2011年7月28日木曜日

日本より中国メディア・政府対応の方がまだ健全かも


 こんなことはできれば書きたくない。昨日のブログで、日本のメディアはこそって中国の高速鉄道事故を大きく取り上げ、中国政府の対応の酷さ、技術の未熟さを力説しているが、フクシマの原発災害と中国高速鉄道事故の原因や、災厄に対する政府対応に大差はないということを書いた。しかし、中国メディアや一般市民たちは政府の厳しい統制下にあっても、言わなければならない主張は続けているし、遺族たちも高額な賠償金でおとなしく引き下がるのではなく、カネと権力には屈しないと抗議の声を上げているのである。
 日本は戦後言論の自由が憲法で保証されたデモクラシーの国になり、言論統制に縛られている中国とは異なる自由でいい国だ。今の中国人は金儲けさえできれば、どんなことでもする。そんなイメージを持っていたが、ここ1,2日の中国の高速鉄道事故に対する中国メディアや犠牲者の対応を見て、日本よりましなのではとさえ思うようになった。
このような背景には中国政府内部の指導者権力抗争のようなものがあることは言うまでもない。
日本の問題は政治の世界に健全な形の大きな対立がないこと、与党も野党も大差はなく、ほとんどの政治家が、大企業の献金や寄付、組合の組織票にすがるという点で完全に利害の一致を見るという点であり、官僚もメディアも御用学者も、この大企業のカネに繋がる権力には抗しがたいという点である。
九電の見苦しい会見の記事を、以下に転載したが、これがおよその電力会社の経営陣、役員会の面々に通じる共通認識であろう。彼らが今も得ている法外な高い給料や役員報酬の代償として、国民は今、暑い夏に命がけで節電を迫られ、高い電気料金を支払わされているのである。
電力会社が、我々が支払っている高額の電気料金を、地域住民、地元自治体、官僚、御用学者の買収に湯水のように使わず、アメリカやドイツ並みの再生エネルギー開発や天然液化ガス発電所の建設に投資してさえいれば、せめて多額の税金をかけて建設した既存の火力発電所や水力発電所をきちんとメンテしてさえいれば、何がいくつ止まろうが、壊れようが、一般市民までに節電を呼びかけるような事態には至らなかったはずである。
中国高速鉄道追突事故 中国の平均年収の約15倍の賠償金を発表 遺族からは怒りの声
(07/27 18:22)
幕引きを急ぐ中国政府の対応に批判の声が上がっている高速鉄道の衝突脱線事故で、政府の次の一手は、平均年収の15倍もの多額の賠償金だった。
このやり方について、遺族はさらに怒りを募らせている。
27日午後1時すぎ、事故で夫を亡くした女性は、「優しかったあなたが、若くして死んでしまうなんて。(事故原因がわからず)娘に『お父さんは高速鉄道の事故で亡くなった』としか言えないなんて」と話した。
また、遺影を手にした男性は、「こんなやり方、よその国ではあり得ないよ。政府の賠償金発表のやり方に怒りが収まらないよ」と語った。
27日午後1時すぎ、事故現場の近く温州南駅には、事故で家族を亡くした人たちが当局に抗議するために集まった。
遺族らが持つ横断幕には、「真相を」、「死者に尊厳を」などの文字が見られた。
200人以上が死傷した中国高速鉄道の追突事故で、中国政府は事故車両を穴に埋め、批判を受けるとすぐに掘り出すなど、幕引きを急いでいる。
その次なる一手、27日に当局から発表されたのは、中国国民にとって多額の賠償金だった。
遺族に対する賠償の金額は、標準50万元(日本円でおよそ600万円)と発表があった。
特段、交渉が行われた様子もないまま、50万元という金額だけが早くも示されてしまった。
賠償金の額は、早期に和解に応じた場合の奨励金を含め、日本円でおよそ600万円と、これは中国の平均年収のおよそ15倍にあたる。
遺族は、金で口封じをするような当局に対し、怒りが収まらない。

抗議に来た遺族は、「わたしたちは、賠償金の交渉をするために、ここに集まったわけではない。真実を知りたい」、「事故をお金だけで解決しようとしないで」と話した。
さらに、事故で家族5人を失った男性は、「今は僕1人しか残っていない。家族5人の命が事故で奪われた。妻は妊娠7カ月だった」と話した。
さらにブログには、「金と権力には屈しない」との書き込みをしていた。
遺族が求めるのは、お金ではなく真相究明だった。
一方、真相究明を求めている中国の記者たちに、中国共産党の宣伝部から送られたとされるメールがある。
そこには、「感動的な出来事を多く報道してください。事故原因については追及しない」、「関係部門の発表をもとに報じ、反論をしない」などと、報道規制とも取れる内容が書かれていた。
一方、中国国営テレビでは、追突した列車の乗務員が「もし彼(運転士)が緊急停車しなかったら、この列車がどうなっていたか、想像できません」と話すインタビューを放送していた。
中国国営テレビでは、死亡した運転士を英雄視する報道もされていたが、上海の地元紙では、乗客の証言として、「急ブレーキをかけたような揺れは感じなかった」と掲載、事故の2秒前も車内の速度表示は、時速118kmだったという乗客の証言を報じている。
温州市内の貨物駅には、大破した車両の残骸があり、内部の素材も見えていた。
中国政府は、最高人民検察院の担当者を現地に派遣して、事故原因だけではなく、関係者の刑事責任を追及する姿勢を見せている。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110725/mcb1107251005028-n1.htm

