2012年1月17日火曜日

いつまで居座るつもりですか?

しばらく日本を離れている間に、とっくに首の挿げ替えがあると思っていたが、同じ人間が3.11以降もまだ同じ地位に居座っていることを知ってあいた口が塞がらなかった。

その人の名は言わずと知れば、斑目春樹原子力安全委員会委員長である。

こんな甚大な人災を引き起こし放射能物質を日本中にまき散らしっぱなしにしておきながら、自分たちには、電気料金を値上げする権利があるなどと宣う東電の経営陣も最悪だが、保安院や安全委員会のひどさも、甲乙つけがたい。原子炉のもっとも基本的な、中学生にもわかるようなメカニズムさえ誰も理解できず、そのために適切な指示を現場に与えることができず、水素爆発、メルトダウンに陥ったことは周知のとおりである。そのせいで未曽有の高濃度放射性物質を全国各地に放出させ、その事実を把握しながら隠蔽するよう指示を出した張本人が、臆面もなく、今も安全委員会のトップの座に君臨し、政治家も官僚も法律家もメディアもその事実を黙認し続けているのである。なんという情けない国、こんな国の国民でいることが情けなく、恥ずかしい。

原発事故調査委員会は先ごろ中間報告を出した。この委員会には最初から期待していなかったが、委員長の畑村氏は、東電が想定外だといって、想定すべき事柄を想定しなかったことに問題があるとは一応認めながらも、それはあとになってはじめて言えることであって、原発災害の前には想定できなかったのはやむを得ないと言わんばかり、東電に大変同情的な見解を示した。

しかし、そんなことが認められていたら、世の中の安全対策を怠った企業は、業務上過失傷害に問われず、無罪放免になってしまう。どうして定期点検をしなかったのか、耐震工事をしなかったのか、消毒をしなかったのか、と責められたときに、まさかそんな事故が起こると思っていなかった、雨さえ降らねければ、風さえ吹かなければ、津波さえこなければ、病原菌さえ繁殖しなければ。そんな言い逃れを認めていたら、世の中デタラメがまかり通ることになる。

WSJによれば、日本の老朽原発には、結局電力会社が、何だかんだ理屈をつけて延長を申し入れれば60年もの運転を認めること、新しく設置される安全庁には事故調査権を与えることが法案の骨子として決まったそうである。この安全庁の専門委員会のメンバーにはまた斑目氏や彼のお仲間の原子力ムラの住人が就任するのだろうか。

いい加減にしてもらいたい。東電は4月から企業の電気料金を17%値上げをし、4000億円増を見込むという。家庭向けの電気料金は反対が多いので、様子を見て値上げを検討中だという。家庭向け料金はまだ値上げしていないよとでも言いたいのだろうが、企業の電気料金の値上げは、商品のコストに確実に跳ね返る。企業の電気料金値上げの直接の犠牲者は消費者に他ならないことを忘れてもらっては困る。

東電はまだまだ人件費を削減し、さっさと送電網を売り払うことで、徹底的に企業努力をすべきである。発送電を分離させ、電力の自由化さえ円滑に行われれば、東電がつぶれようが、どこがつぶれようが、消費者には関係ない。この時代に、私企業が地域独占を当たり前のように行っていること自体が電力の安定供給を脅かす最大の問題なのだから。

以下WSJ,、金子勝氏のブログ、ブルームバーグの記事を転載する。

http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_376576


監視機関に事故調査権=老朽原発、最長60年運転―原子力安全改革法案骨子

2012年 1月 17日  21:26 JST



政府は17日、経済産業省原子力安全・保安院に代わる原子力規制機関として環境省に「原子力安全庁」を設置することや、防災対策の強化などを盛り込んだ原子力安全改革法案の骨子を公表した。安全庁を監視する機関として新設される「原子力安全調査委員会」に事故調査権限を持たせるほか、防災訓練への関与を強めるなど防災対策を強化。原発の運転期間を原則40年とする一方要件を満たせば最長でさらに20年運転可能とした。
改革法案は、原子力の利用と規制の分離を念頭に、原子力基本法や原子炉等規制法など20以上の法律を改正。月内にも閣議決定し、次期通常国会に提出する。 
[時事通信社]
金子勝氏のブログより



東電清水、保安員寺坂、安全委員班目のそろい踏みの懐かしいyoutubeもありました。ひどい連中であきれます 。班目委員長を解任すると、Speedi隠しについて民主党内閣の責任問題が浮上するので、原子力安全委員会全体を衣替えするまで続投?
18時間前 webから



その班目氏が1月13日付朝日新聞でまた「原発のプラントが今後どうなるかを予測できる人間は、私しかいなかった。その私にSPEEDIのことも全部やれっていうんですか。超スーパーマンならできるかもしれませんけど」と放言。この無責任男がまだ原子力安全委員長のままでいるノダラメ内閣です。

18時間前 webから



東電:4月から企業の電気料金17%値上げへ-4000億円増見込む(2)

