2012年2月9日木曜日

良い原子力の「良い」とは、「濡れ手に粟」で小判が懐にザクザク入ってくること?

2月7日の毎日新聞によれば、福井;高浜原発が立地する、高浜町の町議会粟野副議長は、自身が社長を努める鉄工所が、関電は中の原発関連工事を、たった5年間の間に、少なくとも133件、計7億円も受注していた事実を突き止めた。

高浜町議会は、原発再稼働を求める意見書を東電のフクイチ原発災害後、全国でいち早く可決したが、粟野副議長がその提案者だったという。

町民らからは、「原発の利害関係者が原発再稼働の旗振り訳になっている」、「公正に判断できるのか」という批判の声が上がっているという。

やらせ事件で着目された玄海原発の立地自治体である玄海町の岸本英雄町長の岸本組と、九電、玄海原発の癒着に関しては、以前から様々なブログで暴露されているが、

savechild.net/archives/4452.html
http://hunter-investigate.jp/news/2011/06/post-59.html  
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-5a92.html


朝日新聞ウエブ版でも、昨年7月11日と13日に癒着の実態を明らかにしている(関連記事は、下に転載する)が、今日の西日本新聞のウエブ版では、玄海町の岸本町長と町議の破格の外遊が取り上げられている。

数日前には朝日新聞が、内閣府の原子力委員会の中に設けられ、国の原子力政策の基本方針(大綱)を策定する専門委員会の委員である3人の大学教授に、関連業界から、報告も申告も必要としないような寄付金が渡っていることを明らかにしている。


 3人はこの会議で、フクイチでの「事故以来安全対策は随分とられている。」「高速炉は魅力的、開発すべきだといった発言を行っている」との発言をしているという。


山名氏に至っては「よい原子力のためには、業界との協力が不可欠だ」と言っているそうであるが、良い原子力の、良いとは何が良いのか。結局、「濡れ手に粟」で、自分の懐に小判がザクザク入っている良さということでしかないのでは?


一般市民の諸君、これを他人事ととして黙ってみていてていいものか。
我々消費者が支払わせている高い高い電気料金の中には、既にこうした偉い先生方への寄付金や立地自治体の首長やその手下を手懐けるためのバラマキ用の費用がしっかり含まれているのだから。


これほど利益相反が明らかな先生方や立地自治体に再稼働のお伺いを立てること自体が茶番でしかない。原発に利権に群がる貪欲な利益集団のために、再稼働など許して良いものなのだろうか。


最後に金子勝氏のブログを転載する。これまでに電力会社が原発立地自治体にばらまいた寄付金は、1600億円以上であり、新大綱会議には、立地自治体の人間は参加しているが、被害が及ぶ周辺自治体の代表は誰も参加していないという。


http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/286326


町長・町議が破格の外遊 「原発視察」一部は観光地巡


2012年2月9日 07:01 カテゴリー:社会 九州 > 佐賀

 九州電力玄海原発のある佐賀県玄海町の岸本英雄町長や町議が、2006年5月-10年10月の4年半の間に少なくとも16回、総額約2300万円の海外視察を行っていたことが分かった。7回は中国やフランスの原発など電力関連施設の視察で、観光地巡りを日程に組み込んだケースもあった。終了後に作成する報告書は過去の報告を使い回しした例もあり、識者は「町の規模から言えば破格の視察状況。原発マネーで財政が潤う町だからこそ、できることで、本当に必要な視察なのか成果を検証すべきだ」と指摘する。
文書は町長や町議が実施した06-10年度の海外視察について、町が情報公開条例に基づき行程表や精算書、報告書などを開示した。開示文書や町によると、視察16回の参加は町長8回、議長7回、町議(元職含む)延べ49人12回。町議会常任委員会や電源地域振興センター(東京)などが主催する研修や視察、交流のある海外都市への視察などとして実施された。
議長と町議3人が10年5月にフィリピンに行った「国外のエネルギー事情と地域振興策の視察」(4泊5日)では、2日目に閉鎖されたバターン原発を視察。その後、観光スポットとして知られる商業施設や戦跡を巡った。費用は計約129万円。
町長らが07年4-5月に実施した「欧州原子力施設の見学会・グラブリーヌ町との交流」(8泊9日)ではグラブリーヌ原発などを訪問し、地元町長と面会。目的は不明だが、ジュネーブやリヨンにも滞在している。費用は約736万円。
視察後、参加者は町議会規則や「慣例」(総務課)に基づき報告書を作成するが、首をかしげるような内容もある。
06年5月の中国・青島視察に参加した町議はA4用紙2枚を提出。青島について「1984年に特別経済技術開発区に指定されて以来、海外からの投資が集中し、近代建設が急ピッチで進展した」と記す。この部分はインターネット上の百科事典「ウィキペディア」とほぼ同じ表現だった。
また、別の町議は、08年5月の中国・海南省視察の報告書で現地の農場や漁業施設について「自分の目で見ての第一印象は『思った以上に広大だったこと。やはり日本のような一民間事業者でできるような事業ではない』…」などと記載。この町議は07年5月の中国・重慶視察でもほぼ同じ言い回しを使っていた。
こうした海外視察は、町の一般会計予算の総務費や議会費が財源。宿泊料や航空運賃などとともに、参加者の日当(1日当たり最大7200円)や支度料(最大約3万9千円)も含まれる。
海外視察について、岸本町長は「見るのと聞くのは大違い。海外で文化の違いを体験すれば、職員や議員も気持ちの面で変わる。成果を地域にどう反映するか考えないといけないが、臆病になって視察に行かないのが問題だ」と語った。
=2012/02/09付 西日本新聞朝刊=

