2011年7月22日金曜日

古賀さんのその後は?

 経産省の古賀茂明さんはその後どうなったのだろう?

国のために孤軍奮闘、命がけで頑張ってきた有能な官僚に退職を迫ることで、既得権益の保持と、自己保身に汲々としている日本の権力者(政治家・官僚)の姿はあまりに見苦しすぎる。

7月15日が退職勧奨のタイムリミットであることが先日から、半ば興味本位に報じられていたが、15日が過ぎて、その後どうなったのか、ほとんどどのメディアは黙して語ろうとはしない。

かろうじてJ-cast newsで,古賀さんが退職勧奨に応じず、まだ経産省に留まっているらしいことが明らかになった。彼の毎日は、針のむしろだろうに、本当に気骨のある人だと感心させられる。

薔薇っ子は、古賀さんの提示する改革案にすべて賛成というわけではない。しかし、彼の発送電分離や、東電の処理案、増税主義への批判などは首肯できる。

古賀さんのような、高い志と能力を兼ね備え、かつ私利私欲に走らない稀有の人が、国の中枢で大きな発言権と裁量を与えられ、自由闊達に活躍できるような健全な社会にならない限り、国民が額に汗して蓄えた財は、金の亡者に全て骨まで食いつくされ、国は奈落の底に転がり落ち、最大不幸な社会に転がり落ちてしまうに違いない。


改革派官僚「肩たたき」応じず 経産省幹部へ意向伝える

2011/7/14 13:04

民主党政権の公務員制度改革などを批判し、「肩たたき」を受けていた経済産業省の古賀茂明氏(55歳、大臣官房付)が、提示された「2011年7月15日付の退職」には応じない考えを13日、同省幹部へ伝えた。6月24日に松永和夫・同省事務次官から勧奨退職の打診を受けていた。
   古賀氏は、民主党への政権交代前から国家公務員制度改革にかかわってきたが、民主党が改革を「後退」させる流れを受ける形で09年末、「待機ポスト」とされる大臣官房付となり、そのまま「塩漬け」の状態が続いている。11年5月発売の著書「日本中枢の崩壊」では、政府の福島第1原発事故対応などを批判し、あらためて注目を集めている。



http://www.j-cast.com/2011/06/27099632.html

政治や霞ヶ関の体質メッタ斬り 「改革派」キャリア官僚に「退職勧告」

2011/6/27 19:20

 民主党政権の公務員改革が不十分だと主張して、事実上「閑職」に追いやられていた経済産業省のキャリア官僚・古賀茂明氏(55)=大臣官房付=に対して、松永和夫事務次官が正式に退職を求めていたことが明らかになった。何が同省の逆鱗に触れたのか。
   朝日新聞や毎日新聞が報じたところによると、松永和夫計算事務次官が2011年6月24日に古賀氏を呼び出し、7月に退職することを求めたという。このことは、6月25日未明にテレビ朝日系で放送された「朝まで生テレビ!」でも話題になっている。

「個別の人事については、お答えは差し控えたい」

   司会の田原総一朗氏が番組冒頭、出演していた古賀氏を向いて、
「今日肩たたきされたんだって?『やめろ』と」
と発言。古賀氏はこの問いには反応しなかったが、評論家の小沢遼子氏が、
「自分で辞めるのと辞めさせられるのとは、大違いよね?」
と述べると、右隣に座っていた古賀氏は小さくうなずき、退職勧告を否定しなかった。
   ただし、経産相の大臣官房秘書課では、古賀氏の人事について報じられていることは把握しているとしながらも、
「個別の人事については、お答えは差し控えたい」
と事実関係を認めていない。
   古賀氏は、東京大学法学部を卒業後、旧通産省に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長などを歴任し、08年に国会公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任。天下りの規制強化や事務次官の廃止などを提案したが、霞ヶ関の猛反発で頓挫。09年末には審議官のポストを外され、事実上の閑職に追いやられた。この間、新聞・雑誌などで民主党政権の改革案の批判を続けたことで、波紋が広がっていった。


http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110711dde012010154000c.html

特集ワイド:中枢へ反逆 公務員改革訴え閑職に、古賀茂明さん

経産省の古賀茂明さん=東京都千代田区で2011年7月5日、梅村直承撮影
経産省の古賀茂明さん=東京都千代田区で2011年7月5日、梅村直承撮影
 経済産業省に、霞が関を敵に回し国家公務員制度の徹底改革を訴える官僚がいる。古賀茂明さん(55)。大臣官房付という閑職に追いやられる一方、5月に出した著書「日本中枢の崩壊」は20万部のヒット。事務次官に今月15日付での退職を勧奨された「風雲児」に胸の内を語ってもらった。【聞き手・根本太一】

