2012年6月14日木曜日

原発、がれきの撤去は誰がする?:外国人労働者ですか

 高線度の放射能に汚染されたがれきの撤去を誰がするのか。本当にこの作業に従事しなければならないのは、現在あるいはこれまで安全神話を垂れ流し、原子力行政を率先してきた政財官学の人間と、立地自治体で原子力の恩恵を受けてきた・これからも受けようとする人々以外の何者でもないはずだ。

ところが、この作業に日系の外国人労働者の派遣が予定されていた。ところがブラジル大使館をはじめ、さまざまなところから抗議があったため停止に踏み切ったという。

しかし、結果的に、社会的弱者に、欲の皮の突っ張った連中のしりぬぐいをさせるという弱肉強食の構図は、何も変わらない。

フクイチの廃炉と、そしてこれまでに蓄積された放射性廃棄物の処分をする査業だけでも実に気の遠くなるほどの労働力が必要となり、そこで働く人々がどれだけ多くの被曝をし続けなければならないのか、考えれば、考えるほど気の遠くなる話である。

しかし、政府はこれだけではまだ懲りず、自然災害の激しい日本の海岸沿いで次々に原発を動かし、まだまだ狭い国土の中で放射性廃棄物をどんどん作り続けるつもりだという。

まさに正気の沙汰とも思えない。

「いざとなれば、国がなんとかしてくれるだろう」なんて甘い考えに浸り、思考停止状態に陥っている人間はよく考えた方がいい。

原発のせいで心臓疾患で亡くなっても、発癌してもだえ苦しむことになっても、「原発とは直接の因果関係は証明できない」の一言で一蹴されるだけである。

自分の身が可愛いければ、愛する家族や、これから生まれてくるであろう子孫の健康を案じるならば、今、黙って目を閉じ、耳をふさぎ、再稼働を「しかたない」と黙認するようなことをしては断じてならない。

べたべたした暑い夏は、エアコンの代わりに、氷を口にふくみ、寝る前に水をたらいに2,3杯かぶって寝れば十分である。シャワーがあるなら、1分間ぬるま湯のシャワーを浴びるだけでも十分である。くだらないテレビ放送は見ず、早寝早起きをし、それでも耐えられなければ、アイスノンで頭や首を冷やすだけでも随分違う。

多少の不自由さ、不便さに耐えて節電してでも、我々には決してやってはならないことがある。それは人としての道を踏み外すことであり、自分がやりたくないと思っていることを他人に(自分より立場の弱い者に)押し付けることである。

しかし現実問題として、自分の嫌なことは、すべて他人に押し付け、自分の既得権益を如何に守るかというのが今の日本のやり方である。霞が関や永田町や実業家らは、ぬくぬくと安全なところに収まり、一向に身を切らずして、国民にばかり大きな犠牲を強いる。こんなことが一体いつまで続けられていいものだろうか。


 



瓦礫撤去の伯人作業員募集 伯国大使館の不満表明で中止 12/06/11 (10:18)

 【既報関連】本紙5日付紙面で、福島第一原発の事故で放射能汚染している瓦礫(がれき)の撤去を行う作業員として、7月から20人の在日ブラジル人が第一原発から 20キロ圏内で働くと報じた。しかし7日付のフォーリャ紙によると、在日ブラジル大使館(東京都)が作業員を派遣する大阪市の人材派遣会社に連絡し、ブラジル政府として不満を表明したところ、同社は在日ブラジル人の作業員の派遣を中止していたことが分かったという。

その中で、同社社長は「大使館以外にも既にブラジル人と日本人の双方から多くの懸念の電話を受けた」とコメントしている。

国外就労者情報援護センター(CIATE、二宮正人理事長)の大嶽達哉専務理事は本紙の取材に対し、「現在のところ、CIATEにこの件に関する相談や問い合わせはない。また、募集されていた仕事内容が違法かどうかについて情報がないためコメントできない」としている。

募集していた作業内容は廃棄物の除去で、20キロ圏内の日当は3万円。作業時間は1日2時間。また、20キロ圏内を除く福島県内での廃棄物除去の日当は1万~1万2000円。ともに日曜は休みで住居と3食が付くものだった。

同派遣会社は4月から日系ブラジル人向けのフリーペーパー(ポルトガル語版)などに掲載し、全国各地で募集していた。

2012年6月9日付


在日ブラジル人の登録撤回 原発周辺作業で大使館照会

2012.6.7 19:26

 東京電力福島第1原発から20キロ圏内でがれき撤去などを行う作業員として、人材派遣会社が在日ブラジル人約20人を登録したところ、在京ブラジル大使館が照会、同社が登録を撤回していたことが分かった。同大使館などが7日、明らかにした。

 大阪市の人材派遣会社によると、4月に在日ブラジル人向けのポルトガル語紙で作業員を募集。20キロ圏内での作業は1日2時間で日当3万円との条件だった。数十人から応募があり、うち約20人を登録した。

 同社の営業担当者は「募集後、抗議の電話を相次いで受けており、ブラジル大使館からの問い合わせがなかったとしても(ブラジル人の登録を)やめるつもりだった」と説明した。

 ブラジルの経済成長と日本の不況に伴い、帰国する在日ブラジル人が増える中、子どもの教育などを理由に日本定住を決めた人も多く、こうした人たちの雇用状況は悪い。(共同)

2012年6月13日水曜日

To overseas journalists

 今日はWSJと現代ビジネス(講談社)に掲載された、2つの記事を転載する。8日の首相の原発再稼働方針表明に関する批判の声である。

講談社の現代ビジネスは終始一貫して、原発再稼働に対して、批判的スタンスをとってきた貴重なニュースソースである。WSJは良きにつけ、悪しきにつけ、未だに忘れ去られつつある、日本の原発関連問題を時々取り上げてくれる数少ない海外メディアの一つである。悪しきにつけというのは、すでにこのブログで何カ月も前に取り上げてきた新しくもない議論をいまさらのように繰り返されている点である。
それでも、むろん、何もないよりかはましである。 
 