【中国高速鉄道事故】ネット世論沸騰「落雷のせいにするな」「死傷者少なすぎる」

2011.7.25 10:04
    
処理される中国高速鉄道の事故車両の残骸=24日、中国浙江省温州市(ロイター)
処理される中国高速鉄道の事故車両の残骸=24日、中国浙江省温州市(ロイター)【拡大】
 【温州(中国浙江省)=河崎真澄】中国浙江省温州で23日に起きた高速鉄道の列車追突事故に対し、中国のインターネット上では安全性より建設のスピードを重視した問題や、汚職がからむ手抜き工事などへの疑惑から「人災だ」と指摘する声が相次いでいる。鉄道省ではこれまで「高速鉄道の安全は全く問題ない」(何華武技術主任)としてきたが、重大事故の発生でネット世論は沸騰し始めた。
 ネット上では「人災を落雷のせいにするな」「現場のひどさに対し発表された死傷者数が少なすぎる」などと鉄道当局を批判する言葉が渦巻いている。「業績を急いだ指導者が最大の事故責任者だ」「鉄道相らを即刻更迭せよ」と当局者の責任を問う声も大きくなってきた。
 24日深夜に温州で記者会見した鉄道省報道官は「落雷による設備故障」が原因と改めて強調したが、ネット上では、「運転士や運行管理センターは何をしていたのか」「設計自体に問題があったのではないか」との疑問も広がっている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/519721/

中国高速脱線 当局、独自報道認めず

2011/07/25 08:33 産経新聞


中国のメディア関係者は25日までに、浙江省温州市で起きた高速鉄道の列車追突事故について、中国共産党中央宣伝部国内メディアに対して独自報道をしないよう求める通知を出したことを明らかにした。鉄道省報道官は24日深夜、死者は43人ではなく35人として国営通信新華社の報道を事実上修正。当局が情報管理や世論の動向に神経をとがらせていることをうかがわせた。
 関係者によると、通知を受け取ったのは事故翌日の24日午前。事故の報道は新華社の配信記事を使用し、独自取材に基づく報道をしないよう要求している。事故に対する当局の責任を問う声を封じ込める狙いがあるとみられる。新華社は24日夜、救助隊が新たに8遺体を発見したと報道。確認されていた死者35人と合わせ計43人となったが、鉄道省報道官は同日深夜の記者会見で、死者は35人と言明、負傷者も211人から192人に修正された。(共同)

http://diamond.jp/articles/-/13334

中国高速鉄道事故で国民が鉄道部に怒り狂う背景には、これだけの伏線がある




鉄道部のこうした行動には、日本の311原発事故が発生した後、東電が見せた隠ぺい体質と「原子力村」と呼ばれる産官学からなる利権集団の行動パターンに似通ったものがあったが、ただその特徴はより乱暴的で、より赤裸々で、より貪欲なものだといえるだろう。その意味では、中国に「鉄道村」のような利権集団が存在していると思ってもおかしくない。

http://mainichi.jp/select/world/news/20110728ddm001030020000c.html


中国:高速鉄道脱線 運転士「停止指示された」 人為ミスの可能性

 【温州(中国浙江省)隅俊之】中国浙江省温州市の高速鉄道事故で広東省の週刊誌「南都週刊」(電子版)は27日、追突された列車の運転士が「(運転指令に)停止を指示された」と乗客に話していたと伝えた。後続列車は時速115キロ前後で追突しており自動制御装置が機能しなかったのはほぼ確実。証言は事故が制御系統の不備と人為ミスの複合要因で起こったことを示すとみられる。
新華社によると、現地に派遣された中国最高人民検察院(最高検)の担当者は政府調査団に合流する。「人災」の見方が強まる中、刑事責任追及を視野に入れている模様だ。
毎日新聞 2011年7月28日 東京朝刊

九電会長「信頼できる会社」強気会見2時間超
 やらせメール問題の責任を問われる立場にありながら、発言は強気だった。「原子力に関して九州電力はとりわけ信頼できる会社だと思われている」。メール問題の第三者委員会が発足した27日、九電の松尾新吾会長は会見で断言。真部利応(まなべとしお)社長と自らの進退も「白紙」と強調した。一方、経営トップ2人と並ん第三者委の郷原信郎(ごうはらのぶお)委員長は「大震災以降も変わらない九電の体質に問題の本質がある」と、問題の背景を指摘した。
 九電本店内の会議室。会見開始8分前、一番先に姿を現したのは松尾会長だった。会長の会見出席は異例。100人を超す報道陣を前におうような笑みを浮かべた。
 「今回の件の関係者、取締役の処分については第三者委員会の評価を踏まえ、あらためて取締役会で審議します」。社長らの進退について口火を切ったのも、松尾会長だった。
 隣には対照的に疲れた表情の真部社長。辞任について「私個人の思いは決まっている」。一方、思想家内村鑑三の「天の声に従って行動せよ」という言葉を引いて「天の声は世論なのか、大臣なのか、取締役会なのか。何が天の声なのか考えたい」とした。
 これを聞いた松尾会長は「社長個人の意思と、それが通るか通らないかは別。(進退は)取締役会の専決事項」と断言。「辞めないという結論もある」と強調した。
 会長は社長をかばい、社長は会長に一任する。2週間前、やらせメール問題を「社会常識」に反すると総括した真部社長の会見とは一変。この日のトップ2人には、責任の自覚は見えなかった
 真部社長の辞任届提出を松尾会長が明かしたのは、会見が始まって1時間半が過ぎてから。一存で預かり、他の取締役には知らせていないとも述べた。ある取締役によると、この日午前の取締役会では、議長の松尾会長から社長欠席の理由説明はなく、社長や自身の進退にもひと言も触れなかったという。
 「(福島第1原発)事故前の感覚で対応したところに問題の本質があるのではないか」。メール問題の原因について郷原委員長が個人的見解を述べる間、真部社長はうつむいてノートをめくり、松尾会長は前を見据えていた。耳を傾けているのか、いないのか。
 記者が重ねて問うた。「辞任届を自分の一存で伏せているような会社に、原発の運転を任せて大丈夫と住民は考えると思うか」。松尾会長は「九州電力はとりわけ信頼できる会社だと思われている」と言い切った。
 2時間15分が過ぎるころ、松尾会長は真部社長に耳打ちし、間もなく会見は終わった。
=2011/07/28付 西日本新聞朝刊=

