2012年12月6日木曜日

日本が今、取り組むべきことは?

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日本の不幸は、金子勝、郷原信郎、小出裕章といった知力も判断力も物事を大局的に見通せる力も十二分に兼ね備えた良識のある人物が一致団結して政治の場に登場しないことであると私は思う。

世間知らずの世襲議員や、目立ちたがりでおしゃべり好きの政経塾、舌先三寸で哲学もビジョンも何もなく詭弁を弄する弁護士、小説家崩れや元スポーツ選手などにどれほどのことができようか。
せいぜい霞が関官僚の手玉にとられるのが関の山である。 

朝日の世論調査によれば、自民単独過半数の勢いで、民主も90議席を確保し、維新は50議席を取る勢いだという。

日本が今とるべき道、それは地震大国で脆弱な原発を再稼働させてじゃぶじゃぶ電力を消費し、国防軍を作って集団的自衛権を行使する一方、さらなる増税によって、官僚による税の無駄遣いの財源を確保してやり、いらない道路や鉄道や箱モノをあちこちにたくさん作り、ろくに外交手腕も交渉能力にも乏しい人間どもが飛んで火にいる夏の虫のようにTPPのアリジゴクの罠にはまり込み、国が奈落の底に向かって転がり落ちていくのを、ただ茫然と手をこまねいて眺めていることではないはずである。

日本が原発にいつまでも固執し、過去に失敗した日銀の金融緩和を懲りずに繰り返している間に、欧米は、節電を含めた、新しいエネルギー分野の技術革新に向けてどんどん躍進するさまが目に浮かぶようである。技術保有国でありながら、我々はこのレースに立ち遅れたまま、沈み落ちていっていいのだろうか。原発を維持するために湯水のように使われる膨大な経費を、節電の技術革新にいそしむ企業に投じて、新しいエネルギー分野で経済界の起死回生を図るというような施策がどうして、どの政党からも出てこないのだろうか。

選挙民はメディアに高々と掲げられる世論調査の結果なぞに誘導されることなく、しっかりと各党の選挙公約の裏を読みぬき、こんな政策がとられたら、こんな党首に振りまわされていたら、この国には未来はないというものを、危険なものから順に消去法で消していって、最後に残る比較的ましな政党を選択することしかすべはない。

少なくとも、この方法で選挙民が投票にいけば、もっとも危険なもの、致命的なものから回避することだけは、できるに違いない。

もちろん、選挙民が、ばらまきや選挙目当ての一時しのぎの公約などの、目の前にぶらさげられたニンジンに惑わされず、朝令暮改で公約や政策の軸を平気でころころ変える政党や、政治家を、選択肢から外さないかぎり、この国の未来はいつまでたっても開けてきないことだけは確かである。


以下、金子勝氏がレファーしたIEEE関連記事、エネルギー関連の新聞記事、と彼のTwitterの記事を転載する。


http://www.iemusubi.com/solar/single/464


エネルギー貯蔵、分散型発電、マイクログリッドの分野の 強い潜在成長力が示される


人類のための技術を推進する世界最大の専門家組織であるIEEE(アイ・トリプル・イー)は、世界におけるスマートグリッドの今後5年間の急速な配備を前提として、エネルギー貯蔵、分散型発電、マイクログリッドの技術がどのように発展することになるか、その詳細を記載した新しい報告書を一般に公開したこと発表しました。IEEEの委託により、Zpryme Research & Consultingは、 2012年9月に世界のスマートグリッド関連のエグゼクティブ460名を対象として行った調査をもとに、報告書『未来の電力システム(Power Systems of the Future)』を作成しました。

Zprymeのスマートグリッド・アドバイザリー・ボードのメンバーでありProximetryのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼チーフ・ストラテジー・オフィサーでもあるAndres Carvalloは次のように述べています。
「スマートグリッドは、21世紀を築く主要な技術基盤・経済的基盤であり、このレポートには、いかにエネルギー貯蔵技術、分散型発電技術、マイクログリッド技術がスマートグリッドの原動力を刺激するとともに、技術がスマートグリッドの原動力により刺激を受けるものであるのかが、詳しく書かれています。」