 海外メディアも、目先のNewsにだけ囚われず、民主主義を標榜する国で独裁的に行われようとする原発再稼働の問題をジャーナリストの目から、もっとするどく、批判的に鋭く切り込んでもらいたいものである。外圧に弱い日本を変えることができる唯一の手段は、海外メディアからの声をおいてしかないのだからーーー。

 IMFや国連などの国際機関や諸外国が日本政府が様々な形でばらまいてきあ資金や支援金のおかげで、どれほど潤ってきたかを振りかえってみるがいい。日本国民は額に汗して蟻のように働き、まともな家1軒立てられず、終末になっても福祉も満足に受けられず、その代償として国際社会に何の要求もせず、黙って多額の援助金を拠出してきたのである。こんな国が他にあるだろうか。その国が悪政によって、風前の灯であるというのに、世界のジャーナリストたちは、この国に迫りつつある過酷な現実にもはや目をとめようともしないのか。

日本は今まさに「民主」の看板を頭に掲げた現政権によって、原発の再稼働、そして大型増税、東電救済など、「シロアリ取りがシロアリとなり、国家は完全に衰退の憂き目にさらされてしまっているのである。

これが世界のニュースにならずして、何をニュースとするのか。

欧州の通貨危機やシリアの内紛は確かに大きな出来事だ。オリンピックも結構だし、クイーンエリザベスの戴位60周年に湧くのもいい。しかし、日本と言う国の行く末にも注目し、シロアリのばらまきの恩恵に浴さない多くの国民が一体何を望んでいるのか、大型メディアの報道をそのまま右から左に流すのではなく、しっかり取材をして実態を明らかにしてもらいたいものである。

WSJでは、選挙がすべてを変えるようなことをいい、それを結びとしている。しかし事は民主党が後退すれば、解決するような簡単なものではない。

自公の過去の政権の悪政によって、国家がさんざんシロアリに食い荒らしてきたからこそ、バブル崩壊以来日本経済はまったく衰退の一途を辿ることになってしまったという事実から目をそむけることはできない。

今後、自公民が連立を組もうが、自公が政権を奪還しようが、その中でごくわずかな一人二人の人間がシロアリ退治に挑んだところで体よく懐柔されてしまうか、メディアの目の敵にされて失脚するかがおちである。さりとて、ご都合主義の、公約や主義主張をころころ変える橋下のような、ビジョンも哲学も何もない人物に、大切な国の将来を託することができるはずはない。そのことは大飯原発の再稼働に大いに拍車をかけることとなった、彼のここ2,3カ月の発言内容の変化ひとつを見ても自明である。

最後に民主党の川内議員のブログを抜粋する。彼は政権与党の中にあって比較的ぶれずに、自分の主義主張を明らかにし、原発問題や増税に堂々と異議を唱えてきた希少な人物である。古賀茂明氏も、顧問になるのならば、川口議員のような人物とタグを組むべきだったのではないのか。

川口議員によれば、400名に近い民主党議員の中で、現在原発再稼働への署名をした議員はたった122名しかいないという。電力労組の圧力によって署名を撤回した議員は誰と誰なのか、またそうした圧力にも屈せず、署名した122名の議員の氏名をしっかり情報開示することこそが、メディアの使命であり、国民の命を預かる政治家に一票を投じる選挙民に対する義務でもあるのではないのか。


現代ビジネス                               2012年6月12日 町田徹氏

リスクを国民に押し付け続ける政府を信用できない! 大飯原発再稼働と東電国有化の裏に隠蔽された「不都合な真実」


野田佳彦首相は8日夕方の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所の3、4号機再稼働の方針を打ち出した。これを足掛かりとして、なし崩し的に、北海道電力泊原発や四国電力伊方原発も運転を再開する構えだ。

 しかし、その一方で、いざという時に被災者に十分な賠償ができないという現行の原子力損害賠償制度の欠陥、つまり、「不都合な真実」はひた隠しにしたままである。例えるなら、自賠責にさえ入っていない無保険車両の運転を許すような、危険な話である。

 そして、こうした「不都合な真実」を隠したまま、その場しのぎを試みる施策は、政府が7月に予定している「東電国有化」にも共通している。

被害者は泣き寝入りするしかない

「国民生活を守ることが私の唯一絶対の判断の基軸だ」

「原発を止めたままでは日本社会は立ち行かない」

 8日の記者会見で、野田首相は、こうした空疎な言葉を繰り返した。

 運転再開の条件としてきた安全の確立については、ストレステストの2次評価を有耶無耶にしたうえで、現行の安全基準を「原子力規制庁ができるまでの暫定基準」(細野豪志原発事故担当大臣)に格下げする一方で、お飾りとしか思えない経済産業副大臣らの駐在を掲げて、煙に巻いてしまった。

 その一方で、津波から原発を守る堤防のかさ上げ工事は先送りしたまま。折から指摘されていた敷地内に活断層が存在しているのではないか、という疑問にも手付かずのままとなっている。

 何より悪質なのが、原子力損害賠償支援機構の設置にもかかわらず、福島第一原発の賠償がなかなか進まない元凶である、原子力損害賠償責任保険制度の欠陥を何ら修正せずに、再稼働に踏み切ったことだ。

どういうことかというと、現行の原子力損害賠償責任保険制度では、「原子炉1基当りの賠償措置額(可能額)」が1,200億円しかなく、福島第一のような深刻な事故が起きれば、被害者は泣き寝入りするしかない、というのが実情なのだ。

 しかも、大飯原発は、半径100㎞圏内に、関西の主要都市がほぼすっぽりと収まる場所に位置しており、いざという時の被害は、福島第一の比ではないと見られている。

東電経営のツケを背負い込むのは一般国民

 ところが、こうした不都合な真実を伏せたまま、問題を先送りにし、リスクを国民に押し付けようとする政府の姿勢は、今回の大飯原発の再稼働にかぎった話ではない

 むしろ、確実に巨大な国民負担を招くという点で大飯原発以上に深刻なのが、政府が7月に実施を予定している東電国有化の問題である。

 政府は、月内に東京電力の株主総会を開催して、発行可能な株式の総数枠を拡大したうえで、原子力損害賠償支援機構を通じて1兆円の資本注入を行い、東電株の過半数を取得、事実上の国有化を実現する方針だ。

