先日、大飯原発に、視察に行った古賀茂明氏は、プレスを隔離、同行の代表取材も拒否したという。末端の一番危ない部署で働く作業員は身元も不明なケースも多く、そういった意味で日本の原発は、常に危険にさらされているにもかかわらず、安全上の理由などという理由にならない理由をつけてプレスを隔離するのである。電力会社が電力会社ならば、行政も行政である。
保安院はストレステストの結果を認め、安全委員会は今日それを確認した。地元の理解を得られれば、政府三役の政治的な判断で再稼働を決めるという。
フクシマ原発の事故原因の解明すらまだ何もなされず、原発の安全基準についても何一つはっきりしていない。規制庁の発足すら見通しがたっていない現状である。
原発のメルトダウンを食い止めるために誰一人としてまともな対応ができなかった保安院、安全委員会のメンバーが、原発の安全性を検証するテストの結果をチェックし、3.11の時に、国民に対して大嘘をついて重大な情報を隠蔽し、地元の人達の被曝を許してしまった政治家が、原発再稼働の政治的判断を行うとは、何たる茶番だろうか。
まともな倫理規範のある国であれば、決してあってはならないことが、ここでは平然となされていく。そのことに対して、大型メディアのジャーナリストや大企業の経営者の多くは、声を上げて電力会社と国が一体になった暴走に対してしっかり歯止めをかけるどころか、、私利私欲のためだけに、必死で原発の再稼働に拍車をかけようとやっきになっているのである。
この国は一体いつの間にこんなに情けない、救いがたい国に成り下がったのだろうか。
日本の昔の政治家は、私財を投げ打って国政のために粉骨砕身働いたという。会社のトップは、社会に迷惑をかけたり、騒がせたりするようなことがあれば、周りからわいわい責め立てられなくても、引け際を心得、自らの命を断つことで自分できっちり幕引きをし、社会的責任を負うたと聞く。
人々の上に立つ社会的影響力をもった人間が右を向いても、左を向いても、品性を疑うような厚顔無恥な輩ばかり、まさに世も末である。
古賀氏は大飯原発の安全性について疑問を投じ、同行の代表取材さえ拒否されたことを発言した後、テレ朝のワイドスクランブル木曜の4月からの出演を理由もなく降板しろと言われたことをツィッターで、つぶやいた。
幸いにして、多くの人々の抗議のツィート、リツィートのおかげで、4月からのレギュラーが復活したそうだが、テレ朝に内部では、必死で戦っている少数の人たちがいるという。玉川徹氏などもその一人であろう。
古賀氏のような大きな組織を離れ、大きな志をいだいて戦っている個人まで抑圧するようでは、日本はお終いである。志と良心のある多くの人達の力で、彼が復活できたことはせめてもの救いである。
以下東電料金値上げと、大飯原発再稼働関連の記事を転載する。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201203210126.html
東電料金上げ「拒絶可能、説明せず」と批判 経産相が改善指示
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_411830徹底したコスト削減を=東電の電気料金値上げに注文―松原消費者相
松原仁消費者担当相は21日の閣議後記者会見で、東京電力の電気料金値上げに「重大な関心を持っている」と述べ、徹底した合理化によるコスト削減を実現しなければ、国民の理解は得られないとの認識を示した。
松原消費者相は、家庭用電気料金の改定は国民生活に重大な影響を与えるとした上で、経済産業省と協議し「消費者への影響を踏まえて厳正に対応していきたい」と述べた。
[時事通信社]
事業者の4月からの電気料金値上げは、遅らせる事ができる
文・荻原博子
4月1日から、電気料金が、平均で17%上がるという通知を、東京電力からもらった事業者の方も多いと思います。
ただし、事業者の了承が無ければ、契約期間内に上げる事はできないということで、これを知らずに諦めていると、損する方も出てくると思います。
実は、先週金曜日に、世田谷区の保坂展人区長から電話がありました。世田谷区が東電と昨年に結んだ契約は、平成23年6月15日から平成24年6月14日。本来ならば、電気料金の値上げは契約更新時点に行われるものなので、今の契約が切れる6月15日までは値上げしないで欲しいと申し入れ、値上げを6月まで阻止したというのです。
「世田谷区の場合、平成23年度のPPS(特定規模電気事業者)以外の電気の契約は、5億6800万円。これが、4月から値上がりするのと、契約切れの6月から上がるのでは、なんと1500万円も電気料金が違ってきます。これは、大きい。東電は事業者に、4月1日の値上げに承服できない人は、3月30日までに“専用ダイヤル”に電話くださいと書いています。つまり、それを過ぎたら、勝手に契約中でも値上げしますよということなのでしょう」
東電に問い合わせると、「4月までに周知徹底し、ご理解を得ます」とのことですが、約24万件もある事業者すべてにあと2週間ほどでコンタクトをとれるとはとても思えません。
文句を言わない人は、契約途中でも自動的に電気料金を上げられてしまうということなので、それが嫌なら、早めに電話して、契約期間が終わるまでは値上げに応じない旨を伝えたほうがいいでしょう。
今のところ、これに気づかずに文句を言わない人は、自動的に4月から電気料金が値上がりするようですが、事業者が気づいて声を上げれば、4月以降でも何らかの配慮はなされるのではないかと思います。