本報告書では、3つの「総括的結論」が定義されています。

• マイクログリッドに対する公共部門・民間部門の資金/調達提供、送電網レベルの貯蔵の研究開発(R&D)とプロジェクト/パイロット(試行)は、より費用効果の高いソリューションに貢献し、より良いビジネスケースを提供し、技術の導入、応用、最適化に関するベストプラクティスを明らかにするのに役立つ。

• 欧州は分散型発電とマイクログリッドの採用と実用化におけるグローバルリーダーであり、一方北米は、貯蔵技術で突出している。同報告書では、これらの地域は「次世代分散型エネルギーシステムの開発と展開にかけては先頭に立つ立場にある」と述べている。

• 同レポートでは、エネルギー管理システム、配電管理システム、通信技術は、エネルギー貯蔵、分散型発電、マイクログリッドに不可欠なイネーブリング・テクノロジー(実現技術)であるとされており、多くの場合においてクラウド内で提供されるであろうネット・メータリング、不可集約、リアルタイムエネルギー監視にとっても同様である。

Carvalloは続けて、以下のように述べています。
「同報告書のリサーチから浮かび上がってきた相互関連性のある重要なテーマは、3つの技術の市場を動かすための顧客需要の必要性と、これらの研究開発戦略を鼓舞する顧客のフィードバックの必要性です。ここで本報告書は、どのようにして貯蔵、分散型発電、マイクログリッドの技術が、製造業者、ユーティリティ企業、エンドユーザー、サードパーティの供給者の重要な新しい収益源を等しく支えることができ、これらの技術を現代と未来のエネルギーシステムに組み入れるソフトウェアとシステムのための新しいグローバル市場を刺激するのかを明らかにしています。」


調査の回答者は、各技術領域益の優先順位を付けています。エネルギー貯蔵の「最良の利益」は、ピーク需要を満たす補足的電力の供給能力であることがわかりました。分散型発電の第一の利益はターゲットに絞った供給追加であると判明しました。地域需要を満たす能力が、マイクログリッドの第一の利益でした。Zprymeの報告書は、これら3つの技術領域の全ての重要性が、エネルギー消費のより効率的な管理、電力需要の増加、停電時のコストに対する認識の深まりに対する世界的関心とともに高まっていることを示しています。

また、本報告書に書かれている回答のサマリーは以下になります。

• エネルギー貯蔵採用に対する課題:エネルギー貯蔵技術の採用に対する最大の困難は、コスト(64%)、配備可能性(14%)、標準規格の欠如(7%)、統合化ソフトウェア(4%)、通信ソフトウェア(3%)であった。その他(詳細はなし)は9%だった。

• 分散型エネルギー設置のために最も重要な領域:分散型発電の配備や開発の重要性に関連する複数の領域の中で、最も高い回答を得た3つは、風力やソーラー等の再生可能エネルギーの統合(74%が非常に重要と回答)、業界の研究開発(67%が非常に重要と回答)、標準規格(67%が非常に重要と回答)であった。

• マイクログリッド構築のために最も重要な領域:マイクログリッドの配備や開発の重要性に関連する複数の領域の中で、最も高い回答を得た3つは、標準規格(66%が非常に重要と回答)、業界の研究開発(64%が非常に重要と回答)、風力やソーラー等の再生可能エネルギーの統合(55%が非常に重要と回答)であった。

本報告書『未来の電力システム:エネルギー貯蔵・分散型発電・マイクログリッドの場合(“Power Systems of the Future: The Case for Energy Storage, Distributed Generation, and Microgrids”)』(英文)の無償ダウンロードは、http://smartgrid.ieee.org/をご覧ください。

アイ・トリプル・イー・スタンダーズ・アソシエーション(IEEE-SA)は、IEEE内部にある世界的に認められた標準規格策定機関であり、世界中のスマートグリッドに対する認識とその実現に、重要な役割を果たしてきました。IEEEはスマートグリッドに関して、100を超える標準規格と開発中の規格を有しています。本資料中でも、世界で開発中のIEEEのスマートグリッドの標準規格が取り上げられています。IEEE標準規格は、世界中のスマートグリッドの効率的な展開を助けることを意図しています。