 新聞やテレビは、当初、東電が抵抗していたためか、この国有化を東電に対するペナルティか何かのように礼賛してきたキライがある。

 だが、そもそも、今回のような国有化は、自由主義経済の原則を無視して、その根幹を揺るがす間違った政策だ。配当などの分け前に預かるために、東電の経営リスクを負担していたはずの株主の責任を不問に付すばかりか、東電から金利収入を得ようとしていた金融機関の貸し手責任、東電との商取引で儲けようとしていた取引先企業のリスクまで解消してしまう行為に他ならなないからだ。

 しかも、代わりに、そうした責任とリスクをすべて背負い込むのは、公的資金の出し手である我々一般国民だ。何の責任もないのに、原発事故を引き起こした東電の経営のツケを背負わされるのである。

長期間にわたる重い国民負担の始まり

 この国有化は、関係省庁と東電、金融機関の既得権保護と政策的な失敗のなれの果てに過ぎない。

 というのは、破たんを免れようとした東電、融資の焦げ付きを回避しようとした金融機関、電力行政失敗の責任追及から逃れようとした経済産業省の圧力に屈して、金融庁が昨年3月半ば、暗黙の政府保証と引き換えに、東電に対して緊急融資を行うよう"指示"してしまったからだ。財政資金の投入を逃れようとした財務省の問題や、実質的に債務超過に陥っている東電の決算のカバーアップに手を貸した監査法人の責任も決して小さくない

そして、国民として、絶対に容認してはならないのは、今回の国有化の資本注入のために投入される1兆円の公的資金が、資金繰り的に見て、せいぜい半年か1年の問題先送りにしかならない点である。

 政府の第3者委員会と東電が事故の後始末費用として見込んでいるのは、賠償が4兆5,000億円程度、除染がゼロ、廃炉が1兆円強でしかないからだ。それぞれゼロが1つか2つ足りず、その総額は100兆円単位の金額に達しても何ら不思議が無いのに、政府はこれまで、この不都合な真実をひた隠しにしてきた。

 足りないおカネは、金融機関からの追加支援か、再度の公的資金の投入によってしか賄えないし、半年か1年先には、再支援問題が火を噴いてもおかしくない状況なのだ。

 そうした観点で見れば、東電が4月に実施した企業向けの電気料金値上げや7月に計画している一般家庭向けの電気料金の値上げは、長期間にわたる重い国民負担の始まりに過ぎない。

 政府はどこかで東電支援のための増税を模索する可能性があるが、電気料金だけで必要な資金を調達しようとすれば、東電をはじめとした各電力会社の電気料金は福島原発事故以前の2~3倍の達してもなんら不思議はない。

 さらに言えば、こうした不都合な真実の隠蔽と問題先送りは、福島原発事故の遥か以前の1950年代、日本の原子力開発の草創期から繰り返されてきた問題なのだ。

 旧科学技術庁は1959年、最悪で720人以上の人が死亡するとか、当時の日本の一般会計予算の約2.5倍の損害が発生する恐れがあるという試算を得ながら、その全容を40年の長きわたって隠蔽してきた。

 これらは、いずれも、放置すれば、将来の世代にとんでもないツケを回すことになりかねない問題だ。

 こうした現状については、先週、筑摩書房から刊行された『東電国有化の罠』に詳しく書いた。この機会に、一人でも多くの国民に、歴史的な政府の不都合な真実隠しの実態を知ってもらい、電力・原子力政策を考える一助にしていただきたい。

http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/11794/?mod=Center_jrt


暫定的でない原発再稼働、性急過ぎる決断に懸念


野田佳彦首相が「国民の生活を守るために大飯原発3・4号機を再起動すべき」と表明した。国内で稼働している原発が42年ぶりにゼロとなっていたが、大きく世論を二分していたこの問題は、再稼働へ舵を切ることで大きな転換点を迎えた

最終的には政府の判断だった。とは言え、原発立地であるおおい町議会が再稼働を望む意向をまとめたことや、電力の供給を受ける関西各地域の首長たちが最終的に賛成に転じたことが、再稼働を後押ししたことは間違いない。

Bloomberg
大飯原発

反対の急先鋒だった大阪市の橋下市長が“同意”に転じた際には驚く人も多かったようだ。だが、市長が掲げる「大阪都構想」には企業を誘致して大阪圏の経済を発展させることが重要な要素として含まれている。代替エネルギーによる大規模な発電が可能になるまでは原発に頼らざるを得ない。そのため、最終的に再稼働を容認したのは、ある意味で既定路線だったと筆者は考えている。

それでも、今回の首相会見は筆者も驚く点が多かった。なぜなら、今回の再稼働はあくまでも暫定的という色合いを打ち出すとばかり思っていたからであり、性急な進め方に危惧を抱いたからである。首相は中長期のエネルギー政策は「8月をめどに決めていきたい」と述べたが、その言葉とは裏腹に、エネルギー政策が原発に依存する状況を将来にわたって続ける意向が強くにじむ会見内容となっていた。

Bloomberg
記者会見で大飯原発の再稼働を表明する野田首相(8日)

それは、「福島を襲ったような地震・津波が起きても、事故を防止できる対策と体制は整っている」との発言に顕著にあらわれた。福島第1原発の事故が収束せず全容が明らかになっていない上に、大飯原発にまだ免震重要棟やフィルター付きベントがなく、十分な防潮堤も整っていないにもかかわらず、こうした言葉が出たのである。首相は「大飯原発3・4号機以外の再起動については、大飯同様に引き続きていねいに個別に安全性を判断していく」としたが、大飯への対応を見ればなし崩し的に他の原発も再稼働させると見るのが妥当だろう。

