2011年6月18日土曜日

原発事件:謙虚さの欠如

 CNNによれば、アメリカの原子力規制委員会は、フクシマ原発事件の教訓として、「謙虚さ」が重要であると証言している。そして複数の災害が複数の原子炉を襲う可能性に付いても検討することを求めていく意向を示したという。

よその国でも、これだけの深刻な事件から様々な教訓を導き出し、将来起こるあらゆる問題を予測することはできないと言い切っている。

http://www.cnn.co.jp/usa/30003103.html


米原発の安全基準見直し、想定に完全はない前提で NRC

2011.06.17 Fri posted at: 12:06 JST

ワシントン(CNN) 米原子力規制委員会(NRC)のメンバーは16日、米上院で証言し、東京電力福島第一原子力発電所のような事故が米国内で起きる可能性は「非常に小さい」とした。その一方で、米国内に104基ある商用原発の安全基準を引き上げる可能性もあるとした。

NRCは福島の事故を受け、全米の原発に対し、従来の想定以上に大きな自然災害や長時間にわたる停電に備え、複数の災害が複数の原子炉を襲う可能性についても検討することを求めていく意向を示した。

NRCのジョージ・アポストラキス委員は、福島第一原発の事故が残した教訓の一つは「謙虚さ(の重要性)」だと述べた。

「安全解析を専門分野とする人間として言うと、もはや驚くようなことは起きないだろうという過信が我々の間にあったと思う」とアポストラキス委員は述べた。

一部のNRC委員からは、さらに徹底した防護策と、自然性街などの危険を従来よりも大きく想定することを求める声も上がった。

現時点で大半のアメリカの原子力発電所の緊急時対応計画は、1つの原子炉で問題が起きた場合を想定している。だが、福島第一原発では稼働中の4つの原子炉全てが地震とそれに続く津波の被害に遭った。

「もしこの事故から学べる総合的な教訓があるとすれば、それは将来起こるあらゆる問題を予測することはできないということだと思う。あらゆる地震、あらゆる津波を予測することはできないが、何が起ころうともそこから復旧できなくてはならない」と、ウィリアム・マグウッド委員は述べた。
 このたびの原発の深刻な事象を津波によるものと頭から決めつけ、それに基づいて津波対策の見直しができているかどうかを基準にして、保安院に安全確認をさせる一方、事故後100日、フクシマの放射能汚染の収束のめどさえ未だ立たないというのに、経産大臣が早々と各自治体に停止中の原発の再稼働を要請するというこの国の現状ーー施政者たちの現実認識がどれほど乏しいものであり、推進派と呼ばれる日本の専門家集団の謙虚さの欠落が、どの程度深刻なものか、NRCの報告と比しても自明である。 


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