2011年7月27日水曜日

ポポポポーンのサブリミナル効果で国民につけまわしですか?:国と東電の大失策の尻拭い

財務省の思惑通り、所得税や法人税で、10兆円の臨時増税する方向が決まったそうですね。

東電が当然支払わなければならないもの、原発災害の事後処理の大きな失策(広範囲にわたって集団疎開が必要であったにもかかわらず、政府自らが私企業を守ろうとする電力会社の虚偽の発表に加担して、想定される原発被害を極小化し、その結果、ひと、食糧、家畜の被害を国全体にまで拡大してしまったこと)の責任所在を曖昧にして、国民に協力を強いればいいということでしょうか。

これって、なにか違っていませんか。、

あちこちで被害が増大する度に、政府が全部補償するなんて格好のいいことばかり言って、結局すべて重税を国民に課してつけまわしするなんて、許されることでしょうか。

羊のように従順で、政府が導いてやらなければ自分で判断力も持てない国民は「頑張ろう日本」の一声で、団結一致して、どんな重税の負担も黙認するーーそういう読みなのでしょうか。

東電西沢社長が理事を勤めていたACは、震災直後、視聴率の高いテレビで、朝から版まで金子みすゞ「こだまでしょうか」と「魔法の挨拶」を異常なぐらいに反復放送しましたね。

そんな見え透いた下心が国民にはわからないとお思いでしょうか。

いずれも、誰かの言葉(政府の言葉)に対して、国民はただ反射的に言われたことを言われるがままに素直に従順にしたがっていさえすれば、ベストなのだという強烈なメッセージを、大人から、子供にまで、たくみに摺り込みましたね。

そのサブリミナル効果で、国民はもはや、電力うなぎと政府の意のままとお考えでしょうか。

「『遊ぼう』っていうと『遊ぼう』っていう。『ばか』っていうと『ばか』っていう。『もう遊ばない』っていうと『遊ばない』っていう。そうして、あとでさみしくなって、『ごめんね』っていうと『ごめんね』っていう。こだまでしょうか、いいえ、だれでも」 この後、男性の声で「やさしく話しかければ、やさしく相手も答えてくれる」という語りが入る

結局民主党は政策の一番大きな目玉であった不要な歳出カット、埋蔵金のあぶり出し、事業仕分けなどの抜本的な改革は全て中途半端の手付かずのまま、議員宿舎跡地の売却とメトロ株の売却程度でお茶を濁すつもりですか?

国民が納得できるようなまともな復興構想も何もなく、ただ場当たり的に、誰かが大きな声で被害が出たと叫べば、そこにカネをばらまき、黙らせようという方針のようですけど、こんなことを続けていたら、瞬く間に、どんどん原発被害は拡大します。そのたびにカネがない、カネがないと増税をされていたら、国民はたまったものではありませんよ。

出すべき人が、責任をとるべき人や組織が、出せるだけのものをすべて吐き出すことがまず第一。国民へのツケ回しは、それができてからにしてもらいたいものです。既得権益を得ている人達は、所得税が増えようが、法人税が増えようが、一向に懐はいたまないでしょうが、庶民の生活はそれでは成り立たないのです。

「年収1500万円は中流層である」と何年か前に言い放った経産大臣をはじめ、電力会社のおかげで豊かな暮らしをなさっている国会議員の皆様や高級官僚の皆様には、そういう庶民の暮らしぶりは全くおわかりにならないでしょうけれども。

http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072601000993.html

復興に10兆円臨時増税や議員宿舎の売却など検討(07/26 18:37)


政府は、東日本大震災の復旧・復興のため、10兆円規模の臨時増税を行うほか、政府が保有する東京メトロ株や国会議員宿舎の跡地の売却を検討しています。

 菅総理大臣:「一刻も早く復興を進める観点から、基本方針の骨格といえるこの問題の十分な議論を頂きたい」
 政府は、復旧・復興には10年間で最低23兆円かかるとしたうえで、財源確保のために10兆円程度の復興債を発行する方針です。復興債の返済は5年を基本に、最長10年間、所得税や法人税などの臨時増税で賄います。ただ、増税には民主党からの批判も強いことから、政府が保有するおよそ1700億円分の東京メトロ株や国会議員宿舎の跡地の売却も検討しています。

2011年7月25日月曜日

中国新幹線事故とフクシマ原発:"Now is the time when we can make a decision to make a significant turnaround in our society"

 最近のWashington Postに小出裕章氏の著書に関する記事が掲載されていたと非公式ブログに書かれてあった。

今週末から我が国のメディアは、もっぱらノルウェーのテロ事件及び、中国の新幹線事故における中国政府の発表と隠蔽体質についての報道に集中してきた。

特に新幹線事故の原因について、中国政府はその原因を自然災害によるものと結論付け、事故車両を土中に埋めて隠蔽してしまったとセンセーショナルに取り上げている。

よその国の鉄道事故の取材や政府の批判をしている暇があれば、自分たちの足元にあるフクシマ原発の現状について、もっとメディアは独自の取材をして、しっかりと連日何がどうなっているのかしっかりと報道してもらいたいものである。