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  1月17日(ブルームバーグ):東京電力は17日、4月から企業向け電気料金を平均で17%引き上げると発表した。東電の西沢俊夫社長は記者会見で「今回の値上げで約4000億円の収入増を見込む」と語った。
発表によると、値上げ幅は契約電力によって異なるが、大口向けの百貨店・大規模事務所ビルなどで1キロワット時2円58銭(18.1%)、スーパーなど中小企業向けは同2円61銭(13.4%)となる。
  西沢社長は「苦渋の決断だが、値上げをお願いせざるを得ない。現状のままでは経営がさらに悪化し、燃料調達にも支障をきたし、引いては電力の安定供給にも影響を及ぼしかねない」と値上げの背景を説明した。
その上で「引き続き経営の効率化、合理化のさらなる徹底にグループ一丸となって最大限取り組む。お客様には誠に申し訳ないが、なにとぞ、ご理解を賜りたい」と語った。
  今回の値上げは12年度にまかなうことのできない燃料費負担を補う狙いという。前提として12年度に役員報酬や給与の削減による人件費カット、取引関係や発注方法の見直しなどによる費用削減で1934億円の経営効率化を織り込んだ。賠償費用や福島原発の廃炉費用などの影響は織り込んでいない。
東電は福島第一原子力発電所の事故以降、原発の稼働停止により代替の火力発電所の燃料費負担が11年度には8300億円程度に膨らむ見通し。3月には柏崎刈羽原発(新潟県)の原発も稼働を停止する予定で、12年度は全原発が稼働停止することを想定している。
今回の値上げによる12年度の業績への影響については「自由化部門の値上げだけで赤字を脱却できるのかと言えば非常に厳しい」と述べた。
東電の電力供給のうち約6割が今回の料金値上げを適用した自由化部門。残りの4割に当たる政府の認可が必要な家庭向け電気料金の値上げ申請については原子力損害賠償機構とともに3月にまとめる総合特別事業計画の策定に合わせて「いろいろ経営として判断していきたい。検討を詰めている」と語った。公的資金の注入の可能性についても同計画の中で検討するとした。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 鈴木偉知郎 Ichiro Suzukiisuzuki@bloomberg.net東京 稲島剛史 Tsuyoshi Inajimatinajima@bloomberg.net

2012年1月15日日曜日

増税の前にやるべきことがあるのでは?

野田内閣は将来のビジョンも何もなく、ただ財務省のいいなりになり、増税をし、原子力ムラや財界のご機嫌をとって原発を再稼働すれば、それで立派に使命を果たすことになると思っているらしいが、思い込み違いも甚だしい。

むろん彼らが、政治的使命云々などということではなく、官僚や組合の機嫌を損ねれば、自らの地位が脅かされるという恐怖心だけで動いているに過ぎないことは自明であるがーー。わずかでも政治的使命を感じているならば、どんなことがあっても、できるだけの努力をして、政権確保の決め手となった選挙公約だけは死守するはずであるからーー。

古賀茂明氏は、増税をしなければギリシャへの道は正しくない。ギリシャは20%の増税をしたけれども破綻した。ギリシャは稼ぐ力がないから、経済力がないから破綻したに過ぎないという。

日本政府もギリシャにならって、増税だけに血まなこになって、原発産業など大企業や官僚の既得権益ばかりを擁護し、慶大の金子勝氏が言うように、国の未来を創るための決定打となるような、経済再生の抜本的な経済政策を、今のように全く何一つ発動せず、手を拱いていれば、たとえ何10%の増税をしたところで、確実に破綻の道に突き進むことになるに違いない。

増税は確実にただでさえ縮小している日本経済の萎縮に拍車をかける。

一時期あれほど、大きな話題となっていた公務員宿舎廃止もわずか25%の廃止で手打ちになり、特別会計や歳費の無駄遣いについても、全く追求されなくなってしまった。今はもっぱら、公務員の給料削減と国会議員の定数削減が話題になっているが、国会議員が自らの身を切るような抜本的な改革をするはずがない。

結局のところ末端の、一般サラリーマンより薄給で、汗水たらして国民のためにこつこつ働いているような公務員の給料がカットされ、それで国民の怒りの鉾を収めさせようという腹積もりなのだろうか。

そんなことをする前に、まず霞が関官僚と国会議員の宿舎を一部の例外全面的に撤廃し、霞が関にはびこる幹部職官僚の天下りを廃止し、彼らと国会議員の給料、賞与、退職金を大幅にカットすべきなのではないか。

むろん、無駄な歳費のカットは徹底的にやるべきである、それこそが民主党の公約だったのではないのか。増税をするならば、東日本大震災で焼け太りをして多額の利益を出している企業にそれを求めるべきではないのか。

以下古賀氏のスピーチの一部と金子氏のツイッターを転載する。

金子勝氏のツイッターより

TPP論議を見ても、原発事故後のエネルギー論議をみていても、日本は本当に戦略的に未来を創ろうとする発想がありません。サラリーマン経営者、そしてサラリーマン官僚たちが過去の失敗を取り繕うに精一杯という感じ。このままでは、エネルギー転換でも、米中の谷間で沈んでいきそうで怖い。
22時間前 webから


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/26804
                                                                         2012年1月6日
古賀茂明「増税こそがギリシャの道。消費税率引き上げの前に「戦う成長戦略」で日本再生を」


講演録後編より抜粋


最近話題になっている例えば年金と定年延長の話とか、あるいは復興増税も含め財政の問題、こういうことの関連で「成長をどう考えるか」ということをお話ししておきたいと思います。

