2012年12月2日日曜日

入れたい政治家、選びたい政党がないこの国の不幸


 「自民党にはこりごり、民主党にはがっかり」という言葉があるという。かといって、第3極にこれといった政党があるかといえば、疑問である。

維新の橋下氏は、アクの強い右傾化した暴走老人の言いなりになって、自らの公約を完全にフェードアウトさせるような事態を引き起こしている。結局、得票が集まる人間に節操なく擦り寄り、票集めさえすれば、後はどうなろうが知ったことかといわんばかり。

しっかりしたヴィジョンも政治哲学も何もない。この調子では、前の選挙の民主党の二の舞になってしまいそうで、とても国勢を委ねられる相手ではない。

 もう一つの第3極となって昨今メディアの前に躍り出た未来の党だが、党首討論を見る限り、嘉田氏は滋賀県のことぐらいしか視野にないようである。未来が、卒原発を謳うことしか能がないならば、それなりに他党に水をつけられるような、しっかりした原発廃止までの工程表を示して国民を納得させるべきであろし、嘉田氏が子供への税金のバラマキ以外、これといった政策目標を打ち出せなかったことにも、大きな不安を感じずにはいられない。

古賀茂明氏は「ぶれないのは、みんなの党だ」と叫び、維新の橋下氏が、暴走老人との誤った不幸な結婚を一刻も早く解消し、みんなの党と手を結ぶように必死で訴えてはいる。しかし、これまでの橋下氏の行動様式から判断すれば、古賀氏の「切なるお願い」が、聞き届けられる可能性はゼロに近い。

入れたい政治家、入れたい政党がないこの国の不幸は、一体いつに始まったことだろうか。

以下古賀氏、金子氏のツイッターの一部とWSJの記事を転載する。



迷える有権者: 自民党の安倍さんの躁状態が怖い。民主党の野田さんの鉄面皮が怖い。維新の石原さんの暴走が怖い。未来の巨大な黒子の小沢さんが怖い。
2012年12月1日 - 0:18
橋下さんへの切なるお願い その1: 間違えたということはよくお分かりだと思います。理念も政策も違う石原さんや旧たちあがれ日本の老人たちと決別してください。そして、みんなの党と選挙協力をやり直してください。そうすれば、国民は付いて来ます。
2012年12月1日 - 0:19
橋下さんと石原さん。「ロミオとジュリエットの許されない愛みたいだ。結婚しようとすると悲劇になる。」と大阪ABCのキャストでだいぶ前に警告しましたが、心配が的中してしまいました。維新の家訓とたちあがれの家訓は真逆。離婚するなら、早い方がいいと思います。最後の頑張りに期待します。
2012年12月1日 - 0:19 ·

第三極の離合集散のドタバタ劇。言動が終始一貫しているのは、みんなの党だけのような気がします。みんなは、結党以来、一度もブレていません。いい法案をたくさん出しています。維新のよいお手本でした。でも、注目されない。政策を理解しないマスコミ政治部の政局だけの報道の責任が大きいですね
2012年12月1日 - 0:20 · 詳細

野田さんは、自民党のばらまき体質を批判しています。でも、民主党は、「コンクリートから人へ」と言って、八ツ場ダム建設を認め、整備新幹線を3線同時着工、凍結されていた高速道路の建設再開など、自民党と同じ道を歩んでいます。
2012年12月1日 

安倍さんは病気が治ったからもう一度総理をやるそうです。でも自民党の病気は治るどころか悪化しています自民党政権時代、公共事業をばらまいても景気はよくなりませんでした。残ったのは借金の山。自民党の大罪の一つです。
2012年12月1日 - 0:18 ·




維新の会は民主党政経塾内閣と同じくコロコロ変わります。「未来の党」が出てきて、維新の会は慌てて「脱原発依存」に逆戻りしたが、また石原慎太郎代表が「原発をフェードアウトする」との公約を見直すと明言。この党の「脱原発」は本当に信用できません

2012年11月30日 - 18:09
「最低賃金制度の廃止」という維新公約は滅茶苦茶。何でも自己責任?これでは貧困の底が抜け、デフレがますます止まらない。「地方交付税廃止」もそうだが、「維新の会」は小泉「構造改革」の焼き直しで小泉「遺臣の会」です。これを支持する若者はマゾ?
2012年11月30日 - 18:07 
ハーバード大学のジョセフ・ナイが、安倍晋三が次期首相になるとの世論調査から、日本のナショナリズムの台頭は衰退の兆候との記事をFTに寄稿した。日本は内向きになってアジアが不安定になるとも。米国から見ても日本の右傾化は憂慮の種になっています。


2012年11月29日 - 11:32 


http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/11/28/japans-destroyer-eyes-comeback-with-party-no-7/


