2012年9月8日土曜日

再稼働不要の裏付け:2012年夏




再稼働不要裏付け 今夏消費5~11%減    2012年9月7日 07時12分

政府は、関西、四国、九州の三電力管内に求めた夏の節電の数値目標を七日午後八時に解除する。家庭と企業に節電の意識が浸透。実際の消費電力は電力各社の事前の予想を大きく下回った。中でも「15%の電力不足に陥る」と主張していた関西電力の需要予測は過大だったことが明らか。専門家からは「大飯原発(福井県おおい町)の再稼働は必要なかった」との声が出ている。 (吉田通夫)
 電力各社は四月に政府の要請を受け、二〇一〇年並みの猛暑と、平年並みの場合とに分けて夏の電力需給見通しをまとめていた。
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 実際の電力各社の電力消費をみると「猛暑」の想定より5・2~11・1%少なく、「平年並み」の想定に対しても東北電力を除く全社で2・2~9・1%少なかった。
 気象庁のまとめでは七月の気温は全国的に高く、特に下旬は猛暑日を観測する地域も多かった。八月も沖縄県を除いて気温は初旬と下旬に平年を大きく上回り、月間平均でも平年を一度上回った。今年は「暑い夏」だったのに、実際の電力消費は平年並みを前提にした予想も下回り、夏の電力不足の恐れを強く主張していた政府と電力会社への信頼が揺らいでいる。
 特に大飯原発の再稼働に踏み切った関電の需要見通しは過大だったことが鮮明になった。仮に大飯原発の稼働がなくても最大消費電力を記録した八月三日の供給余力は2・7%あった計算。政府が「最低限必要」と主張する3%は下回ってはいたが「他社から余った電力を購入して供給力を高めることもできた」との指摘もある。
 大阪府と大阪市が設置した専門家らによる大阪府市エネルギー戦略会議(座長・植田和弘京都大教授)は「西日本全体でみると(電力供給に)余裕があった。野田佳彦首相の再稼働の判断は根拠がない」と大飯原発の停止を求めている。
 関電以外の電力各社の管内の電力消費も軒並み予想を下回った。理由について東北電力の佐竹勤副社長は六日の記者会見で「省エネ機能を高めた空調機器に交換するなど、当初に想定した二十万キロワットを上回る節電があった」と分析した。
 家庭では窓際に植物を植えるグリーンカーテンや省エネ家電といった節電策が普及。企業や事業所の間にも重油などを燃やして熱を利用する際に発電もする「コージェネレーション(熱電併給)システム」を増やすなど、自衛策が広がったことも節電につながった。
(東京新聞)



世界のジャーナリストはどう見るのか?:日本の優良放送番組お取り潰しの危機

 3.11以降も、これまでタブー視されてきた小出裕章氏を番組に登場させ、原発の状況について、唯一真実の報道を行ってきた関西放送のラジオ番組、たね蒔きジャーナルの存続が今、危うい。

 関西電力や原発関連企業にとって、原発の存続に加担しない人たちの真実の報道や、批判的な声は誠につごうの悪い内容であり、資金繰りの難しいラジオ放送局に、これらの企業から強い圧力がかかっていることは容易に想像がつく。
 
 存続の危機に瀕している事を知った小出氏は、自分の出演料はなくてもいい、自分がじゃまなのであれば、自分を起用してもらわなくてもいいから、番組を存続させてもらいたいと訴えた。

 こうしたことから、番組の存続を願うネット署名の活動と、募金活動が始まった。

むろん一般市民による1000万円足らずの募金など、消費者から高すぎる電気料金を当然のように搾取し、分不相応な高収入を得ている電力会社の社員や、原発のマネーの蜜漬になったメインバンクを含めた関連企業の社員にとっては、取るに足りない、へのようなものにちがいない。

しかし経済低迷に歯止めがかからない中、情け容赦なく消費税増税が決まり、追い打ちをかけるように電気料金の値上げが当然のように行われ、干ばつや洪水やらで、物価はじりじり上がり続けて家計を直撃し、庶民は日一日と厳しい状況に追い込まれる状況下、組織から動員されたわけでもないのに、遠くから自前で関西放送の前までかけつけ、番組存続の呼びかけを静かに見守り、応援しようとする視聴者の姿、なけなしのポケットマネーから番組存続のための寄付を行う、名もない人たちの存在こそ、放送局が何よりも大切にしていかなければならないものなのではないのか。

毎日放送は、そのような真摯な視聴者の声に、どう応えていくつもりなのだろうか。

番組が存続するか否かの最終的な判断は19日に出されるというが、7日、放送局との交渉のあたった呼びかけ人のニュアンスから判断して、そのままの形で存続する可能性はあまり期待できない。

7日、呼びかけ人との話し合いに応じた関西放送の総務部長は、番組の名前を変えても発展的に継続させていきたいと、すでに番組変更の決定を匂わせるような発言を行っているからだ。

世界のジャーナリストたちは、アメリカやドイツのジャーナリストは、日本のMBSラジオ放送の「優良番組、お取り潰しの危機」をどう見るのか?