 よく財務省は「日本は1千兆円の借金があって借金で首が回らない。このまま行くとギリシャになる。だから先のことを考えてやはり増税が必要なんだ」と言っています最近は財務省の幹部が何人もぞろぞろ揃って、各新聞社・テレビ局を回っています。各新聞社は論説委員のエライ方から、何人も集まって、財務省の幹部から御高説を賜る。そういうことをやってます。
 新聞もかなり色が分かれているので、皆さん、読んでいる新聞が違うと、隣の人と全然違う世界に住んでいる可能性があるんですよ。最近、産経新聞もかなり増税反対のキャンペーンを相当強烈にやって、国税が調査に入りました。それくらい財務省は一生懸命、増税、増税と言っているんですね。

稼がないから借金が返せない

 「ギリシャにならないために増税」「将来の安心のために増税」っていうキャッチフレーズで、何となく国民の皆さんもやっぱり財政が大変だという理解はある程度深まっている。「やっぱり増税、しょうがないな」と思っている方も多いと思うんですね。ですが、私が今日申し上げたいのはいまのまま増税していけば確実に「ギリシャへの道」だということです。つまり財務省は「ギリシャにならないために増税だ」と言っていますが、私は「いまのまま増税すればギリシャへの道だ」と反対のことを言っています。
 その意味するところは、いまギリシャはどうなっているのか見ていただければ分かると思います借金が嵩んで返せなくなった。ドイツとフランスが助けてくれない限り破綻です、というところに追い詰められているわけです。では、ギリシャは増税しなかったのかというと、ちゃんと消費税を上げています。20%になっています。もっと上げろと言われていますが、すでにこれ以上上げられませんというところまで上がっています。
 よくギリシャは公務員の数が多いと言われています。メチャクチャ多いので、公務員のリストラをやると言われています。それからムダな歳出が多い年金カットしろといろいろ言われてます。それらすべてをやりましょうということになっている。でも、それで財政が再建できると思っている人は誰もいないんですよ。マーケットは、そんなことやったって焼け石に水だということをよく分かっています。だから、破綻に追い込まれたんです。
 なぜそんなのでは駄目だって言っているかというと、ギリシャには稼ぐ力がないんです。借金は大きくたって何の問題もないんです、返せれば。大きな企業で何兆円も借金している企業はたくさんあります。でもそれを返せるだけ稼いでいるんです。だから借金が大きいから潰れるっていうことはないんです。国の経済もまったく同じです。借金が大きいから潰れるんじゃなくて、返せないから潰れるんですね。
日本の場合は、もちろん借り過ぎだとは思います。じゃ、借り過ぎちゃった場合にどうすれば返せるのか。もちろんムダも省かなくちゃいけないし公務員改革とかリストラもやらなくちゃいけない。しかし、それだけではだめです。借金を少しでも減らしていくためにどうすればいいのか。
 結局、日本はいま稼げなくなっているんですよ、それが最大の問題なんですね。ついこの間まで消費税を1%上げれば2・5兆円税収が入るといわれた。消費税1%=2・5兆円と、覚えやすい数字だったので記憶されていると思いますが、実はいまはもう1%上げても2・1兆円しか入らないんです。なぜかというと、この20年間ずっと日本の経済はデフレで縮小しているんですね。
 「成長」と言うとき、よく「実質経済成長率」というのを使います。実質経済成長率というのは要するに物価上昇分を差し引いた伸び率のことです。その差し引く物価上昇率がマイナスなんです。マイナスを差し引くからプラスになっちゃっう。物価が下がった分、成長が大きく見えるんですね。ところが、我々が普段おカネのやり取りをしている現実の世界においてはずっと日本の経済は縮小しているんです。だから消費税を1%上げても、昔だったら2・5兆円増えたけど、いまは2・1兆円しか増えない、そういうふうになっている。

消費税を20%にしても追いつかない

 そういう中でいま財務省は増税をしようとしています。そうすると経済はもっと縮小していきます。で、また税収は減ります。足りないからまた増税します、とやっていって消費税を20%まで上げるという。プラス15%の増税です。15%の増税で、仮に1%=2兆円としても30兆円です。
 今年の国債発行額は44兆円ですから、消費税を20%にしても国債の発行をゼロにはできない。つまり借金は減らないんです。25%にしてぎりぎりトントン。借金を減らすんだったら30%くらいにしなきゃいけない。所得税とか年金とか払った上に、更に3割消費税に持っていかれます。こういう世界で財政再建をしましょうということになるんです。
 私が言いたいのは、「そんなやり方ではなくて、稼げるようにしなくちゃいけないでしょ」ということなんですね。
エネルギー分野もそうです。「これから原発に頼らない。二酸化炭素を減らさなくてはいけない。だから再生可能エネルギーをどんどん増やさなくてはいけない。この分野もものすごく伸びるんです」と。
けれども、よく考えると、この分野って全部企業が自由に活動できないんですよ。
 だからそれをもっともっと自由にすればいいんですけど、じゃ、どうやって自由にするんですか。自由にしたら困る人たちがたくさんいます。農業なら農協がいる、医療だったら医師会がある、エネルギーなら強力な電力会社が立ちはだかります。それが怖くて自民党は改革に手を付けられなかったんですよ。だから知らないうちにずっと日本の経済が沈んでいたんです。

