2011年6月13日月曜日

10万人の草の根運動という事実


 New York Times紙には、日本の補助金頼りが原発依存に結び付いていると以下で指摘している。

しかし、6月11日の震災3カ月目の日は日本全国で約10万人もの人々が立ち上がったという。原発問題を政争の具にしている人たちではなく、一般市民(主婦や高校生など)の飛び入り参加が多かったという。

まさに草の根運動はじわじわと補助金で骨抜きにされたこの国でも広がりつつあるという事実を、国民のすべてが金の亡者でなく自分たちの意志をもって行動しているということを世界に知らしめる必要がある。

そして国民の代弁者たる政治家たちは、この事実を重く受けとめ、この大きな変化に早急に対応する必要があるのではないか。

http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011053101001118.html

「原発依存は日本の現実」と米紙 補助金頼りの構造指摘


 東京電力福島第1原発。(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機=4月26日(防衛省提供)
 【ニューヨーク共同】5月31日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、福島第1原発事故で原発の安全性に深刻な懸念が生じた後も、日本で草の根の大規模な反対運動が起きないのは、政府や電気事業者から支出される補助金に依存する地域構造があるからだと分析する長文の記事を掲載した。
「日本の原発依存」という見出しの記事は、補助金や雇用が日本の原発を「揺るぎない現実」にしていると報道。
松江市の島根原発を取り上げ「40年以上前に立地の話が持ち上がった時は、地元の漁村が猛反対し、中国電力は計画断念寸前に追い込まれた」と指摘。しかしその約20年後には「漁協に押された地元議会が3号機の新規建設の請願を可決した」とし、背景に公共工事による立派な施設建設や潤沢な補助金があったと伝えた。
同紙は、補助金への依存により、漁業などの地場産業が衰退していくと報道。広島、長崎で原爆投下を経験しながら、米国のスリーマイルアイランド原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発の事故後に欧米で起きたような反原発運動が起きなかったのは、補助金への依存が理由とした。
記事は「この依存構造のせいで地元は原発に異を唱えられなくなる」とする福島大副学長の清水修二教授(地方財政論)のコメントも伝えた。
2011/06/01 00:00   【共同通信】

オーストリア、ドイツ、スイス、そしてイタリアも原発撤廃へ

 オーストリア、ドイツ、スイスに続いて、イタリアでも原発撤廃の方向が明らかになった。国民のデモクラシーが成熟した国では、国民の生命・安全・生活を大きく左右する重要な決断を必要とする場合、国民投票によって、国のあるべき姿が、企業(電力、電機関連企業、テレビ局)の利権や行政・政府の思惑とははっきり独立した形で、しっかり打ち出されていく。
原発事件を引き起こした当事者の日本がいまだに方向転換に向かって大きな舵とりができず、手をこまねいている状況を、これらの国の人々は一体どんなまなざしで見ているだろうか。


国民の健康や安全を犠牲にしても、企業・役人・政治家と一部の地域住民の利権ばかりが最優先される金権主義の非情な国と映ったところで、仕方があるまい。


文末にReuterの記事2つを転載するが、こんなニュースもあった。
原発推進国フランスの国民も福島の惨状を見て、さすがに目覚めたのかもしれない。


http://news24.jp/articles/2011/06/12/10184380.html



原発事故から3か月 世界各地で反原発デモ

< 2011年6月12日 8:53 >
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 福島第一原子力発電所の事故から3か月がたった11日、原発反対を訴えるデモが世界各地で行われた。
フランス・パリでは、約1000人がプラカードなどを掲げて行進した。フランスは電力の8割を原発に頼る「原発大国」だが、最近の世論調査では「原発を廃止すべき」と答える人が7割を超えている。



まだ本格的な夏からは程遠い6月半ば、福島原発の作業員はすでに10数名が熱中症に陥り、一部の作業員からはさらに内部被ばくが発覚し、現場の高濃度汚染水の処理作業は、困難を極め、建屋の補強工事にも大した進展が見られないという。アメリカ、フランスの最新技術を投入しても、一向事態は収束に向かわないというのが現実である。