 ◇民主党は労組の反発受け意欲後ろ向きに/政治主導はき違え、もっと官僚を使いこなせ


 ◇政治家が人事「丸投げ」では次官の顔色見て仕事/癒着の疑念拭うため「天

下りOB」解職要求を


<東京大法学部を卒業して旧通商産業省(現経産省)入り。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁部長などエリートコースを歩いてきた。08年に政府の「国家公務員制度改革推進本部」事務局審議官に就くまでは--。>
 改革なんて本気でやりたい人は誰もいなかったんです。官僚は当然、反対。天下りや老後を含めた生活設計の互助会システムが壊れますから。政治の側も官僚の利益と一体化した利権を失いたくない。
 でも、支持率低迷に悩む当時の自民党政権にとっては唯一の浮揚策でした。だから皆が反対だったけれど国家公務員法改正案をまとめて国会に提出した。国家戦略スタッフの創設、人事院や総務省の人事に関する機能を内閣につくる人事局に集約し、幹部人事を官邸主導で行うという、まさに革命的内容でした。
 ところが、全面的に賛成すると自民党の手柄になるから民主党は面白くない。さらに党の支持基盤である労働組合の一部が反発し始めた。年功序列に乗って競争なく、定年まで勤められる方が楽ですから。結局、両党とも熱意なく廃案になってしまいました。でも民主党政権になれば、という期待もありました。
 <しかし、その民主党政権も公務員改革に後ろ向き。09年末に事務局を退任し大臣官房付へ。昨年10月には制度改革について意見を述べた参院予算委で、仙谷由人官房長官(当時)から「彼の将来を傷付ける」と脅しまがいの発言も。>
 経産省に戻った時「しばらく待ってくれ」と言われました。官房付とはそういうポストです。結果は1年半の塩漬けです。出勤はして、与えられた机に向かい政策に関する勉強をしています。
 ああ言った仙谷さんの気持ちも分からないではないんです。とにかく、しばらくは霞が関との関係をうまく維持しなければなりませんから。自民党政権の実態は官僚支配ですが、民主党は政治主導をはき違えて官僚を使いこなすどころか、横並びで競い合い、単なる対立関係になってしまった。行政は停滞した。打開策は一つ、彼らと「仲良く」やることです。
 資源エネルギー庁の前長官が退官して半年足らずの今年1月、東京電力の顧問に再就職しても、枝野幸男官房長官は「天下り」を否定した。経産省に聞いたところ政府の方針に反していないと。そこには官僚への強いメッセージが込められているんです。
 しかし私は改革すべし論者ですから、自著「日本中枢の崩壊」でも、現状のままでは国家はすさまじい勢いで衰退すると訴えたのです。
 他の先進国は、互いに新たな政策を学び合っています。例えば再生可能エネルギーならデンマークからというように。ところが今、日本から学ぶべきものは何もないし、成長戦略面では韓国にも追い抜かれてしまっている。国家戦略スタッフ構想も雲散霧消してしまった。「指揮命令系統が混乱する」として、官邸に出向した官僚が抵抗しているからです。
 <その「日本中枢の崩壊」では、福島第1原発事故を巡る菅直人政権と東電の不手際も厳しく批判。「対応の遅れは今の日本の縮図」と断罪した。>
 東電に限らず、この国は電力会社に支配されているのが現状です。なぜか。電力会社は地域地域で最大級の調達企業なんですよ。発電所、事業所の建設や燃料、日用雑貨、事務用品、自動車に至るまで、あらゆる物品を大量購入してくれる。お中元だって地元のデパートから買っている。経済界は上得意である電力会社に刃向かえないんです。
 しかも、電力料金の許認可権は経産省にある。その決定システムとは「コスト+利潤=料金」です。一般の企業は「売り上げ-コスト=利益」でしょう。ところが電力は、安定供給を名目に、コストに一定率をかけた数字を利潤として自動的に上乗せする仕組みになっている。デフレ状況下で、普通ならコストは下がるはずなのに日本の電力料金は先進国有数の高さです。
 だから、すべてとは言いませんが、産業界の多くは電力会社の発送電分離でコスト競争が始まると、自らの利益が減るのではと恐れている。自民党は地元財界を敵にしたくない。民主も、関連企業の労組にしばられている。なれ合い利権の構図です。
 電力会社の幹部も多くは東大卒で官僚とは同窓の間柄。お互い国家を支えていると自負している。原子力村ならぬ「電力村」。私たちは自分が住む土地の電力会社から逃げられない。飛行機なら日本航空か全日空かを選択できるが、その自由もない。不祥事を隠蔽(いんぺい)されても東電から買わざるを得ない。これが独占体質、支配の構造なんです。
 <事務次官に退職を勧奨されたのは6月24日。海江田万里経産相は28日の会見で「すべての人事について、私がああしろと言うものではない」と述べ、次官への人事の丸投げも否定しない姿勢さえ示唆した。>
 確かに全人事を大臣が掌握するのは無理でしょう。でも部長級以上の人事ぐらいはしっかり見てほしい。私は身分保障は不要という主義。何の法も犯していませんが、クビにする際のルールを設けたうえで、大臣自ら、こうと正当な理由を提示するなら潔く従います。政治主導ですから。
 けれども「丸投げ」するなら、職員は皆、政治家でなく次官の顔色を見ながら仕事をすることになる。国家のためを思って働けば、OBたちが巣くう業務委託団体の整理も必要になりますが、果たして保身に走る幹部がそれを認めるか。役人は「無謬(むびゅう)性文化」の生き物であり、先輩たちの過ちを絶対に認めない文化の持ち主なんです。
 かつての経産省には「法令審査委員会」という、若手の意見を反映させる場がありました。各局の筆頭課長補佐が議論し、そこで認められなければ局長が推す政策案さえ却下されるのです。そんな自由な雰囲気も、もはや過去のものです。「上から指示された用務」の激務に追われ国民、国家目線から遠ざかる。そんな実態を変革しなければ。
 原発も、安心・安全と言い続けてきた人々が何の責任も取らされずに居残り、堂々と再稼働を叫んでいる。少なくとも、まずは電力会社や関連団体に対し政府が天下りOBの解職を強く要求しない限り、国民は癒着の疑念を拭えないんじゃないでしょうか。
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毎日新聞 2011年7月11日 東京夕刊