また、夏場のピーク時の電力需要で停電の恐れがあることが最重要課題であったはずなのに、「夏場限定の再稼働では国民生活を守れない」とまで踏み込んで発言したことにも違和感を抱いた。国民の間だけでなく、与党の中ですら反対論が強い再稼働なのだ。なぜそこまで先を急ぐのだろう。

豊かで人間らしい暮らしを送るために、安価で安定した電気の存在は欠かせません。」この言葉が首相の口から出た時には、驚きを通り越して何かの冗談だろうかと思ったほどだ。原発事故の前なら大半の国民が納得して聞けた言葉だろう。だが、事故が収束すらしていない今、なぜこんな言葉が出なければならないか理解しづらい。

ところで、大飯原発再稼働が目前となった今、次に気にかかるのが、7月に運転開始から40年を迎える美浜原発2号機の扱いである。枝野経済産業相は「原発の運転年数を原則40年とする原子炉等規制法改正案が成立すれば、適用を受ける」と述べた。だが、原子力安全・保安院は美浜2号機の稼働を10年延長しても技術的に問題がないとする案を示している。技術的には問題はなくても、老朽化した原発が動く心理的な不安は残る。それでも原発を動かすとすれば、政府の原発行政はこれまでと変わらないということだろう。

大飯原発再稼働にせよ、今後の原発行政の行方にせよ、これだけ重大な決断である。風前の灯となった低支持率しか持たない政権が決定するには限界がある。世論調査やデモなどよりもっと明白な形で民意を問う、つまり選挙で争点とする、という洗礼を受けることが、日本の将来の世代に対するわれわれの責任の果たし方ではないだろうか。

(筆者は近畿大学総合社会学部准教授。2011年11月まで「金井啓子のメディア・ウオッチ」を連載)

川内博史のブログより

原発再稼動再考を求める緊急院内集会。たくさんの人々に出席

していただいた。国会議員の署名も、117名から122名(民主党

のみ)に増えた。集会参加者の中から、明日福井に飛べという要請が出て、三宅雪子議員が福井県知事のもとへ行くことになった。集会の最後、藤波心さんの挨拶が心に沁みた。
2012年6月13日 - 16:08 Twitter for Androidから

明日午後6時からの憲政記念館での「現時点における消費大増税に反対する国民大集会」鳩山由紀夫さん、小沢一郎さんも出席することになりました
2012年6月13日 - 15:39 Twitter for Androidから


勇気ある奈良市長、腰砕けの大阪・滋賀・京都、いけいけの和歌山

 昔から旧態依然とした日本のメディアの体制は何も変わっていない。

足で駆け回って取材をして、国民の声を掬いあげ、発信すべきメディアが、財界や官僚へのすり寄りで自己保身をすることに懸命であることは、原発報道に如実に表れている。

全国津々浦々いろんな場所で、原発反対に対する抗議の声が上がっているが、そうした庶民の声をもっと時間をかけてしっかりと取材し、それをきちんとまとめて記事や番組を作り、報道する気迫すらないようだ。記者クラブから流される官僚寄りのご都合主義の情報をただ右から左へ垂れ流して書くだけでは、できの悪い中学生にでもできる査業である。

特に日本を代表する大新聞の日経や読売や産経の3者には、ジャーナリスト魂を失った、上司の顔色をうかがって、正義を正義と主張することさえできない記者しかいないようだ。経済政策しかり、エネルギー政策しかり野田政権の失政のおかげで国の危機、国民の危機が加速度的に深刻化することなどは全く歯牙にもかけず、もっぱら財界の意向に沿うことにしか余念がないらしい。

日本は欧米先進社会からもはや全く省みられない、インパクトのない影の薄い存在になっている。日本にいる限り井の中の蛙で、経済危機であることなど関係なく国民の犠牲的精神で、血税から大金をばらまき世界貢献をたゆみなく続けているのだから、当然世界に誇る大国であり続けているかのようなイリュージョンに浸っているような国民もすくなくない。

しかしその実態はといえば、日本など西洋社会からは大災害でも起こらない限り、もはや注目されることすらない3等国でしかない。海外への太っ腹なばらまきは、政治家と外交官が、はぶりのいいところを見せて、いい顔をするだけのためのお土産にすぎない。お土産を配って、その代償に何を獲得するか手腕を発揮することこそが、真の外交官の外交手腕であるはずなのに。

所詮詰め込みの受験勉強で上級公務員試験には受かっただけで、臨機応変に新しい局面に大局的な視点から対応できる力も、世界の外交官を相手にとことん自国の利益のために頭を使い、知恵を使って有利な条件にうまく交渉を進めていく能力も何もない。そういう連中がふんぞり返って、この国を支配しているかぎり、日本の外交はいつまでたっても、アメリカのお尻にくっついてただポチのように従順に尻尾をむなしく振る番犬としての役割以上の何も期待することはできないようだ。



金子勝氏のブログより

 草の根から反対の声です。仲川奈良市長が大飯原発再稼動に反対を表明。市の節電策を説明し、国が金を出しても節電させるとなぜ言えないのかと問う。 http://sankei.jp.msn.com/region/news/120612/nar12061202080004-n1.htm 松山市で伊方原発再稼動に反対して1300人がデモ行進。
2012年6月12日 - 21:04 webから

伊方原発:再稼働阻止 松山で市民集会、1300人がデモ行進 /愛媛

毎日新聞 2012年06月12日 地方版

 定期検査で全3基が停止中の四国電力伊方原発(伊方町)の再稼働阻止を目指す市民集会が10日、松山市堀之内の城山公園であった。市民団体「伊方原発をとめる会」(事務局・松山市)が呼びかけ、四国を中心に中国、九州地方などから約1300人が参加。関西電力大飯原発(福井県)に次いで安全評価(ストレステスト)などの手続きが進む伊方原発の再稼働を止めようとアピールした。