日本でたったひとつ、民放ながら商業主義に踊らされず、地道に真実の報道に努めてきた良心的な放送番組がなくなるーーそんなことがあっていいのだろうか。

言論の自由が憲法で定められた国家であるにもかかわらず、日本のジャーナリズムは死に体となり、ブログやツイッターは厳しい監視下におかれ、まさに言論統制の時代さながらになっていく。。。

例えばNY Timesの日本支局長などは、こうした状況をどのように見るのか、是非聞いてみたい。

以下7日晩、MBS前でジャーナリストが現地の模様を記録した動画の一部と、朝日新聞のたねまきジャーナル打ち切りに関する記事、そしてBLOGOSに掲載された、たね蒔きジャーナル打ち切りの背景について広告関係の仕事に携わった経験のある方が書かれた記事を転載する。


脱原発報道のラジオ番組打ち切り検討 毎日放送

原発問題を積極的に取り上げ、脱原発派の間で話題のラジオ番組、毎日放送(大阪市北区)の「たね蒔(ま)きジャーナル」の打ち切りが検討されている。31日には聴取者らが放送局前に集まり、存続を求めた。

 「たね蒔きジャーナル」は2009年10月に始まり、平日午後9~10時に放送中の報道番組。毎日放送のアナウンサーが司会を務め、様々なゲストと共に時事問題を幅広く取り上げてきた。東日本大震災後は原発報道に力を入れ、危険性を訴える京都大学原子炉実験所の小出裕章助教の解説などを伝えている。

 今年3月には一連の原発報道が評価されて、坂田記念ジャーナリズム賞特別賞を受賞した。テレビの視聴率に当たる聴取率も堅調という。番組の内容がネットを通じて広まるなど、脱原発を掲げる人々を中心に支持されている。

http://blogos.com/article/44145/

マスメディアの正体 その2広告とメディア~「たね蒔きジャーナル」の打ち切りを考える

2012年07月31日 14:13

本日二本目のエントリー。
まずは以下のリンク先の記事をご覧いただきたい。

・ 「憂国呆談」 (浅田彰、田中康夫)

この二人の対談は複数の雑誌を渡り歩いている。私はもう十年以上前になるだろうと思うが、自動車雑誌「NAVI」に連載されるようになってから読むようになったが、その後も「週刊ダイヤモンド」に移り、そして現在は「ソトコト」で連載されている。
田中康夫ファンの私は、できるだけ目を通すようにしているのだが、今回の「憂国呆談」を読んで一つ「ほお~っ」と思ったことがある。それはこの対談の中で浅田、田中のご両人が厳しい東電批判をしていることと関係している。
といっても、この二人が東電を批判していることに驚いたのではもちろんない。対談の内容自体は私にとっては至極当然でまことにもって腑に落ちるものだ。
では、何に対しての「ほお~っ」かというと、「ソトコト」が東電批判が語られている対談を掲載したことについての「ほお~っ」なのである。

3・11以前、「ソトコト」は東電のタイアップ記事を毎号掲載していた。私は以前にそのことについて、以下のようなエントリーを書いたことがある。

・広告で雑誌のお里が知れる?

上記のエントリーでは書かなかったが、このタイアップにおける1号あたりの東電の出稿金額は、私の試算では500万である(ソトコトの広告料金から試算)。年間に直すと6000万。タイアップ記事なので制作費はかかるが、それは別途徴収しているはずだ。

広告という商売のうま味は、、それだけの金額がほぼ“真水”で入ってくるという点にある(上記の私の試算では、広告代理店が手にするマージンはのぞいてある)。つまり恐ろしく利益率が高い。そして、「ソトコト」の例でいえば、これだけのカネを出してくれるクライアントは第一級である。
であるならば、3・11以前であれば、このような内容の対談は絶対に掲載されることはなかった。
というのも、業界用語で言えば「記事同載」(同じ号に広告とそのクライアントのネガティブ記事が掲載されること)というのは絶対に避けなければならない、広告マンの初歩の初歩であるからだ。