2011年7月20日水曜日

ジャーナリズムの劣化

 今日のWall Street Journal日本版のJapan Real Timeには面白い記事が掲載されている。

九州原発のヤラセメール事件と、資源エネルギー庁が原発に関する「不適切・不正確な情報に対応」するために、新聞やネットを監視し、「不適切・不正確な」言論を収集していたというネット監視事件という2つの大きな事件を、7月以降立て続けにスクープしたのは、大手メディアではなく、共産党の機関紙であったという。

大手メディア各社が、このスクープをしたのが赤旗であるという事実に口をつぐみ、「最初は大した扱いをしていなかったネタを、あたかも自分たちも最初からそのニュースを評価していたかのごとくに報道している」という事実から、金井氏は日本の昨今のジャーナリズムの劣化を指摘している。

高い志を持って権力の暴走に抗い、報道に命をかけるような不撓不屈のジャーナリストは日本社会からすっかり姿を消した。それは新聞講読をしない国民、テレビを視聴しない国民が激増していることと決して無関係ではない。政府もメディアも頭から国民を馬鹿だと思い込んでいるような節があるようだが、日本国民は彼らが考えるほど愚かではない。 

日本のメディアも相当心して体質改善、構造改革をしない限り、権力に擦り寄り日和見を決め込んでいるだけでは、誰も見向きもしないものになるのではないか。


http://jp.wsj.com/japanrealtime/2011/07/20/%E3%81%AA%E3%81%9C%E8%B5%A4%E6%97%97%E3%81%B0%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E9%A3%9B%E3%81%B0%E3%81%99%E3%81%AE%E3%81%8B%E2%80%95%E3%80%8C%E3%82%84%E3%82%89%E3%81%9B/?mod=JRTAdBlock2