 同会によると、福島第1原発事故後の県内の反原発集会では最大規模という。集会では同会事務局長の草薙順一弁護士が「廃炉こそが唯一の選択肢。人類と原発は共存できない」とあいさつ。反原発を訴え続けてきた作家、広瀬隆さんも壇上に立ち、大飯3、4号機の再稼働の必要性を8日に明言した野田佳彦首相に対し「はらわたが煮えくり返る。退陣を求める動きを起こしていく」と批判した。

 その後、中央構造線や南海トラフでの巨大地震の危険性を指摘し「原発に安全を担保する手段はない」と、再稼働しないことを求める決議を採択した。集会後は市内中心部をデモ行進し、途中の県庁前では南北両側の歩道を行列で埋め、県庁に向かって「さよなら伊方原発」などとシュプレヒコールを上げた。

大飯原発「再稼働は遺憾」 奈良市長、政府の対応批判

2012.6.12 02:08

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題で、奈良市の仲川げん市長は11日の定例会見で、「議論が尽くされていないのに再稼働するのは遺憾だ」と再稼働に向けた政府の対応を批判した。

 仲川市長は会見で、美術館やプールの無料化、街路灯のLED化など、市が今後取り組む節電策を説明。生駒市が実施する省エネ機能の高い家電への買い換え補助事業などにも触れ、「私は思いつかなかったが、いい取り組み」と評価した。

 一方で、政府に対しては「こうしたアイデアは基礎自治体からしか出てこない。なぜ国が金を出して節電させると言えないのか」と指摘。「ここまで(対策を)やったから再稼働やむなしではなく、対策は地方任せで(再稼働を)やろうとしている。『脱原発』の方針はどこへいったのか」と批判した。

 こうした再稼働をめぐる考えについて、仲川市長は「今後も国と地方との協議の場や市長会の場などで、声を上げていきたい」と述べた。

2012年6月5日火曜日

リーダーの資質に欠く原子力村の面々:罪と恥の意識の欠如

 スタンフォード大の組織行動学の研究者らは、リーダーに必要な資質は罪の意識であり、恥の意識ではないと言っている。罪と恥を対峙させいかにも欧米の研究者らしい結論付けをしているが、確かに、電力会社や保安院や政権を握っている政治家たちの罪の意識の欠如は、問題に正面から向き合わず、責任を回避し、、都合の悪いことはすべて津波のせいにするという彼らの行動様式に如実に反映し、彼らのリーダーとしての資質が問われる極めて重要な問題である。

彼らには恥の意識があるのだろうか。薔薇っ子は否であると確信する。彼らに多少なりとも恥の意識があれば、こんな状況では恥ずかしくて再稼働など口が裂けても主張できないはずである。恥ずかしくて、とても今の地位にしがみついたり、研究機関で人を指導したりするようなことはできないはずである。

罪の意識も恥の意識もないリーダーが、「総理の私が再稼働の最終的な責任を負う」などといくら大きなことを言ったとしても、空疎なだけである。


金子勝氏のブログ

近く公表される東電の事故調査報告書では、関係者全員が、今回の

ような大津波を想定できなかったと結論づける。試算をしたの

は東電社員じゃないのか?

事故対応のまずさを菅総理のせいにしているのも東電。菅リス

ク論を振りまく自民党、評論家も東電応援団?

2012年6月5日



良いリーダーに必要な素質は「罪の意識」 米調査

2012.06.01 Fri posted at: 09:00 JST

(CNN) 日常生活の中で罪の意識を持ちやすい人は、良いリーダーになる素質があるとの研究結果を、米スタンフォード大経営学大学院の組織行動学者らがこのほど発表した。

同大学院のベッキー・ショームバーグ氏らは、集団の中で優れたリーダーシップを発揮する人の傾向を調べるため、一連の性格テストを実施。罪の意識や恥の意識を持ちやすいかどうか、外向性か内向性かなどを判定した。

罪と恥は似ているようだが、心理学的にはまったく別の概念とされる。「恥の意識は問題を回避したり他人を責めたりする姿勢、罪の意識は問題に立ち向かったり自ら責任を取ったりする姿勢につながる」と、ショームバーグ氏は説明する。

罪の意識を調べるには、例えば買い物でおつりが多すぎたのに返さなかった場合にどう感じるか、といった質問を設けた。

グループ活動で会話をリードしたり、課題への取り組みを主導したりする力を相互評価した結果と、性格テストの結果を照らし合わせたところ、罪の意識を持ちやすいグループはリーダーとして行動する傾向が強いことが分かったという。

経営学修士(MBA)課程の学生を対象に、元同僚や取引先、上司らによる評価を調べた結果からも、同様の相関関係が明らかになった。

ショームバーグ氏によれば、罪の意識を持ちやすい人は、周囲の人々や組織への責任感が強く、会社から課される責務を明確に意識し、全体の利益を優先する傾向がある。時には相応以上の課題を背負い込んでしまうこともあるが、同氏らが行った別の研究では、ストレスを抱えにくく、所属する組織への愛着も強いとの結果が出ているという。

 


金子勝氏ブログより


身内からの抵抗が続々。民主党議員120名以上が大飯再稼働反

対の署名に賛同です。頑張れ! 京都商工会議所の立石義雄会頭は

再稼動推進発言。が、中小企業が多数を占める産業政策委員会は再稼

動反対を決める。


30キロ圏にある京都府舞鶴市長は、ルールなき再稼動に問題あ

りと発言。京都府知事の腰砕けも批判しています。

阜県弁護士会も大飯原発再稼動反対の会長声明を国に送付しま

した。反対が多数派です


世論に包囲された西川福井県知事と時岡大飯町長。長男が原発関連会社経営

の」時岡町長は、原発再稼働に関する議論が進まないのは国の

せいだと発言 福井県知事は国の責任で動かせと

責任回避で、見通し示せず。


原子力機構のHP掲載の奥さんの怒鳴り声が『放射線』、怒鳴

り声を上げてしまうような奥さんの興奮している状態が『放射

能』、怒って興奮している奥さんそのものが『放射性物質』」

とした記事を削除。

失敗もんじゅ、六カ所に巨額の税金無駄使い機関です

2012年6月5日


怒る妻は「放射性物質」ーーー批判され削除

夫婦げんかで、怒っている奥さんは「放射性物質」などとホームページ上で例えていました。
 
問題となっているのは、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構のホームページです。放射能などを夫婦げんかに例えた場合、奥さんの怒鳴り声が「放射線」、興奮している状態が「放射能」、怒っている奥さんそのものが「放射性物質」とイラスト入りで紹介していました。原子力について分かりやすいメッセージを発信しようと、機構が作ったグループに参加した主婦らが発案したもので、震災前の2010年に作られたものでした。日本原子力研究開発機構は「配慮が足りなかった」として、4日に削除しました。


2012年6月4日月曜日

正義なき野田総理: 陸山会事件、検事総長の指揮権発動を認めず?