原子力委3人に業界から寄付 5年間で1800万円

関連トピックス

東京電力福島第一原発事故後の原子力
政策の基本方針(原子力政策大綱)を決めるため内閣府原子力
委員会に設けられている会議の専門委員23人のうち、原子力
が専門の大学教授3人全員が、2010年度までの5年間に原発
関連の企業・団体から計1839万円の寄付を受けていた。朝日新聞
の調べでわかった。
会議では、福島の事故後に政府が打ち出した減原発方針が大綱にどう反映されるかが焦点となって
いる。原子力委の事務局は3人の選定理由を「安全性などの専門知識を期待した」と説明するが、
電力会社や原発メーカーと密接なつながりがあったことになる。
3人は東京大の田中知(さとる=日本原子力学会長)、大阪大の山口彰、京都大の山名元(はじむ)
の各教授。3人は寄付を認めたうえで、「会議での発言は寄付に左右されない」などと話している。
この会議は10年11月に設置された大綱策定会議。元東京大原子力研究総合センター長の
近藤駿介委員長ら原子力委員5人と専門委員で構成され、今年8月をめどに大綱をつくる。
寄付は所属大学に情報公開請求し、公開対象の過去5年分が判明した。
寄付をしていたのは、青森県に大間原発を建設中の電源開発、茨城・福井両県に原発をもつ日本
原子力発電の電力2社▽日立製作所、日立GEニュークリア・エナジー、三菱重工業の各原発メー
カー▽原子力関連企業・団体でつくる業界団体「日本原子力産業協会」の地方組織である関西、
東北原子力懇談会▽関西電力のグループ会社の原子力エンジニアリング。
このうち山名教授への50万円は、策定会議の専門委員に就任した後の11年2月に関西原子力
懇談会から受けたものだった。
3人は会議で「福島の事故を受けて安全対策は随分とられて
いる」「高速炉は魅力。開発は続けるべきだ」などと発言している。
寄付は研究助成が名目で奨学寄付とも呼ばれ、企業・団体が研究者を指定して大学の口座に振り
込む。教授側は使い道を大学に申告し、一部は大学の会計に入ることもあるが、企業・団体へ
の報告義務はない。企業・団体からの受託研究費などと比べ、研究
者が扱いやすい資金とされる。
原子力委は業界からの金銭支援について委員らから申告させて
いない。(大谷聡、二階堂祐介)
寄付を受けていた3教授
田中知・東京大教授 計400万円
(電源開発100万、日立製作所120万、日立GEニュークリア・エナジー〈日立GE〉180万)
「研究のために受けている。寄付で、策定会議などでの発言が影響されては
いけないという意識がかえって高まる
山口彰・大阪大教授 計824万円
(日本原子力発電250万、三菱重工業200万、関西原子力懇談会124万、原子力エンジニアリング
250万)
「寄付は研究のために使用している。会議では個人の立場で、自分なりに厳しいことも発言している」
山名元・京都大教授 計615万円
(日立GE180万、関西原子力懇談会400万、東北原子力懇談会35万)
「原子力を前に進めるための寄付なら受ける。癒着ではない。良い原子力のためには
業界との協力は必要だ」
3教授に寄付していた企業・団体の話
●日本原子力発電 奨学寄付金の制度にのっとってやっている。山口教授は大学で就職を担当して
いた当時に支援を始めた。
●電源開発 田中教授に寄付した当時は学生の電力業界離れが起きており、理解促進のためだっ」
た。
●三菱重工業 専門性を持った研究成果が当社の技術開発につながり、我が国の原子力産業の
技術力の向上につながる。
●日立GEニュークリア・エナジー 社内でテーマを決めて出している。原子力委にいる教授を意識
しているわけではない。
●原子力エンジニアリング 原子力技術の一層の向上と人材育成に寄与するため、企業の社会的
貢献の一環として寄付した。
●関西原子力懇談会 専門性への助成であって、政策的なことは考えていない。福島の事故後も
総額を含め大きな変更はない。
●東北原子力懇談会 山名教授の研究方針に同意したため出したが、これまでに寄付したのはこの
1件だけだ。
※日立GEは日立製作所と米国のゼネラル・エレクトリックが07年に設立。原子力エンジニアリング
の業務は原発の保守
〈原子力委員会〉 1956年に「国の原子力政策を計画的に遂行するため」として原子力基本法に
基づき設置された。原子力の研究、開発、利用の基本方針となる国の原子力政策大綱をつくる。
原子力委員は国会の同意を経て首相が任命する。
同じく内閣府にある原子力安全委員会は78年、原子力委から安全規制
の役割を切り離すかたちで発足した。安全委員は元東大教授の
班目(まだらめ)春樹委員長ら5人。省庁や電力会社に指示・
勧告する権限を持つが、班目氏を含む安全委員2人と、その下
の審査委員84人のうち22人が、原発関連の企業・団体から
過去5年に計約8500万円の寄付を受けたことが朝日新聞の
調査で明らかになっている。
金子勝氏ツイッター
まだまだ出てくる原発マネーのバラマキです。原発立地自治体に電力会社
が出した寄付金総額が1600億円以上に及ぶことが明らかに原子力
委員会の新大綱策定会議には利益相反の立地自治体しか参加してお
らず被害が及ぶ周辺自治体の代表がいません