なぜ赤旗ばかりがスクープ飛ばすのか―「やらせメール」「ネット監視」など




九州電力の原発に関する「やらせメール」が注目を集めた。また、資源エネルギー庁が「不適切・不正確な情報への対応」のために新聞やインターネットを監視し、原発に関する言論を収集していたことも判明した。このニュース、どちらも日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が報じたスクープである。
ジャーナリズムが帯びている役割は、国民にとって大切な問題であるのに、なぜか知らされていない出来事を世の中に知らせるというのがひとつである。そして、もうひとつ非常に大切なのが、権力の監視という役割である。
九州電力そのものは民間企業だが、原子力発電という国家的な事業を担っており、政府の方針とも密接に関わっている話である。その半国家企業が世論を誘導する「やらせメール」問題を起こしたのだ。また、資源エネルギー庁の件はまさに権力そのものに関するニュースだ。このように、権力が暴走しないよう監視を行い、暴走の危険性が高まった時は、取材を繰り返して真実を暴き出して市民に伝えるというのが、ジャーナリズムの理想的な姿であり、負わなければならない最大の責務でもある。
私は特に支持政党を持たない、いわゆる無党派層である。報道機関に関しても、各々の主義主張には関係なく幅広く目を通すようにしているし、果たすべき役割を果たしているメディアは率直に評価するよう心がけている。
さて、これだけ大きなスクープが2本、なぜ間をあまり置かずに赤旗から出てきたのか。言い方を変えると、なぜ赤旗からしかこうしたスクープが出ないのか。私はこれを単なる偶然とは見ていない。誤解を恐れずに言えば、また陳腐な言い方ではあるが、既存の大手メディアの劣化が著しいように感じるのだ。ただし、高い志とあくなき探究心でニュースを追いかけている記者を何人も現実に知っており、劣化が感じられるのはあくまでも一部の記者である。それでも、大きな責務を担うジャーナリズムに関わる人間が劣化すれば、その責務を果たせなくなり、重大な結果をもたらしかねない。
九州電力の件は、経済産業省が主催し6月26日にケーブルテレビで放送した県民向け説明番組が発端となった。その番組にやらせメールが送られていたことを赤旗が報じたのは7月2日だが、当初はあまり反響がなかった。しかし、6日の衆院予算委員会で共産党の議員がこの件について取り上げ、九州電力の真部利応社長が同日夜に記者会見で謝罪すると、急に大きな問題として他のメディアも取り上げ始めるという展開を見せた。
大手紙の中には、赤旗の報道後に九州電力に問い合わせたものの、同社に否定されるとそのまま矛を収めてしまった記者もいたと聞く。最終的には当事者の九州電力の社長が認めるような、これだけ重大な真実が控えていたにも関わらず、である。その記者が他にどんな取材をしたのかは知る由もないが、なんとかもう少し粘れなかったのだろうか。
今回のやらせメールに関しては、内部告発がきっかけとなって明るみに出た。この告発者はそもそも赤旗だけに事実を明かしたのか。それとも、他のメディアにも伝えたのだろうか。もし前者であれば、共産党や赤旗に共感を寄せていたためとも考えられなくはないが、これまでの赤旗の報道ぶりを目にし、「この新聞ならば報じてくれるのでは」という期待が高かった可能性もあるだろう。一方、後者であった場合、赤旗だけが真剣に取り組み裏取りに成功して報道し、他のメディアは関心を寄せなかったか、あるいは裏が取れなかったか、といったあたりということになるだろうか。いずれにせよ、やらせメールの依頼という重大なニュースを当初は赤旗のみが報じていたという事実だけは残るのだ。
経緯はどうあれ、結局のところ、やらせメールに関して多くのメディアが大々的に報じるようになり、玄海原発の運転再開に「待った」をかける動きに変わったことはご存じの通りである。そうした中で、もうひとつ気になるのは、赤旗のみが先行して報道していたことには口をぬぐって何も触れず、他のメディアが淡々とこのニュースを報道している点だ。私もジャーナリズムの世界に長い間身を置いていた人間なので、ある社がスクープしたネタについて、他のメディアは何とかして独自に裏を取って追随しようとするし、スクープを放った社の名前にはできるだけ触れたくないという心情も理解している。それでも、当初は大した扱いもしていなかったネタを、あたかも自分たちは最初からそのニュースの価値を評価していたかのように報道する、というのはどうにも腑に落ちないのだ。
原発をめぐっては、一部の人々がなんとか隠しおおせたいと願うようなネタはまだ尽きないはずだ。次こそは赤旗以外の社に、権力への遠慮をすることなく、また簡単に諦めることなく食い下がって、鮮やかなスクープを放って欲しいと期待している。






2011年7月19日火曜日

インドネシアの地熱・火力発電所建設に7000億円の供与ですか?:そんな余裕があるならまず日本に建設すべきでは?


