2011年9月25日日曜日

Shame on you ! :古賀氏、ついに退職に追い込まれる?

 昔の人は日本の文化を恥の文化と呼んだ。そして破廉恥な行為に及ばぬよう、自己規制をかけて、自らの力で自らを律した。

しかし今日本の権力の中枢にいる人間の辞典には、恥を知る、日本の恥と言う言葉は死語となり、存在しないようである。自己抑制どころか、法的な力も及ばないほどに根回しが行きとどいているとみえて、やりたい放題である。そういった状況のもと、他ならぬ外国人が、Economistの電子版で、それをJapan's shameと斬り捨てた。

経産省の改革派官僚、古賀氏がとうとう、退職に追い込まれることになった。Economistの記者は、早い段階で古賀氏にインタビューを申し込み、難局にある日本をなんとか改革しよう、そのためには辞職に追い込まれても構わないという氏の志の高さについて高く評価し、枝野経産大臣に分別と勇気があれば、このような結末を招くことにはならなかった。彼のような人物を登用せず、追放してしまうことは日本にとってまことに不幸なことであり、恥ずべきことであると述べている。

全くである。古賀氏の精神衛生のためには、一日も早く退職されたほうがいいと思う反面、古賀氏のような数少ない優秀でかつ、国民のために身を粉にして力の限りを尽くしたいという真の公僕を追放する政治家や官僚が支配する私たちの国に明るい未来は全くない。

古賀氏が組織の問題を暴き出したことに腹を立てた官僚たちにとっては、「みせしめ」ということなのだろうが、世界中に大きな恥をさらしているのである。辞書にそんな言葉を持たない輩にとっては、何の意味ももたらさないのかもしれないけれども。

http://www.economist.com/blogs/banyan/2011/09/japans-shame
Japan's shame

The good bureaucrat

Sep 14th 2011, 4:51 by K.N.C. | TOKYO
THERE are many heroes in post 3/11 Japan. The mayor of Rikuzentakata, who ensured the safety of city residents only for his wife to perish, is one, as are the Tokyo firefighters who streamed up to Fukushima to spray water on the out-of-control reactors.  But among those who deserve honour is also a humble bureaucrat at the trade ministry. In a system that prizes remaining nameless, faceless and not rocking the boat, Shigeaki Koga chose to step forward and reveal some of Japan's ugliest secrets. 
After 3/11, Mr Koga decided speak out about the awful practices he had experienced while working on Japan's energy policy. The disaster at the Fukushima nuclear plant, run by TEPCO, is symptomatic of a wider malaise. The utility companies buy the academy by sponsoring research, buy the media through mountains of public-service advertisements and junkets, buy big business by paying top-dollar for everything, buy the bureaucrats and regulators by handing them cushy post-retirement jobs.
Talking to him one gets a chill down the spine. Often, bureaucrats are regarded as lemming-like self-interested do-nothings or devious micro-managers. But Mr Koga's brave words and deep understanding of how energy companies pad their costs, block competition, keep energy prices high and ultimately strangle Japan is an antidote to that image. Instead, the figure that emerges is a deeply intelligent, hard-working civil servant who wants the best for his country. 
In the spring he devised his own restructuring plan for TEPCO that was utterly ignored by the ministry (which has long been in the pocket of the energy companies), though it won him plaudits from a handful of reformist politicians. He advocates opening the energy monopoly to competition and separating the power generation and transmission operations of today's ten regional monopolies. 
If only his country would listen. His private views to colleagues landed him in the wilderness. Superiors told him to resign. Yet since going public with his revelations and criticisms, he has been placed into an even darker solitary confinement. His current assignment is, well, nothing. When he asked the previous trade minister, Banri Kaieda, for a meaningful post, Mr Kaieda was noncommittal. (When The Economist asked Mr Kaieda about Mr Koga's views, the then-trade minister dismissed it as something for "the long term". Translation: "Never".)
"I believe this is the final chance for Japan to change," Mr Koga said in May, when I asked him during a wide-ranging interview why he was speaking out. "If I shut my mouth and obtain a good post in the ministry—even if I did that, in a few years Japan's economy would plunge," he said. "That is why I am taking on risks, and I don't care if I have to resign. Because if I don't speak out, Japan will not change. It is meaningless for me to be in the government if I cannot advocate reform."
On September 14th, Mr Koga was poised to send an e-mail to his latest boss, the trade minister Yoshihiko Edano, asking for a real post. If he fails to get one, he says he will retire later this month. It will be a true pity if Japan loses one of the few men who could actually improve the country considerably. It will be a shame; a self-inflicted wound.
If Mr Edano has any sense—and courage—he will promote Mr Koga to vice-minister (the highest civil-servant position in the ministry) with a remit to see through his wise reforms. Japan needs its leaders just as it needs its heroes. The country's haplessness is precisely because people like Mr Koga, who strive for what is right despite the personal consequences, are banished rather than elevated.