新幹線事故は1日半で復旧したそうであるが、フクシマは4ヶ月半たっても未だに収束のめどさえたたない比べものにならない深刻な大事件なのだから。

おもしろいことに、両国の事故対応は皮肉にも大変、似通っている。

原発災害を自然災害のせいにし、メルトダウン当初はその事実を隠蔽し、人災であるという指摘に神経を尖らしていたこと、そして、これだけ深刻な事件の責任追及を誰も行わず、首相が組織した中途半端な事故調査委員会の長は、しょっぱなから「責任の追及をするものではない」と明言していること(かたや、鉄道事故を自然災害のせいにしており、人災という指摘に神経を尖らせているという)、

「世界一の科学技術、安全神話」の驕りのもと、老朽化した原子炉を廃炉にするどころか、10年、20年の運転認可さえ与え続けていること(かたや「世界一のスピード」を誇っている)

国民の安全より、経済を最優先にしていること、


脱原発などについての発言をするブログやサイトを政府が収集し、公的な場で脱原発を謳う俳優を降板させたり、官僚に退職勧奨を突きつけたり、挙句は何がいいのか、自分たちが飽きずに担ぎ上げた首相を引きずりおろし始めるなど、我が国の権力者集団が原発に対してこれまで行ってきたもろもろの恥ずべき行為を棚にあげて、他国のことをあれこれ批判できるような立場ではあるまい。(かたや、鉄道事故に関する都合の悪いツイッターなどが削除されている)

我が国の権力者集団が原発に対してこれまで行ってきたもろもろの恥ずべき対応を棚にあげて、他国のことをあれこれ批判できるような立場ではあるまい。

震災から4ヶ月半、時と共にフクシマ原発は、益々不可視化されていく、その中でWashington Postのような影響力のある海外メディアは、はるか遠くの海外で起こった出来事ながら、しっかり問題の本質を見据え、世界に向けて報道を続けている。

以下は、小出裕章氏の非公式まとめからの転載である。

http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/25/washingtonpost-jul-19/

7月19日 「核」に関するベストセラーについて 小出裕章
(Washington Post)



2011年7月19日、The Washington Postに小出裕章氏に関する記事が掲載されていました。コメント欄にて、茲愉有人さま、千葉ニュータウン在住Ms.さまなど多数に人に教えていただきました。
以下、The Washington Post「In Japan, nuclear bestsellers reflect new debate – The Washington Post」の訳出。
=====
In Japan, nuclear bestsellers reflect new debate
By Chico Harlan, Tuesday, July, 19
日本では、「核」のベストセラーが新たな論争を映しだしている
チコ・ハーラン  7月19日火曜日

TOKYO — A Japanese nuclear researcher with a four-decade track record of activism and obscurity was walking through Kansai International Airport a few weeks ago when he spotted a display of bestsellers at a bookstore. Glancing down, he saw his latest book, “The Lie of Nuclear Power,” with his face emblazoned on a corner of the cover.

東京ー40年にわたって人知れずしかし積極的に活動の歴史を刻んできた一人の原子力研究者が、つい数週間ほど前に関西国際空港の中を歩いていた。そのとき彼はある書店でベストセラーの展示を見つけた。ちらりと目を下ろしてみると、そこにあったのは、彼の顔が表紙の隅を飾るその最新の著作「原発のウソ」だった。

For Hiroaki Koide, the moment confirmed a shift — that of a fringe interest turning mainstream. Four months into the most severe nuclear crisis in a quarter-century, while Japan’s bureaucrats and power industry chiefs tussle over nuclear energy policy, at least one industry has raced to make wholesale adjustments. Publishers are releasing books about nuclear power at the rate of more than one a day, according to bookselling Web sites, begging for content from authors who once wondered why they had so few readers.

小出裕章にとって、それは変化を確信した瞬間だった。その変化とは、これまで人々の関心の範囲外だったものが主たる関心事になろうとしていることだ。日本の官僚たちと電力業界の責任者たちが核エネルギー政策を巡って激闘するなか、少なくとも一つの産業が、大規模な適応を急速になし遂げた。出版社は1日につき1冊を超える割合で核に関する本を出版し続けていると、書籍販売のウエブサイトは示しているのだが、かつてあまりの読者の少なさに驚いていた著者たちに就筆を懇願している現状だ。

Those books now drive Japan’s new national debate about nuclear energy policy. They also mirror the trend in the conversation, skewing four-to-one against nuclear power — roughly the ratio recorded in recent opinion polls. Some of the books are dispassionate, loaded with charts. Some drip with anger. Some are rueful. But taken together, they reflect a society that has increasingly lost trust in government information.

 そうした書籍は今や、核政策に関する日本の新たな国民的な話し合いを動かしている。それらの書籍は、また世論の傾向を反映しているのだが、最新の世論調査での大まかな数字によれば、それは原子力反対の声の方に4対1の割で傾いているのである。本の一部は図表を掲げて冷静に書かれたものだ。一部は怒りをにじませたもの。一部は悲しみにくれるものだ。しかしそれらはおしなべて、政府の情報への信頼喪失が増大する一方の社会を反映している。

The author list is eclectic, encompassing academics, journalists, industry experts, former insiders and renegade government officials. Eisaku Sato, a former Fukushima governor, wrote a book (“The Truth About Fukushima Nuclear Power Plant”). So did Yoichi Kikuchi, one of the engineers who helped construct Fukushima Daiichi. (“The Reason Why I, Who Made Nuclear Power, Now Oppose It”) One Economy Ministry official took a crack at telling an insider’s tale — “The Collapse of Japan’s Central Administration,” he called it — but about a month after Shigeaki Koga became a best-selling author, he was asked to resign, a request he has so far resisted.