 原発がなければ、安定した電力供給はできず、日本企業はお手上げ状態であるという推進派に対して、原発は絶対に危険なものであるから、今すぐにすべて停止すべきであるという反対派の意見が真っ向から対立する。推進派は、容赦なく反対派を「原理主義」と斬り捨て、過激派のイメージと脱原発を強引に結びつけようとする。

 もちろん脱原発を政争の具としている人たちの中には過激な人もいるだろうが、そうでない人もいる。特に3.11以降は、子どもや孫の将来に不安を抱く普通の市民たちが、原発の危険性を認識し、これを推進するために、福島原発の被害額(賠償額)をできるだけ最小限にとどめるためにやっきになっている政治家、行政、電力会社、御用学者、メディアに対して大いなる不信感を抱いているというのが現実である。
その中で、折衷的な意見として、「原発に依存することはよくないが、簡単に代替エネルギーに転換させることは難しい。原発に代わるエネルギーを開発・利用するためには時間がかかる。数10年かけて徐々に原発依存を減らしていくのが現実的」というものがある。


薔薇っ子は、「既得権益を持つ者の際限なき欲望を満たすだけのために、弱者に犠牲を強いる経済論理の上にしか成り立たないような原発ビジネスはどんな不便があろうと、断じて倫理的に認めてはならないものである。」と考える。


しかし、エネルギー問題に関して素人の薔薇っ子のような人間は、「代替エネルギーの開発事業を展開し、発電所を稼働させるまでに至るまでには、膨大な月日がかかる」と言われれば、そんなものなのかと思ってしまい、結局現実を見れば、折衷案しかないのかというような諦めムードに陥りがちである。

 ところがどっこい、驚くようなニュースが今日のSankeibizに発表された。日本がインドネシアに長期低金利の円借款で550億円も供与するという。三菱重工をはじめとする日本の3つの企業はそれで地熱発電所建設に着手し、4年後に原発4基分の地熱発電ができるようにするのだという。

新興国への国際協力が悪いというつもりはない、しかし今日本は、新興国に多額のお金を貸与し、よその国の地熱発電所建設に血道をあげているような時期だろうか。

インドネシアでのプラントの建設と簡単に言うが、日本よりはるかに厳しい気象条件、言葉の違い、現地の労働者や技術者との文化や社会習慣の違い、日本の技術者の海外派遣、重機などの調達や運搬など、国内のプラント建設などよりもはるかに難しい条件がある。


にもかかわらず、たった4年でプラントを建設するというのである。それほどの技術があるのならば、日本での発電所建設はもっと短期間にできるはずである。日本企業は、他国のエネルギー問題に対応しているような余力があるのならば、まず自国のエネルギー問題の解消に全力投球すべきなのではないか。


さて、以下に転載する2年前の日経BPネットの記事は、世界第2位のインドネシアとほぼ肩を並べるほどの地熱エネルギー源を有する第3位の日本が、世界の流れと逆行して地熱発電の開発をほとんど積極的に推進していないことを示すものである。


日本の場合地熱発電ができる場所には国定公園や国立公園があることが多く、景観や温泉に影響を与えるために地元の協力を得にくいそうだが、放射能汚染による国民の健康と安全か、電力不足による国の産業の空洞化か(あくまでも、電力会社が言うように、それが本当であればという前提だが)という瀬戸際で、国定公園の景観だの温泉だのに固執しているような事態ではないはずである。


ちなみにインドネシアに550億円供与する発電所プロジェクトは、地熱発電所の建設だけではないという。政府はさらに200億円供与して、高能率の超々臨界方式石炭火力発電所の建設も行うのだそうだ。


そんな技術とお金があるのならば、三菱重工さん、日本の原発への投資をやめて、自国の新電源開発に力を注いでもらえませんか。それこそが日本をリードする企業がなすべき社会貢献であると思うのですが、そうそう簡単に原発からの美味しすぎる利権を手放す気にはなれないということでしょうか。


http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20090915/102193/
2009年9月16日

大きな可能性を秘めた地熱発電 法整備で日本をエネル

ギー大国に


世界第3位のエネルギー資源保有国、日本

日本が世界第3位のエネルギー資源保有国だと聞いても、にわかには信じられないかもしれない。しかし、地熱エネルギーに関しては、これは紛れもない真実だ。産業技術総合研究所(産総研)地圏資源環境研究部門地熱資源研究グループの村岡洋文研究グループ長は、「地熱資源量は、ほぼ活火山の数と相関する。火山国である日本は、圧倒的な地熱資源大国だ」と語る。推定される地熱資源量は、米国の3000万kW、インドネシアの2779万kWに続く2347万kW とされている。
 だが、日本国内の地熱発電設備容量は53万5000kWにとどまる。これは、総発電設備容量のわずか0.2%にすぎない。そしてこの数値は、世界的にみると設備容量では7位で、2008年には急伸するアイスランドにも追い抜かれている。
近年、世界的には地熱発電容量が急伸しており、1990年には600万kW程度だった設備容量が、2007年には1000万kWを突破している。ここまで地熱発電が注目される理由の一つは、発電所から排出される二酸化炭素(CO2)が建設時を含めて考えても極めて少ないことだ。理論的には、発電時に排出されるCO2はゼロとされ、設備建設時の排出量を考慮しても1kWh当たりのCO2排出量は15gと水力発電の11.3gに次いで少ない。「実際には、くみ上げる水蒸気の中にCO2が混じっている場合もあり、それを考慮すればもう少しCO2排出量は増える可能性もあるが、それでも極めて少ない発電方法であることは間違いない」(村岡研究グループ長)