原子力安全庁の人事

長官: 小泉純一郎
政務官: 古賀茂明
次長: 菅直人
専門委員会委員長: 河野太郎
副委員長:福島みずほ、吉井英勝
専門委員:小出裕章、岡野慎二、児玉龍彦、木村真三、丸山輝久、吉田文和、今中哲二、金子勝、内橋克人、郷原信郎、村上春樹、大江健三郎、武田邦彦、岸博幸、青木理、玉川徹、古館伊知郎


来年4月に新しく設置される原子力安全庁は原子力ムラを中心に既に準備委員会を発足させて着々と古いワインを新しい革袋につめようと画策しているようである。
民主党一党では、この問題をとても扱える人材はいないことは自明である。
そこで、新しい原子力安全庁の人事を超党派で、上のように考えてみた。

日刊ゲンダイは小泉氏がこの期に及んで脱原発を唱えていることを、激しく非難している。いちいち、ごもっともであり、薔薇っ子は昔から小泉氏の行ったきた改革を支持したことは一度たりともない。

しかし、しっかりと過去の禊をして、けじめをつけた上ということであれば、この男ほど改革のノウハウに通じている男は政界にはいないし、メディアや女性などの市民をたくみに懐柔し、味方につけるツボも心得ているから、どじょう集団もおいそれとは太刀打ちできまい。そこで、ここでは思いきって、小泉氏を長官として起用してみた。

菅氏はリーダーシップに欠く。しかし、少なくとも原発に関しては、安々と動じない、転ばない事がわかった。それに民主党で、閣僚経験があり、一応原子力工学の出身だそうであるから、次長ポストが相応しい。

政務官は古賀茂明氏を置いて他はない。彼が省内の中堅若手のやる気のある官僚を登用すればよい。

専門家委員会には、もちろん河野太郎氏を中心に、福島みずほ氏、吉井英勝氏、小出裕章氏、児玉龍彦氏、岡野慎二氏、木村真三氏、後藤正志氏、菊池洋一氏、吉田文和氏、今中哲二氏、金子勝氏、内橋克人氏、村上春樹氏、大江健三郎氏、丸山輝久氏、岸博幸氏、郷原信郎氏、武田邦彦氏、青木理氏、玉川徹氏、古館伊知郎氏を起用したいところだ。こうして見れば、まだまだこの国にも、人材はある。そんなに捨てたものでもない。

こうして原子力ムラの懲りない面々を一掃させ、原発災害の責任を厳しく追及すれば、日本は次世代のための安全な国作りへの最初の第一歩をやっと踏み出すことができるだろう。むろん、その結果長官自身が辞任しなければならないかもしれないけれどもーー。

1つぐらい国民のためになることをやって、ご勇退頂ければいいのである。

以下、原子力安全庁に関する田中氏のエッセイの一部と、日刊ゲンダイの記事を転載する。

http://diamond.jp/articles/-/13611


2011年8月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]