かつて私は自分が広告営業マンだった時代、担当する媒体にどうしても入れたいクライアントがあった。そこで、その扱い代理店から調べて、細いツテをたどってようやく「お試し」ということで軽いタイアップ広告を掲載するところまで辿りついた。
ところが、その記事が掲載された同号の編集ページで、このクライアントのタブーに触れる記事があったのである。といっても、その記事は一つの特集で、その中の数行にそのクライアントの創設者についての表現があった。しかもそれは悪く書いてあるわけではない。だが、そもそも「触れること自体がNG」だったのだ。
これはもちろん、そういう記事が掲載されることに気がつかなかった私の責任である(もちろん掲載台割は確認していたが、この特集記事についてはタイトルだけが書いてあり、中身まではチェックをしていなかった)。
まあそれでも大きなもめ事にはならなかったのは幸いだが、少なからぬペナルティを科せられたものだった。

あるいは──
これは私自身の身にふりかかったわけではないが、やはり広告営業時代、ある雑誌の編集が超第一級のクライアントを怒らせてしまったことがあった。このクライアントは当時、私が勤務していた会社の複数の雑誌に非常に大きな出稿をしており、つね日頃から注意はしていたのだが、ひょんなことから広告部の気がつかないところでミスが起きたのである。
この時はしばらくの間、当該雑誌だけでなく、他にも出稿のあった全雑誌での広告が止まったものだった。この事態をなんとか打開するには、詫びに詫びるしかない。そして、最終的には、このクライアントのトップが会社を訪れ、出稿のなかった雑誌も含む(私の担当する雑誌はまったく関係がなかった)全誌の編集長が招集され、このトップの話(ブランド戦略等)を拝聴するということで解決が図られたのであった。

くどくどと書いてしまったが、つまり私がここで何を言いたかったかというと、一つの政権を葬り去るぐらいの強大な力を持つマスメディアも、広告主(それも大きな広告主ほど)にはからきし弱いということだ。
といって、「だから広告はいけない」と言うつもりは私にはない。電通や博報堂が裏でとんでもないことをやり放題やっているというつもりもない。
むしろ、本来、媒体社は広告主や広告代理店に対して最低限譲れないラインを敷くことこそが必要で、そこに媒体社の“見識”が現れると思う。
もっとも広告不況と呼ばれるなか、広告主の力は実際問題としてどんどん上がってきているのだが……。

・広告不況がもたらすマスメディアのもう一つの劣化

そこで本エントリーのメインテーマに移る。

毎日放送(MBS)のラジオ番組、「たね蒔きジャーナル」が打ち切られる可能性が高いという。

・ざまあみやがれい!

マスメディア総崩れ状態の今日、そのなかで一定のクオリティを維持しているのがラジオである。
それはテレビや新聞に比べて、「現場」の規模が圧倒的に小さく、かつ機動性があるからで、だからプロデューサーやディレクターの意向がわりと強く出せる
のだと思う。

私は関東在住なので、関西圏のラジオを聴くことはできない。だが、この「たね蒔きジャーナル」については、その放送がYouTubeにアップされるため、私はこれをいつも聴いている。もちろん本来は違法だが、おそらく毎日放送(というより現場のプロデューサー)もその内容を幅広く伝えたいがために削除要請をしていないのだろう。

ご存じの方も多いと思うが、この番組には京都大学の小出裕章助教が定期的に出演している。
この小出氏は改めて言うまでもないが、反原発派の大御所である。したがって、他のメディアに出演することはほとんどない(テレビ朝日の朝の番組に時々出るが)。
本来、福島第一原発の事故は起こり得ると警告を発してきた学者と、絶対に起きないと断言していた学者のどちらを今日の状況で信用すべきかと言えば、明らかに前者のはずだ。
にもかかわらず、マスメディアに登場するのは、いわゆる御用学者のみ。

そういうなかで、小出助教が出演して、現状の福島第一原発や他の原発、あるいは原子力関連施設の分析、知見を話してくれたり、リスナーからの疑問に答えてくれる「たね蒔きジャーナル」は私のような者にとってはとてつもなく重要な情報源であった。
その番組が打ちきりの瀬戸際にある
という。

おそらく毎日放送はその理由について、「以前から決まっていたこと」とか「番組編成の見直しの一環」としか言わないだろうが、その内容からして、番組に強い圧力がかかっていたことは間違いないと思う。
なかでも放送局にとってもっともキツイのは広告がらみの圧力で、となると関西電力あたりからの圧力である可能性が高い。
パナソニックやシャープといった関西資本のメーカーの業績が悪化している。となると、当然、真っ先に削ってくるのは宣伝費で、それが関西の放送局の広告収入を直撃する可能性は高い。そうしたなかで、数少ない有力クライアントからの圧力がかかれば、現場がどれだけ抵抗しても、会社として屈してしまうのではないだろうか……。

と、まあこれはあくまで私の推測である。

2012年9月5日水曜日

たねまきジャーナルの存続: MBS前に集まろう!