戦う成長戦略を実現してほしい

 政権交代のまえは民主党なら柵(しがらみ)がないからできるんじゃないかと、みんな思った。ところが幹事長室に陳情の窓口を作ったら一番に並んだのが農協で、二番は医師会だという笑い話もあるんです。結局戦えなくなっちゃった。組合もいますしね。強いところと戦えない。
 だから財務省は、民主党、自民党に「是非、消費税を上げてください」と言いに行く。中には、「消費税を上げれば銅像が建つ」って言う政治家もいるんです。消費税を上げるというのは不人気な政策だけれど、でも責任ある政治家は不人気な政策もやらなくちゃいけない、それをやり遂げるのが立派な政治家なんだと思い込んでいるんです。私に言わせるとちゃんちゃらおかしい。
 なぜかというと、戦うべき相手を間違えているからです。強力な既得権グループと戦うのが怖いから、一番弱い消費者を相手に戦って消費税を上げる。つまり普通は「強きを挫き弱きを助ける」、これが正義の政治ですね。それとまったく逆で「強きを守り弱きを叩く」という方向にいっている。
 ですから私は、強いところと戦う勇気を持っている政治家・政党、覚悟を持ってる政治家・政党、そういうところを我々が声を出して・・・、声だけじゃなく、投票だけっていうんじゃなくて、おカネを出さなきゃいけないと思ってます。個人の政治献金ですね。そうやって支援していくことによって本当に日本を変えていく。これが「戦う成長戦略」と私が呼んでいる成長戦略です。バラマキの成長戦略ではなくて「戦う成長戦略」を是非やってほしい。






2012年1月12日木曜日

米専門家「フクイチ、冷温停止宣言で、安全になったわけではない」:コピペ

http://www.cnn.co.jp/special/eq2011/30004950.html


福島第一原発の冷温停止宣言、「安全になったわけではない」と米専門家

2011.12.16 Fri posted at: 18:00 JST
(CNN) 日本政府は16日、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、事故の収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)終了を確認したとして、ステップ2は完了となると発表した。これは原子炉が一定期間、100度以下の温度を保っている状態を示す。

冷温停止の宣言は1つの節目ではあるが、1986年のチェルノブイリ以来最悪となった原発事故の事後処理には、恐らく数十年という年月を要すると専門家は予想する。東京電力の西沢俊夫社長はCNNの取材に対し、まだ終わったというには程遠く、これから先も長期にわたる作業が続くと語った。

米国で原発の運営にかかわった専門家のマイケル・フリードランダー氏は「原子炉が現在のような状態にある中で冷温停止を宣言するのは、現状に対して正当とは言えない。現在の状態が6月に比べて安全になったわけではない」と指摘する。

同氏の予想では、来年には燃料棒を取り出す作業に着手できるかもしれないが、原子炉格納容器に到達できるようになるまでは最大で10年はかかる見通しだ。

1979年にメルトダウン(炉心溶融)事故を起こした米スリーマイル島原発で事故処理に当たったジャック・デバイン氏は福島第一原発について、今後も危険を伴う集中的な作業を要するが、冷温停止によって政府にとっての懸念材料は1つ減ると指摘。原子炉の冷却のためにこれまでのような大量の水を使う必要がなくなれば、汚染された冷却水をめぐる不安も解消されると解説する。ただし「劇的な違いは生じないだろう。ただ徐々に変化が積み重なり、事が容易になっていくだろう」と話している。

ずさん過ぎる検査システム: 何が安全な再稼働ですか?

原発関連施設の唯一の法定検査機関である、原子力安全基盤機講の常勤の検査員の半数以上が、電力会社や原発会社の元OBで成り立ち、機構発足以来、原発事業者の作成した原案を丸写しにした検査マニュアルを使って検査をしてきたことが、第3者委員会によって明らかにされた。

その事実を保安院は十分認識していながらも、黙って見過ごし続けていたという。このほどその事実が明らかにされ、機構に主体的な検査をするよう改善を求めるというが、教育研修の強化とか、事業所との打ち合わせの議事録を作るなど、抜本的な改善にはつながらないような、手緩い提言に留まっている。

一国の法的検査機関に人材がないのならば、それこそアメリカのNRCやドイツの原子力監視委員会のような機関から事業者とは全く利害関係のない検査員を委嘱すれば、いいではないか。

このように初めに再稼働ありきの観点に立った利権絡みの原子力行政の体質を抜本的に改革しない限り、保安院が安全庁に名前を変えようと、第三者委員会がどんな報告や提言をしようと、安全性は経済性、効率性を追求するあまりに疎んぜられ、それが又新たな第2、第3の深刻な災害につながりかねないことをしっかりと心にとどめておくべき必要があるのではないか。

きっちりと地道にこつこつ基礎研究を積み上げ、原子力を完全に科学技術の力でコントロールできるようになったときに、平和利用の方途を考えればよいことだ。今度の災害は、目先の利益につながるテクノロジーばかりを重視し、基礎研究をおろそかにしてきたことの帰結であり、この過ちは、二度と繰り返してはならない。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120111ddm001040005000c.html


