2011年8月24日水曜日

フクシマ原発は廃炉にできない Newsweek の記事



http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/08/post-2228.php


放射能

福島原発は廃炉にできない

No End in Sight
危険な廃棄物と化した原発は解体撤去もままならず、事故処理は今いる日本人が皆死んだ後まで続くかもしれない
2011年08月18日(木)13時08分
千葉香代子(本誌記者)
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封じ込め 原子炉建屋を覆い放射性物質の飛散を防止する試みも Reuters
[2011年7月27日号掲載]
 福島の一角で巨大な事故を起こした原発が不安を与え続けている。放射能の塊を早く取り除いてほしい──というのは、避難民や周辺住民のみならず、日本全体に共通した願いだ。汚染水を海に投棄したときに抗議した隣国や、地球の裏側なのに甲状腺の被曝対策として安定ヨウ素剤を買いあさった国があったことを考えれば、世界全体の願いと言ってもいい。
 しかし放射性物質を外界に大量に放出した東京電力福島第一原発は、事故から4カ月を経た今になっても、撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。にもかかわらず、東電や政府関係者は確かな根拠があるとも思えない発言を続けている。
 政府と東電は先週末、当初の目標としてきた「原子炉の安定的な冷却」に到達したという見解をまとめた。菅直人首相は原発周辺の市町村長らに対し、来年1月の予定だった核燃料の熱を100度以下に安定させる冷温停止を「前倒しで実現できるよう頑張りたい」と語った。
 だが、冷却のために汚染水を浄化して循環させる「循環注水冷却」は6月末のスタートからトラブル続き。先週も循環する水の量が低下するトラブルでシステムを一時停止した。
 核燃料棒が溶けて塊になったり炉外へ溶け出していた場合、冷温停止が困難を極めることは、多くの専門家の一致した意見だ。燃料に水を行き渡らせ、効率的に冷やすことが難しいからだ。
 福島原発の最終的解決は、すべての元凶である核燃料と放射性物質を取り除き、原発を解体撤去する廃炉の実現にある。だが、それが実現するのはいつなのか。政府は内閣府原子力委員会の中に廃炉検討チームを設置する方針だ。廃炉に向けた政府と東電の中長期の工程表も近く明らかにされるだろう。
 だが政府と東電は事故以来、事態が収束に向かっているように見せることにひたすらエネルギーを注いできた。メルトダウン(炉心溶融)はおろか、それより深刻なメルトスルー(溶融貫通)が起きていたことも、3カ月たってやっと認めたほどだ。公表される廃炉スケジュールが「最悪の事態」を踏まえたものになるとは考えにくい。
 前例のない事故を起こした福島第一原発には、今から廃炉に至るまでの過程にどんな専門家も答えを知らない技術的難題が山積している。廃炉には、事故を起こさなかった普通の原子炉でも30年程度の時間がかかる。原子力委員会は福島の廃炉に要する時間を「数十年」と評しているが、この「数十年」は限りなく100年に近い、あるいは100年以上と考えたほうがいいかもしれない。

建設より厄介な廃棄作業

 福島第一は破壊の程度がひどいため、事故処理にはほぼ永遠と言っていい時間がかかるだろうと、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は言う。チェルノブイリ原発の石棺のように巨大な構造物で建屋を覆った上、作業員の被曝を避け、放射性物質が外に漏れ出さないよう監視しながらの作業が必要だ。「いま生きている日本人は誰一人、その終わりを見ることはないのではないか」と、小出は言う。
 福島第一は廃炉にもできず、放射能を閉じ込めた「悲劇のモニュメント」として半永久的に残る──その可能性すら、政府や東電はまだ認めていない。
 そもそも廃炉は原発から使用済み燃料を取り出し、構造物を解体撤去して更地に戻す廃棄作業だ。原発を造るより長い時間と労力と巨額の費用が掛かる。
 6月に国民投票で脱原発を決めたイタリアでは、90年に停止が決まった福島と同じ型のカオルソ原発など4基の廃炉に取り組んでいる。作業は2020年頃に完了する予定で、その費用は約7000億円に上る。福島の場合、コストはその何倍にも膨らむはずだ。
 廃炉は、これを請け負う原子力業界にとってはビジネスチャンスだ。世界的な脱原発の流れも受けて、今後大きな市場になるとみられている。「だが、福島だけは誰も手を出したがらないだろう」と、コンサルティング会社ブーズ・アンド・カンパニーでエネルギー問題を担当するパウル・デュールローは言う。「爆発した原発の廃炉が技術的に可能なのかどうかも分からない」
 廃炉で最も重要なのは、核燃料を取り出すことと、高濃度から低濃度まで放射能に汚染された廃棄物を処理することだ。
 原発が冷温停止した後、放射線レベルが下がるのを何年も待ち、低濃度のものから徐々に解体して最後に原子炉を撤去する。その際、染み付いた放射性物質を分離・分類し、不純物を取り除いた上、種類別にまとめて密閉容器に閉じ込めなければならない。放射能を周囲に広げないための、原子レベルの超ハイテク技術だ。
 だが爆発した原発の廃炉は、これまで誰も経験がない。86年に爆発したチェルノブイリは廃炉にできず、今も放射能レベルが下がるのを待ち続けている。設置から40年を経てコンクリートが浸食され、石棺はもはやボロボロの状態だ。