IEEE-SAは、世界で通用するスマートグリッドに相互運用性の参照モデルと知識ベースを確立するIEEE 2030等、IEEE標準規格は、IEEEの100以上の現行の標準規格のポートフォリオもしくはスマートグリッド関連の開発の標準を、重要な新局面から作りだしています。

IEEEメンバーで、IEEE P2030作業部会メンバー慶應義塾大学准教授の西 宏章氏は以下のように述べています。
『IEEE-SAは、世界に向けて情報を発信しており、その一環として本技術調査レポートが発信されたことは歓迎すべきことです。本レポートでは、欧州の分散型発電とマイクログリッド、北米の貯蔵技術が世界のグローバルリーダーに立つこと述べられていますが、残念ながら日本に関する記述はありません。つまり、我が国は技術保有国でありながら、標準化貢献や情報発信という意味では立ち遅れているといえます。我々が保有する優れた技術を、いかに世界へ知らしめるかが求められているといえるのではないでしょうか』


IEEE スマートグリッドについて


世界でスマートグリッドの動きが始まって以来、IEEEは常にその第一線にいます。IEEEは、確固たる基礎と共同研究を活用して、スマートグリッドの標準規格を開発し、ベストプラクティスを共有し、エネルギーの転換の発展を発表しています。これに加えてIEEEは、スマートグリッドへの取り組みを促進するために、関連する教育的オファーの提供や世界有数の国際会議の主催を行っています。IEEEは毎年、スマートグリッド、電力、エネルギーをテーマとする様々な国際会議を主催しており、IEEEスマートグリッド・ウェブポータルやIEEEスマートグリッド・ニューズレター等の専門的・教育的資源を提供しています。

IEEEについて


IEEEは、世界最大級の技術専門家の組織であり、人類のための技術の発達に力を注いでいます。頻繁に引用される論文、会議、技術規格、専門活動、教育活動を通じて、IEEEは航空宇宙システム、コンピューターと情報通信、バイオメディカル工学、電力、家電製品等、多種多様な分野についての信頼のおける「声」となっています。

IEEE Standards Associationについて


IEEE Standards Association(アイ・トリプル・イー・スタンダーズ・アソシエーション、IEEE-SA)は、IEEE内部の世界的に認められた標準規格策定機関であり、産業界を巻き込んだオープンなプロセスを通じて合意基準を策定し、1つの大きなステークホルダーのコミュニティー形成を行っています。IEEEの標準規格では、現時点における科学的知見と技術的知識に基づく規格とベストプラクティスを定めています。IEEE-SAには、900を超える現行標準と500以上の開発中の標準規格が揃っています。


http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/336963

エネルギー政策 節電社会をどうつくるか

2012年12月2日 10:48 カテゴリー:コラム > 社説
 ■2012総選挙■
 電力各社の電気料金引き上げの動きが続いている。再稼働できない原子力発電所の代役を務める火力発電所の燃料費が膨らみ、赤字経営が続いているためだ。
 供給が制限されるならば需要も抑える必要がある。この場合は節電である。
 小まめな消灯や重ね着でエアコンの暖房温度を下げる-など電気料金が値上げされるとなれば、節約にも自然と熱が入る。もちろん、小さな積み重ねは重要だが、これだけではおのずと限界がある。
 もっと効率的な節電社会に変えていくには国としての目標と政策が必要だ。節電はエネルギー政策の柱の一つである。
 だが、選挙の争点では「原発をどうするか」「太陽光や風力など再生可能エネルギーの活用は」などの議論が前面に出て、節電は少し影が薄くなっている。
 政府の動きもやや鈍いようにみえる。
 政府は今年3月のエネルギー・環境会議で重点28項目の規制・制度改革の行動計画を決めた。翌4月には行政刷新会議での検討を踏まえ、エネルギー分野での103項目の改革方針を閣議決定した。
 節電につながる項目もその中にある。
 例えば、住宅や建築物の省エネ基準の見直し、省エネ性能の評価制度の充実がある。これは二つの法律の成立を伴う。
 一つは改正省エネ法で、それに合わせ2020年までに省エネ基準見直しの工程表を明確にしていくとした。もう一つは都市の低炭素化を促進する法律だ。
 地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の大半は都市が発生源であり、都市の低炭素化が必要だ。そこで国土交通、環境、経済産業3省で基本方針を策定し、都市の低炭素化を後押しする。低炭素都市は節電型都市でもある。北九州市では既に実証実験が行われている。
 どちらの法案もこの春、国会に提出された。結果、都市低炭素促進法は通常国会で成立したが、改正省エネ法案は先の臨時国会で審議未了のまま廃案になった。少し足踏みするかたちになっている。
 政府の11年度第3次補正予算では経産省が「節電エコ補助金」を新設した。
 2300億円規模で、家庭や中小事業所で節電を進めるためのエネルギー管理システム導入を補助したりした。
 省エネや節電の推進、再生可能エネルギーの利用を促す補助金は他にいくらもある。ただ、節電エコ補助金の名前を冠したのは3次補正の事業だけだという。
 経産省だけでなく、他の府省にある同様の事業もこの際「節電エコ補助金」の名称で統一すれば認知度も上がり、申請窓口も一本化すれば利用も進みそうだ。
 太陽光発電など再生可能エネルギーの発電量が現状のコストで急増していけば電気料金は上がっていく。電力不足や電気料金値上げに対する当面効果的な対策は節電である。節電社会をどうつくるか。各党がもっとアイデアを競っていい。
=2012/12/02付 西日本新聞朝刊=

