2012年2月17日金曜日

Does anyone care ?

ウォール・ストリート・ジャーナルの電子版が、フクイチの2号機の温度計の問題についての記事を掲載している。東電や政府は、温度計の故障と片付けて、冷温停止状態に安定していることを強調しているが、燃料取出しまでの10年間、いつ壊れるともしれない、すでに壊れてしまっているかもしれない計測器が示す危うい数値にすべてを依存しなければならない状況にあることは、まぎれもない事実である。

このような事実が明らかになる中で、朝日新聞は、関西電力が原発再稼働に前のめりになっているという報道をしているが、日本中いつどこでどのような大きな地震があってもおかしくないといわれているようなこの時代に、利権のために正常な判断力を持てなくなってしまったごくごく少数の立地自治体の意見や、総理や原発担当相など、少し前に言ったことの責任すらとらない無責任な政治家の判断で、再稼働が決定されるなどというようなことは断じてあってはならないことである。

Does anyone care ? この期に及んでも、原子力村に取り込まれた政府関係者がcareするのは、自分たちの利権であって、人の命や安全、放射能による環境汚染の甚大さではない。週刊朝日によれば、フクイチの安全宣言は、原発作業員の危険手当を支払わなくてもよくするために、行われた措置ではないかとさえいう。

以下WSJの記事と京大小出助教のラジオ対談の一部を転載する。

http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/02/15/thermometers-a-hot-topic-at-fukushima-daiichi/

FEBRUARY 15, 2012, 10:59 AM JST

Thermometers a Hot Topic at Fukushima Daiichi


Fukushima Daiichi operator Tokyo Electric Power Co. on Tuesday said that one of the thermometers attached to its No. 2 reactor was almost certainly on the blink.

European Pressphoto Agency
Tepco workers set up temporary pressure gauges in the No. 2 reactor building at the Fukushima Daiichi nuclear power plant in June.
The news prompted a collective sigh of relief that the steadily rising temperatures the thermometer had been logging weren’t a sign that the damaged reactor was once more spinning out of control.
But the malfunctioning thermometer is also the latest troubling reminder of how fragile Tepco’s grip on the stricken nuclear plant is.
The antics of that thermometer -– one of six key gauges that tell the outside world how hot the fuel in the crippled No. 2 unit likely is — have transfixed Fukushima Daiichi watchers this month. The No. 2 reactor is one of those whose fuel rods are thought to have melted during the March accident at the nuclear plant.
In December, Tepco said that all the reactors had cooled to well below 100 degrees centigrade, meaning they were no longer releasing radiation or in danger of restarting a nuclear reaction. But in early February, Tepco said one of No. 2’s thermometers was registering steadily rising temperatures — from around 50 degrees C on Feb. 1 to around 70 C five days later.
By Sunday, Feb. 12, Tepco said the temperature was heading up toward 90 C, despite weeks of cooling counter-measures like an increase in the amount of water pumped into the reactor, and the injection of boric acid -– a chemical that helps prevent a nuclear reaction from occurring.
By Tuesday, the thermometer reading was hovering around 250 C – even as the two others in closest proximity were logging a steady 30 C. Tepco said that discrepancy, as well as the lack of other signs of a nuclear reaction such as an increase in steam or radiation levels, probably meant a broken wire somewhere.
Still, a faulty thermometer at No. 2 raises troubling questions. With all the punishment Fukushima Daiichi’s equipment has gone through –- nuclear meltdowns and explosions, not to mention the magnitude 9 earthquake and tsunami that started everything off – it’s no wonder things are breaking down.
But radiation levels are still so high around many of the reactors that the equipment can barely be checked, let alone replaced. That’s the case with the thermometer in question, which is inside the highly radioactive containment vessel of No. 2.
Tepco says it usually checks up on, and adjusts, such gauges every 13 months at routine inspections. But those won’t be possible at Fukushima Daiichi, where experts expect it’ll take six years just to plug leaks in the reactor buildings and 10 years before people can start the process of removing melted fuel.
So what happens in the mean time if more of the thermometers at No. 2 -– and other damaged reactors –- break down? And what about other gear Tepco is relying on to judge the safety and stability of the plant?
Tepco says it should be able to figure out No. 2’s temperature by estimations from readings at all the thermometers there – including 30 others in more peripheral positions. And it’s hard at work thinking up alternate ways of figuring out just what’s going on inside the reactors.
Comments (4 of 4)
    • Was it too difficult to replace the faulty thermometer and confirm the exact temperature in the plant? Why does Tepco want to create confusion ever since it started dealing with the disaster?
      The Japanese people are not happy.
      Many realize a significant portion of Japanese soil is not suitable for habitation. Just last October a leaked Tepco documented indicated the total amount of plutonium and neptunium emitted from the plant. This stuff sticks around for millions of years…
      If you haven’t seen the dispersion maps for plutonium they are published here:
    • To A Green Road: right questions, yet these days, nobody seems to even be able to formulate such an obvious question as yours: WHERE IS THE CORIUM ?
      But, hey ! Don’t forget Japan is the “social harmony” country. No asked question, so no answer needed, as simple as that. And as they said in the Middle Age: Dear folks, sleep well, the night is bright and the streets are quiet.
      In fact, the most urgent thing to discuss about is to know if Hamamatsu is now the biggest chinese raviolis (gyoza) eater in Japan, or still Utsunomiya. Please, call a doctor !
    • Where are the melted through 65 ton blobs of corium that left multiple reactors and containment vessels? How can they call this cold shutdown when they do not even know where this corium is?
      Also, how much radiation is being released daily from broken reactors, vent pipes, spent fuel pools, leaked radioactive water, spilled water, and basement water, as well as water sprayed on forests and amount stored on site in tubs and storage tanks?
      How much total radiation was released into ocean, groundwater, air, etc., TOTAL, from all isotopes, not just one or two?
      Does anyone care? Or is this coverup almost complete?
    • TEPCO’s raw data from unit 2 showed the presence of Xenon 133 and 135 yesterday and today, both of which have very short half lives and are products of fission, especially one that is not properly contained. Yet in the press handouts at today’s press conference, both were listed as not detected. And despite the claim that there is no fission taking place, TEPCO continues to inject tons of boric acid, which is used to suppress fission criticality. The lack of continuity by TEPCO makes their claims a bit hard to accept at face value.


