東電は来年から3年間、電気料金を15%引き上げるそうだが、金子勝氏によれば、原発が再稼働すれば、同時に賞与半減も2015年に修了する予定だという。
こんなことが許されていいのだろうか。国民は、増税に苦しめられた上に、電気料金アップでこの不況の中、2重に苦しめられるのである。電力会社は、「火力発電を増やすため」ということを理由に、電気料金の値上げに踏み切るそうであるが、それもいい加減なものである。そもそも、原子力だって決して安くはなかったという調査結果が出ているではないか。空前の円高であれば、当然化石燃料も安いはずである。東電を始めとする電力会社は、子どもでさえ納得できない適当な理由付けをして、気安く電気料金の値上げをするけれども、もっと企業努力をすべきではないのか。
http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY201109130699.html
原子力発電にかかるコストは従来より高い1キロワット時12~7円台になるという試算が、13日に内閣府の原子力委員会(近藤駿介委員長)に報告された。電力業界の試算で、これまで5円台とされてきたが、原発の稼働率の低下や建設費の上昇などの影響を考慮すると上がったという。
新たな試算でも原発は他電源より安いか、同じくらいだったが、東京電力福島第一原発の事故で今後見込まれる安全確保の費用を考えれば、コストはさらに高くなる可能性もある。
2011年9月14日5時0分
もちろん、上記のシンクタンクによる算出には、賠償や安全確保の費用はおろか、除染、事故で壊滅した原発や老朽化した原発の廃炉、放射性廃棄物の処分にかかる費用は全く含まれていない。
3K(危険、高価、汚い)も甚だしい原発を再稼働する必要などどこにあるのか。現存の官僚の天下り先や政治家の子弟の当面の就職先を確保するためか、9月の半ばになっても相変わらず関東から西日本にかけて、30度を超える厳しい残暑が連日続いている。にもかかわらず、全く電力不足のデの字も出なくなったのはなぜなのか。原発など7割がたストップしていても、電力は十二分に供給されているからではないか。
政府は、さっさと電力の自由化を進め、発送電分離を行い、電力会社の地域独占をなくせば、国民を今のような高い電気料金から開放すべきである。
一体、電力会社の面々というのは、どういう神経の持ち主なのだろうか。除染も、まき散らした放射性物質の迷惑ゴミの回収すら行わず、世界中に放射性物質を撒き散らし、多くの人々を被曝させておいて、何が賞与か。
野田内閣は経団連のご意向通り、原発再稼働に前向きな枝野氏を経産相に据え、再稼働に向けてまっしぐらであるが、一体誰のための原発なのか。
未曽有の大きな事件を引き起こしながら原発の何が安定供給なのか。安定供給は当面天然ガスや化石燃料で十分に賄える。たとえ日本がフランスのような地震とは無縁の国であったとしても、東電のような体質の私企業に原発の再起動を許すなど、あまりに無謀過ぎる。
経団連や経済界は原発がなければ、電力の安定供給はできず、企業の生産活動は減退し、それが企業の海外進出を引き起こすと主張し続けている。
しかし実際は、原発がどうであれ日本の多くの企業が円高が原因で海外進出をすることは避けがたい。財務大臣は就任早々、円高対策を講じたいなんて宣うたが、円高は、所詮日本一国が単独で市場介入したところで、歯止めをかけることなど不可能である。つまり、企業の海外進出は不可避であり、むしろ円高を逆手にとった経済政策こそ必要とされているという意見もある。
多くの企業が海外に進出することが不可避なのであれば、企業のために多くの電力を供給をしなければならないという大前提も崩れるはずである。そもそも企業の経済活動のためには、国民の生
命や安全を犠牲にするのが当然という考え方自体が、大きな過ちである。人が人として生きる上で最も基本である健康で不安のない安全な生活さえ保証されずして、何が経済の繁栄か。
金子勝
@masaru_kaneko
来年から3年間、電気料金を15%引き上げ、原発が再稼働すれば 同時に賞与半減も2015年に 終了する予定だという。財務省・経産省が、除染もせず住民を被曝させたままで、賠償スキームで助けてくれるからと、究極の無責任です。http://goo.gl/zh8El