 著者のリストは多方面にわたる。学術界の人々、ジャーナリスト、産業界のエキスパート、元インサイダー、そして反逆する政府官僚。以前の福島県知事である佐藤栄佐久は一冊の本(「福島原発の真実」)を著した。福島第一の建設にかかわったエンジニアの一人である菊池陽一も同様だ(「原発を作った私が原発に反対する理由」)。ある経産省官僚が「日本中枢の崩壊」と自身で呼ぶインサイダー情報を語って物議をかもした。しかしこの古賀茂明がベストセラー著者となった1ヶ月ほど後に、彼は退職を求められた。それはこれまでのところ彼が抵抗している要求である。

Though there is no definitive list of nuclear-related books published since the March 11 earthquake and tsunami that triggered the crisis, Amazon.com’s Japan site lists almost 100 released in the past 30 days. Minato Kawamura, a professor at Tokyo’s Hosei University, has tried to keep pace, spending more than $2,500 on 150 recently published nuclear books, including 100 re-released versions of older titles.
この危機の引き金を引いた3月11日の地震と津波以降に出版された核関連の書籍は、これで終わりではない。アマゾンジャパンのサイトには、過去30日の間に100冊に達しようとする新刊が並んでいる。東京の法政大学教授の川村湊は遅れを取らないように、最近出版された150冊の核関連書籍に2500ドルを費やしているのだが、購入した書籍の中には100冊の復刻版がある。

Kawamura’s expertise in all things nuclear developed after he had written a nuclear book of his own — a diary-style account of the emergency’s first 15 days. When Fukushima Daiichi’s reactor buildings started to melt down, he had been in the middle of writing a book about Japan’s wartime occupation of Manchuria.
川村の核に関する全ての専門的知見は、彼が核問題の本、最初の15日間の緊急事態に関するの日記スタイルの評論、を書いてから発達した。福島第一原子炉建屋でメルトダウンが始まった時、彼は戦時中の日本による満州占領についての本を執筆中だった。

“I called my editor and asked, ‘Um, can I change the subject?’ ” Kawamura said.
「私は編集者を呼んでたずねました。『あのう、本のテーマを変えてもいいですか』って」と川村は言う。

Nuclear experts note that, for decades, Japan’s publishing industry followed a policy every bit as entrenched as the pro-nuclear message promulgated by Tokyo bureaucrats.

 核の専門家が指摘しているのは、何十年にもわたって日本の出版社が、東京の官僚たちの手で公布されてきた原発推進メッセージによって定着した政策にどこまでも従ってきたことだ。

“The saying was, a book that relates to nuclear power doesn’t sell,” said Jun Tateno, a former official at the Japan Atomic Energy Research Institute who published a little-read book in 2003.
「核に関連した本は売れないと、そんなふうに言われてきました」。日本原子力研究所の元研究員、館野淳はこのように語る。彼は2003年に本を著したがほとんど売れなかった。

Academics and researchers in the field, particularly those who opposed the use of nuclear power, had little choice but to embrace obscurity. Koide, an assistant professor at the Kyoto University Research Reactor Institute, spent his career assisting with anti-nuclear lawsuits and giving lectures to small civic groups. He also wrote several dense books, most of them compilations of his lectures, starting with the 1992 title “Going Beyond the Realities of Radioactive Contamination,” which sold 3,000 copies, Koide said.

 この分野での科学者と研究者、特に核の力の利用に反対する者たちには、世に知られないことを受け入れる以外の選択肢がほとんどなかった。京都大学原子炉実験所助教の小出は、原発反対の訴訟を助けたり、少人数の市民グループへの講演を行ったりして生涯を過ごした。彼はまた、1992年発行の「放射能汚染の現実を超えて」をはじめとして、多くの充実した本を書いたが、ほとんどは彼の講演を集積したもので、売れたのは3000部だったと小出は語った。

The March 11 disaster boosted demand for Koide’s expertise. Now his lectures draw up to 1,000 people. His phone rings twice a day, on average, with interview requests. He appears on television. But he acknowledges that the transformation has caused him more regret than satisfaction.
3月11日の災厄は小出の専門知識の需要を高めた。今、彼の講演は1000人にのぼる人々を集めている。インタビューを求める電話は平均して1日に2回かかってくる。彼はテレビにも登場する。しかし、この変化が原因で満足する以上によりひどく悲しんでいるとを彼は認めている。

“I heard this book was selling well, but I have very mixed feelings about that,” Koide said of his new book, which has sold more than 200,000 copies. “It’s selling well because the accident happened. The last 40 years, I’ve been working in this field so accidents like this wouldn’t happen. Now something horrible happened, and my books are popular.”
「私はこの本が多く売れていると聞きました。でも私はこれには非常に複雑な気持ちです」。彼の新著は20万冊も売れているのだが、それについて彼はこう話した。「事故が起きたから売れているのです。この40年間、私はこの分野で、こういった事故が起こらないようにと願って働いてきました。いま恐ろしいことが起こり、だから私の本は有名になっています。」

In conversation and in his books, Koide talks often about responsibility. For the nuclear accident itself, he blames both the government and Tokyo Electric Power Co., the plant’s operator. He blames the collusive relationship between regulators and operators. But he also blames the bystanders — indeed, much of the nation that bought the idea that nuclear power is safe.