新設される「原子力安全庁」の担当相は
退陣する菅首相が務めてはどうか



「原子力安全庁」設立において
気をつけるべき3つのポイント

政府は8月15日、経産省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合、新たに環境省の外局として「原子力安全庁」(仮称)を設置することを閣議決定した。
環境省に置くか、それとも内閣府に置くかはまだ異論のあるところ。全く独立した組織にすることも前向きに検討する余地はある。
いずれにしても、今後の原子力安全行政には、内外の厳しい目が注がれている。中途半端なことは決して許されないことを関係者は肝に銘じるべきである。
新機構は来年4月の発足を目指し、1月召集の通常国会で関連法案を成立させる予定だという。
この新機構の設立に際しては、次の諸点に注目しなければならない。
(1)経産省、文科省、内閣府などが省益の観点から無用な介入をしないように、政治と民間の主導で進めるべきこと。特にその設置法案は国民的議論の中で政治主導によって作成することが望ましい。
(2)新しい組織は、いわゆる“原子力村”に属してきた人を極力排除し、これまで原発の安全性に警鐘を鳴らしてきた人たちが中心となるように配置すべきである。
(3)経産省など過去の原子力行政に関与してきた人たちを完全に排除せよとまで言わないが、再び元の省に帰れないように人事交流を法的に厳しく制限することが必要だ。

首相職よりも持ち味を発揮?
「原子力安全庁」担当相に菅氏を推す理由

さて、私は新首相が誰になっても新機構の設置を担当する閣僚を置くべきだと考えている。

新設の担当相の役割は次の諸事項である。
(1)「原子力安全庁」設置に関連する法案作成の指揮を執る。
(2)「原子力安全庁」と「原子力安全審議会」の人事の指揮を執る。
(3)既に作業中の原発事故調査・検証委員会を担当し、厳正な作業が行われるように監視し、督励する。
(4)(3)の結果を踏まえて、新しい安全基準を策定し、さらに新しいエネルギー基本計画(15日の閣議で2012年中に策定)における原発の位置づけを提言する。
(5)国会と連携して、何らかの場をつくって今回の原発事故について徹底した責任追及を行う。
この担当相は、退陣する菅直人首相に務めてもらったらどうか。
なぜなら、最終盤での彼の問題意識はここに集中しているし、他の誰よりも大きな成果を挙げることが期待できる。
菅氏にとっては、首相職よりはるかに持ち味を発揮できるだろう。

誰かこの男を消してくれ


2011年9月20日 掲載

自分も張本人なのに厚かましく「脱原発」講演


またシャシャリ出てきてヒーロー気取りだ。
小泉純一郎元首相が、18日に川崎市のホテルで講演し、“脱原発依存”を訴えた。「原発が最もコストが安いとして新設、増設とはいかない」「国民は原発が安全だとは信用しなくなった」「自然エネルギーや再生可能エネルギーの技術開発に投資し、環境先進国を目指すべきだ」――とまあ、いつもの大げさな身ぶり手ぶりで言いたい放題だったのである。今月5日の財界向けの講演会でも同じことを言っていたが、相変わらず世間をダマすのが好きな無責任な男である。
というのも、日本で原発推進が加速したのは小泉政権時代(01年4月~06年9月)なのである。それを忘れたのか。
「原発推進をうたった『エネルギー基本計画』が策定
またシャシャリ出てきてヒーロー気取りだ。
 小泉純一郎元首相が、18日に川崎市のホテルで講演し、“脱原発依存”を訴えた。「原発が最もコストが安いとして新設、増設とはいかない」「国民は原発が安全だとは信用しなくなった」「自然エネルギーや再生可能エネルギーの技術開発に投資し、環境先進国を目指すべきだ」――とまあ、いつもの大げさな身ぶり手ぶりで言いたい放題だったのである。今月5日の財界向けの講演会でも同じことを言っていたが、相変わらず世間をダマすのが好きな無責任な男である。
というのも、日本で原発推進が加速したのは小泉政権時代(01年4月~06年9月)なのである。それを忘れたのか。
「原発推進をうたった『エネルギー基本計画』が策定されたのは、小泉時代の03年10月です。その前年の02年に東電の福島原発のトラブル隠しがありましたが、たいした反省なく、ウランより危険なプルトニウムを使ったプルサーマル計画の推進が盛り込まれました。当時の福島県知事が原子力安全・保安院を経産省から分離して独立性を高めるべきという提案もしていましたが、全て無視でした」(経産省OB)
小泉内閣の初代の経産大臣は、いまだに原発推進の旗振り役をやっている平沼赳夫・たちあがれ日本代表だ。経産省の言いなりで、エネルギー政策に何の関心も示さなかった小泉が、今ごろになってどの面下げて“脱原発”を口にするのか。
「中間層が破壊され、社会的格差が拡大し、自力ではもはや這い上がることができない絶対的貧困層が生まれた。小泉改革の結果、日本の社会も国家も弱くなった」