      http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/02/14/tanemaki-2012feb13/

      2月13日 2号機300℃超 圧力容器底の温度計「「そうであればどこかで壊れた。(他の温度計もアテにしては)もちろんいけない」」小出裕章(MBS)


      水野「言ったらその、計測器が全くアテにならないってことでしょ」
      小出「そうです。そういうことです」
      水野「っていうことは、他の温度計もアテにしてもいいんですか?
      小出「えー、もちろんいけないのです」
      水野「他の計測器…」
      小出「いけないのです。」
      水野「ほおー」
      小出「え……もともとー、今回の事故が起きてからみなさんも気がついていただいたと思いますけれども」
      水野「ええ」
      小出「現場に行くことすらができないのですね。」
      水野「はい」
      小出「見ることもできない、触ることも、できない、どんなふうに壊れているかということは自分で確かめることができない
      水野「できない」
      小出「んで……もともとあった計測器の情報を頼りにするしかない、わけですけれども。」
      水野「ええ」
      小出「こんな事故が起きるなんてことは、誰も思っていませんでしたので。計測器自身がろくに配置もされていなかった
      水野「ああー」
      小出「そんなかで次々と計測器が…死んでいってしまうという
      水野「ええ」
      小出「そういう状況が今、進行していると、いうことだと思います
      水野「今日、野田総理はですね」
      小出「はい」
      水野「え…国会で、冷温停止状態にかわりはないと」
      小出「(苦笑)」
      水野「おっしゃられたんですね」
      小出「はい(苦笑)」
      水野「あの……ま、確かに冷温停止という…本来の冷温停止は元々ありえないんだと」
      小出「はい」
      水野「小出さんおっしゃって…」
      小出「そうです」
      水野「来ました。だけど、まあ、あの、冷温停止状態、というね」
      小出「はい」
      水野「いわゆる、う…100度、以下に抑えられて安定してるってことですか?」
      小出「いや…はい…ようするに、そういう言葉を勝手に彼らは作ったわけですけれども。はい」
      水野「まあ、百歩譲ったとしても」
      小出「はい」
      水野「冷温停止状態にかわりはないと」
      小出「はい」
      水野「それを裏付ける、ことは、出来るんですか?」
      小出「できません」
      水野「っていうことなんですね」
      小出「はいあの、原子炉圧力容器の中に、もうすでに炉心がないと、私はいっているし」
      水野「はい」
      小出「東京電力も政府も言っているわけですから。圧力容器の温度が100度以下になるかどうかなんてことは、もともと大したこととは違うのです」
      水野「意味が、ないんですね、今や」
      小出「はい、そうです」
      水野「ああ……」
      平野「先生あのー、まあ、一連のこの…温度の一喜一憂っていう状態なんですけど」
      水野「ええ」
      平野「そもそもですね、こうっやって壊れたその、計測器をそのまま東電が、こう、あの、その都度発表して。なにか僕らに、なんかこう一方的な情報を与えてるんですけど。これは事故処理を客観的にするチームをですね、つくって。評価を伴って、僕らに示してくれるような体制を取る必要があるんじゃないですか」
      小出「はい」
      平野「もうずうっと、もう東電のいいぱなしですよね」