 今まさに、種蒔きジャーナルが存続の危機を迎えている。3.11以降、政府が情報統制をして、フクイチで起こっている真実を隠蔽し、大本営発表を行っていたさなか、薔薇っ子はある政府関係者の勧めで小出裕章氏の「非公式まとめ」のブログに掲載されている情報が専門的な知見を備え、信頼性に足るものであることを知り、以来、政府発表や御用学者の見解や東電の説明に疑問を抱くたびに、小出氏の非公式ブログを見るようになった。

 小出氏の説明は常に論理的かつ科学的で、素人目にも怪しいと見え見えにわかるような稚拙な説明をされることは一度もなかった。そして「非公式まとめ」の多くが、MBSの種蒔きジャーナルというラジオ番組における小出氏の発言をもとに構成されていることを知った。

 東電や政府や大型メディアが一体化して、フクイチの原発災害を小さく見せようとする中、種蒔きジャーナルは、震災後日が経つに連れて、小出氏の出番が少なくなっていったとはいえ、1年半にわたって、視聴者のために、原発災害やエネルギー問題について、原子力ムラのシロアリ軍団に染まらない信念のある科学者の見解を尊重し、報道し続けてきた。

 原発のからくりについては、震災後、ジャーナリストや各方面の専門家が著書の出版という形で、これまで視聴者に知らされず隠蔽された真実を掘り起こしてはいる。

 しかし、国民の原発に対する不安や国の原発政策、エネルギー政策、御用学者や大型メディアの原発報道に対する不信感は、3.11以降、増幅するばかりであり、十分な説明もなく、五月雨式にぽつり、ぽつりと伝えられる放射能汚染や除染、瓦礫処理、健康被害、廃棄物処理、エネルギー問題などの情報に対して、国民の健康、安全という視点から、しっかりとした専門性と、倫理観を兼ね備えた専門家による一分のごまかしもないニュース解説が、視聴者にとって必要不可欠なものとなったのである。

 国会の事故調査委員会はフクイチの原発災害は終わっていないと結論づけた。我々はまだフクイチの原発災害が収束しない、不安な状況の中に置かれているのである。にもかかわらず、2012年の3月以降、異彩を放っていた朝日ニュースターの「ニュースの深層」も早々と骨抜きになってしまった。

 日本の大型メディアが、いずこも右並びで、だらしなく電力会社や原発関連企業、大企業にしっぽを振り、一部の人間の既得権益を守るために原発災害を過少に見せ、フクイチの大災害を風化させてしまおうという大きな勢力の中にすっぽり取り込まれている中、MBSの種蒔きジャーナルだけは、毅然として、日本のジャーナリズムがまだ死んでいないことを、国内外に知らしめるためにも、是が非でも存続させる必要がある。
 
 前のブログにも書いたが、いよいよ番組の存続が危ないらしく、9月7日午後7時から、この番組をサポートする人たちが番組存続をお願いするためにMBS前に再度集合することを呼びかけている。

 今こそ、私たちは一視聴者として、金の力で歪曲された放送番組ではなく、真実に基づいたまともな放送番組を求めていきたいという強い意思を、しっかり示していくべき時である。視聴者あっての、メディアなのだからーー。

9月7日 もう一度MBS前に集まろう 参加者:小出裕章 石井彰 今西憲之 湯浅誠(すきすきたねまきの会)

2012年9月7日に、すきすきたねまきの会が、もう一度、大阪ちゃやまちのMBS毎日放送前に集まろうと呼びかけています。小出さんも参加するとのことです。

▼9月7日(金)19時、MBS前にもう一度集まろう

http://www.tanemakifan.net/%E8%B3%9B%E5%90%8C%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%96%B9%E3%80%85/

=====
9月7日(金)19時、あたらめてMBSにお願いにうかがいたいと思います(打診中)。

可能な方は、19時にMBS前にお集まりください。

またMBSとの意見交換の後、20時より呼びかけ人らによる報告を行いますので、19時には間に合わないという方もお越しいただければと思います。

■参加者(8月31日現在)

小出裕章(呼びかけ人)
石井彰(呼びかけ人)
今西憲之(呼びかけ人)
湯浅誠(事務局)

■日時 2012年9月7日(金)19:00〜(予定)