原発検査:「丸写し」03年設立以来 第三者委、あす改善要請 報告書「理解と意識、希薄」

 原発関連施設の唯一の法定検査機関で独立行政法人の「原子力安全基盤機構」が、検査対象の事業者の作成した原案を丸写しした検査手順書(要領書)を基に検査している問題で、機構の第三者委員会(委員長・柏木俊彦大宮法科大学院大学長)が、同様の手法が機構発足当初(03年10月)から常態化しているとする調査結果をまとめたことが分かった。第三者委は「信頼に疑念を抱かせる。事業者への依存体質が原因で主体的検査に改善すべきだ」とする報告書を12日、機構に提出する。
 問題は昨年11月、毎日新聞の報道で発覚した。機構側はこれまで「問題ない」との立場だったが大幅な見直しを迫られる。
 学者ら5人で構成する第三者委が検査員への聞き取り調査などを実施。その結果、原発の核燃料を製造・加工する「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(神奈川県横須賀市)に要領書の原案を作成させ、表紙などを差し替えただけの「丸写し要領書」を使った核燃料棒検査が発足当初から続いていることが判明した。
 第三者委の報告書は「検査は安全を担うシステムの一部。事業者に委ねることは許されない」と指摘。要領書さえ見ずに検査・合格させたケースもあることから「何を基準に検査をしているのか。検査への理解と意識の希薄さを示す」と厳しく批判する。
 報告書は関西電力大飯原発の定期検査(09~10年)で、関電の資料の不備を見落とし一部の検査を実施しなかった問題(昨年8月発覚)にも言及し「事業者の検査を形式的に追認していたと思われてもやむを得ない」と指摘。▽緊張関係を保つため事業者との打ち合わせを議事録化して残す▽教育・研修の強化--などを提言する。
 機構は東京電力トラブル隠し(02年8月発覚)で経済産業省原子力安全・保安院が東電による検査結果の改ざんを見抜けなかった教訓から03年10月に設立された4月、保安院を解体して新設される原子力安全庁(仮称)の所管法人に移行するため「検査体制の抜本的な改善も4月以降になる」(機構幹部)という。【川辺康広】
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 ■解説

 ◇検査体制改善は多難

 原発関連施設の検査を巡る問題で、第三者委員会の指摘を受ける独立行政法人「原子力安全基盤機構」は早急に改善を迫られるが、その前途は多難だ。
 機構には昨年11月現在、75人の検査員(非常勤を除く)が在籍する。いわゆる生え抜きは4人に過ぎず、原発メーカーや電力会社など事業者のOBが39人を占め、元々検査で緊張関係が生まれにくい人事構造になっている。65%に当たる49人は50代で、今後次々と退職していく。しかし「待遇が悪いためか新卒者がきてくれない」(機構関係者)といい、人材確保の妙案はない。
 毎日新聞は昨年6月、東京電力福島第1原発の圧力容器の主蒸気逃がし安全弁に対する検査でミスがあり、東電に指摘されるまで気づかなかった問題も報じた。報告書はこれについても「重大な問題」と指摘する予定だ。所管官庁の経済産業省原子力安全・保安院は丸写し問題、検査ミスのいずれについても経緯を把握しながら機構に改善を指導してこなかった。原子力安全庁に移管しても、機構任せでは検査の抜本的な改革は難しい。安全の担保を抜きにした原発の再稼働などあり得ず政府の姿勢が問われている。【川辺康広】
毎日新聞 2012年1月11日 東京朝刊

2012年1月11日水曜日

まともな議論ができるのは、外国人ジャーナリストだけですか?

薔薇っ子は幸いにして、元日海外にいたので、年明け早々から、マグニチュード7の地震に遭遇することはなかった。しかし、原発ムラの住人にとっては、まさに冷や汗のでる瞬間だったのではあるまいか。

にもかかわらず、読売新聞は、政府の原発廃炉40年宣言に対して、原発擁護の立場から、これに真っ向から異論を唱えている。さすがは日本の原発政策を推進した正力松太郎氏の読売新聞だけのことはある。

正月以降の報道に注目しているが、細野氏の突然の廃炉宣言と中間貯蔵地を地元浪江町に依頼したというニュース以外、原発問題、エネルギー問題に関する言及は、とみに少なくなっている。

そのなかで、今日はブルームバーグのペセック氏の記事を転載する。こういうまともな議論を堂々と公然とやってのけることができるジャーナリストは、一部の海外ジャーナリストだけなのだろうか。

もっとましな議論が国じゅうのジャーナリストや有識者の間で、湧き上がっておれば、あえて素人の薔薇っ子のような名もない一市民が、こんなブログを書き綴って、ごまめの歯切りをする必要もなかっただろうに。。。

安全神話も、コスト安の神話も崩れ去った後、何かと言うと、安定した電力供給ができるのは、唯一原発だけであるというところに話は収斂する。しかし果たしてそうだろうか。代替エネルギー資源開発を阻み、電力の自由化やそれを促すようなシステム作りに歯止めをかけようとする見えざる手が大きく作用しているから、そうならざるをえないだけのことではないのか。

従来日本は何かと言うと欧米に追従し発展成長してきた。特にここ60数年間はアメリカ追従傾向が顕著で、原発もまさにアメリカ直輸入の技術であったわけだが、日本は、トイレのないマンションをこれからも永々と作り続け、廃棄物をあちこちに投棄することができる広い国土を有する国の猿真似をすることからそろそろ卒業し、地震国でもないのに、フクシマを教訓にして、果敢にも脱原発を宣言し、それに向かって突き進んでいるドイツを見習うべきではないのか。