 会話の中そして著書の中で、彼は責任についてたびたび言及する。原発事故自体については、彼は政府および原発を運営する東京電力の両者を非難する。規制する立場の者たちと稼動させる者たちの間にある腐敗した関係を非難する。しかし同時に、彼は傍観していた人々をも非難する。実際にこの国の大多数の人々は核の力が安全だという考えを支持していたのだ。

“Those who were deceived are also responsible for having being deceived,” Koide wrote in his book.
騙された人たちもまた騙されことに責任を負っているのだ」、小出はこのようにその著書に書いた。

Compared with the past, he wrote in earlier passage, more and more people are listening to him now: “People are beginning to realize that nuclear power is dangerous. I think maybe now is the time when we can make a decision to make a significant turnaround in our society.”

 過去と比べて、ますます多くの人々が彼の声に耳を傾ける今、彼は序盤の一説にこう記した。「人々は核が危険なものだと気づき始めている。たぶん今が、この社会をはっきりと方向転換させようという決定を我々が下すときではないかと思う」。

Special correspondents Akiko Yamamoto and Sachiko Iwata contributed to this report.
特派員ヤマモト・アキコとイワタサチコがこのリポートを執筆した。
=====
このエントリーは元記事「In Japan, nuclear bestsellers reflect new debate – The Washington Post」を、ベストセラーに反映される新たな論争を参考にして、管理人が訳出したものです。
「nuclear」の訳は、「核」という表記に統一しています。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110726/chn11072607090005-n1.htm

「プラス面のみ報道を」メディアに通達

2011.7.26 07:07 (1/2ページ)
24日、中国浙江省温州市の高速鉄道事故を受けた記者会見で、報道陣の前で頭を下げる鉄道省の王勇平報道官(右、AP)
24日、中国浙江省温州市の高速鉄道事故を受けた記者会見で、報道陣の前で頭を下げる鉄道省の王勇平報道官(右、AP)
 ■取材合戦過熱、責任追及を懸念
 【北京=矢板明夫】中国で新聞やテレビなどを管轄する共産党中央宣伝部が25日、国内の各メディアに対し浙江省温州市で起きた高速鉄道事故について、「政府の懸命な人命救助や市民による自発的な献血活動など、プラス面のニュースを中心に報道するように」という趣旨の通達を出したことが分かった。中国のメディア関係者が産経新聞に明らかにした。報道合戦が過熱し、政府の責任を追及する世論が高まることを懸念したためとみられる。
 同関係者によると、通達は各省・市の宣伝部を通じて各メディアに伝えられた。「高速鉄道の技術問題について論評しない」「事故原因の分析については政府の発表内容と一致すること」「インターネット上の情報や書き込みを転電しない」などの注意事項が含まれているという。中国ではこれまで、大きな事故が発生した際、各メディアは独自に取材せず、国営新華社通信が配信した原稿をそのまま使用することが多かった。
 しかし今回の事故は、中国版新幹線が北京-上海間で開通した直後というタイミングで起き、国民の関心も高い。このため事故が発生すると、宣伝部の指示を待たずに、全国から計100社以上の新聞、テレビ、ネットメディアが現場に記者を派遣、激しい取材合戦を繰り広げてきた。


2011年7月24日日曜日

牛だけが汚染される不思議

メディアはしきりに、汚染牛、汚染牛と大騒ぎをしている。汚染牛は、世界のブランド牛である、松坂牛にまで広がり、汚染肉は沖縄を除く日本全国各地の消費者にすでに流通・消費されてしまった。

原因は福島、宮城、山形の稲わらに付着したセシウムだというが、そんなことは3.12の水素爆発の時点からはっきりわかっていたことであり、何をいまさらという感がある。

半径80キロ以内の人間に退避命令を出したアメリカ政府の対応について、どう思うかという質問を発せられたお偉い原子力の専門家の先生が、「アメリカはよその国で起こっている事故だから、できるだけ遠くに退避させたほうがいいという判断に至ったのだろう」といったトボケた回答をし、国内メディアは海外メディアの「メルトダウン」の報道を、冷静さのない荒唐無稽な過熱報道であるかのごとくに斬り捨てた。

東電の利益と原発被災地を中心とする東北地方の第一次産業を守ることが、国民の健康よりも、日本全国の農業、水産業、畜産業の繁栄よりも、はるかに重要であるという国の判断に、大型メディアが同調した。

以来、「パニックを防ぐため」などといううまい口実を作って、組織的な情報隠しが行われているが、事故直後、放射能汚染に関する不安や疑問、正しい情報が適切に伝えられないことに対して、多くの人々が、あれはどうなのか、これはどうなのかと疑問を呈したり、ネット上で持ちうる情報を交換する涙ぐましい行為に対して、官房長官は記者会見で、「風評被害」という言葉を持ち出し、この問題に関して「不用意な発言をすれば逮捕されることもある」などと恫喝に近い言論統制まで行った。

その瞬間、東電の利益と原発被災地を中心とする東北地方の第一次産業を守ることが、国民の健康よりも、日本全国の農業、水産業、畜産業の繁栄よりも、はるかに重要であるという国の判断が公に示され、公共放送や大型メディアがそれに同調したのである。

汚染牛の問題に戻るが、常識的に考えてみて、稲わらだけにセシウムが付着したとは考えにくい。

豚や鳥などの他の家畜はどうなのか。以下に豚の飼料に関する情報を転載したが、先般「豚肉はどうなのか」と言う質問に対して、ある研究者は、「豚は輸入のとうもろこしマイロで飼育されているから安全である」などと言いきっていたが、それもどうやら正しい情報ではないようである。

少なくとも、警戒地区などといった根拠のない境界をはるかに超えて、放射性物質が大量に飛散した地域の家畜は、牛も豚も鳥も羊も人もひとしく、放射性物質を含んだ空気をたっぷり吸い込んで内部被ばくをしているはずである。