■場所 MBS毎日放送本社前

原発災害はもう終わったのですか?:報道しなくなったメディア

 オリンピックや尖閣問題がクローズアップされた頃から、一段とフクイチの原発災害のニュースが全く日本のメディアに取り上げられなくなった。MBS も、9月からの番組再編を口実に、国で唯一、3.11以降、地道にまともな原発情報を継続的に放送し続けてきた種蒔きジャーナルを廃止しようとしていることは、すでにこのブログでも取り上げたとおりであり、これは大型メディアが、やすやすと電力会社の権力に屈しようとする1つの象徴的な出来事ともいえる由々しき事態である。

 フクイチの水位が下がっていようが、そして夏に政府が実施したエネルギー政策に関するパブリックオピニオンにおいて、今日転載するような、中国電力のヤラセ問題が浮上しようが、原発推進をもくろむ政府や電力会社の暴走ぶりや、細野原発相によるフクシマの県民に対する全ゲノム解析の調査を始めるという表明などなど、被災地で生じている新たな問題についても、また、今も潰えることなく全国各地に広がり続けている市民による反原発のデモ行動についても、全くと言ってよいほど、取り上げられなくなった。

恐るべし日本の大型メディアである。

原発災害から1年半たって、電力会社、原発メーカー、及びその恩恵に浴するシロアリどもは、とうとう、日本のメディアを懐柔し、黙らせることに成功したようである。唯一、今も変わらず批判的な視点から、世の中のできごとを様々な角度から批判的にとらえた記事を掲載しているのが、講談社の「現代ビジネス」である。

 ここにきて、野田政権の不信任案が可決して、自民、民主の総裁選挙、衆議院選の話題がにわかに大きく湧き上がっている。民主は原発を推進路線をひた走りに走ってきた細野原発担当相を新総裁候補として持ち上げようとし、自民は、原発関連企業から多くの物的支援を受け取ってきた石破氏、石原氏を代表に擁立しようとするようであるが、彼等は自民党政府が、40年余にわたって進めてきた原子力政策についてどのような侘びと謝罪を国民に対して行うのか。原発災害の政治的な責任は、現政権に向けられるの留まってはならないはずだが、両政権は水面下で手を結び、原発関連産業や組合、メインバンク、大株主の支援をバックに、国民が望まぬ民意を無視した政治を強引に進めようと画策している。

新勢力として台頭した橋下大阪市長も、昨日まで反原発と言っていたものが、選挙に当選するや朝令暮改で、前言をやすやすと翻し、平気の平左で大飯原発の再稼働を是認すような、腹の座らない御仁である。選挙前に選挙民に対して熱心に語った公約を反故にすることなど、選挙にさえ勝てれば、何とも思っていないことは、すでに市長選において、立証済みである。

要するに自らが政権をとるためには、その場しのぎの思いつきで何でも言うし、利用価値がありそうなものとは節操なく手を結ぶーー信念のかけらもなく、彼ほどしたたかで、分かりやすい政治家もいない。古賀茂明氏のような人物がなぜ橋下氏の手中に落ちてしまったのか。彼にいいように翻弄されているのは、メディア各社もまた同様であるがーー。

今日は枝野経産相が、あろうことか、脱原発で光熱費が3万円超という政府試算を発表した。こんなくだらない試算をして国民を欺こうなどと無駄な徒労に税金を注ぎ込む暇があれば、発送電分離を軌道に乗せ、電力を自由化するための準備を少しでもよいから前に進めてもらいたいものである。もはや、日本の国民はこのような脅しに乗せられることはないのだからーー。

脱原発で、光熱費が3万円超!? 政府試算に騙されるな!と疑問の声
                                  2012年9月4日 16:00  
                                     

「大停電」の次は「光熱費」?政府が2倍UPの試算
3日、将来の原発ゼロへ向けた課題と影響などをまとめた政府文書が明らかとなり、2030年の総発電量のうち、原発比率をゼロとすると電気代など、家庭で使用される光熱費が月額で最大3万2243円となる試算が出た。

野田首相の指示のもと、枝野経済産業相がまとめた同文書は4日午前、閣僚で構成されるエネルギー・環境会議にて議論される予定だ。

共同通信社の取材によると、政府は策定中のエネルギー・環境戦略に原発ゼロを目標として明記することを検討、目標達成に向けた課題や解決案を議論し、原発ゼロに対する姿勢をアピールする狙いだ。

また脅しか……国民の反応は意外にも冷静
一か月の光熱費が3万円超ともなると、10年実績(1万6900円)の約2倍に跳ね上がるということで、国民にとっては戦々恐々だが、twitterなどでは政府の試算を疑問視する声も多く上がっている。