世界トップレベルの安全性を備えた原発の新設をすればいいなどと気安く言うが、僅かなミスでこれだけの甚大な放射能汚染を広げる深刻な事故を引き起こした上、すでに事件後10ヶ月にもなるというのに、フクシマでは未だ4つの原子炉内の詳しい状況すらまともに把握できない、そのような惨憺たる日本の原発技術のレベルでは、いくら世界トップ水準などと豪語してみせたところで、いかほどのものでもないことは、素人目にも明白である。

そんな高い安全性を確保できるような技術が日本にあるというのならば、優秀な技術者の知恵を結集して、明日にでもすべての人がフクシマに戻り、安心して暮らせるような状況に戻して頂きたいものである。事故が起きても、すぐまた元の安全な状態に戻すことができる技術が伴ってこそ、初めて安全性が確保できると言えるのではないか。

以下、ブルームバーグの電子版と読売新聞の社説、電子版,NYTの関連記事を転載する。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXAW9H0D9L3501.html

【コラム】元日の地震で考えた政府と国民の深い断絶-W・ペセック

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  1月5日(ブルームバーグ):元日の地震ほど驚かされるものはない。1月1日に起きたマグニチュード(M)7.0の地震で祝日のまどろみを破られた時、多くの東京都民がそう考えた。
  2011年が終わって喜んでいる先進国があるとすれば、それは日本だ。デフレの深刻化、国債の格下げ、5年間で5人目の首相辞任、世界中の投資家を動揺させたオリンパス問題などがあったものの、3月の大震災と津波、それによって引き起こされた放射能汚染危機は1年で最大のニュースだった。
  12年最初の日に地震が起きた時、すぐに心配になったのは東京電力福島第一原発だ。ありがたいことに、今回、地震は新たな被害をもたらすことはなかった。
  だが、次回はどうだろうか。6月の朝日新聞の世論調査では、74%が全国の原発を段階的に減らし将来は廃止することに賛成と答えている。野田佳彦首相が4日の記者会見で示しているように、政府の対応はそれとは反対のことが進んでいることを示唆している。国民は将来の脱原発を望んでいるのに、政府は電力業界を甘やかす姿勢に戻っている。
  どうしてこんな断絶が起きているのだろうか。日本の原子力産業共同体は、米国の企業と軍とのつながりと全く同じぐらい強力だ。大金が絡んでおり、日本の「原子力村」も守りを固めつつある。菅直人前首相は原子力業界と官僚の癒着を抑える計画を発表したが、その時に菅氏の首相としての政治生命は終わった。
  日本国民に対しもっとふさわしい対応があってしかるべきだ。また、全国の原子炉54基のうち6基しか稼働していない現状についても考えてみるべきだ。苦しい状況が予想され、政府は原発が経済に不可欠だと主張しているものの、日本は原発なしでもそれなりにうまくやっていけることを証明している。
  日本がこれほどの地震大国でなければ、原子力は効率的で費用効果が高く、クリーンだという主張にも、もっと説得力があるかもしれない。原発を全て停止しろとは誰も言っていない。技術者が原子炉を強力な緩衝装置の上に設置するなどしてテロをはじめとするあらゆる潜在的リスクに対応しない限り、原発中心の政策からの脱却が日本の指導者にとっての最優先課題になるだろう。
日本が成長産業を求めているのなら、原発に代わるものを探すことに新たなアイデアや技術革新、投資を集中させるべきではないだろうか。(ウィリアム・ペセック)
(ウィリアム・ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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更新日時: 2012/01/05 13:57 JST

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120107-OYT1T00941.htm


原発の新規制 唐突な「40年で廃炉」の方針(1月8日付・読売社説)

原子力発電所の運転は原則40年以上は認めないことなどを柱とする、原子力安全規制の新方針を政府がまとめた。
これを盛り込んだ原子炉等規制法の改正案を、新たな原子力規制組織である「原子力安全庁」(仮称)の設置法案などとともに、今月召集される通常国会に提出するという。
東京電力福島第一原発の事故の後、福井県など立地自治体から、原発の老朽化を問題視する声が出ていることを重く見た。
海外では、脱原発を掲げる国を除き、法律で原発の「寿命」を規定する例はまれだ。今後の電力供給の在り方を巡る政府内の議論も続いている。唐突すぎないか。
国内では、廃炉となる福島第一原発の4基を除く50基のうち、15基が、すでに運転30年を超えている。うち2基は40年以上だ。原発は急速に減ることになる。
延長申請があれば、老朽化を評価したうえで認める場合もあるとしているが、細野原発相は「極めてハードルが高い」と言う。
事故前、原発は電力供給の約3割を担っていた。それを何で代替するのか。風力発電や太陽光発電では、まだ力不足だ。
廃炉に伴う課題も多い。政府は廃炉費を1基約500億円と試算し、電力会社による費用積立制度も設けている。だが、積み立てが本格化して約10年のため、廃炉が相次ぎ廃棄物が増えると賄えない。専門の人材も少ない。
さらに野田政権は原発輸出を目指している。原発が次々消える国では国際的信用も得られまい。
原発の寿命を定めるのなら、新設に向けた政策を、将来のエネルギー政策と絡め検討すべきだ。世界トップクラスの安全性を備えた原発に置き換えればいい
それまでは、既存の原発を、安全性を十分確認したうえで利用していくことはやむを得ない。
今回の新たな規制方針にも、その条件は盛り込まれている。
まず、原発で大きなトラブルが起きても重大事故につながらないよう、法律で電力会社に対策を求める。最新の安全基準や技術を、既存の原発に、迅速に反映させることを義務づける「バックフィット」という仕組みも導入する。
これらは従来、電力会社が自主的に取り組んできた。だが、それが今回の事故の要因となった。
すでに国内の原発は定期検査で次々に停止しており、再稼働のめどが立っていない。新たな規制方針が、これをさらに遅らせることのないようにしてもらいたい。
(2012年1月8日01時07分  読売新聞)