そうした意味で、一向に報道されはしないけれども、警戒地域で全頭殺処分になる前に、北海道や熊本などに売りさばかれ、北海道産、熊本産に化けた被曝牛、被曝豚の問題も大きい。

それ以上に問題になるのは、秋に収穫期を迎える米や大型魚への影響である。

小出裕章氏は、我々が食するものは汚染から免れないと前から言いきっている。今、海江田氏は汚染牛の買い取りをするなどと言っているけれども、そんなことをしていたら今後基準を変えたり、巧妙に検査結果を誤魔化さない限り、日本中に出回る大量の食料汚染の保障をしなければならなくなる。

事故発生直後、少なくとも50マイル以内の人々を遠くに避難させ、さらに水素爆発後、スピーディで高濃度の放射性物質が流れた地域を迅速に把握して、そうした地域の住人を強制疎開させなかったのだろうか。

未曾有の原発災害を起こしてしまった以上、地元で今までと変わりない日常生活を営むなどということがおよそ不可能なことであり、地元に残る人々が自給自足で生活し続けない限り、全国各地に汚染の被害が拡大することは、馬鹿でない限り、はっきりと目に見えていたはずである。

未だに福島やその周辺で放射性物質が検出された農作物や水産物を「基準値以下だから安全だ、ただちに健康の被害がない」と主張し続けている政治家と中央官庁の官僚が、自宅で使用する食材と、議員会館や農水省、経産省など省庁の食堂で使用する食材は、例外なくすべて「ただちに健康の被害がない」と自らが判定した汚染食材のみに統一してもらいたい。

たった1度、被災地に出かけて行って、ハウスで育てられた苺1個、きゅうり半本、テレビカメラの前でかじって見せる程度のパフォーマンスでは、到底通用しない。


なぜ検査をすり抜けた?

2011.7.12 23:50 (1/2ページ)
放射性セシウムの検出された農家から出荷された牛肉が販売されていたスーパー=12日、高知市(浜田英一郎撮影)
放射性セシウムの検出された農家から出荷された牛肉が販売されていたスーパー=12日、高知市(浜田英一郎撮影)
汚染された稲わらを食べた牛の肉は、なぜ検査をすり抜けたのか。
農林水産省によると、この農家のある緊急時避難準備区域や計画的避難区域から牛を出荷する場合、福島県が牛の体表に付着した放射線を測定する全頭検査を実施する。
飼料の屋内での保管など、管理について聞き取り調査も行う。問題がなければ各地の食肉処理場に出荷され、肉に含まれる放射性物質については処理した各都道府県が抽出検査する。
 体表検査は、付着した放射性物質がほかの地域に運ばれるのを防ぐもの。抽出検査数は全国で45件と県の出荷全体の数%にすぎず、聞き取り調査が頼みだ。
 しかし、問題の農家は昨秋から外に放置されていた稲わらを与えていたのに、「飼料は屋内で保管していた」などとうその申告をして出荷していた。11頭は抽出検査で発覚したが、ほかの6頭は検査の網にかからず流通した。
 福島県産の肉牛は約9割が県外で食肉処理される。県は出荷先の都道府県にも検査強化を依頼する方針だが、厚生労働省は「都道府県が検査できる量は限られる」と指摘している。

http://www.pork-land.com/sei-esa/

一般的な養豚農家が与える豚の餌


国内の多くの養豚場や農家では、飼料基準に従った配合と分量で作られた豚用の飼料を豚の餌として与えています。こういった餌には、穀物・ぬか類・油粕のような栄養成分の多い「濃厚飼料(ノウコウシリョウ)」と根菜類・青草・牧草など食物繊維が多く含まれている「粗飼料(ソシリョウ)」があります。これらの餌は、飼料基準を参考にしながら必要に応じて配合して与えます。飼料標準は、豚の成長段階や繁殖用の豚の状態に合わせて適切に必要な量な栄養を与えられるように規準とするための数値です。それぞれの豚に必要な栄養分は、豚の体重や年齢によっても違ってくるため細かい栄養管理が必要となります。そのほかにも、ミネラルやビタミンなどを加える場合もあります。なんでも食べると思われがちな豚ですが、豚の嗅覚は非常に優れていて、餌の香りにも敏感に反応します。配合飼料など豚の餌の香りが、豚の好みに合うものと合わないものでは食欲にも差が出てしまいます。そのため豚の餌に使われる材料の組み合わせには、かかる時間やコスト、保存性などのほかに豚の嗜好性にも配慮した餌作りが必要となります。そのため、欧米では豚の餌に豚の好む香りを付けるフレーバーなども作られているそうです。





餌の種類と特徴

豚の餌に使われるものには色々な種類があり、種類によってもそれぞれ特徴があり豚肉の質・味・香りなどに影響があります。ペットのミニブタの場合、肉質はかんけいないので、ここでは食肉用の豚の餌の種類と特徴をみてみましょう。

穀物を使った豚の餌

穀物類は豚が好む餌の一つで、消化の良いものが多くカロリーも高いことが特徴です。国内ではとうもろこしマイロなどが多く使われていますが、大麦・小麦・燕麦などの麦類も質の良い脂肪をつくるという効果があり、欧米をはじめ国内でも頻繁に利用されています。

かす類を使った豚の餌

大豆や菜種など油を絞った後のかすは、たんぱく質を多く含むものが多く、やわらかい脂肪を作る効果があるものがあります。また、醤油や豆腐などを製造する際にできるしょうゆかす・とうふかすなども少量ずつ餌に加えて与えます。醤油カスは塩分を多く含むことや香りなどが豚の嗜好性にあわずあまり好んで食べることがないので、一般的には豆腐化すが多く使われています。また、りんごやみかん、ぶどうといったジュースなど飲み物の搾りかすを銘柄豚など、豚の差別化のために混ぜて与えることもあります。長期間混ぜると肉質がやわらかくなることかがあるといわれることもありますが、水分を多く含んでいるものはお腹を壊しやすくなることや保存性もよくないので、扱うのが難しいエサといえます。