 

インドネシア、地熱に550億円 円借款供与、官民でインフラ輸出

2011.7.19 05:00
    
 政府は18日、世界最大の地熱資源量を持つインドネシアが計画する地熱発電所の5つのプロジェクトに対し、一括で550億円を長期低利融資の円借款で供与する方針を明らかにした。政府の成長戦略としてインフラ輸出の柱だった原発輸出が福島第1原発事故で逆風にある中、三菱重工業や富士電機など3社が世界シェア7割を握り、日本が技術優位にある地熱発電プラントの市場開拓を官民一体で進める。同国は2014年までに原発4基分に相当する地熱発電所の増設を計画しており、今後もインフラ輸出として協力していく。
◆年内に試掘基金
政府は今年3月末にも、ルムットバライ地熱発電2基(計2万キロワット)に269億円の円借款を供与したのに続き、今回は国有電力会社、PLNが計画するフルライス地熱発電など優良案件5件に円借款を供与する計画。同国は2025年までに地熱発電の設備容量を現在の約8倍の950万キロワットに拡充する計画で、今後は政府主導の公共事業に加え、卸発電事業(IPP)による電力整備を検討している。
同計画の実現に向け、日本政府は国際協力機構(JICA)を通じた政策提言や助言を実施。これに沿って同国政府は、民間の投資リスクを軽減するための「試掘基金」を年内に設立することも決めた。日本政府は同基金に別途、円借款を供与することも検討している。試掘段階から日本勢が参加する場合のリスクを一部肩代わりし、商業化を決定したときにプラント納入から運営までを手がけるシステム輸出につなげる狙いだ。
◆14年めど400万キロワット
 インドネシアは経済成長を背景に、15年までに年率約10%で電力需要が伸びると試算されており、恒常的な電力不足を解消するためにも新電源開発が課題になっている。地熱発電は、地下2000メートル前後の地中から高温高圧で噴き出す熱水から蒸気を取り出し、タービンを回して発電する。火山国の同国は14年までに新規開発する電源約1000万キロワットのうち、約400万キロワットを国産エネルギーの地熱発電で賄う計画だが、計画が遅れているのが実情だ。
このため、日本政府は従来の1件ごとに円借款を供与する方式ではなく、「セクターローン」と呼ばれる地熱開発の複数のプロジェクトに対して円借款を一括供与することで同計画を後押しする。松本剛明外相が21~23日に同国で開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議でインドネシアとの2国間協議の場で表明する。
 今回のインドネシア向け円借款は地熱の550億円に加え、高効率の超々臨界方式石炭火力の導入を想定するインドラマユ石炭火力発電所の建設も含めて750億円に達する。日本が技術優位に立つ石炭火力プラント輸出も支援し、成長戦略を推進したい考え。(上原すみ子)

2011年7月18日月曜日

放射性廃棄物、モンゴルに捨てるのですか?

前から言われていたことであるが、日本はアメリカと一緒に、モンゴルに使用済み核燃料の貯蔵施設を作ることになっていて、その合意文書の原案を作ったと18日発表されたらしい。

カネのために魂を売った原発の地元自治体すら、どこも受け入れを承諾しなかった危険な放射性廃棄物の処理場、アメリカのような広大な国でさえ、処分場が見当たらないというのだから、当然だろう。日本とアメリカは、そのような廃棄物をカネの力に物言わせてモンゴルに引き受けさせようとするのか。

もちろん、「モンゴルは処理場を不承不承引き受けるわけではない」と日米の関係者たちは正当化するつもりだろう。しかし、これは過疎化した貧しい地域にカネをばら撒き、金の力にものを言わせて、原発を作るのと全く同じ発想を、国際的な場に広げようとしているに過ぎない。こんなことは人道上許されるべきではなく、「処理場が外国に行くんだから、我々は安全」などという短絡的な発想を決してもつべきではないと私は考える。