Japan’s ‘Destroyer’ Eyes Comeback With Party No. 7


Japan’s political “destroyer” is back, this time with party No. 7.
Agence France-Presse/Getty Images
Ichiro Ozawa, center, and parliament members raise their arms as they shout slogans at their party’s first convention in Tokyo on July 11.
While conspicuously absent from early sparring in the run-up to Japan’s general election next month, veteran lawmaker Ichiro Ozawa has returned to the spotlight.
The political kingpin who orchestrated the Democratic Party of Japan’s historic victory in 2009 then split the party with a mass defection this summer announced Tuesday that his 5-month-old party of 48 lower house lawmakers will merge with the newly formed Japan Future Party under the umbrella of anti-nuclear power.
The move is a familiar one for a political actor known for repeatedly making and breaking parties–hence the nickname–and trying to control them from an apparent supporting role.
After butting heads with Prime Minister Yoshihiko Noda in July over a sales tax hike bill he vehemently opposed, Mr. Ozawa broke off a huge chunk of the DPJ to form the People’s Life First party. But while this drama was unfolding, the nation’s attention had already shifted to popular Osaka Mayor Toru Hashimoto’s attempts to create a third force in Japanese politics with the formation of his Japan Restoration Party.
By the time former Prime Minister Shinzo Abe had made his unlikely comeback, returning to the helm of the poll-leading Liberal Democratic Party, political pundits and lawmakers alike were writing off Mr. Ozawa as a has-been who no longer wielded the influence to be an election factor.
But with less than three weeks left until the Dec. 16 election, Mr. Hashimoto’s JRP has shown itself to be less effective than expected in uniting the splinter groups and parties that have popped up in recent weeks. In particular, Mr. Hashimoto has attracted criticism for abandoning his commitment to a zero-nuclear policy in favor of reaching beyond his Osaka power base to ally with outspoken former Tokyo Gov. Shintaro Ishihara. At the same time, Mr. Ozawa’s acquittal in a political funds violation case earlier this month, liberated him from the shadows of a four-year funding scandal.
So when high-profile Shiga Gov. Yukiko Kada, known for her anti-nuclear stance, created the Japan Future Party on Tuesday, the opportunity was too good to resist for Mr. Ozawa. Along with several other minor parties, Mr. Ozawa’s group quickly joined forces with the nascent political entity, catapulting it in prominence to the nation’s third largest party in terms of lower house members, with 61–mostly from the Ozawa camp.
Mr. Hashimoto’s party has just 11 national lawmakers, although it has been leading all the smaller parties in recent opinion polls.
The 70-year-old Mr. Ozawa will no doubt relish the chance to reprise his role of managing parties and elections behind the scenes rather than as the party’s official leader. This will be his seventh party in a career of more than 40 years.
But whether he still has the presence to move the public in an electoral drama  remains to be seen.
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_553941?mod=WSJ3items

【社説】支持する政党がないのも仕方がない日本の残念な選挙

日本は早急に解決が必要な大問題をいくつも抱えている。年率で3.5%の減少となった7-9月期の国内総生産(GDP)、軟調な輸出、減少傾向にある工業生産などは次の景気後退が近づいていることを示唆している。人口の減少と高齢化もかなり進んでおり、債務残高がGDPの約2倍という日本政府の財政状況はこれまで以上に危なっかしく見える。来月には衆議院選挙が行われるが、残念なことに候補者たちはもっともらしい解決策すら提示できていない。
AP
自民党の安倍晋三総裁
 たとえば野田佳彦首相は、財政再建への取り組みで消費増税を決めたことを自らの経済面での功績のように主張している。だが、あまりにひどい政策であったため、この増税案を可決させる条件として、実現が難しい「名目3%、実質2%」の経済成長率を目標とする景気条項を法案の付則に残すことに合意せざるを得なかった。国民はこうした動きに今も反発しており、野田政権の崩壊のきっかけにもなった。

 野田首相のその他の成果としては、昨年の福島第1原発事故で高まった国民の声を受けて、日本の原発依存を減らすことに渋々合意したことが挙げられる。とはいえ、世界でも最高水準の料金を徴収している地域独占電力事業会社の改革に関して、政府はいまだにはっきりとした道筋を示していない。
 自民党の安倍晋三総裁も似たり寄ったりである。同党は、3年間で15兆円の追加公共投資を行うことで、ケインズ主義的だった「日本の失われた20年」に戻ることを約束している。法人税率を20%に引き下げるという同氏の提案は評価できるが、長引く不況のせいで現在法人税を支払っている日本企業はあまりにも少なく、その即効性には限りがあるだろう。

 安倍元首相は米国、カナダ、東南アジア諸国などが関わっている環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加にも反対している。日本にとってこのような協定は、国内市場を開放し、特にサービスの分野に刺激的な国際競争をもたらし得る最高の機会である。それでも元首相が反対しているのは、TPPがコメ農家のあいだで不評だからである。

 一方で、自民党は消費増税を概念レベルでは支持している。同党幹部が、その実施をめぐって野田首相を批判しているにもかかわらずである。安倍元首相がケインズ主義的公共投資を行うのは、見せかけの成長率を押し上げ、消費増税を実施に移すためではないか、と考える皮肉な見方もある。

 希望の兆しがあるとすれば、それはそでに控えるより有望な政治家たちだ。大阪の行政改革で有名になった橋下徹市長は、東京から地方への権限委譲を公約にしている。みんなの党は小規模だが、消費増税反対、TPP賛成など、いくつかの経済政策で正当な主張をする党として浮上した。しかし、こうした新党の動きは始まったばかりだ。有権者にはその信頼性を見極めるための時間が必要だ。TPPや原発依存に関する考え方が異なっているにもかかわらず、橋下市長が石原慎太郎前都知事と連携したことは悪い兆候であり、日本維新の会が政策よりも個性を大事にしているという見方が広がった。

 日本は自由貿易、外国企業への規制緩和、公益事業の見直しなど、幅広い改革を必要としている。ところが、政治家たちの提言を聞いていると、今回の支持政党を選びづらい選挙で有権者がどの党にも為政権を与えない可能性が高いというのも当然だと思えてくる。