2011年4月23日土曜日

世界は原子力からLNGへ

日本原子力産業協会(JAIEF)のサイトで、現在日本で建設中、計画中、閉鎖済みの原発がどこにあるかを示すサイトがあるはずなのに、どういうわけか、現在工事中になっている。工事中にしなければならないほど刻々と変わる情報でもあるまいに、誠にもって不可解である。何でも都合が悪くなると隠蔽に走るのかと邪推されても致し方あるまい。

さらに、次のような記事をみつけた。
<世界の発電の主流は原子力からLNGへ>

東京電力 <9501> の福島第一原発の事故により、世界の発電の主流は原子力発電からLNG火力発電に切り替わる可能性が高まった。

福島原発の事故後、米国の格付け大手3社がそろって、今後は世界的に原子力発電に対する安全規制が強まることは確実で、原子力発電は建設のコスト、事故処理のコストを考えた場合、コスト競争力で他の発電方法に劣るとの評価を出した。
何かにつけ、アメリカや海外の動きに追従する日本が、地震大国と言われ、地殻変動が活発な時期に入ったと言われている日本が、脱原発を目指さずして何を目指ざそうというのか?
「安全点検さえすればそのまま稼働すればよい」といっている国民が多いということだが、海水ポンプが建屋の中にあればいい、あるいは予備の移動発電車と消防のポンプ車を1台据え付けておけば、「それで安全」とお茶をにごして済ますことができるような問題だろうか。
アメリカの無人偵察機の力を借り、ロボットの力を借り、フランスのアルバ社の知恵や、中国・ドイツの海水注入車の恩恵によくさなければ手も足も出せず、汚水の流出をふせぐためにおがくずや新聞紙をつめ込んでいるような素人が見てもどんくさすぎるお粗末な対処の経緯が全世界に広く発信されている状況をどう考えるのか。アメリカの専門家は、「もしアメリカの原発で同種のトラブルが起きた場合、アメリカはそれを直ちに収束させる力を持っている」と言い切ったが、第一原発では原発の設計図さえ喪失していたという。
統計をとれば当然人口密集地に住む人達の意見が多く反映されることになる。もちろん人口密集地に原発はないから、彼らにとって原発問題は対岸の火事でしかないし、原発が止まって計画節電になるのは困ると考える人達が原発支持に回っているのかもしれないが、前回のブログでも書いたように、京大の専門家は、原発などなくても電力不足は起こらないと言い切っている。
先日ロシアのジャーナリストがある民放のテレビ番組に出演し、「水力発電所でも事故が起こればたくさん死傷者が出るから原発が悪い」とはいえないというような発言をしていたが、彼はチェルノブイリの風下に広がった放射能汚染が長期的に及んで人体にもたらす被害の恐ろしさ、それ以上に一生影響に怯えて生きていかなければならない多くの住民の精神的な苦悩が、いかほどのものか全く認識していない。
世界の流れが原子力からLNGへと大きく変わりつつある中で、世界に放射能物質をまき散らしている当事者の日本が、日本国民が、原発に関して現状維持を表明し続けてもいいのだろうか。現状維持を続けることは、それこそ諸外国に対して、日本国民の危機管理意識の低さ、問題認識能力のなさを露呈することになるのではないか。