日本版チェルノブイリに

 普通に運転停止した原発であれば燃料棒を束ねた燃料集合体を取り出せば済むし、周囲の汚染も大したことはないと、かつて東芝で原子炉格納容器の設計をしていた後藤政志は言う。
 だが福島第一の場合は、大量の放射性物質が格納容器の外に漏れ出て、建屋内部が放射能まみれになった。「もはや普通の廃炉という概念は当てはまらない」と、後藤は言う。燃料集合体は溶けてチーズのようになり、どこに流れ出したかも分からない。周囲は壁まで放射能が染み付いている。この状態からどうやって放射性物質を取り出すのか、もはや誰にも分からない。
物理的な障害も少なくない。炉のふたに据え付けられている開閉用のクレーンは既に吹き飛び、金属製のふたそのものも熱で変形していると考えられている。ふたを開けるためだけに、専用クレーンを一から開発しなければならない。
「福島は廃炉にできない」と、後藤は言う。英科学誌ネイチャーは先週、専門家の見解に基づく記事で、数十年から場合によっては100年かかるとの見方を示した。損傷した燃料を含めて原子炉内の放射性物質の除去に長い時間がかかることなどがその理由だ。記事は、放射能汚染の除去作業が2065年まで続くチェルノブイリと似た状況になるだろうと指摘している。
 福島第一原発の危機は、まだ現在進行形である可能性もある。メルトスルーしたウラン溶融体が、地下深くに潜っていって地下水を汚染する危険性を京大の小出は警告し続けている。逆に炉心のすべてが崩壊していない場合は、これからさらにメルトダウンが発生して水蒸気爆発が起きる可能性もまだ否定し切れないという。
 いずれの場合でも、今とは桁違いの放射能汚染が広がることになる。廃炉もますます遠のくだろう。
 事故の終わりは当面期待できず、待っているのは巨大廃棄物との果てしない戦いだけかもしれない。汚染された原発周辺の土壌を完全に元に戻す技術も、人類は持ち合わせていない。どれだけ巨大なふたで覆ったとしても、「悲劇のモニュメント」は今後数代にわたって日本人を脅かし続ける。