 と、作家で元外務省分析官の佐藤優氏は「新潮45」で書いている。小泉は二度と国民の前に顔を出しちゃいけない男なのだ。まして説教垂れる資格など200%ないのだ。されたのは、小泉時代の03年10月です。その前年の02年に東電の福島原発のトラブル隠しがありましたが、たいした反省なく、ウランより危険なプルトニウムを使ったプルサーマル計画の推進が盛り込まれました。当時の福島県知事が原子力安全・保安院を経産省から分離して独立性を高めるべきという提案もしていましたが、全て無視でした」(経産省OB)
小泉内閣の初代の経産大臣は、いまだに原発推進の旗振り役をやっている平沼赳夫・たちあがれ日本代表だ。経産省の言いなりで、エネルギー政策に何の関心も示さなかった小泉が、今ごろになってどの面下げて“脱原発”を口にするのか。
「中間層が破壊され、社会的格差が拡大し、自力ではもはや這い上がることができない絶対的貧困層が生まれた。小泉改革の結果、日本の社会も国家も弱くなった」
と、作家で元外務省分析官の佐藤優氏は「新潮45」で書いている。小泉は二度と国民の前に顔を出しちゃいけない男なのだ。まして説教垂れる資格など200%ないのだ。

中央防災会議はなぜ原発設置場所についての言及をしないの?

 政府の中央防災会議の専門調査会は、東日本大震災を受けて、地震・津波対策を検討してきた。津波発生時に5分を目安に避難が完了できるようなまちづくりをするのは、できるならば結構なことである。

しかし、この専門調査会、当初から原発設置場所や老朽化した原発の耐震性などについての検討を完全に避けてきた観がある。

官僚から、あるいは政治家から、原発の問題はセットで考えなくてよいという指示を受けてのことなのか、調査会メンバーの自発的な意思なのか。いずれにしても大きな問題である。

原発の耐震設計の根本的な問題及びその見直しは不可欠である。津波到達時に、5分以内に原発が完全に無人になっても、困るのでは?たとえ高台にあっても、地震による配管などの破損など、素人でも対策が必要だと思うようなことについて何も検討されてこなかったことに、大きな不満が残る。

http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_312530


5分目安に完了を=地震後の津波避難で―中央防災会議

 東日本大震災を受けて地震、津波対策を検討している政府の中央防災会議の専門調査会(座長・河田恵昭関西大教授)は24日、津波発生時に5分を目安に避難を完了できるよう、まちづくりをすることが望ましいとの考え方で一致した。28日に予定する最終報告に盛り込み、今回の震災を踏まえ見直す国の防災基本計画にも反映させる。
 今後30年間に発生する確率が高い東南海、南海地震では、津波が地震発生後約5分で沿岸に到達すると想定されているため、避難時間の目安とした。 
[時事通信社]
中央防災会議調査会、「原則徒歩5分程度で津波避難可能な体制目指すべき」などで一致


政府の中央防災会議の専門調査会で、津波のおそれがある場合、原則、徒歩5分程度で避難できるような体制づくりを目指すべきとの最終報告案が固まった。
中央防災会議専門調査会の河田座長は「(避難方法は)原則、『歩く』ということで意見をまとめることになった。ただし、5分以内に安全なところに避難することを基本とする」と述べた。
専門調査会では、東海・東南海・南海地震などの際、5分程度で津波が来ることが想定されることから、原則、歩いて5分程度で避難できるような体制づくりを目指すべきなどの意見で一致した。
今回の震災では、車で避難した多くの人たちが津波の犠牲になっていることから、報告案では、徒歩での避難が原則となっているが、車で避難する場合の留意点なども盛りこんで、来週、最終報告書にまとめられる見通し。

(09/25 00:46)