「これ言う時は原発20%でも1.7倍になることを言わなきゃだわ。」

「また脅しですか…(嘆息)」

「この数字を導き出した計算式や根拠データを総て開示することができるか?原発事故のコストは福島が収束しない現在、上限が計算不能な巨額と指摘されている。」

「あくまでも、今の電力会社から買えばの話。もう原発動かしたい情報にはあきあき」

「また始まった!政府のなんとも都合のよい試算が!騙されるなよ!」

「こんな試算を誰が信じるのだろう」

「脅しだなー。ま、電気が足りないなんて試算も外れたわけだし。」

「海外で原発のない国もある。何故こんな数値になるのか判らない。よほど効率の悪い発電をしているのか?原材料を高く買っているのか?シロアリ共に搾取されているのか?不明」

「試算の中身がわからないので、信用度ゼロ。」

「出た!脅し作戦。政府の試算なんて全部嘘。今年の夏も一番暑い時期は過ぎたけど、結局電力不足になることは無かった。原発は必要ない。」


Twitterユーザーの反応は極めて冷静そのものといった様子だ。政府文書の試算が実際に信用に値するものなのかは謎だが、国民がいっそう節電・省エネに努めなければならないことだけは明らかなようだ。

外部リンク

共同通信社
http://www.47news.jp/


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33344

全国民注目!原発ポチたちの「やらせマニュアル」をスクープ入手、中国電力の内部文書に書かれた呆れた中身 まだこんなことやってんのかよ

                          週刊現代 2012年8月28日(火)

懲りない面々である。意見聴取会への出席の次は、パブリックコメントへの意見の提出を社員に促していた電力会社。国民の不信感を高め、自らの首をしめることになると、なぜ気づかないのか。

文書には「社内限り」の印

「あまりに膨大な数でした。正直に言うと、国民の原発問題への関心の高さを、甘く見すぎていたかもしれない。寄せられた意見が多すぎて、こちらの対応が追いつかないほどです」(内閣府中堅職員)

 約9万件。内閣府が7月2日から募集した「〈エネルギー・環境に関する選択肢〉に対する御意見」、いわゆる「原発依存度についてのパブリックコメント」に投稿された意見の総数である。

 今回のパブリックコメントは、2030年時点での日本のエネルギー政策について、「原発依存度をゼロにするか(ゼロシナリオ)、15%にするか(15シナリオ)、それとも20~25%にするか(20~25シナリオ)」、どれが一番ふさわしいと思うかを国民に問うものだった。

 内閣府は過去にも様々な政策についてパブリックコメントを募集してきたが、「集まってくるのは多いときでもせいぜい1000件程度だった」(同・中堅職員)というから、9万件という数字がどれだけ大きなものであるかお分かりいただけるだろう。

 現在内閣府ではその集計が急ピッチで行われている。その結果については8月16日現在では報じられていないが、「おそらく原発比率はゼロ、とする声が6~7割を占めるでしょう」とこの中堅職員は予測する。7月14日より日本各地で開催された「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」でも、前出の3つの選択肢のなかからどれを選ぶべきか、意見の交換が行われたが、意見を表明した人の約7割がゼロシナリオを支持しているからだ。

 国民の多数が「将来的には原発ゼロ」を望んでいることは明々白々。しかし、この国民の声に対して露骨な嫌悪感を示し、総力を挙げてゼロシナリオもしくは15シナリオを阻止しようとする勢力が存在する。電力会社の面々である。

 去る7月16日、名古屋市で開かれた意見聴取会に中部電力の社員が出席し、原発擁護発言をして世間からの批判を浴びたのは周知の通り。だが、電力会社の〝世論への介入〟はそれだけに止まっていなかった。

 管内に島根原発と建設中の上関原発を抱える中国電力は、原発の必要性を分かりやすく解説した資料と、社員に対してパブリックコメントに意見を提出するよう、暗に求める文書を作成していたのだ。

「社内限り」の印が押され、各部署の長のみにしか配られなかったというこの内部文書が流出することなど、中国電力側は考えもしなかったのだろう。本誌は中国電力の関係者の協力を得てこの文書を入手したが、ここには合計50ページにもわたって、電力会社のホンネと、社員への要請が記されているのだ。

驚くべき「上から目線」

 この文書ではまず、

〈政府のエネルギー・環境会議は、「エネルギー・環境に関する選択肢」を決定し提示しました。

 政府は、この選択肢に基づき国民的議論を展開し、国民各層の意向を総合的に把握した上で、今後のエネルギー・環境政策を8月中に決定するとしています。

 今般の国民的議論は、我が国のエネルギー・環境政策の決定内容を大きく左右するものであり、当社としても、電力の安定供給という責任を担う当事者として、自らの意見を表明していくことが重要と考えています〉