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Japan: New Limits on Reactors

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Japan said Friday that it will set more stringent age limits on nuclear reactors and require operators to prepare for severe accidents as part of legal changes in the wake of the nuclear crisis at Fukushima. The age limit could also be a step toward fulfilling a government promise to eventually phase out nuclear power in the quake-prone nation. Japan already requires utilities to conduct safety checks on reactors at 30 years, and again at 40 years, to stay in operation. Fresh legislation will set the legal lifespan of reactors at 40 years, though the government will still approve extensions on a case-by-case basis. Excluding the six damaged reactors at the Fukushima Daiichi plant, 13 others in Japan will hit the 40-year limit in the next decade, according to the Ministry of Trade.

2012年1月10日火曜日

原発40年動かしていいルールの妥当性は?

原発廃炉40年ルールについて、新聞各紙の記事を転載した。政府に迎合しているのか、スポンサーの目が怖いのか、甘い、実に読みが甘いのだ。

神戸新聞などは一方では、安全に津波や地震の知見を入れる事の重要性認めながら、40年廃炉ルールが適用され、2050年に原発が全てない国になればいいなどと夢物語のようなことを言っている。今後30年以内に震度8クラス以上の地震が起こる可能性がないと言いきれないような極めて地盤の不安定な国で、これから先、まだ20年も30年も原発を走らせるようなことを認めて評価するというのか。

正常に運転しているものを停止して廃炉にするのと、福島のようにメルトダウンで水素爆発を起し、ぼろぼろになってしまった原子炉を廃炉にするのとでは、かかる費用も、それに従事する人々のリスクも、労力もはるかに違うといわれている。なのに、国や電気会社は、大地震で壊れるリスクを無視して、原発から甘い汁をとことん吸い続けようというのか。

京大の小出氏は、30年だからいいとか、40年だからいいというものではなく、今すぐに廃炉にすべきだと言う。彼の主張は決してぶれない。彼の説明は、いつも理にかなっており、どんな偉い大学教授よりも造詣が深く、的確である。

以下、小出氏のインタビューと各紙の報道を転載する。


http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/01/10/tanemaki-jan9/?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed
1月9日 4号機倒壊の危険性と40年原則廃炉について 小出裕章(MBS)

2012年1月9日(月)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。


(略)