      水野「そうですねえ」
      小出「はい。まあ私はそう思いますけれども。これまで原子力…というのは、東京電力、あるいは電力会社の、あん…安全保安院も含めた、そういう組織でずうっとやって来た、わけですね。で、それが事故を起こしたちょ…あとも、そのままの体制が続いてしまっている、のです。それを何とかしなければ私はいけないと思いますけれども。え…… 何も変わらないまま、従来のまま、進行してしまっているということに、私は大変な違和感を覚えています」
      平野「そうですねえ。保安院も報告受けるだけで」
      小出「はい」
      平野「なんにも、自分たちで現場でしようとしてませんものねえ」
      小出「あはあ、もちろんです。え……現場は何よりもその東京電力の現場の人達が一番よく知ってるわけで。多分保安院にいる、官僚の人たちは、まずは力にならないというそういう状態、だと今は思います」
      水野「うーん。現場の作業員の方の声でですね
      小出「はい」
      水野「え……その、温度よりも、え……いれている水、冷却するための水がどんどん増えていることのほうが問題じゃないかという情報もあるんだそうです。」
      小出「はい。」
      水野「それはどうなんですか」
      小出「そうですね。ですから今度、今回の場合には、温度があがったということで、みんなが心配をしたのですけれども。温度計なんてものは、その…全体の中の一部分の情報しか過ぎないのですから。そんなものだけに目を奪われて、え……大変だというふうに思って流量を増やしたりすればですね。そのことによって今度はまた汚染水が増えてしまったり、その汚染水を処理するための、ま、装置があるわけですけれども
      水野「ええ、ええ」
      小出「それに負荷がかかったり、また、あちこちでトラブルが出てきてしまうということになるはずだと思います」
      水野「あの、保安院の院長はですね」
      小出「はい」
      水野「今日、国会でこんなふうにいってますね。全体としては原子炉は比較的安定的に管理されている」
      小出「(笑)。はい。え……」
      水野「比較的、安定的に管理されている、っていう、その保安院の立場をどうご覧になりますか」
      小出「え……事故の当初はですね。もう、本当に打つ手もない、まま、どうなってるかすらがわからない。手探りのまま、何とかしたいと思ったけれども、なにもできないまま次々と原子炉が爆発してし…いってしまったと。いう、事実がずうっと進行していたの、ですね」
      水野「ええ、ええ」
      小出「それでその時、そういう……あの…本当に破局的な、事故がドラスティックに進行した時期に比べると、現在は、え……う……かなりまあ安定してるという言葉を使いたくなるぐらいに、時間が過ぎている。のですね。それはそうだと私は思います。え…でもだからといって、これで安心していいのかといえば、そうでは私はないと思っています。う…溶けてしまった炉心が今、どこにあるかすらわからないという。温度が本当にどの測定器が正しいのかも実はわからなかったという。そういう状態で進行してるわけですし。え……先日も何度か聞いていただきましたけれども。4号機の使用済燃料プールなんていったこれからどうなるのかという大変な問題もまだ目の前にあるわけですから。」
      水野「ええ」
      小出「あん…安定的だとか、安心だとかいうような言い方をして欲しいとは私は思いません。」
      平野「うむ」
      水野「はい…。どうもありがとうございました」
      平野「どうもありがとうございました」
      小出「はい。ありがとうございました」
      水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」