 小川法相が退任会見で、陸山会事件の担当検事の捜査報告書虚偽記載をめぐり、検事総長の対する指揮権発動を野田総理に相談したところ、総理はこれを了承しなかったこと、そして小川氏も自身で指揮権発動を行うこともできたのに、行わなかったことを明らかにした。しかし、このようなゆゆしい出来事が今の日本では、大きな社会問題として、クローズアップされる気配もないのである。

小沢氏がシロであれ、グレーであれ、現政権にとって、総理にとって都合の悪い人物であろうが、なかろうが、担当検事が捜査報告書の虚偽記載をするなど法治国家において、決してあってはならない不祥事であり、政治権力を行使してでも、捜査を行い、真相を徹底的に解明するのが筋である。

しかし、野田政権は、何がなんでも小沢氏を蹴落し、官僚と財界とアメリカにピンピンしっぽをふり、増税と原発の再稼働にしがみついていないと、日経や読売などの大型メディアや、官僚、財界や米政府から総スカンを食い、延命を図ることができないことを悟ったのか、マニフェストで公約したことなど、かなぐり全部捨て去り、思想信条の異なる自公への擦り寄りも辞さない節操のなさである。

国民の前で勇ましく公約したはずの、官僚主導からの脱却も、徹底的な事業仕分けのよる歳費削減、霞が関官僚の既得権益の打破も、天下り制度の廃止も、国会議員の歳費の大幅削減も、公共事業の削減も、増税を行わないことも、何一つとして実現されないにもかかわらず、大型メディアからは追求の声ひとつ上がらず、官僚や財界に手厚く擁護され、のらりくらりと、みごとに今日まで延命を図ってきたvチーム仙谷の手腕はあっぱれというしかない。

もはや、マニフェストも、民主主義も何もあったものではない。

政敵を排除するためには、検事の調査書偽造という不正さえ是認して涼しい顔をしているような人物が、今日も国の代表の椅子にふんぞり返っているのである。もはや、この国では、社会正義も何もあったものではない。真面目な国民が額に汗して必死になって生活を守ろうとしても、しろありどもに無残に食い荒らされ、生活は困窮するばかりである。

多くの国民がはっきりと反対を表明し、圧倒的多数の国民が安全性に不安に感じている原発の再開を有無を言わせず強引に押切り、震災後、大変厳しい経済状況にある中で、何がなんでも増税を強行するという。

自民党や自民党を中心とした連立政権は長きに渡ってでたらめな政治の限りを尽くし、豊かな国をすっかり衰退させてしまった。「このままではだめだ」と危機感を抱いた多くの国民が、マニフェストにころっと騙されて、「変革」への強い願いを民主党に託したが、日本は今まさに、この民主党政権によって、正義のなき独裁政権国家と化して、奈落の底にむかってひたすら暴走し続けている。ほんのひとにぎりの権力者とそれに群がる人間どもの既得権益を守るだけのためにーー。


小川前法相、首相に指揮権発動相談 虚偽報告書問題で

2012/6/5 2:02


小川敏夫前法相は4日の退任記者会見で、陸山会事件を担当していた検事が虚偽内容を記載した捜査報告書を作成した問題を巡り、検事総長に対する指揮権発動を野田佳彦首相に相談していたことを明らかにした野田首相は了承しなかったといい、前法相は指揮権を発動しなかった。

 指揮権の内容は明言しなかったが、虚偽記載した検事の起訴に向けて捜査をやり直すよう促すことを念頭に置いていたとみられる。

 小川前法相は今年5月に首相官邸を訪れた際に相談したと説明。当時、検察当局は虚偽報告書を作成した元東京地検特捜部の田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所総務企画部付兼教官=らを不起訴処分とする方針を固めていた。

 前法相は首相への詳しい相談内容は明かさなかったが「検察内部の案件について検察が消極的な場合、積極的ならしめるのは法務大臣の本来の姿。(報告書問題は)指揮権を発動する典型的なケースだと思う」と述べ、「いい加減な形で幕引きしたと国民に受け止められれば、検察の信頼回復が遠のく」と強調した。

 田代検事虚偽記載の理由を「以前の取り調べ内容と記憶が混同した」と説明していることについては、「客観的証拠を見れば、記憶違いじゃないと誰しも思う」と指摘した。

 小川前法相は裁判官、検事を務めた経歴を持ち、現在は弁護士。

 問題の報告書は、小沢一郎・民主党元代表(70)に対し検察審査会が1回目の審査で「起訴相当」と議決した後の2010年5月、元代表の元秘書、石川知裕衆院議員(38)を再聴取して作成。実際にはなかったやり取りを記載していた。