選挙で重視する政策は、経済対策が31%、社会保障制度の見直しが22%、原発のあり方を含むエネルギー政策が13%の順。電力不足・電力料金上昇などから原発継続=経済成長、脱原発=安全性軽視・経済性無視といったメディアの情報操作が効いています
2012年12月5日 - 20:26


ブログでも書きましたが、地域独占・総括原価主義を維持し、原発という巨大公共事業に依存していては、新しい技術開発も産業構造の転換も妨げられてしまいます。脱原発こそが最大の成長戦略なのです。このままでは「失われた30年」になってしまいます。 
2012年12月5日 - 20:26

朝日新聞の調査では、自民党が単独過半数になるとの予想です。公約を裏切った民主党の100議席割れは仕方ないとして、維新の会も50議席を上回る勢いという。いよいよ原発は逆戻り、消費税増税で公共事業、TPPも条件付きで実は参加になります。 
2012年12月5日 - 18:35 

IEEEが報告書『未来の電力システム』を作成。エネルギー貯蔵、分散型発電、マイクログリッド分野の強い潜在成長力を示したが、日本は登場しない。失敗したのにまだ規制緩和や日銀の金融緩和で成長とか言う政党がいる。日本にアル・ゴアはいない? 
2012年12月4日 - 18:16 ·

原発ゼロを言わないのは自民党と維新です。中央紙に比べて地方紙の主張が一貫してます。脱原発の工程表を示せという中国新聞の社説です。  節電が脱原発の鍵という西日本新聞の社説。省エネは雇用も作ります。 
2012年12月2日 - 17:59 

橋下維新代表代行は、環境が整えば再稼働を容認すると発言政権公約の「既設原発は30年代までにフェードアウト」は見直さず、でも「結果としてできない場合もある」と表明。これは議論のたたき台で公約ではないんですって?何を言っているか分かります?
2012年12月2日 - 23:53 ·

憲法改正して原発続行は維新と自民。公約をコロコロ変えるのが維新と民主政経塾ということでしょうか…。 ちなみに国防軍創設に反対は半分以上。  脱原発は合わせて84%。  まだ政策選挙になってません。
2012年12月2日 - 23:54 

橋下代表代行が、「卒原発は火星旅行と同じ」と「未来」を批判。しかし、「原発ゼロ」の看板を下ろして「宇宙で迷子」になった維新の会。公約をコロコロ変え、他人を攻撃することで、自らが一貫しないことを隠したい?有権者をどこへ連れて行くつもり? 
2012年12月4日

松井維新の会幹事長は、自民党との連立はないというが、一致する政策では協力とも。この党は選挙に勝つためなら公約を平気で変えるので全く信用できません。石原代表は憲法改正で連立といってます。日本はトンネルのように老朽化で崩れ落ちていきます…。 
2012年12月5日 - 18:41 ·

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