2012年12月3日月曜日

Facebook Needs a Dislike Button for Abe's Idea: Pesek, W.

首相を任せたい日本の政治家のトップは、なんと阿部氏で24%を獲得したという。さすが政界のプリンスといいたいところだが、もはや姿形や、ネームバリューだけで、厳しい時代の舵取りをしなければならない船頭選びをしているような時節ではない。

ところで、一体この種の調査は、どういった母集団を対象に行われているのだろうか、世論調査の結果が出る度に、いつも疑問を感じざるをえない。

大企業の経営陣や、自民党のおかげで、長年営々とバラマキの恩恵を受けてきた関係団体や個人、そして日本の右傾化を望む極々一部の過激な人々にとって阿部氏の復活は好都合であろうし、そういったところにターゲットを絞り込んで電話をかけまくったのだろうか。

前にもブログで述べたが、薔薇っ子の周辺で、未だかつて、この種の世論調査に協力を求められたという人物は、たった一人しかいない。

その一人は全く面識はないが、九州の田舎に住んでいる知人のおじいちゃんである。中卒の農業従事者でかなりのコンサバだそうだが、このおじいちゃんにはなんと過去に、6、7回、大型メディアからこの種の世論調査への協力要請があったという。

世間的には、ランダムに抽出したなどとは言われているけれども、都合の悪いことは報道せず、大本営発表の体質をそのままに残している大型メディアのやることである。実は世論調査対象者名簿みたいなものが、あるのかもしれず、数字の魔術で大衆を都合のいい方向に誘導操作しているのではないかと疑いたくもなる。

それはともかくも、経年劣化が著しいトンネルで、この週末痛ましい崩落事故が起こってしまった。1960~70年代の高度経済成長期に大量に作られた日本の高速道路やトンネルは、これまでろくなメンテナンスが出来ていなかったという。高い通行料金をとりながら、ろくなメンテもしてこなかったようだ。

ひとたび死亡事故が起こるとメディアは火がついたように集中砲火のような取材攻勢、行政批判に走るが、新幹線などの鉄道線路やトンネル、架橋の経年劣化についても同様に重視し、単に目視で点検するといった原始的な方法や、剥がれ落ちてくるコンクリートの塊を固める彌縫策を講じるのみではなく、もっと抜本的な改修工事が不可欠だろう。

道や箱物をどんどん作るだけ作って、金のかかるメンテはせず、多額の収益金を懐に入れるという公共事業の問題は、何も交通網に限ったことではない。原発にも全く同様の問題を認めることができる。こうした杜撰な管理運営を何十年もの間、行政任せにしてきたのは、誰でもない自民党である。首相経験者の阿部氏もその責任を免れない。

阿部氏が内閣官房長官であるときに、原発の全電源喪失が生じた場合はどうするのかという共産党議員の質問に対して、全電源喪失などありえないと一蹴し、何ら対策を講じようとしなかったことは有名である。

民主党政治がもたらした一層の閉塞感からの脱却を希求する国民の心情に、阿部氏の唱える改正、改革論議が幾分新鮮に響くのかもしれないが、世間知らずのおボンボンの主張する経済、国防政策は、あまりに危険すぎる。

阿部氏は、憲法改正して国防軍を作るというが、集団的自衛権を行使するためには、到底人数的にも今の自衛官だけでは十分ではない。その場合、徴兵制にするのか、志願制にするのかはわからないけれども、ただでさえ内向きで、厳格で規律正しい集団生活への適応が難しい今の若いオタク世代に、国を守るために命を賭して危険を試みず海外の敵地に出かけていき、任務を遂行することがどれほど期待できるというのか。

国のためならば喜んで命を捧げるような教育を子供の頃から徹底的に叩き込まれているような国々から見れば、平和ボケでどっぷりぬるま湯に浸ってきた軟弱な日本の国防軍など甘っちょろすぎて話にもなるまい。それとも、暴走老人と組んで、老人部隊でも組織しようというのか。

阿部氏や石原氏が組んで、日本右傾化の流れを作る事自体、周辺諸国の顰蹙を買う結果にしかならず、実に憂慮すべきである。

金融政策についてもまた然りである。阿部氏はインフレ達成のために、日銀に無制限に金融緩和をしてもらうという。しかし、日銀が無責任にマネタリーベースを増やせば、たちまちハイパーインフレが生じる。阿部氏はマネタリーベースを増やせば、適度なインフレが期待できると信じているようだが、そんなに甘いものではない。現に2001~2004年、日銀はマネタリーベースを激増させたが、マネタリーストックは増えなかった。

 昨今の日本のように、「来年は今年より一層景気が悪くなるだろう」という考え方が市場にある限り、企業は高いリスクを負ってまで設備投資をせず、ひたすら貯蓄に走ろうとする。日銀が金利をゼロまで引き下げても、金融引き締めが起きてしまう。こんな状況でいくら資金を供給したところで、市場に出回る金は増えない。

阿部氏の主張するマイナス金利の実効性にも大いに疑問が残る。

そして阿部氏といえば公共事業拡大政策であるが、経済を活性化させる自民党の政策に喜んでいるのは、ゼネコンと建設関連業界ぐらいのものだろう。多くの納税者は、自民党が過去に行ってきた税の無駄遣いには、辟易である。

取りやすい個人から搾り取るだけのものを搾り取り、その一方で法人税を引き下げて大企業に迎合する、これがこれまでの大政党のやり口であった。
日本の大企業は、納税者の犠牲の上に何とか支えられていながら、それら大企業の経営者は国民や消費者に対して、一体何を還元してくれたというのか。

アメリカならば大企業や経営者は、こぞって大口の寄付をして利益を消費者に還元しようとする。しかし、日本の大企業の経営者は、私腹を肥やすばかりで、還元するどころか、消費者の安全すら配慮しない。利益追求に遮二無二で、企業モラルが完全に欠落しているような人物が、影響力の強い経済団体のトップに君臨しているのだから、世話はない。

わずかに数年しか耐久性のないおもちゃのような機械を高額で売りつける会社もあれば、大災害を引き起こしながら、責任を負うべき人間が責任をとらず、隠蔽体質を剥き出しにしながら平然としているような不届きな会社もあり、ろくな企業努力も行わず、会社の経営状況が悪くなると、政府に資金援助を頼む呆れた大企業もある。

話は少しずれてしまったが、阿部氏の公共事業の大幅な拡大は、財務省でさえこれを牽制し、少子高齢化の時代にそぐわないことをはっきりと明言しているのである。

こんな党首に党の明暗を委ねなければならない自民党も、自民党である。

以下はブルームバーグのコラミストであるペセック氏の記事である。阿部氏がアメリカのオバマ大統領の真似をして、昨今フェイスブックでアグレッシブに自分を売り込み始め、自民の取り巻き連中や、仲良しの企業家に「いいね」のクリックをやらせているという。ペセック氏は、阿部氏の政策を批判し、「阿部氏のフェイスブックに、「いやだね」ボタンを!」と訴えている。

以下ブルームバーグの記事を転載する。

http://www.bloomberg.com/news/2012-11-26/facebook-needs-a-dislike-button-for-abe-s-ideas.html

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