ぬかを使った豚の餌

米ぬか・ふすま・麦のぬかは豚の餌として利用されることが多いものです。ふすまには特に食物繊維が多く含まれていることやたんぱく質が多いことが特徴ですが、甘い香りがするため豚も好んでよく食べます。そういったことからふすまは哺乳期の母豚に与えられる飼料として適しているといえます。また、麦のぬかは白い脂肪を作る効果があるため、肥育期に与えるときれいな脂肪のついた豚肉になりやすいといわれています。

芋類を使った豚の餌

いも類の中でも豚の餌として使われることで有名なのがサツマイモです。銘柄豚としても有名な鹿児島の黒豚は餌にサツマイモを多く利用しているため、豚肉に甘みが出るといわれています。豚はサツマイモの芋の部分のほかに茎も好んで食べますが、保存性は良くないのですりつぶして、ぬか類と混ぜ合わせて保存できる豚の餌として作る場合もあります。イモのほかに、カブやビートなど甘みのある根菜類も豚が好んで食べ、繊維質やでんぷん質の多い飼料として利用されています。

緑じを使った豚の餌

粗飼料として使われている、牧草・野草・野菜くずなどは食物繊維とともにビタミン・ミネラルを補給するのに適したエサといえます。特に育成期間に与えると肉質がよくなるといわれていますし、繁殖用の豚に与えると繁殖障害を防ぐ効果もあるようです。しかし、肥育期間の豚には、食物繊維が多すぎてしまうので不向きなエサといえます。

2011年7月23日土曜日

原子力損害賠償法の改正:原子力事業者の無限責任主義は当然では?

 今日のニュースで経産大臣は、汚染牛の賠償金について、「東電も一部支払うべきである」などといった発言をしている。

しかし、放射能汚染の賠償は、何を置いてもまず東電が率先して行わなければならないものであり、いくら東電が賠償金の支払いを渋って速やかに行わないからと言って、軽々に国民の血税を流用すべきではない。

そんなに東電が守りたいのならば、政治家や官僚、銀行家、東電に出資している、あるいはしてもらっている会社の役員、東電や原発関連企業の役員やそのOBなど、今まで原発でさんざん私腹を肥やしたお歴々が、己の私財を好きなだけ投じればいいではないか。

原子力損害賠償法(第4条)には、無限責任主義と言って、原子力事業者には、事故の過失・無過失にかかわらず、無限の賠償責任があるという法律がある。まさにハイリスク・ハイリターンの理にかなった法律である。

自公民の実務者はどさくさ紛れに、無限賠償責任を見直すことを視野に入れ、国の賠償責任を条文に明記するという修正案を来週の国会で成立させるらしい。

国の賠償というと、日本では安直に税金の投入で手打ちをすることを意味するが、これは責任をとるべき人間が大きな責任を逃れ、国民につけをまわし、責任を分担させるという措置であり、全く当を得たものではない。

法改正をするならば、これまでメディアを懐柔し、安全神話の風評を垂れ流し、都合の悪いことはことごとく隠蔽して国民の知る権利を蹂躙し、原発の危険性を指摘する専門家の声に耳を傾けず、原子力推進の国策を推進してきた原子力産業関係者(役員、社員、OB、株主、取引銀行)、政治家、官僚、メディア関係者、御用学者及びそのOBにまず厳しい賠償責任が及ぶような法改正をすべきである。

こういう電力会社や官僚にとって都合のよい、つまらない法改正は早々と決まっていく。国会議員はこんな電力会社を守るような法改正について審議している時間があれば、今の日本にとって、最も大切な国民投票法制度の成立とか、電気事業法、電源三法の大幅改正にさっさと取り組んでもらいたいものである。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011072302000040.html?ref=rank

原発賠償法案 国の責任を明記

2011年7月23日 朝刊
 東京電力福島第一原発事故の損害賠償問題で、民主、自民、公明三党の実務者は二十二日、「原子力損害賠償支援機構法案」の修正で大筋合意した。原子力事業を推進してきた国の賠償責任を条文に明記し、自公が求めてきた国の損害賠償の責任を明確化した。
 修正案は二十六日の衆院の東日本大震災復興特別委員会に提出され、委員会を通過する見通し。早ければ週内に衆院を通過し、今国会で成立する見通しとなった。
 修正案は、付則に一年後をメドに原子力損害賠償法を見直すことを盛り込むことで一致した。現在、原発一カ所につき千二百億円を上限としている国の負担額の引き上げや原子力事業者の無限責任の見直しも検討する。
 支援機構法案は、国が東電を資金支援する際の受け皿となる原子力損害賠償支援機構を設立することが柱。支援機構に対し、東電以外の原発事業者も負担金を拠出し、賠償支払いを支援する仕組みにしていた。
 政府案に対し、自公両党は「負担が電気代に転嫁され、東電以外の電力会社管内で電気料金の引き上げにつながる」と指摘し、修正を要求。民主党は当初反対したが、各電力会社の負担金の使途を分別管理し、賠償に使われた分は最終的に返済し、東電と国が責任を負う形で合意した。
 また、野党五党が提出した国が東電に代わり賠償金の半額以上を立て替え払いする「原子力事故被害緊急措置(仮払い)法案」は、民主党が野党原案を受け入れる。仮払い法案は支援機構法案と同時に採決される見通し。早ければ八月下旬から国の立て替え払いが可能になる。