CFS構想か何か知らないが、原発の深刻な大災害の収束もできていないようなこの時期に、ロイターの日本の世論調査では回答者の88%が原発を廃止すべきであると言っているような時に、原発の汚染物質処分場施設設置のような大きな合意原案をまとめるとは、政府は、あまりにも民意を無視しているのではないか。

http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071801000391.html

使用済み核燃料をモンゴルに貯蔵 日米との合意原案判明

 モンゴル産のウラン燃料を原発導入国に輸出し、使用済み核燃料はモンゴルが引き取る「包括的燃料サービス(CFS)」構想の実現に向けた日本、米国、モンゴル3カ国政府の合意文書の原案が18日明らかになった。モンゴル国内に「使用済み燃料の貯蔵施設」を造る方針を明記し、そのために国際原子力機関(IAEA)が技術協力をする可能性にも触れている。
モンゴルを舞台としたCFS構想が実現すれば、核燃料の供給と、使用済み燃料の処分を一貫して担う初の国際的枠組みとなる。

2011/07/18 17:57   【共同通信】

2011年7月17日日曜日

脱原発の弁護団:たった90人ですか?

法治国家と言われている日本で、弱いものの権利が虫けらのように蹂躙されてきた原発をめぐる目を覆いたくなるような様々な事実、こんなことが自分のことで起こっていることさえ知らなかったた隠された事実が、3.11.以来、毎日のように関係者による発言や週刊誌の中で、暴かれている。

にもかからわず、司法に関わる人達は、見て見ぬふりで、ただ手をこまねいてスルーしているだけなのだろうか。

この国には正義というようなものは、もうとっくの昔にどこかに消えてしまったのだろうか。この国のエリートは、みんな買収され、誰も声をあげないでいるのだろうかとやりきれない思いであった。

そのなかで、今日の脱原発弁護団結成のニュースは、一縷の望みをもたらすものといえる。どんな人達がこれに加わったのか詳しいことはわからない。

ただ言えることは、3万人を超える日本の弁護士さんの中で、今回の弁護団に加わったのはわずか90名、いくら得意とする分野が違うとはいえ、90人はあまりにも少なすぎるのではないだろうか。

責任を負うべき人たちが責任を負わずにぬくぬくと既得権益を保持し続け、力のないものの権利が蹂躙され続ける社会に今こそ司直の手が延びるべきなのではないのか。そうでなければ、我々は自分の子供や孫の世代に対して、社会正義を説くことすらできなくなるのではないか。

http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210716047.html


福島第一原発の事故を受け、全国の弁護士が「脱原発弁護団」を結成し、初会合を開きました。

 脱原発弁護団には、弁護士90人あまりが参加を表明しています。初会合では、「すべての原発をなくすまで、訴訟などあらゆる手段を尽くして闘い続ける」とする宣言が採択されました。そのうえで、原発がある地域で新たな裁判を起こしていくため、各地で活動する弁護団の間で情報共有を図るなど連携を強化することでも一致しました。 

2011年7月16日土曜日

関電さんも、冷却システム不具合ですか?


 13日のブログで、震災後4ヶ月も点検を受けず、試験運転中であるにもかかわらず100パーセントのフル稼働している大飯原発と泊原発の問題について疑問を呈したところだが、今日、その大飯原発で冷却システム不具合のニュースが飛び込んできた。


いってみれば、車検を受けずに平然と自社のタクシーを何台も営業させていたタクシー会社と同じようなことである。こんなタクシー会社が世の中に横行すれば大変なことになるからこそ、陸運局が、厳しい制度を作り、違反したものは個人であれ、会社であれ等しく取り締まるのである。車検を逃れた自動車1台が引き起こす事故はどんなに大きくてもしれたものであるが、原発は1度のちょっとしたミスによる事故でも、膨大な数の国民の生活と健康を一瞬にして奪いかねないのである。このような杜撰な点検制度を見ただけでも、こんな状況下で、簡単に形だけの点検をして、再稼働を許していいのかという大きな疑問が生まれる。

福井原発の問題は福井県の問題にとどまらない。福井原発がメルトスルーしたり、水蒸気爆発すれば、汚染が近くの琵琶湖に広がれば、京都、滋賀はもちろんのこと、大阪、兵庫、奈良の住民も決して無傷ではいられない。人口密度だけをとってみても、フクシマ近県の比ではない。

ここで大きな原発災害が発生した場合、関電などでは到底、償いきれない膨大な補償額を捻出しなければならない。すでに原発から十二分に補助金、交付金を得ている福井県民はびた一文支払われなくても文句が言えない立場かもしれないが、近畿地方の住民に対して、日本政府が完全に破綻しても余りあるほどの膨大な補償額を一体誰がどんな形で負っていくつもりなのか。