安全委員会 東電、関電に「全電源喪失の考慮は不要」と作文指示


全電源喪失「考慮は不要」、安全委が東電・関電に作文指示

2012/6/5 1:59


原子力発電所で長時間の全電源喪失を「考慮する必要はない」とした国の安全設計審査指針について、1992年に原子力安全委員会が東京電力と関西電力に対し、改正は不要という報告書案の作成を指示していたことが、4日わかった。安全委は東電案を報告書に採用し、指針改正を見送っていた。
 当時、適切に指針を改正して対策を取っていれば、福島第1原発事故を防げた可能性もある。班目春樹委員長は4日に記者会見し「今から考えると不適切なことをやっていた」と当時の安全委の対応を批判した。
 指針を見直すかどうかの資料の情報公開請求を受けた安全委は、昨年10月に「全ての文書」と称してホームページに載せたが、東電などに指示した文書は含まれていなかった。国会の事故調査委員会が全資料を公表するよう2度にわたって要求し、安全委は4日に資料を公表した。
 安全委事務局は「文書の存在は知っていたが、昨年10月に全部出したと思い込み、公表を失念していた」と説明した。
 公表した92年10月の報告書骨子(案)には「原稿担当」として「事務局」「電力」が並び、報告書の章ごとに誰が分担する予定かを記載。安全委が電力会社に送った文書では「中長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文して下さい」と指示。東電からの回答文書には「これでOK」との書き込みがあった。

2012年6月3日日曜日

「民主」党は、即刻党の名称変更を!

 橋下市長の原発容認宣言以降、一部メディアの脱原発への追求も腰砕けになってしまった感がある。ところで、再稼働については4大臣で会合を開くと言いながら、その会合に仙谷氏がいつも保護者のように出席していることに疑念を抱く者は誰もいないのだろうか。以下に転載する週刊現代の記事は原発再稼働の裏で暗躍する仙谷氏の思惑が見え隠れし、大変興味深い。

 世の中には電力会社や原発関連企業、及びそれらの企業と利益相反の関係にある政治家や株主、原発関連企業や金融機関、関係省庁、メディア、研究機関に勤める人間、あるいは原発の立地自治体として多額の補助金や受注など、有形無形の恩恵を受けている住民やその家族は少なくない。そうした原発の甘い汁を吸っている人々を全部排除して、世論調査をすれば、原発に反対する国民の割合は過半数以上どころか、もっと多いはずである。

 深刻な災害が生じたときに責任などとる能力すらない、わずか数名の素人集団で、原発再稼働に向けて強行突破しようとする現政党に、民主党などという名前が付いているのは、誠にもって、皮肉なことである。

 彼等の何が民主なのか?真面目に働く人間を締め付け、血税を絞りとって、労働意欲を喪失させ、選挙対策のためにバラマキを行うことが民主なのか。民主党は即刻、党の名称変更をすべきである。

原発無理やり再稼働 オフレコ・メモを公開する 枝野「おおむね安全」大臣と、仙谷の陰謀
                                      2012年4月24日

「応急措置」で再稼働へ

 原子力安全委員会が関西電力・大飯原発のストレステストの一次評価の結果を「了承」して以降、野田佳彦首相、枝野幸男経産相を中心とする4閣僚は繰り返し会議を開き、関西電力の工程表を「おおむね適合」と認定、「再稼働」を既成事実化してしまった。

 あとは枝野氏が地元に足を運んで「理解」を求め、5月にも再稼働に踏みきる見通しだという。

 あれだけの歴史的事故を起こしておいて、小手先の「安全評価」「審査」「確認手続き」で再稼働に踏み切ろうとしているのだから、国民が恐怖感を抱くのは当然だろう。

ストレステストは、まったく不十分です。たとえば、水素漏出対策はほとんどないに等しい。水素は他の分子に比べて小さいから、少しの隙間でも漏れやすいんです。溶接部分などで腐食が進行しているところに、巨大な地震動が来たり、ガスケット(固定用シール)の材質が劣化してダメになったり、高温高圧でフランジ(継ぎ目)にひずみが生まれることも考えられる。

 また、送電鉄塔が倒れてしまった場合、どうするのかという備えもない。そのあたりを、何度国会で質問してもまともな答えが返ってこないんです」(元原子力技術者の吉井英勝代議士)

 この水素漏出の問題以外にも、大飯原発ではフィルター付ベント装置や免震重要棟が設置されておらず、いま慌てて準備を進めているが、完成するのは早くても'15年度以降になるという。

 それ以外に、数十mの津波に耐える防潮堤や、恒久的な非常用電源の問題も心配されている。しかし原子力安全・保安院、原子力安全委員会、経産省という「原子力ムラ」の面々は、それらの問題に「応急措置」を施しているから問題ないとして、再稼働を強行しようとしている。

 NGO「e-みらい構想」代表・長谷川羽衣子さんは避難計画の不備も指摘している。

「とくに京都北部の方が言っているんですが、事故発生の際の、避難経路が確立されていないんです。細い道が一本しかないというルートばかりで、皆さん車で逃げるだろうし、もしものときは大渋滞になってしまう。ストレステストの評価も福島原発以前の基準でやっていますし、納得がいきません。

今後、枝野さんが福井入りする話が出ていますから、そのときは抗議行動に行くことを考えています。県庁をヒューマン占有したりとか、ロビーに座って無言で、非暴力抗議行動をするとか。

 いまも国民の多くが、原発を止めたら電力が足りなくなると思っていますが、ドイツでは節電すれば原発一基分の電力が浮くという考え方がある。環境省はなぜ、そういうことをもっと打ち出さないのか疑問です」

チーム仙谷が動いている

今回出された「暫定安全基準」を「十分だ」と評価した福井県の「原子力安全専門委員会」委員長の中川英之・福井大学名誉教授に、本誌はその見解を細かく聞いた。

 中川氏は工学部長時代、福井大に原子力を専攻する学科を作った中心人物だ。

「大飯再稼働の安全基準は3つあり、1番目の緊急対策や応急対策は、だいたいクリアしている。2番目も原子力安全・保安院が妥当と認め、原子力安全委員会も検査そのものは妥当と認めている。

 3番目が問題ですよね。これは技術基準の前倒しと言われていますけど、30項目、いずれきちっと満足する必要があります(現在はできていない)。免震重要棟は作るのにそれなりに時間がかかるというのがあります。それに代替するものをどうするか。

