2011年11月9日水曜日

NIMBY Problem : Fukushima Nuclear Crisis

 東京都の石原都知事は、率先して被災地のがれきの受け入れを率先して行い、英雄気取りで、野田氏をある種、無能と言い放ち、国民はダメになった、反対派は「黙れ」と斬り捨てた。

それに対して、中部大学の武田氏は専門的な立場からこれに猛然と反対し、WSJはこれをNIMBY Problem として描き出しているので、以下転載する。

NIMBY という点でいえば、石原氏は率先というならば、松濤の知事公舎や息子や孫、軍団の人々の自宅の敷地や議員宿舎の敷地内にまずそれを引き受けてから、発言してもらいたいものである。

フクシマ原発のクライシスさえなければ、どの自治体が、国民の誰ががれきの受け入れを拒んだろうか。自治体の首長が住民の健康や安全を最大限守るべき義務がある。

運びこむ前に5,6箇所で線量を計測したというが、今後50万トンものがれきが搬入される過程では、線量計測器の不具合も、計測ミスも当然あると考えるほうが妥当である。なぜならば、東電のようなこの分野のプロ集団の技術をもってしても、この7ヶ月間に何度計測ミスを重ねてきたかを思い起こせば、線量計測の難しさ、いい加減さは自明だからである。

原発立県の宮城や福島は原発の敷地内あるいはその周辺で処理すべきである。被災地の中で、唯一原発立県ではない岩手県のがれきは、隣県である青森の原発敷地内に運びこむか、高い運送料を支払うのであれば、佐賀、福井、新潟、島根などの原発立県、とりわけ何十年にもわたって、多大な交付金の恩恵に浴し、それと引換に原発受け入れを積極的に実施してきた、あるいは今なお、率先して再稼働を主張している自治体が引き受けるべきであり、がれきはそれぞれの原発のある敷地内あるいはその周辺に運びこみ、処理するのが、もっとも公正で理にかなったやり方であると考えるのは、薔薇っ子だけだろうか。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111105ddm041040064000c.html

東日本大震災:がれき受け入れ苦情「日本人、だめになった証拠だ」 石原都知事が批判

東日本大震災で発生した岩手県宮古市のがれき(災害廃棄物)を東京都が受け入れたことに抗議や苦情が相次いでいることについて、石原慎太郎都知事は4日の定例会見で「何もせずにどうするのか。力のあるところが手伝わなかったらしょうがない。みんな自分のことしか考えない。日本人がだめになった証拠の一つだ」と痛烈に批判した。
都によると、2日現在、「がれきを持ち込まないでほしい」などと苦情や抗議が2868件寄せられる一方で、賛成は199件。石原知事は「がれきから放射能が、出ているものを持ってくるのではない。(放射線量を)測って何でもないから持ってきている。東京だってばかじゃありませんよ」と話した。【武内亮】

石原都知事が野田首相バッサリ「ある意味無能」

2011.11.9 05:00
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東日本大震災で発生したがれきの広域処理に乗り出した東京都の石原慎太郎知事(79)は8日、「がれきの問題で、野田(佳彦首相)は何で出てこないんだ。自分の言葉で言ったらいい」と発言。放射性物質を含んだがれきと一般のがれきの違いを説明しない首相を批判した。
川崎市で開かれた首都圏の知事と政令市の市長による「9都県市首脳会議」の後に語った。同会議では、国にがれきの違いを明確にするよう求める提言を採択した。
また、石原氏は「ぶら下がり取材は生で話すから、親近感や信ぴょう性がある」とし、ぶら下がり取材に応じない首相について「結局、ある意味無能なんじゃないの。低姿勢か何か知らんが…」と語った。
「水飲み事件」と「黙れ!」事件・・・瓦礫に反撃
最近、ある政務官の「水飲み事件」がありました。政務官が「放射性物質が含まれている水」をテレビの前で飲んで「安全性をアピールした」と言うのです。

なにか、意味があるニュースなのでしょうか? 致死量の100分の1程度の放射性物質を含んだコップ一杯の水を飲んでも成人男子が健康を害することが無いのは誰でもわかりますし、今、問題になっているのは「わずかに汚染された水を飲み続ける子供の健康」の問題なのです。お母さんが心配しているのは政務官が直ちに倒れることではありません。

5歳の子供が10年後に15歳で病気になることを防ごうとしているのです。なんの役にも立たず、何のニュースでもないものが流れたという印象を持ちました。こんなことをするならやるべきことは多くあるのに残念です。
また倫理的にも糾弾しなければなりません。日本の法律ではみだりに被曝することを禁止しています。「直ちに」政務官の健康に影響がなくても法の精神に真っ向から反することをするというのは、国政に参加するものの最低の倫理にも悖るでしょう。