事故以来、現場と東電と政府のコミュニケーションがちぐはぐだと言われてきたが、まこと水素爆発以降、原発から出ている放射能物質の線量はわずかで、「安全で健康被害がない」のならば、東電と政府の原発関係者や研究者は、福島第一の現地対策本部で対応すべきではないのか。


先日、日本の地震学者たちによる地震の予測に関する大幅な見直しが行われたが、実際、6月13日にはクライエスト・チャーチで、震度6の余震が発生し、6日にはチリで大きな火山が噴火し、その影響がはるかオーストリア、ニュージーランドにまで大きく波及している。日本でも6日、草津白根山で火山性地震が多発しているという。


ここ数日間の間に起きたこれら一連の事象を見るだけでも、環太平洋地震帯の地殻変動が非常に活発化していることが容易に推察される。大型の地震や津波にはひとたまりもない原発をいつまで動かし続けるのか。我が国は一刻の猶予もなく、エネルギー改革の方向に大きく舵とりするべき時局を迎えているのではないか。


近頃、テレビを見ていると「再生可能エネルギーは、まだまだ開発途上」といった声がよく飛んでくる。しかしそれは原発産業を振興させるために、邪魔な代替エネルギー開発の芽を摘んできたせいであろう。


また「火力発電所は老朽化してすぐに再稼働できない、大都市が夏場に停電すると如何に大変か、やっぱり我々は原発に頼らざるをえないじゃないか」というような含みのあるメッセージも、これとセットでよく報じられる。しかし、うまみの多い原発の開発や権力者や地域住民の買収に忙しく、せっかく高い工事費をかけて建設し、それまでは十全に稼働していたはずの火力発電所を、何十年も荒れ放題になるまで放置し続け、天然ガスの発電所の設置にも消極的だったのは一体誰のせいなのか。


現在進行中の原発や処理場の建設工事はすべて中止し、早急に送電線分離を実現し、再生可能なエネルギーの開発を急ぐ傍ら、当面は一刻も早く、全国の水力火力発電所の補修と、天然ガスの発電所の増設を行うことで、当面の対応を進めるべきではないのか。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21676920110613

イタリアが国民投票で原発再開計画を撤廃へ

2011年 06月 14日 01:58 JST
 6月13日、イタリアで行われた原発再開の是非を問う国民投票は、投票率が投票成立の条件である50%を上回り、原発再開計画が撤廃される見通しとなった。写真は同日、ローマで(2011年 ロイター/Stefano Rellandini)


[ローマ 13日 ロイター] イタリアで行われていた原発再開の是非を問う国民投票は、投票率が投票成立の条件である50%超を上回り、原発再開計画が撤廃される見通しとなった。原子力推進派であるベルルスコーニ首相にとっては、前月の地方戦大敗に続き、大きな痛手となる。
内務省の発表によると、投票率は57%で、およそ98%が開票された。閣僚の一部は国民にボイコットを呼びかけていたが、投票率は前回と比べて高水準となった。 
今回の国民投票は、原発再開のほか水道会社の民営化など4つの案件の是非を問う内容。
ベルルスコーニ首相は記者会見で「イタリア国民が下している判断に従い、われわれはおそらく原発の可能性に別れを告げ、再生可能エネルギーに注力しなければならない」と語った。少なくとも原発再開の国民投票については、敗北を認めたもよう。
http://jp.reuters.com/article/jp_quake/idJP2011061301000695

イタリア、反原発派が圧勝

2011年 06月 14日 01:18 JST





【ローマ共同】原発再開の是非を問い、12、13の両日行われたイタリアの国民投票は13日午後3時(日本時間同10時)から即日開票された。3月の福島第1原発事故後、原発をめぐる国民投票が行われるのは世界で初めて。イタリア内務省は在外投票を除いた投票率が56・99%で確定したと発表。ANSA通信などは、反原発票が94・4%に達したと伝えた。