今まさに、種蒔きジャーナルが存続の危機を迎えている。3.11以降、政府が情報統制をして、フクイチで起こっている真実を隠蔽し、大本営発表を行っていたさなか、薔薇っ子はある政府関係者の勧めで小出裕章氏の「非公式まとめ」のブログに掲載されている情報が専門的な知見を備え、信頼性に足るものであることを知り、以来、政府発表や御用学者の見解や東電の説明に疑問を抱くたびに、小出氏の非公式ブログを見るようになった。
小出氏の説明は常に論理的かつ科学的で、素人目にも怪しいと見え見えにわかるような稚拙な説明をされることは一度もなかった。そして「非公式まとめ」の多くが、MBSの種蒔きジャーナルというラジオ番組における小出氏の発言をもとに構成されていることを知った。
東電や政府や大型メディアが一体化して、フクイチの原発災害を小さく見せようとする中、種蒔きジャーナルは、震災後日が経つに連れて、小出氏の出番が少なくなっていったとはいえ、1年半にわたって、視聴者のために、原発災害やエネルギー問題について、原子力ムラのシロアリ軍団に染まらない信念のある科学者の見解を尊重し、報道し続けてきた。
原発のからくりについては、震災後、ジャーナリストや各方面の専門家が著書の出版という形で、これまで視聴者に知らされず隠蔽された真実を掘り起こしてはいる。
しかし、国民の原発に対する不安や国の原発政策、エネルギー政策、御用学者や大型メディアの原発報道に対する不信感は、3.11以降、増幅するばかりであり、十分な説明もなく、五月雨式にぽつり、ぽつりと伝えられる放射能汚染や除染、瓦礫処理、健康被害、廃棄物処理、エネルギー問題などの情報に対して、国民の健康、安全という視点から、しっかりとした専門性と、倫理観を兼ね備えた専門家による一分のごまかしもないニュース解説が、視聴者にとって必要不可欠なものとなったのである。
国会の事故調査委員会はフクイチの原発災害は終わっていないと結論づけた。我々はまだフクイチの原発災害が収束しない、不安な状況の中に置かれているのである。にもかかわらず、2012年の3月以降、異彩を放っていた朝日ニュースターの「ニュースの深層」も早々と骨抜きになってしまった。
日本の大型メディアが、いずこも右並びで、だらしなく電力会社や原発関連企業、大企業にしっぽを振り、一部の人間の既得権益を守るために原発災害を過少に見せ、フクイチの大災害を風化させてしまおうという大きな勢力の中にすっぽり取り込まれている中、MBSの種蒔きジャーナルだけは、毅然として、日本のジャーナリズムがまだ死んでいないことを、国内外に知らしめるためにも、是が非でも存続させる必要がある。
前のブログにも書いたが、いよいよ番組の存続が危ないらしく、9月7日午後7時から、この番組をサポートする人たちが番組存続をお願いするためにMBS前に再度集合することを呼びかけている。
今こそ、私たちは一視聴者として、金の力で歪曲された放送番組ではなく、真実に基づいたまともな放送番組を求めていきたいという強い意思を、しっかり示していくべき時である。視聴者あっての、メディアなのだからーー。
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