大飯原発1号機停止へ 冷却システム不具合 16日にも

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写真:関西電力大飯原発(写真右端が1号機)=5月9日、福井県おおい町、本社ヘリから、竹花徹朗撮影拡大関西電力大飯原発(写真右端が1号機)=5月9日、福井県おおい町、本社ヘリから、竹花徹朗撮影
 関西電力は16日、調整運転中の関西電力大飯原子力発電所1号機(福井県おおい町、加圧水型、117.5万キロワット)で、緊急炉心冷却システム(ECCS)を構成するタンクの圧力が低下するトラブルがあったと発表した。関電は保安規定に基づき、同日中にも原子炉を手動停止する。
関電によると、トラブルがあったのは、事故時などに1次冷却系統に冷却水を注水するため複数ある「蓄圧タンク」の一つ。15日夜明らかになったという。このトラブルによる環境への影響はない。
 大飯原発1号機は定期検査後の3月10日に原子炉を起動したが、直後に福島第一原発の事故が起こり、営業運転に入るための国の最終検査を受けられなくなった。試験中にもかかわらず、出力100%で運転する状態が4カ月以上続いている。(笹川翔平)




大飯・泊原発、営業運転再開へ 調整運転中、震災後初
  • 2011年7月13日3時0分
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    図:大飯原発と泊原発の地図拡大大飯原発と泊原発の地図
     関西電力と北海道電力は12日、定期検査中なのにフル稼働している大飯(おおい)原発1号機(福井県)と泊原発3号機(北海道)について、国に最終検査を近く申請し、営業運転を再開する方針を決めた。正式な手続きをとらず、4カ月も「調整運転」を続けることへの批判を受けて判断した。起動済みとはいえ、東日本大震災後、定検中の原発では初の営業運転再開となる。
     大飯1号機は震災前日の3月10日、泊3号機は同7日に原子炉を起動し、調整運転に入った。通常約1カ月で経済産業省原子力安全・保安院の「総合負荷性能検査」を受けて営業運転に移るはずが、両電力とも「地元自治体の理解が得られていない」と検査を申請してこなかった。
    しかし、調整運転が長期にわたり、保安院から「検査を受けるように」と口頭での指導があったことから、両社とも検査申請を決断した。
     全国の定検中原発の中で、調整運転をしているのはこの2基だけ。調整運転といっても、利用者への電力供給はしている状態だ。
     営業運転するのに地元の同意は法令上必須ではないが、地元の対応は分かれている。福井県は8日の県議会で「(申請は)国と事業者が判断すること」との認識を示し、黙認する見込み。一方、これまで営業運転再開に難色を示していた北海道は、北電からの打診に回答を保留している。北電は今後も道に理解を求めつつ手続きを進める方針だ。(清井聡、綱島洋一)


    http://www.nytimes.com/2011/07/16/world/asia/16japan.html?_r=1&ref=asia

    Japan Operator Shutting Down Nuclear Reactor After Malfunction

    TOKYO — Japan’s second-largest nuclear operator said Saturday that it was manually shutting down a reactor in central Japan after a technical malfunction.
    No radiation had leaked from the No. 1 Reactor at the Oi Nuclear Power Plant, on the Japan Sea coast, about 250 miles west of Tokyo, said Yoshihiko Kondo, a spokesman for the plant’s operator,Kansai Electric Power.
    Mr. Kondo said that a loss of pressure had been detected late Friday in an accumulator tank needed to cool the reactor core in an emergency, forcing the utility to shut down the reactor. Workers will begin the shutdown at 1 p.m. Saturday in Japan, and shutdown will be complete by 9 p.m., he said.
    The shutdown at Oi just four months after the devastating accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant comes as a blow to an industry struggling to regain public confidence. It also worsens an electricity shortage that has forced several utilities in Japan to require companies to reduce their use by at least 15 percent.
    Only 19 of Japan’s 54 nuclear reactors are operating, because units shut down for regular maintenance have not been given permission by local governments to restart after the disaster at Fukushima, operated by Japan’s largest nuclear operator, Tokyo Electric Power. In the meantime, more reactors have been closing for scheduled maintenance, reducing the number in service across the country.
    The 1.17-million-kilowatt Oi No. 1 Reactor, built in 1979, had been in the last stages of a trial run at full output after undergoing scheduled maintenance this year. At Kansai Electric, only four of its 11 reactors are now operating.