ところが日本では未だに45%が原子力を発展可能なエネルギーであると主張し、71%が原子力の近代化を支持しているらしい。(ここでいう「原子力の近代化」の意味がいまいち曖昧でよくわからないが。)
これほど人騒がせ、かつ先進国にあるまじき恥ずかしい不始末を引き起こし、自分の国土が汚染され続けているにもかかわらず、日本ではなおも原発支持者が減らないのはなぜなのだろうか。
多分世界中の人々が不思議に思っているに違いない。
保安院と東電の情報操作作戦(「ただちに身体への影響はない」、「政府の発表以外は風評、デマである」「人体に影響のあるレベルではない」等々)がみごとに成功したのか、
計画停電やテレビ各社による夏の電力不足・熱中症に関する執拗ともいえるようなアピールが効を奏しているのか、
原発関連企業の恩恵に浴し、引き続き甘い汁を吸い続けたいと願っている人間の裾野がそれほど広いということなのか。
あるいは日本全国にある水力・火力発電所をフル稼働させようともせず、原発に頼らねば、電力の供給ができないと言い続けている電力会社のウソをそのまま真に受けているのだろうか。
原油の価格も下落したことだし、電力会社は、原発の地元住民やメディアを手懐けている隙があったら、放ったらかしで錆びついてしまった全国各地の水力・火力発電所をきちんと修理・整備して稼働させるべきであろう。
電力会社は火力発電所が老朽化してしまっているから大変なのだという。しかし、それらの設備はそもそもその時代の国民の多額の血税と電気代によって作られたものである。まだ十分に使えたはずの多くの立派な発電所の設備を、自分たちの都合で勝手に停止し、機械が錆びようが、配管が壊れようが、長年放置し続け、メンテナンスしなかったのは、一体誰の責任なのか。「老朽化してしまったから、すぐに使えない」云々の言い訳は、言い訳にもならない。
原発汚染のせいで、世界は日本の食品を敬遠しているという。つい先日もフランスで日本の緑茶からセシウムが検出され、廃棄処分となったが、「放射線量が高くても、皆で食べれば怖くない」「嫌なこと、厄介なことはは極力知りたくないから、うさんくさくても何でも、とりあえず国の発表をうのみにして、波風を立てずに黙って受け入れる」、「被災地を助けるために、みんなで内部被曝を覚悟しよう」などという論理は、少なくとも国際社会ではz絶対に通用しない。
グローバル化の世の中ではそうしたことを、しっかり認識した上で対応しないと、日本は、ますます信頼のおけない、訳の分からない、いい加減な国としてのイメージを強めるばかりなのではないか。
http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPJAPAN-21855020110623
世界で原発への支持急低下、日本の食品敬遠は45%
[ニューヨーク 22日 ロイター] 東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所の事故により、原子力エネルギーへの支持が世界的に急低下していることが、22日に発表された調査会社イプソスとロイターの共同調査で分かった。
4月に24カ国で約1万9000人を対象に行われた調査では、62%が原子力エネルギーに反対だと答え、約70%がすべての原発は予期せぬ出来事に対して脆弱(ぜいじゃく)と考えていることが分かった。
事故が起きた日本では、45%が依然として原子力発電を発展可能なエネルギーとみており、71%が原子力の近代化を支持していることが分かった。
また、調査を受けた全体の45%が、福島第1原発事故の影響で、魚や果物など日本から輸入された食品を少なくとも1つは避けたことがあると回答した。