水野「はい。そしてですね。次に伺いたいのは、あのー、原発の稼働40年とする。で、40年経ったらおしまいにする、廃炉にすると、いうことを法で決めますと、いう方針を細野原発大臣が発表いたしました」
小出「はい」
水野「で、国が原発の運転の期間を法で定めるのは、これが初めてということ、なんですね」
小出「はい」
水野「ただこれ、例外で、延長もありうるんだというふうに文言がついております。」
小出「だそうですね」
水野「ええ。これについては小出さんはどんなふうに見ていらっしゃいますか」
小出「えー…私は…もうこの番組でもなんども聞いていただきましたけれども。全ての原子力発電所を、即刻止めるべきだと、言ってきたわけで」
水野「はい」
小出「え…40年経ったからとめろとか、30年でとめろとか。え……そういうふうに言ってきたつもりは、ありません
水野「はい」
小出「新しく動き始めた原子力発電所でも全て止めなければいけないと、私は言ってきたわけですから政府が40年で止める、それも例外を認めるなんて話はですね、私から見ればもう言語道断なことだと思います」
水野「はあー……」
平野「ふんふん。」
水野「あのー、この…例外はね、じゃ、どんなふうに認めるというふうに、ま、今、言ってるのかといいますとね」
小出「はい」
水野「え…電力事業者から申請があったとき、はですね、え…施設自体の老朽化…と、施設を保全できる技術的能力について審査をして、問題がない限り延長を、承認する、ということなんですね」
小出「はい」
水野「で、これ…あの、小出先生からご覧になったら、まあ、小出先生はもう大前提からしておかしいというお考えでは」
小出「そうです」
水野「ありますが」
小出「はい」
水野「本当にこういうことの法…的にね、GOしたときにですよ。え…審査する基準は施設自体が老朽化してないか、そして、え…施設をちゃんとやっていける技術的能力があるかどうか。それで問題がなかったら、っていう、前提なんです。これはどれくらい科学的なものなんですか」
小出「え…福島第一原子力発電所に対しても、国は厳重な安全審査をして、東京電力に技術的な能力がある、老朽化の問題もない、といってお墨付きを与えながらきて、事故になっている、のです」
水野「そうか…はい」
小出「それをいまさらまた偉そうに、国が審査をして安全であることを認めてやるというようなこと言ってるわけで。まずはあなたたちに、全てやめたほうがいいんじゃないですかと私は言いたくなります。
水野「うーん…。あの、これ逆に言うと……ザル法といいますかね」
小出「はい」
水野「あの、例外規定もありますので」
小出「はい」
水野「意味がなさないというようなおそれもあるんじゃないかと」
小出「私から見ればそうですけれども。まあ40年という年限を切ったということが、まあ、みなさんにとっては、真新しく見えるかもしれませんし、まあそれなりの1つのステップを踏んだということは確かにあるとは、思います。でも本当はそんなことではないんだということを、あの、みなさんに分かって欲しいのです」
平野「そうですねえ」
小出「はい」
平野「先生あの、美浜の関電の1号機とか、敦賀の日本原電の1号機の、これもう41年
小出「そうです」
平野「なってるわけですよねえ。」
小出「そうです(※聞き取れず)」
平野「だから40年と本当に切ってやる気があるんであれば、これはもう、先生の先ほど言われた即刻」
小出「そうです」
平野「あの…廃炉ですよね」
小出「そうです」
平野「で、それをやる、なんか覚悟みたいなものがまったくこう、無さそうですし」
小出「はい。また、なんか例外で、生き延びさせようというふうにしてるんだろうなと思いました」
平野「だからまあ逆に言うとまあ再稼働への地ならしみたいな」
小出「はい」
平野「あの…延長容認でですね」
小出「はい」
平野「やる、なんか気配が濃厚ですよね」
小出「そうですね。」
水野「これだって新しい原発も作れそうに、読めますが」
小出「もちろんですねえ」
平野「ええ、まあまあそうですね」
小出「40年間つく…動かしていいよというそういう宣言をしているわけですね」
水野「うーん。今まででもう30年経ったら、10年ごとに運転の延長を国に申請して寿命を伸ばしてきたんですよね。」
小出「はい」
水野「で、これ、法律では決められてはいなかったけど」
小出「はい」
水野「現行はそうだったんですね」
小出「はい」
水野「……ということはなんか逆に30年で申請しなくて、40年まで申請しなくてもいいというふうに私は(笑)、素人ながら読んだんですけど」
小出「まあ…どんなふうにも読めるだろうし、え、国のほうがどんなふうに運用しようと思うかによってすべてが決まってしまうということだと思います」
水野「うーん…。それからこの老朽化ということのメカニズムについて伺いたいんですけどね」
小出「はい」
水野「あの、福島第一原発では運転40年が経過して1号機…」
小出「はい」
水野「の建屋吹っ飛びましたよね」
小出「はい」
水野「水素爆発で」
小出「はい」
水野「しかしながら、東電や保安院は、あの、こう言ってます。老朽化で事故が拡大したというような影響はなかったと」
小出「はい」
水野「いうんですね」
小出「はい」
水野「その、原発ってのは老朽化してもやりよう次第で安全を確保できるんですか」
小出「…えー……、ん、事故というものは、老朽化によって起きる事故もあるし
水野「もあるんですか」
小出「はい。あの、老朽化とも全く関係なく起きる事故も、あるわけですね」
水野「あっ、はい」
小出「例えば。え……人間が遭遇した最大の原子力発電所事故はチェルノブイリ原子力発電所の事故、でしたけれども。あの原子炉はソ連きっての最新鋭の原子力発電所で、2年しか運転していませんでした」
水野「2年でしたか」
小出「はい。で…チェ…その前には米国のスリーマイル島の原子力発電所が事故を起こしたのですが。あの原子力発電所は動き始めて3ヶ月でした(苦笑)。」
水野「…三ヶ月……」
小出「はい。ですから別に老朽化なんてこととは全く関係なく、事故は起きる、のです」
水野「はい」
小出「で…そうではなくて老朽化が原因で起きるということもありまして。え…例えば美浜3号機で、
平野「ふむふむ」
小出「え……2次系の、配管が…破断して…」
水野「はい」
小出「5人の作業員が熱湯を浴びて死ぬというようなことがありました」
水野「はい」
小出「…けれども、アレは、あの…まさに老朽化。え…パイプが、あの…削り取られていって破断をしたということ、でした」
水野「何で削り取られるんですか?」
小出「えーと、これはですね、大変難しいんですけれども」
水野「あ、すいません」
小出「あの…流量を測るためのオリフィスという、そういう測定器があるのですが。そのオリフィスの下流に、冷却水が…渦を巻くんですね。で、その、渦を巻くことによって、え…配管が、まあ、炭素鋼ですけれども、それがあの削り取られていって。えー、どんどんどんどん薄くなっていって、ある時点で耐えられなくなって敗れたというのがあの事故」
水野「はあーー」
小出「でした。ですからそれはまさに、あの、年月の戦いだった…のですけれども。まともな検査もしていなか…いないまま、その…破れるにまかせてしまったという、そういう事故でした」
平野「うん…」
水野「そうか事故はあたらしくても起こるし」
小出「はい」
水野「古くてもまた違う意味でまた起こると。」
小出「そうです。」
水野「はあ」
小出「え…福島第一の場合に老朽化という問題がどこまで、寄与したかということは、え、今のところよく分かりませんし。え、残念ながらそれを調べることもできない
水野「できないですか?」
小出「ようするに近づくことがもうできませんので。事故原因も調べることもできません…できないというそういう状態になっていますので。え…福島に関しては多分わからないまま行くだろうと思います


http://www.47news.jp/47topics/e/224353.php