2012年1月19日木曜日

保安院さん、密室会議で安全評価ですか?:ストレステスト

18日、専門家の意見聴取会議が開かれ、保安院は、関電のストレステストの結果を認め、福井県大井原発の再稼働は妥当であるという素案を示したという。

一般市民が傍聴を求めたが、会議は、警察を投入して傍聴希望者を閉めだし、密室の中で行われた。後藤氏ら、心ある2名の専門家の委員は、「傍聴を認めないのはおかしい、密室の場でやるような議論には参加しない」と会合を欠席したという。

以下はこのニュースに関するTBSと朝日新聞のウエブニュース、慶大の金子勝教授のブログを転載する。

ストレステストの妥当性については、これまでこのブログの中でも、何度も議論してきたし、保安院や保安院を支える専門家集団、ストレステストを実施する電力会社の面々が、いかに信頼のおける優秀な集団であるかについて、十二分に語りつくしてきた。

またこのストレステストの結果を最終チェックすることになっているIAEAという組織が、客観的な立場から各国の原発の設置状況を判断するというわけではなく、アメリカやヨーロッパ及びそれに追従する国々の原発については、手放しで歓迎するような原発ありきの国債組織にすぎず、国民の安全や健康という見地から電力会社のストレステストの信頼性や妥当性を抜本的な見地から検証し、客観的な判断を下してくれるような有り難い組織ではないことも、すでにブログの中に記してきた。

このような集団によって、示される原発再稼働のGOサインを誰が認めることができるのだろうか。
しかも、一端再稼働を認めれば、60年の延長が認められるのである。仲間内でかたまって、密室で会議をしなければ、結果も示すことができないようなテストとはいかほどのものなのだろうか。

テストは誰が見ても妥当であるからこそ、実施する意味があるものなのではないのか。ドイツが脱原発に至るまでには、テロや航空機事故があったときに対処できないということがひとつの大きな論点になったと思うが、日本のストレステストはそもそもそういったテスト項目が作られているのだろうか。多分、あの想像力に乏しい既得権益しか眼中にない面々がやることだから、そういった項目は「すべて想定外」になっているに違いない。

もはや安全でも安価でもない原発を再稼働させ、取り返しのつかない災害が発生したとき、電力会社は責任放棄をし、国は何もしてくれないばかりか、むしろそれを口実に国民に重い税を課すのみであるということを、我々はこの10か月間に十二分に思い知らされてきたのではないか。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4930748.html

大飯原発安全評価、傍聴締め出す形に

福井県の大飯原発の安全評価に関する専門家会議が反対派の反発で大混乱となりました。結局、一般傍聴者を締め出す形で会議は行われましたが、出席予定だった委員からも、おかしいとの声が上がっています。

 「ぜひ開かれた議論を行っていただけませんか?」
 「傍聴者の締め出しをやめてください。なぜ密室で議論するのか?

 職員らに押さえられる男性。プラカードには「原子力さようなら」の文字が。18日、原子力安全・保安院が開催した会合は、傍聴を求める人と保安院側が対立。警察が出動するなど大混乱となりました。

 そもそも18日の会合では、大飯原発3・4号機について、安全性は確保できているとした関西電力のストレステストの評価に対し、「妥当だ」との判断を示す予定でした。ストレステストの評価結果について保安院が判断を示すのは、これが初めてです。

 傍聴を認めない保安院に対し、反発する反対派の市民ら。結局、会議は別の部屋に移動し、およそ3時間半遅れで始まりました。

 枝野経産相も緊急会見。

 「こうした場がこうした形で平穏に開催されない状況にあるのは、私の立場から到底容認することはできません」(枝野幸男経産相)

 しかし、騒ぎはこれだけにとどまりません。

 「とんでもないですよ! 私も委員として責任を負っているんです」(委員の1人)

 2人の委員が「傍聴を認めないのはおかしい」として、会合を欠席したのです。

 「密室の中でやるような議論には参加しません」(芝浦工業大学非常勤講師 後藤政志委員)

 保安院は18日の会議をふまえ、結論を来月以降に出したいとし

ています。果たして議論は尽くされたと言えるのでしょうか。
(18日22:58)


大飯原発の耐性「妥当」 保安院素案 意見聴取会は混乱

定期検査で停止した原発を再稼働するための条件とされるストレステスト(耐性評価)について、経済産業省原子力安全・保安院は18日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の1次評価を妥当とする審査結果の素案を専門家の意見聴取会に示した。審査結果を示すのは全原発で初めて。
関電は、東京電力福島第一原発事故後に、電源車の配備などの安全対策をとった結果、大飯原発では想定していた地震の揺れに対する余裕が事故前の1.75倍から1.8倍に、津波は1.6倍が4倍に増えたと評価した。素案では、一部に修正を求めたがおおむね認める内容だった。
意見聴取会には開催前から原発反対を訴える市民らが詰めかけ混乱。約3時間半後に再開した。この間に枝野幸男経産相は2度の臨時会見を開催。「一部の妨害で開催されないことは筋が違う。再稼働を急ぐ気持ちは全くない」とした。

金子勝氏 ブログより


原子力安全・保安院が、関電・大飯原発の2基について「ストレステストの方法は妥当だ」とする評価を今日示す。だから危ない!電力会社・保安院・安全委員会の「やらせ3兄弟」による馴れ合い体質こそが事故を生んだのに、何の反省もなし。壊れた国です。 
17時間前 webから

細野環境大臣は原発40年廃炉が後退、例外規定がどんどん膨らむ。さらに20年延長可。たった1回きりって、60年も動かすつもり?明朝、原子力委員会がありますが、原子力ムラが多数を占め、事務局も原発維持路線で暴走しています。頑張ってみます。 
1月17日 webから