http://www.asahi.com/national/update/0713/SEB201107130078.html?ref=reca


原発関連の工事4億円受注 玄海町議の次男の会社


九州電力玄海原子力発電所の地元、佐賀県玄海町の町議会原子力対策特別委員長、中山昭和(てるかず)議員(66)の次男が経営する建設会社・中山組(玄海町)が、過去4年間に原発立地に伴う交付金関連工事を計12件、4億227万円受注していたことがわかった。
 中山組から提出され、佐賀県に保管されている2005~09年度の工事経歴書によると、交付金関連工事の受注額は05年度はゼロ、06、07年度は岸本英雄町長の弟が経営する岸本組(唐津市)の下請けとしてそれぞれ6846万円(1件)、4105万円(1件)、08年度は町発注と岸本組の下請けが計3件、8297万円だった。ところが、09年度は町発注の7件、2億979万円にのぼり、受注額全体の59%を占めた。中山氏は09年10月に原子力対策特別委員長に就任した。
 法人登記簿謄本によると、中山氏は町議に初当選する前年の00年12月まで中山組の社長を務めていた。現在は中山氏の次男が社長、妻と長男が取締役に名を連ねる。

玄海町長の弟の建設会社、九電から54億円受注


 九州電力玄海原子力発電所がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長の実弟が社長を務める建設会社「岸本組」(本社・同県唐津市)が、1994~2009年度(決算期は5月~翌年4月)の16年間に九電から少なくとも約54億円分の工事を受注していたことが分かった。玄海原発2、3号機の運転再開問題で、九電は玄海町長の同意を再開への条件の一つとしていた。
 佐賀県に提出された岸本組の工事経歴書によると、16年間に玄海原発内の建設や修繕で約54億円分の工事を九電から受注。同じ期間に、電源立地地域対策交付金や県核燃料サイクル補助金など電源三法交付金を利用した町発注工事も約23億7千万円分受注している。
 09年度の岸本組の売り上げは約41億5千万円。うち約1億6230万円(3.9%)が九電発注、約4億4990万円(10.8%)が同交付金を使った町発注の工事だった。
 岸本町長は岸本組の専務から県議を経て2006年8月に町長就任。以降、岸本組の年間売上高は20億~50億円台を推移している。
 岸本町長の資産報告書によると、町長は岸本組の7520株を保有し、09年度の保有割合は12.5%で第3位の株主。町長によると、町長就任以降、計約1千万円の株の売却益を得たという。
 岸本町長は取材に「九電からの受注額も、町からの受注額も町長就任以降、増えていない。やましいところは全くない。岸本組の株は今、無配当だ」と語った。