原発ゼロの会主催の国会エネ調で、黒川国会事故調査委員会委員長をお招きした。
国会の下につくった国会事故調だが、報告書を提出する際にも、委員会には記者会見をやらせないという動きがあったり(塩崎代議士などの奔走で、最終的には記者会見もやり、議員向けの説明会も開かれたが)、黒川委員長を国会にお招きしようとしたら与野党の一部に反対があり、実現しなかったりとおかしなことが続いた。
これはやっぱり与野党のなかに、いまだに電力業界に媚びを売ったり、原発を推進しようとしたりする議員がいるからだ。
国会事故調は、報告書以下でも以上でもない、委員長だけが勝手に国会で発言することはおかしいなど、屁理屈を並べて、黒川委員長の参考人招致が実現しなかったのは、まさに原子力ムラよもう一度と思っている議員がいるからだ。
さらに大きな問題として、新しい規制委員会の国会人事について、国会同意人事そのもののガバナンスがきちんとしていないことが問題になっている。
自民党の場合、国会同意人事は、一部の限られた議員が政府からの提案についての審査をして賛否を決めているという現実があり、規制組織の議論をずっとやってきたプロジェクトチームのメンバーの意見すらきちんと反映されない。
政務調査会の一部の議員にとっては、極めて好都合なしくみだ。
昨今の世の中の閉塞感や政治不信の裏側には、このように国会が民主的に機能していないということがある。
議院内閣制の特徴である政府の連帯責任が、与党全員に党議拘束が掛かるように広げられ、同様に、野党も執行部の連帯責任であるべきところ、野党議員全員に党議拘束が掛かるという、極めて非民主的な運営になっている。
さらに、本来ならば衆議院議員二十人の賛同を得て提案できるはずの議員提案も、衆議院事務局が所属政党の了解がないと受け付けないという超法規的対応をしているために、政党の執行部による締めつけや一部の族議員の反対で現状維持になってしまうという悪習から抜け出せない。
こうした結果、臓器移植法同様に一部の関係者にとっては重要な問題であるはずのサマータイムや代理出産、動物愛護等、社会的に影響の大きい問題についての議論が、ごく一部の反対で封殺される。
再稼働に関する議員立法も、こうした縛りがなければ立法が可能になるのではないだろうか。
まともに国会が機能すれば、今回政府が提示した新しい規制組織の同意人事など、まちがいなく否決されるのではないか。
「決められない政治」というのは、政府だけの問題ではない。国権の最高機関である国会の自己統治機能が問われている。
2012年8月6日月曜日
「原発災害、司直の手に」という声がなぜ上がらない?
コピペ: 原子力委員会秘密会議
原子力委秘密会議:「小委員会の議論を誘導」検証チーム
不透明な討論型世論調査と意見聴取会とパブリックオピニオン募集:「国民の意見」を、誰がどうまとめて結論を出すの?