 また大飯の場合、格納容器が非常に大きいので、水素が充満する可能性は低いんですが、(水素漏出の)対策をどうするか。それから電源。将来的には空冷式の大型ディーゼル発電機を設置する計画になっているんですが、(完成までに)かなり時間はかかる。3~4年はかかるんですね。その間の代わりになるものは設置できているんですが。

 それから、施設を動かすソフト面。人の教育とか、マニュアルをきちんとしていくべきだと思っています。私としては、現状でそれらの対策は十分だと思いますが、事故時に安全な方向にちゃんと生きて動いているということが確信できれば、安全性が担保できていると言えると思います」

 免震棟、大型発電機などの設置には数年かかる。それまでの応急対策を施しているというのだが、これらの対策で百パーセントの安全が保障されるのか。「おおむね安全」で、再稼働に踏み切って大丈夫なのか。

不安だらけの大飯原発再稼働を牽引するのは、政府・民主党の「5人組」と言われる勢力だ。枝野氏に加え仙谷由人政調会長代行、古川元久国家戦略相、斎藤勁官房副長官、細野豪志原発事故担当相の5人。

 なかでも仙谷氏が中心人物で、「チーム仙谷」と呼ばれることもある。枝野氏は仙谷氏の意向に従う形で発言・行動しているという。

 4月9日深夜、枝野氏が新聞各紙の担当記者と行ったオフレコ懇談のメモを本誌は入手した。

「大飯原発では大きな地震や津波で外部電源が喪失する事態になっても、炉心溶融には至らないということを、二重、三重、四重に安全性を確認しているところ。

 昨年3月11日までの考え方であれば、これで終わっていたと思う。しかし、安全性は確認されるがさらにそれを高めるという観点から、免震重要棟の建設やベント管にフィルターを付ける工事を行う。フィルターに関しては(大飯は)福島と原子炉のタイプが違う。基本的にはベント(原子炉内圧力の排出)に至るようなことは重大な事故でも考えられない。福島とは全く違うタイプの原子炉だ。(フィルターを)使うことはほとんど想定できないけど、用意しておく。念には念を入れてということで、計画させた。免震重要棟も、さらに万全を期すというか、なくても大丈夫だろうけど、作るように関電に指示した」

 枝野氏の真意は、このオフレコメモを見れば、明らかだ。

「電力不足」は本当か

 枝野氏、仙谷氏らはなぜ再稼働へ向け、突っ走り始めたのか。

 ある民主党中堅議員が、絶対匿名を条件にこう話す。

5人組が再稼働を急ぐのは、経団連を中心とした財界の意向が強く反映している。なかでももっとも熱心に活動しているのが仙谷さんだ。

 仙谷氏はなぜか、政府の関係閣僚会議にオブザーバーとして出席している。あれは議論の流れが再稼働から逸れないように、監視しているんでしょう。特に発言が二転三転する枝野氏に目を光らせている。人権派の弁護士だった仙谷氏が原発再稼働に動いているのは、現政権内で、財界とまともに話がつけられるのはオレしかいない、という自負があるから。政権をウラで支えているのはオレだということでしょう。

 仙谷氏はこれまで、公務員制度改革を手がけたり鳩山政権では首相に代わってダボス会議に出席するなどして権力を誇示しようとした。昨年の代表選出馬は断念したが、小沢氏の力が失墜したいま、党内最高実力者の地位を固めつつあるんです」

 国民からすれば、また仙谷氏か!という印象だが、ほかに人がいないのが現在の民主党。

 仙谷氏は、党内の「東電・電力改革プロジェクトチーム(PT)」の会長を務めているが、初会合が開かれたのは多くの議員が地元に戻っている2月24日の金曜日だった。結局、側近議員をPTの幹部に据えて主導権を握ってしまっている。

 PTの事務局長・大塚耕平氏は日銀出身で、参院愛知選挙区選出。中部電力労組からパーティ券を買ってもらっていたことが判明している。事務局次長の小川淳也氏、玉木雄一郎氏はともに香川県選出の若手代議士で、元キャリア官僚。選挙区が近い仙谷氏の側近として知られる。

 党内にはもともと原発再稼働に反対する「原発事故収束対策PT」と、推進派の「エネルギーPT」の二つの議連があったが、仙谷氏が「東電・電力改革PT」を立ち上げたことで再稼働派が優勢という勢力図になった。

仙谷氏は今年1月末、東電のメインバンクである三井住友FGの奥正之会長ら、メガバンクのトップと密かに会談したことがわかっていますが、東電への融資の見返りとして、メガバンク側から『原発の再稼働と、電力料金の値上げ』を条件として突きつけられたという。銀行側は、再稼働と値上げなしでは東電の経営再建はあり得ないと考えているんでしょう。東電が倒産すれば、当然融資も社債も焦げ付くわけですから、銀行側としてはそうならないための保険をかけたわけです」(別の民主党代議士)

 一方、民主党議員のなかには、表立って再稼働に反対しにくいという事情もある。

「党内には電力労組から支援を受けて当選している議員が数多くいます。

 私自身はやっていませんが、民主党の議員のなかには、選挙の際、労組に、『原発を推進します』という念書を書かされたという者がいる。実際に書いたという議員から聞いたことがあります。次の選挙のことを考えると、『再稼働反対』を大声では言いにくいでしょう」(前出・中堅代議士)

 地元のおおい町長や、福井県知事も、現段階で再稼働には明確に反対の意思表示をしていない。

 今後、枝野氏の訪問など段取りを踏めば、再稼働容認へ傾く可能性が高い。

関西電力は、今夏20%近く電力が不足する可能性があると報告していますが、実は原発が止まる前から、関電は発電力が不足し、北陸電力や四国電力から融通してもらっていたんです」(全国紙関西駐在記者)

 オフレコ懇談では、枝野氏すら「関西電力の報告した数字はもっと精査する必要がある」と話している。

 再稼働を主張する大新聞、メディアも多いが、事故が起きたとき、どう責任を取るのか。「おおむね」でなく「絶対」安全が確認されない限り、再稼働すべきでない。それがフクシマ以降の国民のコンセンサスだろう。

「週刊現代」2012年4月28日号より