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都知事が瓦礫を持ち込むことに反対している多くの都民に「(バカ!)黙れ!」と叫びました。()の中は私の補足ですが、もし都知事を選んだ都民がよく考えている人たちなら「黙れ」とは言わないでしょう。

都民が心配しているのは、福島原発から漏れた量は政府発表でも約80京ベクレル(万テラベクレル)で、その2倍、3倍というデータもあります。これを日本人一人あたりで割ると、一人あたり80億ベクレルになります。

人間が健康を維持する限度は1年1ミリで、かならず病気になるのが1年100ミリです。1キログラム100ベクレルの食品を1日で食べると1ミリシーベルトの被曝を受けますから、1年100みミリになるのは1万ベクレルの食品を食べることを意味しています。

つまり80億ベクレルというのは毎日、必ず病気になる1年100ミリなる食事を80万日食べることを意味しています。

人間の一生は3万日ですから、福島から漏れた放射性物質が瓦礫などによって日本中に飛散した場合、そのうち食材や空間線量として私たちを襲ってきますが、それは耐えられる量ではないのです。

そこで、都民は知事に「瓦礫を受け入れるというのは、その瓦礫が東京の汚染より高いか低いかではなく、最終的に東京に住んでいる人が外部被曝、内部被曝、食材被曝などでどのぐらいまで引き受けるのか、その計画を示せ」と言っているのです。

都民に「黙れ」というなら、知事が「黙らずに説明」をしなければなりません。一回の瓦礫がどんなに少なくても、東京はもともと汚染されていますし、葛飾の方は1年1ミリを守るのも難しい状態です。都知事は法律(1年1ミリ)を守らない違反者なのか、遵法精神なのか、国が法律に違反したらそれに唯々諾々として従うのか、知事の意思さえ示していません。

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政治家がまともになるには、選挙もありますが、日常的に政治家の行動をチェックすることです。でも、私は知事の発言を聞いていると、到底、民主主義を支持している人には見えず、都民がなぜ今の知事を選出したのか、分かりにくいところもあります。

(平成23116日)





Nuclear Cleanup Faces ‘NIMBY’ Challenge


In handling the Fukushima Daiichi nuclear crisis, Japan has gotten help from American scientists and imported American robots. Now comes a popular American phrase: NIMBY.

Bloomberg News
An excavator removes radiated soil during a decontamination process at a park in Koriyama, Fukushima prefecture on Oct. 17.
“Of course, this is tough,” Hideki Minamikawa, vice minister of the environment ministry, told JRT in an interview, explaining where to store all the contaminated waste after the disaster after the March 11 earthquake and tsunami. “The natural response is NIMBY – not in my back yard.”
“NIMBY” was an oft-used phrase during the big International Symposium on Decontamination in Fukushima city in October. Nuclear experts from around the world urged Japan to take extra care to explain their efforts to local residents, because the knee-jerk reaction is “NIMBY,” they warned.
Japan is trying to get around the NIMBY problem by planning to move the contaminated waste from one place to another. The government has asked each municipality to store its own contaminated waste for now until it comes up with an “interim” storage facility. In the meantime, it will debate the more sensitive issue of where to store the waste permanently.
Over the weekend, the government came up with a roadmap saying it will determine in the next year and a half where the “interim” storage facilities will be, and start transferring the waste to these facilities by the beginning of 2015. But loud voices saying “NIMBY” are expected.
Some cities in Fukushima are devising their own cleanup plans, and are already tackling the “NIMBY” challenge. Back in the spring, the city of Koriyama, nearly 40 miles away from the stricken Fukushima Daiichi nuclear plant, scraped soil off the grounds of some schools, successfully reducing the level of radiation there. The city initially planned to truckloads of the contaminated soil to a landfill in another part of the city – until local residents cried “NIMBY!”
“That was a big surprise. People around here knew nothing about it,” says Akiko Murata, a 50-year-old farmer in Koriyama, tending to her rice paddy on a recent Sunday. “I thought, ‘You’ve got to be kidding.’” The landfill is a couple of kilometers away from her paddy.
Ms. Murata says she attended a town-hall meeting to oppose the move. The city changed plans and asked each school to bury its own tainted soil underneath the school grounds. Koriyama city officials concede they may not have done enough to explain its plans to the local residents near the landfill.
“They said they’re worried about the schools in the center of the city, but we have schools near here, too,” says Ms. Murata, who has three children of her own. “If you ask me where they should put the waste, I have no answer,” she says.