東電のスマートメーターのガラパゴス化:Newsweekの記事


http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2011/08/post-370.php

電力を有効利用するスマートメーターに「ガラパゴス化」の危機

2011年08月18日(木)16時44分
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 電力消費は毎日、綱渡りが続いている。18日午後2~3時の東京電力管内の電力消費量は今年最高の4936万kWになり、電力使用率も90.4%に達した。15%節電で今年は何とか乗り切れそうだが、こういうことが続くと日本経済はもたない。特に定期検査を終えた原発が再稼働できなかったのは菅首相の場当たり的な行動が原因で、政治が正常化することが第一条件だ。
 しかし電力不足に対して一律に節電を求めるのはおかしい。これは電気事業法27条にもとづく「電力使用制限令」で、石油危機のように燃料が不足した場合を想定したものだ。今回のように発電所が稼働できないときは、電力消費全体を抑制する必要はなく、夏場のピークだけ消費量を下げればよい。
 平均電力/ピーク電力の率を負荷率と呼び、最近は60%前後で推移している。つまり発電能力の4割は、真夏以外は余っているのだ。逆にいうと、ピーク時の電力消費を平均に近づければ、今のような節電は必要なくなる。その方法も、経済学的には簡単である。ピーク時の電気料金を引き上げればいいのだ。
 こうしたピークロード料金は、通信では導入されている。たとえばNTTの電話料金は、昼間は3分8.5円だが、深夜は4分8.5円だ。電力でも、たとえば8月の平日の昼間の料金を2倍にする、といった料金体系を導入すれば、電力消費は大きく減るだろう。これは一律の節電と違って、工場などの必要不可欠な電力は通常どおり使うことができ、不要な冷房を消費者の判断で消すことができる。
 しかしこうした制度を導入するには、技術的な問題がある。企業など大口需要家の電力計は時間帯ごとの使用量が記録できるが、家庭にある普通の電力計は1ヶ月の電力消費量を積算するだけなので、いつ使ったかがわからないのだ。これを記録するためには、時間別に課金する機能をそなえた電力計が必要になる。
 今でも深夜電力の契約をしている家庭では、時間別の課金ができるようになっている。さらに高度化して、自由に時間帯や料金を変更し、自動検針することも技術的には可能だ。これをスマートメーターと呼ぶ。といってもむずかしい技術ではなく、電力計の情報をデジタル化して無線ネットワークでサーバに送信するだけだ。
 実はスマートメーターは、すでに電力各社がもっており、いつでも配備できる。彼らは本音では電力をたくさん使ってほしいので、ほとんど宣伝していなかったのだが、今回の事故で各社とも量産体制に入った。政府はスマートメーターを今後5年間で4000万台導入する計画を発表し、専用に980MHz帯の周波数を割り当てた。
 ところが、電力業界の関係者は「今のままではスマートメーターも『ガラパゴス化』する」と心配する。電力10社は、電力計を独自仕様でバラバラに設計してきた。これを実際に納入しているのは、電力計5社(大崎電気工業、東光東芝メーターシステムズ、三菱電機、GE富士電機、エネゲート)で、官庁などに出入りするITゼネコンとよく似た「電力ゼネコン」構造だ。
 現に東電と関西電力のスマートメーターはまったく別の規格で、互換性はない。さらに問題なのは、今後、電力が自由化されて小口電力(50kW以下)にも競争を導入したとき、独立系の発電会社(PPS)が別個にスマートメーターを設置しなければならないことだ。現在PPSは大口需要家には電力会社とは別の電力計を置いているが、これを各家庭に置くのは無理だし、社会的にも非効率だ。
 電力を有効利用する技術としては、電力が不足しそうなとき消費量を減らす「デマンドレスポンス」など、さまざまな方法がある。このような技術で電力を取引するには、電力会社の送電網を使わなければならないが、東電は福島第一原発事故のあと、送電網を使った電力卸売市場を閉鎖した(6月に再開)。
 このように電力会社が送電網を独占していると新しい技術も使えないので、発電と送電を分離し、小口も含めてすべての電力を自由化する必要がある。しかし今のガラパゴス化したスマートメーターが配備されると、配電網の地域独占が既成事実になり、自由化は困難になる。政府はスマートメーターを標準化し、発電会社ごとの消費量がわかる仕様にすることを電力会社に求めるべきだ。


となりは何をする人ぞ?: コピペ




http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2011/08/23/fukushima-daiichi-area-off-limits-for-fall-fish-favorite/

AUGUST 23, 2011, 2:51 PM JST

Fukushima Daiichi Area Off-limits for Fall Fish Favorite



The eagerly awaited season for Pacific saury, the fish known as sanma here, has just begun.
But this year fishermen will have to hunt a little farther and wider than usual to catch the slender, silvery staple of Japanese cooking. And customers may have to pay more.

Associated Press
Fishery workers grilled Pacific saury, a popular seasonal delicacy, to evacuees in Onagawa, Miyagi Prefecture, on March 20.
That’s because a cooperative representing the country’s saury fishing industry said this week that it will not catch any sanma in waters within a 100-kilometer (62-mile) radius of the stricken Fukushima Daiichi nuclear plant, a move to address concerns among wholesalers, retailers and consumers about possible radioactive contamination of seafood in the area. With trace amounts of radioactive cesium already detected in some Hokkaido samples in early July, at levels far below the Japanese government’s regulatory limit, the precaution seems sound.
Japan’s four seasons come with various seasonal delicacies. Fall offerings are particularly rich, with chestnuts, persimmons, pears, grapes and matsutake mushrooms. But no list of Japan’s late summer-early fall specialties would be complete without the distinctive, angular-jawed sanma, often known in English as mackerel pike, which can be eaten raw as sashimi, or char-grilled and typically served with grated daikon radish.
The waters within 100 kilometers off the Fukushima nuclear plant usually become major sanma fishing sites around October to November, according to the sanma fishery co-op. The sanma currently found at stores in Japan are the season’s first batches, caught in waters near the northern island of Hokkaido. From there, the fish will gradually travel south, with fishing boats moving along with them. But if the local catch ends up being smaller, imports may be required to meet demand, pushing up retail prices.
In June, two months before this year’s fishing season began, Hokkaido’s local government started testing saury for radiation in waters farther north. Apart from the trace amounts of cesium found in early July, no other radioactive elements have been detected in any other sanma samples so far.
“People at fish markets and retailers have voiced their concerns about radioactive contamination this year, so we are taking steps to eliminate such concerns,” said a spokesman for the co-op about the decision to suspend sanma-fishing near the nuclear plant. The public has become more concerned about the safety of food since disclosures last month of the widespread sale of contaminated beef.
Because sanma travels from north to south throughout autumn, the co-op will closely monitor the results of radiation tests when schools of sanma travel in the sea off Fukushima around October, before deciding whether to extend the suspension and refrain from fishing in waters farther south, the spokesman said.