 と現状を説明した後で、

〈今般の選択肢の内容・問題点、選択肢に対する当社の考えについて理解を深めていただくため、職場会議等を通じて資料1~3を全所属員に周知してください〉

 という指示が書かれている。その資料1~3には、原発の比率を下げれば下げるほど、電力会社の経営が窮地に陥っていくことが丁寧に説明されており、「ゼロシナリオ、15シナリオ」が選ばれた場合、電力会社も国民も厳しい規制と負担に直面するとして、次のように「中国電力の見解」がまとめられている。

〈今回の選択肢のうち、「ゼロシナリオ」は、エネルギーの多様性確保、実現可能性、およびエネルギーコストの抑制といった観点から、選択肢たり得ないと考えます。提示された選択肢の中から、あえて一つを選ぶとすれば、原子力の安全確保を大前提に、「20~25シナリオ」は選択肢となり得ると考えます〉

 これが「社としての考えを社員・職員に周知徹底する」だけの文書ならば、そこまで問題視することはない。

 しかし同文書には、見逃してはならないこんな記述がある。

〈政府は国民全体での議論を呼びかけており、社員が自分の意思で意見聴取会への応募やパブリックコメントへの意見提出等を行うことは自由です。各人の選択肢に対する考えについて、意見提出等をしていただければと考えています〉

 このように、社員にパブリックコメントの提出を呼びかけるような文言があるのだ。

 文面上は「どんな意見を提出してもいい」とされているが、膨大な資料を使って原発の必要性を説明し、さらに「社としては最低でも20~25シナリオ」と表明した上で「意見提出を」となれば、社員に「原発賛成の意見を送るように」と指示しているようなものではないか。

 中国電力広報部門は本誌の取材に対して「あくまでも社員個人の考えを出すことは自由で、応募を働きかけたということではない」と回答するが、ジャーナリストの大谷昭宏氏はこう呆れる。

「この文面を見ると、『みなさん、パブリックコメントを出してくださいね』と、会社が社員に要請していると受け取られても仕方がない。いくら社内文書とはいえ、この繊細な時期に臆面もなくこうした文書を配るのは、『俺たちが、なにも分かっていない連中に原発の必要性について教えてやらなければならないんだ』という、電力会社特有の〝上から目線〟体質が、原発事故以降もまったく変わっていないことの現れといえるでしょう」

 この文書が中国電力幹部に配られたのは7月12日のこと。7月16日には中部電力社員が意見聴取会に出席して世間の批判を浴びたが、その直後にはこんなドタバタがあった、と中国電力の社員が明かす。

「さすがに『あの内部文書には問題がある』と思ったのでしょうか。7月19日には新しい文書が配られました。そこには『意見聴取会やパブリックコメントの募集において、会社として社員に対し応募や提出を促すことは、これまで同様一切行いません』との一文が記されていた。万が一内部告発などが起こった場合を想定して、急遽作成したのでしょうが、『あれで〝提出を促さなかった〟はないよな』との声が社内でも上がりました」

 それだけではない。中国電力は幹部社員に対して、次のようにも要請している。

〈各所において日頃からお付き合のある社外のオピニオンリーダーのうち、電力に理解のある方々を対象に、(中略)選択肢の内容および当社の考えを説明してください〉

 オピニオンリーダーとは、大学教授や地元政治家らを指しているようだが、彼らにも「原発は必要」という意見と主張を広めることに一役買ってもらおうとしているのだ。

「文書を作成した経営企画部門と広報部門は、実際にオピニオンリーダーに説明したかを報告するように幹部らに求めました。社員が説明した相手には、パブリックコメントに親原発の意見を送ることを期待していたようです」(同・中国電力社員)

 電力会社が第三者に対してパブリックコメントを送るように要請したり、原発は必要というメッセージを発するように要請したのなら、これはれっきとした「やらせ」ではないか。

国民の声を無視する技術

 ご丁寧にも同文書には、そうした批判を予想して、

〈当社から社外の方に何らかの依頼や働きかけを行うことは、公平な議論を妨害する「やらせ」と受け止められる恐れがあります。

 このため、「当社の考えのご説明」というスタンスを徹底し、当社意見の代弁を依頼していると受け止められかねない言動は絶対に行わないでください〉

 という注意が書かれている。しかし、「説明しただけで、要請はしてない」という理論が通用すると思っているのなら、呆れるよりほかない。これが原発から離れられない「原発ポチ」のマインドなのである。