政府がパブリック・オピニオンを求めていることすら、オリンピック報道にかき消されて、国民には十分に周知されているとは言いがたい。パブリック・オピニオンの締切り日を8月13日にしたのは、オリンピックの閉会式が12日であり、オリンピックに乗じて目眩ましを図ろうというような意図があまりにも見え透いていると思うのは薔薇っ子だけだろうか。
脱原発 民意明確に 67%「ゼロ」選択
2012年8月5日 07時09分
将来の原発比率をどうするか、政府が国民から意見を聴く会が四日、高松市と福岡市で開かれ、すべての日程が終わった。全国十一会場で参加者が突きつけた声は、70%近くまでが原発ゼロだった。細野豪志原発事故担当相が「最も重要な聴取会」と述べた福島市の会場では「すべての原発の即廃炉」が圧倒的だった。東京電力福島第一原発の事故を受けて明確に示された「脱原発依存」の民意。政府はその声をしっかり受け止め、政策に反映させていくことが求められる。
聴取会は七月十四日にさいたま市でスタートし、仙台、名古屋、富山など十一都市で開かれた。運営をめぐっては、原発比率の選択肢が0%、15%、20~25%の三つしかない点や、政府が15%を落としどころにしたがっている意図が見え隠れする点をはじめ、さまざまな問題点が浮かび上がった。
0%の選択肢について発言を希望した人の割合は67・9%に達した。三つの選択肢以外の発言を求めた人も、会場での声を聴くと「二〇三〇年に0%では遅すぎる」など、もっと切実な0%論を展開する人が多かった。
15%を選んだ人の中には、本当は0%を選択したいが「当面は代替エネルギーの確保が難しいだろうから」とする消極的な15%論が多かった。
選択肢ごとの発言枠を設けなかった福島市の聴取会では、発言した三十人のほぼすべてが0%を主張し、そのほとんどが即廃炉を求める内容だった。
政府は聴取会のほか、インターネットやファクスなどで意見を募るパブリックコメントを、今月十二日まで実施中。集計はまだされていないが、事務局によると、既に三万件超が寄せられ「0%が多い」という。
問題なのは、こうして示された民意を、政府が今後のエネルギー政策にどう反映させるかだ。政府は今月中にも新たな方針を打ち出す予定だが、「九月の民主党代表選で争点にしたくないだけ」と見透かす発言も、聴取会では多かった。使用済み核燃料や放射性廃棄物の最終処分が白紙状態であることを懸念する声も目立った。
「国民的議論」をすると言いながら、政党の都合で民意を無視し、十分な検討もせず、重要なエネルギー施策を決めるとしたら、国民の強い批判を招くことになるだろう。
(東京新聞)
新型世論調査、2日目の討論開始 意見の変化を探る
(08/05 11:01、08/05 12:18 更新)
新たなエネルギー・環境政策の決定に向けた「討論型世論調査」の小グループでの討論=5日午前、東京都港区
政府は5日、新たなエネルギー・環境政策の策定に向け、討論や学習による意見の変化を探る「討論型世論調査」の2日目の議論を東京都内でスタートした。将来の原発比率などをめぐり、約280人が4日と同じく、小グループでの討論と専門家を含めた全体会議をし、最後に参加者へのアンケートを実施。
2日目のテーマは「2030年のエネルギー選択のシナリオを考える」。参加者には、討論型世論調査の前後で、将来の望ましい原発比率など同じ質問を計3回繰り返す。国の政策形成に討論型世論調査を活用するのは世界初とされ、調査結果をどう政策に反映させるかが焦点とな
脱原発依存へ国民論議スタート エネルギー選択の聴取会
(07/14 18:38、07/14 18:49 更新)
新たなエネルギー・環境政策に関する第1回の意見聴取会であいさつする枝野経産相=14日午後、さいたま市
政府は14日、新たなエネルギー・環境政策に関する第1回の意見聴取会をさいたま市で開いた。東京電力福島第1原発事故を踏まえ「脱原発依存」に向けた将来像を選ぶ国民の議論がスタートした。
聴取会での意見を参考に、政府は2030年の原発比率を盛り込んだ新戦略を8月にまとめるが、国民の議論が約1カ月間と短く、選択肢が限られている点に批判も出ている。原発活用をめぐる対立も根深く、政府の意見集約は難航しそうだ。
14日の聴取会では、枝野幸男経済産業相が「今回の選択は将来世代と国際社会に大きな影響を及ぼす。国民の声にしっかり耳を傾ける」とあいさつした。
7割が原発比率「0%」
政府は4日、将来のエネルギー・環境政策について国民から直接意見を聞く意見聴取会を高松市と福岡市で開き、全国11都市でのすべての日程を終えた。意見表明を希望した計1447人(福島市を除く)のうち、約7割に当たる983人が2030年の原発比率(総発電量に占める割合)「0%」に関する発言を求めた。
一方、政府は4日、参加者が議論し、意見の変化を探る「討論型世論調査」を東京都内でスタート。意見聴取会とともに、新たなエネルギー・環境政策の参考にする。
ただ結果をどのように反映させるか明らかにしておらず、大詰めを迎えた「国民的議論」の行方は不透明だ。