視されている。利害関係者の接触に条件を付した同法6条に抵触するとの指摘もある。
細野氏が黒川氏らと接触していた事実は、自民党の塩崎恭久元官房長官が21日に把握し、国会事故調に対して「中立性が保持できない」と強い懸念を表明した。それを受けて事故調は急遽(きゅうきょ)ホームページに21日付で「細野豪志環境大臣・原発担当相から説明を受けました。黒川委員長は新組織で原発事故再発防止が可能なのか疑問点を表明」との表題で掲載した。
塩崎氏は国会事故調を設置する法案に携わったことから、21日付の自身のブログで
「事故調査委員会の委員は民間人だ。
政府や原子力業界から総出でプレッシャーをかけられては、
いかに法律上独立していても中立性は保てない」と指摘。
「現役閣僚が事もあろうに独立性がうたわれている国会事故
調に押しかけるとはどういうことなのか」と細野氏の対応を
批判している。
塩崎氏は23日、産経新聞社の取材に「全会一致で成立した事故調法案の精神を細野氏が理解していないのは信じられない」とコメントした。

「調査中なのに理解できない」 国会原発事故調が原子力規制庁設置法案を異例の批判

2012.2.2 17:06 国会
黒川清氏
黒川清氏
国会の東京電力福島第1原発事故調査委員会の黒川清委員長は2日、政府が「原子力規制庁」の4月設置などを柱とする原子力規制関連法の改正案を閣議決定したことに対し、「行政組織のあり方の見直しを含め提言を行う国会事故調が調査の最中にもかかわらず、組織のあり方を定めた法案を決定したことは理解できない」とする異例の声明を発表した。
声明は同日、野田佳彦首相や衆参両院議長をはじめ全国会議員に配布された。政府決定の見直しと「国会における責任ある対応」も求めている。
昨年10月に施行された国会事故調の設置を定めた法律の第10条では、同事故調が事故の原因究明とともに行政組織のあり方の見直しを含めた提言を行うよう定めている。