 福島第一原発事故の影響について研究する、福島大学の後藤忍准教授は、この内部文書を一読した上でこう指摘する。

「中国電力は現在山口県に上関原発を建設中ですが、ゼロシナリオや15シナリオが選択されれば、新しい原発を建設する必要がなくなるため、上関原発は無用の長物となる。それでは経営上大きな損害を被るということで、なんとしてでもゼロもしくは15シナリオを阻止したいのでしょう。経済的利益を優先して、事故のリスクなどについてはフタをしてしまうその姿勢は、3・11以前となにも変わっていませんね」

 中国電力の呼びかけによって、社員やオピニオンリーダーがパブリックコメントに意見を寄せても、国民の多数が「ゼロシナリオ」を支持しているなら、さほど影響はないのでは---。普通はそう考えるが、後藤准教授は「政府は国民の声とは関係なく、原発を残すシナリオを選択するのではないか」と危惧を示す。

「政府が国民に提示した資料を読むと、原発依存度が低くなった場合の経済的ダメージばかりが強調され、〝原発を維持するにはどれくらいのコストがかかるのか〟〝再び原発事故が起きた場合、日本全土でどれぐらいの被害が想定されるのか〟についての説明がまったくないのです。『原発ゼロだと、国民経済が台無しですよ』と言って、『だから15シナリオにしましょうよ』ともっていきたい思惑が透けて見えるのです。公正な議論をする気など、ハナからなかったのかもしれません」

 たしかに政府は「多数決で決める」とは言っていない。それどころか、

〈寄せられた意見をもとに、有識者会議を開いて分析する〉

〈統計学に詳しい専門家を呼んで、寄せられた意見を分析する〉

〈8月中には決められないので、9月まで検討する〉

 などといくつもの要件を「後出し」し、さらには枝野経産大臣が「2030年ではなく、2050年を目標にしてもいいのではないか」とまで言い出す始末である。

 さまざまな意見を分析した結果、「原発が必要という意見が少なからず存在し」、「有識者にもそう考える人がいるので」、やっぱり原発は必要です、という結論を導きだす可能性は十分にある。原発ポチたちが必死に叫び続けているのは、そうなるのを望んでのことなのだ。

 ゼロシナリオか、15シナリオか、20あるいはそれ以上か。はたして政府はどんな結論を出すのだろうか。その選択次第では、政府に対する国民の信頼が「ゼロ」となることを、覚悟しておかねばなるまい。

「週刊現代」2012年9月1日号より


2012年9月3日月曜日

No new nuclear plants in the foreseeable future for Exelon

 アメリカの大手電力会社エクセロンは、新規の原発建設に未来はないと見限って、新規原発設置認可申請をこのほど取り下げたという。フクシマの原発震災を踏まえた安全強化で建設費の上昇が必至となり、原発新設は高コストで経済性が合わないという理由による。

 それでは老朽化した原発は強引に動かせるだけ動かすのが、ベストなのか。エクセロンの見方はそのようだが、それは国土面積がべらぼうに広く、大地震の影響に脅かされない地理的な条件が整った国でこそ通用するもので、日本がそれに準じて、原発を再稼働させば、フクシマの二の舞になることは日を見るよりも明らかである。

 政府は風評被害の一言で、原発災害による被害を最小限に過小評価することに腐心し、除染活動もそこそこに、放射能汚染など、どこかに消えてなくなってしまったかのように、故郷の復興だの、絆だのと美辞麗句を並べ立てては、地元住民の帰村を促すプロパガンダを流し続けている、

 しかし、無残に壊れたフクイチの廃炉費用や既にある放射性廃棄物の処分、これから生じるであろう住民の健康被害に対する保障は、原発新設の費用どころの話ではない。気の遠くなるほどべらぼうなコストが発生する。

 安全神話というウソに塗り固められて、日本はこれまで原発というもっとも高コストで、最も危険なエネルギーに多額の血税を注ぎ込んできたが、経団連など、原発推進派が主張する経済性という1点だけをとってみても、原発の将来に未来はないことはもはや歴然としている。

 朝晩は涼しい秋風が吹き、今夏の電力不足のプロパガンダも大嘘であり、原発などに依存しなくても十分に電力が賄えることが明らかになった。日本の国がいつまた大きな激震に見舞われるか全く不測の事態である限り、百害あって一利ない、大飯原発は安全上、直ちに運転停止を行うべきである。

稼働中と運転停止状態で、全電源が喪失するのとでは、前者がはるかにリスクが大きいことは、京大の小出助教が説明するとおりである。

原発災害が起きたときの損失は国民が追い、原発からの利益は株主や銀行や電力会社やそれに群がる白ありが吸い上げるという不公正なシステムが存続し続ける限り、経済性の合わない原発を存続させるための横車がなくなることはない。


Japan Strives to Go Nuclear-Free