2012年10月11日木曜日

京大の小出助教への処遇:ノーベル賞の山中教授はどう考える?

 メディアは、明けても暮れても京大の山中教授のノーベル賞受賞に湧いている。崩れ行くこの国には、他にとりたてて報道すべき重要なニュースは何も存在しないかの如くである。

氏には今後も、多くの人々の生命に関わるような重要な研究を、一歩でも先に進めて頂きないと願うばかりだ。

その一方で、氏の研究領域が、専門馬鹿で留まっていてはならない、生命倫理の問題に深く関わる分野であるがゆえに、世事に疎いようでは困る。

いずれにしても、彼は今や日本のヒーローとして殿堂入りし、何を言っても許される、揺るぎない社会的地位を確保したといっても過言ではない。

それゆえに、そんな山中教授に今こそ、あえて聞いてみたい。

山中教授は、同じ京都大学の片隅で冷遇されている京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏の処遇についてどのように考えるのか。また同じ科学者として、日本の原子力行政に深く関わってきた原子力ムラの科学者に対して、彼は何を思うのか。

メディアも、寝ても覚めても山中氏の生い立ちや家族関係など穿り出してうかれている暇があったら、この国が今も直面している深刻な原発問題から目をそらさず、人の命の尊厳の問題を直視せざる得ない立場にある山中氏が、この問題に対して、日本を代表する科学者として、どのように考えているのか、是非マイクを向けてもらいたいと思うのは、薔薇っ子だけだろうか。